2010年12月28日
【整理術】『情報整理達人7箇条』水口和彦

情報整理達人7箇条 (SANNO仕事術シリーズ)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、時間管理コンサルタントの水口和彦さんの最新刊。「タイムマネジメント」がお得意の水口さんだけあって、マネジメントするものが「情報」であっても、その切れ味に変わりはありません。
本書は情報整理のための37のコツを、7つのテーマごとに解説。
年末の大掃除とあわせて、机やパソコンの中身の整理も行うのにもオススメな1冊です。

【目次】
第1箇条「まとめる整理」で効率アップをはかるべし
1.現在のビジネスパーソンを悩ませる「整理」
2.整理ベタではもったいない!
3.「情報整理」と「仕事効率」の関係って? ほか
第2箇条 書類はルールをつくって保管すべし
9.仕事の書類を保管する理由
10.二つの整理法
11.共有する書類は組織のルールに従う? ほか
第3箇条 フォルダは2クリックで開くべし
14.ファイル名の付け方を統一しよう
15.種類別整理と案件別整理の両立
16.ファイルの扱い方にルールを設ける ほか
4箇条 情報整理のサイクルをつくるべし
19.情報整理サイクルを確立しよう
20.メール処理のサイクルを作る
21.メールのキュー情報を整理する ほか
第5箇条 整理は節目でもおこなうべし
26.まとめた書類を解体する
27.デスクまわりを整理する
28.デスクまわり整理の裏技 ほか
第6箇条「モジュール化」と「見える化」を活用すべし
30.「モジュール化」で仕事の効率化を高める
31.書類の有無を「見える化」する
32.ビジネスバックを整理して効率アップと忘れ物防止
第7箇条 プライベート情報もしっかり整理すべし
33.プライベートの情報整理が必要な理由
34.ブックマークを整理する
35.メモの習慣を持とう ほか
【所感などなど】
(注)ブログ等で本を紹介する際、著者の水口さんが、内容を列挙するのをあまり好まれないようなので、念のため(?)通常より若干、情報量を抑え目でお送りします。とりあえず、付箋を貼った部分を中心に。
■1.即効性の高い書類の整理方法は「まとめること」
◆水口さんによれば、書類の整理に関して、最も身近で即効性の高い方法は「書類をまとめること」とのこと。
たとえば、書類がただ積みあがっていると、必要な書類を見つけるのに時間がかかりますが、「案件別」に封筒にまとめて、横にラベルを書いておくだけで、探す手間が省けます。
また、まとめてあれば「移動」や「廃棄」の際にも便利。
逆に私が書類を整理する時には、まず「いるかいらないか」「捨てるか捨てないか」を1枚1枚確認し始めてしまうため、やたらと時間がかかるのだと深く反省しました。
■2.「種類別整理」と「案件別整理」を両立させる
◆これはパソコンでのデータのお話。
1つのファイルを「種類別フォルダー」(フォーマット毎等)と「案件別フォルダー」(プロジェクト毎等)のどちらに入れるか迷う場合、まずは「コピーして両方に置く」というやり方が考えられます。
これは私も知っていましたが、本書ではそれとは別に「ショートカットを使う」方法を提案。
この場合、ショートカットでない方のファイルを更新すると、自動的にショートカットの方のファイルまで更新されることになります。
もちろん、元のファイルの置き場所が変わると呼び出せなくなる弱点はありますが、これはぜひ取り入れてみたいところ。
さらに本書では、「選抜フォルダー」という、よく使うファイルを置くやり方も掲載されており、こちらも仕事ではなく「ブログ書き」の方で活用したいと思っております。
■3.メールの内容を案件別フォルダーに移す
◆私はGmailをメインで使っており、必要に応じて検索をかけて対象のメールを引っ張り出して使っていましたが、それは「非効率」である、と。
水口さんの場合、メールの内容を文書ファイルにコピペして、それを案件別フォルダーに保存しているとのこと。
確かに、その案件を処理する場合には、フォルダーも開くわけですから、メール内容も一発で利用できて便利です。
また、水口さんによると、このやり方だと「作業のテンポも良くなる」そう。
こちらも最初だけちょっと手間ですが、それ以上のリターンが望めそうな感じです。
■4.マニュアルはPDFファイルをダウンロードしておく
◆最近のパソコンや周辺機器のマニュアルは、メーカーサイトにPDFファイルでアップされていることが多いもの。
私も急に必要になったマニュアルが見つからず、ダウンロードしたことがありましたが、実際に必要になる前にあらかじめダウンロードしておけば、紙の分厚いマニュアルは不要になります(ただし、一応、紙バージョンを捨てる前に、PDFファイルが同じ内容かを確認しておく必要はあるとのこと)。
ちなみに、滅多に壊れない家電製品の場合、製造中止等になるとメーカーサイトで探すのも大変なので、やはり買ってすぐにダウンロードしておくと良さげ。
もしサイトになくても、それこそ「自炊」しておく意味はありそうですね。
■5.道具類は「モジュール化」して効率性を高める
◆データと違って、文房具等の「道具類」を整理する際は、「収納スペースを重視」するのが普通ですが、場合によってはスペースを犠牲にしても「同じ用途のもの」をひとまとめに保管した方が、効率的になる場合があります。
これがいわゆる「モジュール化」。
デスク周りを整理するときには、この「モジュール化」を意識すると、効率性が高まるそう。
確かに、お礼状を出す際には、それ用のレターセットやら篆刻やらが一箇所にまとまっていた方が作業がラクです。
今まで、特に意識したことはなかったのですが、今後は「置き場所」も含めて考えていくことにします。
【まとめ】
◆最近の風潮(?)か、「メールは整理しないで検索」ですとか、「クラウドで集中管理」と言ったお話をよく見かけるのですが、それに比べると、本書は「情報整理」というテーマに対して、かなり「王道的」でした。例えば、参考文献に挙げられている2冊も、かなりオーソドックス。

「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)

魔法のように片づく!見つかる!超ファイルの技術
また、当たり前かもしれませんが、単に整理するだけではなく、仕事をする上での効率性まで意識されているのが、本書の特長ではないか、と。
実際本書は、「仕事術本」と言ってもよいくらい、「仕事」を意識していました。
◆なお、水口さんご自身は、複数のPCを使い分けないことや、オフラインでも情報を使用したいので、クラウドを活用せず「データは自分のPCに保管している」とのこと。
この辺は、皆さんそれぞれの環境によって、ベストの方法が異なってくると思いますので、正解が1つだけということではないと思います。
私のように、Dropboxは使ってなくとも、とりあえず「何でもかんでもGmailに預けておく」というパターンもありますし。
ですから本書のような「非クラウド」なやり方も、取り入れたいところだけ取り入れて、自分なりの「整理方法」を確立するのがベストではないでしょうか?
……と偉そうなことを言いながらも、本日(28日)は、当事務所の大掃除の日なので、大量の書類と格闘しているワケなんですがw
骨太な整理術の本です!

情報整理達人7箇条 (SANNO仕事術シリーズ)
【関連記事】
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【整理術】「整理HACKS!」小山龍介(2009年06月29日)
【整理術】「もうイライラしない 人生を変える情報整理術」刑部恒男(2009年03月30日)
【編集後記】
◆整理術のついでに、ちょっと気になる本をご紹介。
人生がときめく片づけの魔法
土井英司さんのメルマガで見て、アマゾンに飛んだら在庫切れの巻。

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