2010年12月27日
【アイデア】『自分だけにしか思いつかないアイデアを見つける方法』米光一成
自分だけにしか思いつかないアイデアを見つける方法―“企画の魔眼”を手に入れよう
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、久々のアイデア本。本書の著者である米光一成さんは、『ぷよぷよ』『トレジャーハンターG』『バロック』等に携わられたゲームクリエイターさんです。
アマゾンの内容紹介から。
人気ゲームクリエイターとして活躍中の著者が、クリエイティブシンキングのノウハウを紹介する本。著者の表現力、発想力に関する講義をベースに、一般向けに具体例を交えてやさしく解説します。実際の講義をベースにしているだけあって、実践してナンボの1冊です!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1章 発想の本質をつかむ
第2章 イメージを明確にする
第3章 自分だけの「切り口」を手に入れる
第4章 課題と自分を結びつける
第5章 アイデアを練り上げ、企画を育てる
第6章 会議・プレゼン
【ポイント】
■1.発想には日々のトレーニングが必要あっという間に発想が湧き出る方法。そんなことはありえない。
週1回の練習では良い野球選手になれない。発想だって同じこと。にもかかわらず本屋には、ちょっとしたコツや工夫でアイデアが湧き出るようになると主張する嘘つき本がたくさん並んでいる。そのような虚妄にすがるのをやめて、体質と環境を整えていく覚悟ができた者だけが、発想と実行の良いループを昇っていくことができる。
■2.4つに分けて考える
何かかを考えなくてはならないすべての場面で、この4分割の手法は使える。与えられた範囲が広すぎる場合、その広い範囲で孝えると、ポイントが見つけにくくなる。分割し、絞って、そこから考えていくのがコツ。
ポンと大きなテーマが浮かんだときは、まず「・」を4つ打ってみる。それから、4つに分けて考える。4つ分割した中から、気になるものを選んで、また「・」を打つ。また4分割していく。そうやって、ぼんやりしたテーマにフォーカスを当てて、その範囲内で考えるクセをつけよう。
■3.「パックマン」誕生の影に「一切れだけ食べた残りのピザ」あり
岩谷さんは、「ゲーム」「食べる」という視点で世界を見ていた。自分の切り口を持ち、意識のアンテナを常に張っていた。だからこそ、単なるピザから世界的なキャラクターが生まれたのだ。ぼんやりとしていては、ピザはただのピザだ。どんな切り口で世界を見るか。それを定めることからはじまる。
パックマンのゲーム学入門
■4.世界に対して常に質問し続ける
発想がひらめくためには、「世界に対して常に質問し続ける」姿勢が大切だ。あれこれ悩んでいるときは、つらい。だが、悩みがあって、解決したいという思いがあるからこそ、我々は発想できる。
「世界に対して常に質問し続ける姿勢」
を持つために、今の自分はどのような状態か、自分がやりたいことは何か、自分が何を切り口にして世界を見るべきなのか、そこを掘り起こしていく。
■5.「自分マトリクス」トレーニング法
自分の切り口を見つけるトレーニング「自分マトリクス」は、1枚の紙とぺンさえあればできる。A4サイズの紙を用意し、中央に自分の名前を書く。名前の周囲をぐるりと線で囲む。その後、「自分に関連するキーワード」を書き出す。
制限時間は5分間。だらだらとやらないのがコツだ。制限時間を設けて、その時間は集中してキーワードを書き出すこと。
どんなキーワードを書き出せばいいのか。
・関心や興味があること
・自分に影響を与えたもの
・長い時間やっていること
など。とにかく頭に浮かんだものを書き出していけばいい。(詳細は本書を)
■6.「自分探し」は「自分マトリクス」で
実際に自分マトリクスを書いた人は実感しているだろう。一度言葉にして、書き出すことで、曖昧だったことや、漠然としていたことが、クリアになって、客観視されることを。(中略)
自分探しをするために旅をする必要はない。そもそも旅は自分や日常から切り離された場だ。どちらかというと自分から一度離れるためにやるものだろう。
自分のことを振り返り、客観的に見るための方法のひとつとして、自分マトリクスを書くことをオススメする。
■7.共通点を見つける能力を磨く
アイデアがどんどん出る人や仕事が一緒にしやすい人、意見のキャッチボールがスムーズにできる人が持っている根源的な能力とは何か。いくつかの能力があるだろうけれど、そのうちのひとつが、「共通点を見つける能力」だ。
アイデアを出したときに「その方法はダメだよ」「無理だよ」といった拒否しか表明しない。こうしたネガティブな人とは仕事がやりにくいし、アイデアや意見も言いにくくなる。でも、実は彼らは意地悪をしているわけではない。自分の意見との共通点を見つけることができず、つい自分を防衛するために拒否しているだけなのだ。
【感想】
◆本書は冒頭で申し上げたように、著者の米光さんの講座をベースにしています。それゆえに、上記で抜き出したポイントも、その課題やトレーニングの一部分だったりするため、単独で評価をするのは難しいところ。
それでも「ムムム」と来たり、「なるほど!」と腑に落ちた部分を中心にご紹介してみました。
もちろん、本書の本当の価値は、指示された課題をこなした上で分かりうるものだとは思いますが。
◆私もどこまで続けられるか分からないものの、さっそく「10日間でできる弾丸化トレーニング」の1日目の課題に挑戦。
●1日目:「自分を4つのキーワードに分解する」
そこはかとなく読める程度の大きさでw
こういうのも、本で先を読んじゃってから書くのとそうでないのとで違ってくるような気もしますけど、今の私はこんな感じ。
こちらは10日間の課題ですが、他にも「切り口を持つまでの5日間の日程表」などもあります。
いずれも1日10分程度でこなせるようになっていますので、ぜひトライしてみて下さい。
◆また本書は、下の方にスペースをとって、そこで本文中に登場する書籍や、関連書籍を掲載。
その中からご紹介済みのものや、気になる本を何冊か挙げておきます。
広告コピーってこう書くんだ!読本
【スゴ本!】「広告コピーってこう書くんだ!読本」谷山雅計(2008年01月15日)
ザグを探せ! 最強のブランドをつくるために
考具 ―考えるための道具、持っていますか?
「考具」 加藤昌治 (著)(2005年02月16日)
横井軍平ゲーム館 RETURNS ─ゲームボーイを生んだ発想力
考えないヒント―アイデアはこうして生まれる (幻冬舎新書)
「考えないヒント」小山薫堂(2006年12月05日)
初っ端の『広告コピーってこう書くんだ!読本』は激オススメなんですが、なぜか絶版(?)のよう。
未読の方は、マーケットプレイスに在庫があるうちにアマゾンアタックを推奨しておきます。
◆本書のタイトルには「自分だけにしか思いつかないアイデア」とありますが、それに関しては、アイデアのキモとなる「切り口」の見つけ方の部分を読んで納得。
キチンと書くと長くなるので詳細はカットしますが、「自分マトリクス」も使う以上、それらはすべて「自分ごと」とならざるを得ないんですね。
そして、ポイントの最初に挙げたように、「近道」もありません。
あとがきによれば、米光さんは、本書のために収録しているトレーニングを全部通してやってみたところ、「発想がつぎつぎと降りてきた」のだそう。
…これは明日以降も続けなければ。
発想体質になるために!
自分だけにしか思いつかないアイデアを見つける方法―“企画の魔眼”を手に入れよう
【関連記事】
【オススメ】『スイッチ! 「変われない」を変える方法』チップ・ハース, ダン・ハース(2010年08月11日)【スゴ本】「ゲームデザイン脳 ―桝田省治の発想とワザ」桝田省治(2010年03月21日)
【再録】★「ハンバーガーを待つ3分間の値段」斎藤由多加 (著)(2006年01月18日)
【スゴ本!】「広告コピーってこう書くんだ!読本」谷山雅計(2008年01月15日)
【DS&Wii】「ゲームニクスとは何か」サイトウ・アキヒロ(2007年08月22日)
【編集後記】
◆最近我が家でブームなのがこちら。NEWミニ黒ひげ危機一発
こんなに安くていいのか、という感じですが、子供たちのビビり具合が見ていて面白いですw
「待てよ?ドキドキ感を味わうと恋愛感情に結びつきやすいから、これってモテネタ?」と思ってしまう私は、上記の課題の4つのキーワードに「モテネタ」も挙げるべきだったかw
ご声援ありがとうございました!
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