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2010年12月20日

そろそろ『最高齢プロフェッショナルの教え』について一言いっとくか


最高齢プロフェッショナルの教え
最高齢プロフェッショナルの教え


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、タイトル通り各分野における「先達」の皆さんの貴重な教え。

まともにお名前を存じているのが、アンパンマンでお馴染みのやなせたかし先生だけだったので、それほど期待しないで読み始めた(サーセンw)のですが、あにはからんや

先日の記事でも「継続することが大事」と学んだばかりですが、本書に登場される皆さんは、継続することにかけては超人級ですし、それ以外にも「仕事」「人生」に関するヒントが多々。

思わず付箋も貼りまくりました!

なお、こんな真面目な本なのに、タイトルが「ホッテントリメーカー」作なのは、ご愛嬌ということでw

101226追記:
珍しく弾さんを先んじたんですが、ジョブズ動画がかぶっとる(使いどころ違いますが)w


天職に定年はない - 書評 - 最高齢のプロフェッショナルの教え:404 Blog Not Found


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【目次】

◆91歳 現役最高齢「漫画家」やなせたかし

◆88歳 現役最高齢「パイロット」高橋淳

◆78歳 現役最高齢「ギター職人」矢入一男

◆96歳 現役最高齢「喫茶店店主」関口一郎 

◆85歳 現役最高齢「落語家」桂米丸

◆83歳 現役最高齢「ライフセーバー」本間錦一

◆93歳 現役最高齢「スキーヤー」高橋巌夫 

◆89歳 現役最高齢「ピアニスト」室井摩耶子

◆82歳 現役最高齢「花火職人」小口昭三

◆84歳 現役最高齢「杜氏」継枝邑一

◆90歳 現役最高齢「DJ」安藤延夫

◆90歳 現役最高齢「バーテンダー」山﨑達郎

◆51歳 現役最高齢「JRA騎手」安藤光彰

◆83歳 現役最高齢「洋樽職人」斎藤光雄

◆103歳 現役最高齢「声楽家」嘉納愛子


【ポイント】(敬称略)

■1.今は役立たない経験も自分の血や肉になる(やなせたかし)
 テレビやラジオの台本を書いていたころは、自分のしたい仕事と違ったことをしているという気持ちがあったのだけど、今思えばその経験が、すごく役に立っています。僕は「アンパンマン」のアニメのシナリオもパパッと読めるし、直せちゃう。
 もし、今の仕事に不満を持っている人がいたら、「こんな仕事、自分のやる仕事じゃない」なんて言わずに、何でもやっておくといい。その経験はすぐに役立つものではないかもしれないけれど、すべて自分の血や肉になっている。5年後、10年後、20年後に「あのときの経験が、今、生きているんだな」と思えるときがやってきます。


■2.「なぜ、なぜ」と深堀りする癖をつける(関口一郎)
 ものごとは「なぜ? なぜ?」と掘り下げていくうちに、面白くなっていくもの。それが、好きになるということじゃないかな。何かに興味を持ったとしても「ちよっと覗いてみた」というだけじゃ、好きになるまでにはいかない。
 いつも好奇心を持って「なぜ」と掘り下げて追求する癖をつけることです。掘り下げたことが仕事に結びつかなかったとしても、いいんです。あとで必ず自分の戦力になるから。


■3.失敗してもあきらめず、最後までやり通す(本間錦一)
 毎年、若い学生たちを指導しているけれど、今の若い者は、あきらめが早くて努力が足りないのが気になるね。自分自身を振り返って思うんですが、やはり、「継続は力なり」という言葉は本当なんですよ。何でもいいから、好きなことや特技を見つけたら、そこに集中して、初心を忘れず継続していかなきゃだめなんだ。失敗してもへこたれず、前向きにまっすぐ進んで、最後までやり通す。自分に自信を持ってね。
 自信を持つためには、自分に克とうという克己心を持つこと。そして、他人をうらやましがる前に、自分で努力すること。私は、それをひたすら続けてきたように思います。


■4."体験のズダ袋"を作る(室井摩耶子)
 体験というのはとても大事なものです。私はよく「"体験のズダ袋"をつくって入れておくといい」と若い人に話します。私自身、ドイツ留学で教わったこと、演奏会で心を揺さぶられたことなどを何でも"音楽のズダ袋"の中に入れています。それで必要なときに、ズダ袋をかき分けて取り出しているんです。このズダ袋は、私の音楽を支える土台と言えるかもしれません。


■5.つらくて辞めたくなったら「あと、2日だけやろう」と考える(継枝邑一)
 どんな仕事であっても、最初は大変でつまらないものです。やりたい仕事であったとしても同じです。でも、いくらつまらなくともそこで与えられた仕事を一生懸命やらなければ将来はありません。
 もし辛くて辞めたくなったときは、「あと2日だけ、やろう」と頑張ってみてください。2日たったら「あと3日いてみよう」、その次は「1週間がんばろう」。いつの間にか仕事に慣れて辛くなくなります。そうやって腰を据えて頑張っていれば、どんな仕事でも一人前になることは可能です。


■6.心をこめて仕事をする(安藤延夫)
私が若い人に一番言いたいことは、何事も心をもって行いなさいということ。上司とうまくいかないという若い人多いでしよ。あの野郎とかこの野郎という思いは捨てて、「自分はいたりませんけれど、よろしくお願いします」と心から頭を下げるんです。そうすれば必死さが伝わりますから、認めてもらえます。自然といい関係になっていくんです。心をこめて仕事をしている人は行き詰まるということがありません。必ず成功する。世の中はそう捨てたもんじゃない。


■7.現在の自分は過去にしてきたことの結果にすぎない(山﨑達郎)
 確かに今は不景気だから、苦しい立場にいる人も多いかもしれません。でも現在、自分が辛い状況にあるのは、世の中のせいではありません。過去に自分がしてきたことの結果に過ぎないんです。だから、毎日毎日「明日は、きっとよくなる」と考え、今できることを精一杯やることが大事なんです。そうすれば、物事は必ずいい方向へ向かっていきます。それこそ、ピンチが訪れても、チャンスに変わっていくんです。


■8.「人と違う」ところに注目する(安藤光彰)
 今は情報があふれていますから、職業をどう選んでいいか迷う人も多いでしょう。それなら「他人より優れているところ」を軸に選んでみるといいと思います。誰にだってひとつぐらいあるはずです。もし思いつかなければ、「人と違う」というところでもいい。
 例えば、僕の場合は「身体が小さい」ということでした。身体が小さいから騎手に向いていた。普通なら身体が小さいというのはコンプレックスになるかもしれませんが、プラスに考えてみたら「強み」に変わっていったんです。一見、弱点だと思うことでも、生かせる場は必ずある。マイナスは考え方ひとつでプラスになる、ということですね。


【感想】

◆上記で挙げたポイントは、私にとってはいずれも「深い」お言葉ばかり。

さすがに伊達にお年を取られてないというか、改めて自分で読んでみても、「深く納得」

ボリュームの関係で、前後の部分や、裏づけとなる体験部分が丸ごとカットされているので、読者の皆さんには読み流されそうなのが心配なのですが、本書で通して読んで頂くと、その言葉の重みも変わってくるかと。

本書には全部で15人登場されており、その半分の方のお言葉しか載せられないのが申し訳ないくらいです。


◆例えば、初っ端のやなせたかしさんの「今は役立たない経験も自分の血や肉になる」とか、ピアニストの室井摩耶子さんの「"体験のズダ袋"を作る」というアドバイスは、ジョブズのこのスピーチを彷彿とさせますよね。


繰り返します。先を見て「点を繋げる」ことはできない。出来るのは過去を振り返って「点をつなげる」ことだけなんです。だから将来その点が繋がることを信じなくてはならない。根性、運命、人生、カルマ、何でもいいから信じること。点が繋がって道となると信じることで心に確信を持てるんです。
ジョブズにとって、カリグラフィのクラスを取ったことが、後のマックのフォントに繋がったワケですが、やなせ先生もラジオ番組の台本を書いたことが、あの「アンパンマン」に繋がったそう。

というか、私にとってはかなり長い間「手のひらを太陽に」の詞を書かれた方、という認識でいたのですが、ホント多彩な才能の持ち主でいらっしゃることが、本書を読んでよく分かりました。

それもこれも、数々の経験によるものなのかも。


◆そして、本書全体を通して主張されているのは、「継続すること」の大切さ。

仕事が多少つまらなかったり、辛かったりしても、途中で投げ出すことなく頑張り続けるべきであることを、多くの方がおっしゃっていました。

一方で、「どういう仕事に就くべきか」についても述べられてらっしゃいますので、先日ご紹介した『就職しない生き方』と併せてお読み頂ければ、と。

方向的には、転職や独立をお考えになっている方にとっては、再考を促すことになるのかもしれませんが。


◆私自身、年配の方から説教っぽいお話をかまされると「ハイハイ、分かりました(棒読み)」となりがちなのですが、不思議なくらい本書ではそうなりませんでした。

一つには、登場されている方々が「語るだけの経験」「実績」をお持ちだからかも知れませんが。

ただ私がスゴイと思ったのは、皆さんそれなりにご苦労をされているハズなのに、ほとんど「苦労話にはなっていない」こと。

そして、かなりのお年を召された方ばかりなのに、「まだ成長しようとされている」こと。

アラフィフの私なんて、まだまだですよw


本気で仕事に向き合いたい方にオススメ!

最高齢プロフェッショナルの教え
最高齢プロフェッショナルの教え


【関連記事】

【仕事術】『仕事のアマ 仕事のプロ──頭ひとつ抜け出す人の思考法』長谷川和廣(2010年12月03日)

【仕事論】「若者のための仕事論」丹羽宇一郎(2010年05月14日)

【仕事術】「自分は評価されていないと思ったら読む本」から学ぶ7つのポイント(2009年12月30日)

【仕事観】「いい仕事ができる人の考え方」村山 昇(2009年04月06日)

【転職?】「働く理由 99の名言に学ぶシゴト論。」戸田智弘(2007年08月29日)


【編集後記】

◆こちらは大量「525」もの「格言」集。

アフォリズム
アフォリズム
言葉との出会いが人生を変える! 525の格言集(アフォリズム) オスカー・ワイルド、ヘミングウェイ、ウディ・アレン、ボブ・ディラン、ニーチェ、カミュ、ブコウスキー、モハメド・アリ、パリス・ヒルトン・・・ ロバート・ハリスが世界から集めた、人生をより深く生きるためのアフォリズム。
ジャンル的にウチで扱うには微妙なんですが、読む価値はありそうな。


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