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2010年11月29日

【GTD】『ひとつ上のGTD ストレスフリーの整理術 実践編』デビッド・アレン(著),田口 元 (監修,翻訳)


ひとつ上のGTD ストレスフリーの整理術 実践編 仕事というゲームと人生というビジネスに勝利する方法
ひとつ上のGTD ストレスフリーの整理術 実践編 仕事というゲームと人生というビジネスに勝利する方法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「本家GTDの最新作。

お馴染みデビッドアレン氏と田口 元さんのタッグマッチが、約2年ぶりに復活です!

アマゾンの内容紹介から。
世界中のナレッジワーカーから絶大な支持を集める仕事術・GTD。
そのテクニックと理念を深く理解し、メソッドを強化させる待望の書。
既に実践されている方も、今ひとつしきれていない方も、必読の1冊です!

101130追記:
今ならアマゾンの10%OFF対象商品ですので、お見逃しなく!



人気blogランキングなんだか順位がスゴイことにw




【目次】

第1章 イントロダクション GTDの新しいレベルへ

第2章 GTD現象

第3章 すべてを機能させる

第4章 自己管理の危機

第5章 状況のコントロール 収集

第6章 状況のコントロール 見極め

第7章 状況のコントロール 整理

第8章 状況のコントロール 見直し

第9章 状況のコントロール 取り組み/行動

第10章 状況のコントロール 人生と仕事に活用していく方法

第11章 将来への見通し

第12章 将来への見通し 次にとるべき行動(高度0メートル)

第13章 将来への見通し プロジェクト(高度1000メートル)

第14章 将来への見通し 注意を向けるべき分野や責任を負っている分野(高度2000メートル)

第15章 将来への見通し 目標とゴール(高度3000メートル)

第16章 将来への見通し 構想(高度4000メートル)

第17章 将来への見通し 目的/価値観(高度5000メートル)

第18章 将来への見通し グレイシーズガーデン再訪

第19章 GTDを総合的に活用する

第20章 最後に

監訳者あとがき――GTDを実践している人の「7つの習慣」

付録


【ポイント】

■1.心はやるべきことを効率的に管理できない
 今朝起きてから今まで「あ、あれをやっていなかった」ということがあっただろうか。それは何回あっただろうか。そしてそのときに適切な対処をしただろうか。もしあなたがそうした対処をせずに、同じことを2回以上思い浮かべてしまったなら、あなたは、完全に時間とエネルギーをムダにしている。
 あなたの心は、この種の記憶に関してごく限られたスぺースしか持っていない。脳の短期記憶がたった10個のことさえまともに扱えず、忘れたり混乱したりしてしまうことが、いくつもの研究で明らかになっている。それ以上詰め込もうとすると、同じ量が押し出されてしまい、意識的な制御が及ばなくなるのである。


■2.「ライフワークバランス」はまやかし
私はこの発想には根本的な間違いがあると考えている。「仕事」と「プライべート」がきっちり区別されるべきだという前提がそもそも間違いなのだ。状況がコントロールされ、将来への見通しがはっきりしているとき、私たちは時間の感覚を失い、やっていることに完全に集中して没頭しているはずだ。このとき、あなたの心は「仕事」と「プライべート」の区別などしていない。バランスを意識してしまうのは、それが崩れているときだけなのだ。


■3.「(状況の)コントロール」と「(将来への)見通し」の関係
 例えば料理で考えてみよう。キッチンがごちゃごちゃしているとき(状況がコントロールできていない状態)は、調理器具や食器類を片付けてきれいに整理する必要がある。一方、何を作るかまだぼんやりとしか決めていないとき(将来への見通しが定まっていない状態)は、食材を何にするか、盛り付けはどうするか、を考えなくてはいけない。言うまでもなく、素晴らしい料理を作るには状況をコントロールし、何を作るかの見通しも定めなくてはいけないが、それらを達成するためのアプローチはこのように異なっている。しかしながら、どちらも密接に関連しているし、どちらかが欠けているようでは問題がある。


■4.GTDがうまくいくのはボトムアップだから
多くの自己管理手法は、理想的な「優先度」「戦略」「価値観」からスタートするトップダウンのアプローチを提唱しているが、GTDではその逆のアプローチをとっている。あなたが今、気になっていることを書いてみてください、といったときに「この世で果たすべき使命を達成する」と書く人はほとんどいない。それはそれでよいことだが、ほとんどの人は「プリンタを直す」「週末のべビーシッターを探す」といったことを最初に思い浮かべるはずだ。まずは目の前にあることから書き出していこう。そうすれば、やがて高いレべルの目標もはっきりしてくるはずだ。


■5.アイデアを出すモードと判断をするモードを意識的に使い分ける
例えば、やるべきことのリストを作っている人は多いが、2つのモードを同時にやろうとしているためにうまくいっていないことが多い。同時にやろうとするために「収集」と「見極め」がどちらも中途半端になってしまうのだ。集中力を高めるためにリストを作るのは、すべてを頭の中に置いておくよりはずっといい。だが、そのリストに2つの機能を持たせようとすれば、心の能力は大きな制約を受けることになる。


■6.すべての行動をリストにしておく
 GTDを成功させるためのカギの1つは、人生において注意を向けるべきすべての行動をリストにしておくことである。そこが、従来のTO DOリストと大きく異なる点でもある。従来までのリストのように、1日にやるべきことだけを書いていたとしてもうまく機能しない。そのような状態では、最新のものや目立つものにしか目が向かないだろう。時間があるときには、いちばんやるべきだと思うことを適当に選んでいても何の問題もない。だが、私たちの世界は急速に変化しており、新たなことがとりとめもなく舞い込んでくる。そのため常に優先順位を見直さなければならないし、状況や時間、エネルギーが限られていることも多い。重要なのはそのときに選択可能なすぺての行動のリストかあらかじめ用意されていることだ。


■7.ファイリングの6つのポイント
・A-Zのインデックスがある1つのシステムに整理する。
・ラべルを使う。
・新しいファイルを作って保管する作業が60秒以内にできる。
・引き出しに4分の3を超える量のファイルを詰め込まない。
・楽しくファイリングができる使いやすいシステムにする。
・少なくとも年に1度はファイルの大掃除をする。


■8.「次にとるべき行動は何か」と自問する
私は個人や組織の生産性を高める研究と指導を長らく続けてきて、有用な手法をいろいろ発見してきたが、その中でも最も奥が深いものがこのテクニックだと思っている。「これについて、次にとるべき行動は何か」と自問すると、創造的思考、決断力、アイデア、物事の明快さ、モチべーションなどのレべルがぐっと高まるのだ。私の知る限り、ここまで生産性を高めてくれるテクニックは他にない。


【感想】

◆上記で十二分に引用しまくってきましたが、実はまだこれで9章の途中

中身がちょっと濃すぎます罠!

結局のところ、GTDの11の要素のうち、今回は「5つのステップ」(の一部)までしかご紹介していないことになります。

目次をご覧頂ければお分かりのように、後半部分では「6つのレベル」が登場するのですが、ボリューム的に泣く泣く割愛……。


◆実は私自身、GTDに関する作品をいくつか読んでまいりましたが、読むたびに真似事までは手をつけてみるものの、結局途中で挫折しております。

そもそも「気になることをすべて書き出す」という最初の時点で、キチンと時間をとっておらず、中途半端な形で始めて、効果もよく分からずなし崩し的にやめてしまうという情けなさ。

よく話を聞くのが「週次レビュー」が大変で、段々フェードアウトする、というパターンなのですが、それにすら達していないという有様です。

そんなワタクシですが、上記に挙げたように、いくつかのフレーズが、心に刺さること刺さること

そこで、自分が実践できていないことは棚に上げて、本書を今般ご紹介した次第です。


◆ところで、本書の位置づけですが、イントロダクションにはこう記されています。
『はじめてのGTD』が基本マニュアルだったのに対し、本書は人生と仕事の両方に同時に対応していく力を高めるための応用マニュアルだと思ってもらいたい。
とはいえ、同時に
これまで私が書いた本を読んでいない人たちも本書から読みはじめてもらってかまわない。
とも書かれており、基本部分にも軽く触れながら、応用部分を展開した感じ。

なお、GTDがはじめての方には、巻末の付録がかなり有益で、GTDの概要が凝縮されています(おなじみのワークフローの図もアリ)。

この付録部分だけでGTDの本1冊レベルのエッセンスが詰まっているわけですから、まずはここからお読み頂ければ、と。

一方、すでにGTD本をお読みの方にとっては、本書はGTDのそれぞれのステップやレベルの「意味合い」を改めて考える、よい機会になると思われ。


◆一点言い忘れていましたが、田口 元さんの手による『監訳者あとがき――GTDを実践している人の「7つの習慣」』も、絶対見逃せない部分です。

「GTDを実践できるか否か」は、ここに挙がっているような「習慣」にかかってくるのかも。

その中で、私も早速取り入れようと思ったのが、「To Doリストが状況別に整理されている」という習慣。

田口さんご自身も、「状況別リスト」を愛用されており、ミスが随分減ったそうです。


◆私は1冊の本を読んでも、まるごとそれを実践することはまずなくて、大抵、1冊につき、1つでも2つでも取り入れられる部分があればOKというスタンスでおります。

そういう意味で「GTD」というシステムは、つまみ食いで評価すべきものではないため、私にとってもオススメしにくいテーマではあるわけでして。

それでも本書の持つ「アツさ」は十分伝わってまいりましたし、付箋も貼りまくりました。

また、今までGTDを続けられなかった方にとっても、今度こそ「続けられるヒント」が見つかるかもしれません。


いつかは私も極めたいスキルの1つです!

ひとつ上のGTD ストレスフリーの整理術 実践編 仕事というゲームと人生というビジネスに勝利する方法
ひとつ上のGTD ストレスフリーの整理術 実践編 仕事というゲームと人生というビジネスに勝利する方法


【関連記事】

【整理術】「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」デビッド・アレン (著)田口 元(監修)(2009年01月26日)

「ストレスフリーの仕事術」デビッド・アレン(著) 田口 元(訳)(2006年07月01日)

意外と知られていない「グーグル時代の情報整理術」のテクニック10選(2009年12月26日)

【オススメ】「情報ダイエット仕事術」堀 E. 正岳(2008年12月26日)

【時間術】「エンジニアのための時間管理術」Thomas A. Limoncelli(2008年06月13日)


【編集後記】

◆これまた先日の「要チェック本記事」に載せ忘れた1冊。

人生は1冊のノートにまとめなさい―体験を自分化する「100円ノート」ライフログ
人生は1冊のノートにまとめなさい―体験を自分化する「100円ノート」ライフログ

奥野宣之さんの「100円ノート術」第3弾。

装丁もお約束の100円ノートですw


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僕もGTDは実践したいと思いつつ、前2作を読みながら「収集」プロセスがなかなか難しかった一人です。
邪道の我流ですが、すべてを一度に収集するのではなく、気になったときに、きになった範囲を収集することで、徐々に軌道に乗せていこうかと取り組み中です。

本書ももちろん購入済。
充実過ぎる内容に覚悟を決め、smoothさんと同じように付箋を貼りまくりながら、もう一段深くGTDに取り組んでみたいです。
Posted by Taka@中小企業診断士(業務休止中) at 2010年11月29日 10:53
               
>Takaさん

さすが!Takaさんはもう購入済でしたか。
収集プロセスも本家によれば、かなり時間を取って、頭が空っぽになるまでやるようですが、確かにそこまで時間を取るのは難しいですよね。
私は中途半端な時間で、中途半端に収集して、それっきりという(ヲイ!)。

実は、記事にも書いたように田口さんのあとがき部分が結構使えそうなんで、平行して取り入れていきたいと思っております。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年11月30日 02:04