2010年11月22日
【速読+記憶】『「ビジネス速読」仕事術』椋木修三
「ビジネス速読」仕事術 (PHPビジネス新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、『図解超高速勉強法』でお馴染みの椋木修三先生の最新刊。……いや、この本、当ブログの売上ランキングで2年連続1位の可能性がかなり高いんですがw
参考記事:【記憶&速読】「図解超高速勉強法」椋木修三(2008年05月04日)
今回は、椋木先生のもう1つの専門ジャンルである「速読」がテーマ。
ただし、後半部分は丸々「記憶術ネタ」であり、むしろ勉強本好きな方にお薦めしたいほどです。
どちらのジャンルに関しても「戦術だらけ」なので、ノウハウ好きにはたまらないかも!?
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1章 「ビジネス速読」で仕事効率を上げる
1.デジタル時代の今だからこそ多読力
2.道具としての速読
第2章 ビジネス速読で「自分革命」
1.ビジネス速読を賢く使い分ける
2.速読即解も可能にする触視速読法
3.新聞・雑誌は「大筋速読法」で読む ほか
第3章 速読で得た情報を記憶するノウハウ
1.頭をコンピューター化する
2.分けて考えれば覚えやすくなる
3.言葉遊びで覚える ほか
【ポイント】
■1.集中力を簡単に上げる「速読」速読がなぜ集中力をつけるのに効果があるのかというと、秘密は速読トレーニング方法にあります。速読は時間との競争ですから、常に時間を意識したトレーニングを行います。(中略)
つまり時間に制限を設けて、その時間内に目標を達成しようとするわけですから、いやでも集中せざるを得ないのです。つまり「〆切り効果」です。そうしたトレーニングを繰り返すので、自然に集中力がついていくのです。
■2.触視速読の最高峰――パラパラ速読
本でも雑誌でもどちらでもいいですから、まず読み始める前に、パラパラと前から後ろから何度もめくってみましよう。パラパラしているだけでも、文字がいくつか目に入ってくるはすです。それがすでに文字認識力を高めるトレーニングになっているのです。
その結果、社内の書類や伝票を処理するスピードが速くなるなどの効果が現れます。その分、仕事効率が上がるというわけです。
■3.新聞・雑誌は「大筋速読法」で読む
この速読が特に有効なのは、新聞や雑誌を読む時です。(中略)
新聞にしても雑誌にしても他の一般の本や資料に比べると、一行あたりの字数は圧倒的に少ないものです。すなわち、字数が少ない分、一行まるごと読み取りやすいということです。(中略)
もちろん、社内会議で使う資料を読む時にも有効です。
会議が始まる10分前には必ず席につき、そこで渡された資料は会議が始まる前に、サッと目を通しておくのです。
資料はA4サイズの横書きがほとんどですから、読み方としては「蛇行型」となります。蛇行型でこの会議のテーマとその意図、問題点やその対策など、会議が始まる前につぶさに目星をつけておくのです。そうすれば、会議が始まっても積極的に参加していくことができます。
■4.究極のキーワードは「漢字」と「カタカナ」
この方法はすでに多くの人が無意識でやっておられると思いますが、漢字だけを拾い読みし、残りの平仮名や、場合によってはカタカナも無視するという読み方があります。
あるいは、漢字とカタカナだけを拾い読みして、平仮名は無視するという読みみ方もあります。(中略)
ただ、「平仮名は無視する」といっても、厳密に言えば、当然、漢字だけを拾い読みするつもりでも平仮名も目の中に入ってくるわけですから、漢字と同時に拾い読みすることになります。しかし、そうであっても無視する(読まない)つもりで、漢字の拾い読みに集中していくと、平仮名は視読する感じになりますから、ちようどいいのです。
■5.スピードと理解を両立させる「受験速読」
結論から言うと、「読み落とし、読み間違いがあってはならない」ということと、「熟読時と変わらぬ理解度がある」――この二つの条件を満たすためには、次の二つの方法がポイントになります。
(1)視幅(ブロック)を狭くする
(2)指さし法で認知認識力を強化する
■6.「記憶術」は「整理術」
ちなみに、「記憶術は整理術」と言われるぐらい、記憶する上で「整理する」ことは重要になります。「どうやって記憶しようかと思う前に、記憶しやすくするためにどう整理するか」――記憶術をマスターした人はそう習慣的に考えるのです。
極論すれば、記憶術の大半は整理術が基本とも言えます。
■7.番号をふって覚える「ひき出し記憶」
「ひき出し記憶」とは、順番になっているものを順序よく覚える時に役立つ記憶術です。ポイントは、「順番→ひき出し」です。ただ、これには仕込みが必要になります。つまりあらかじめ自分の頭の中に「記憶のひき出し」をつくっておく必要があるということです。これがないと、前項のストーリー法で覚える他ありません。
問題は記憶のひき出しを何にするかです。最も古典的なひき出しとして有名なものが、「自分の体」です。つまり、頭のてっぺんから足のつま先まで、体の各部所に番号をふっておくのです。
■8.複雑なものを一気に覚える「いもづる記憶」
ポイントは「分類・系統→いもづる」です。さらに重要なことは、このひき出し表は、その覚えるモノの「形」によって変化するということです。いもづる記憶を上手に活用できる人とできない人の差は、その形に応じて、いもづる表がつくれるかどうかにかかっています。
【感想】
◆冒頭で申し上げたように、タイトルが「速読」なのに、「記憶」が含まれていることに、戸惑われる方もいらっしゃるかもしれません。それに関して、本書の第1章で椋木先生は、「速読で得た情報を効率よく記憶して、いつでも引き出せるようにするべし」と言われており、それこそがタイトルにもある「ビジネス速読」というメソッド。
ひとつには、これからのビジネスシーンにおいては、「勉強」(ひいては資格取得も!)も重要であり、そのために「速読」と「記憶」のメソッドを身につける必要がある、というお考えのようです。
そして、その過程において、上記でも触れたように「集中力が身につく」等のプラスアルファーもあるということ。
実際、そうやって頭を鍛えていると、日常的な記憶力も増幅され、デキるビジネスパーソンになれる……というか、自分自身が資格試験験終了後に急激にダメダメになったんですがw
◆なお、本書で解説されている速読の手法は、以下の6つ。
1.触視速読
2.大筋速読
3.収集速読
4.確認速読
5.勉強速読
6.受験速読
一部ポイントで取り上げたものもありますが、詳細は本書にてご確認を。
この中で特徴的なのが、6番目の「受験速読」で、実際に問題を解く際に使うものになります。
基本的に、速読というのは「どこを切り捨てるか」という技術でもあるのですが、これだけは別。
「スピード」と「理解度」という、ある意味「相反するもの」を両立させる読み方というのは、「速読術」「記憶術」双方の指導経験がある椋木先生ならではではないか、と。
資格試験の本試験等の問題を読むのに速読を使いたい方は、ここだけは要チェックで。
◆その「記憶」に関して、一般的には「速読」と絡めると、「速読で素早く何度も繰り返して読んで記憶する」というやり方がメジャーですし、私も未だにそういう理解でいます。
ただし、本書で展開されている記憶術は、ぶっちゃけ速読とは完全に独立した「ガチな記憶法」がほとんど。
タイトルだけ列挙するとこんな感じです。
1.分解記憶
2.音感記憶
3.連結(リンク)記憶
4.ストーリー記憶
5.ひき出し記憶
6.いもづる記憶
7.はりつけ記憶
8.イラスト記憶
9.数字記憶
10.頭出し記憶
11.置き換え記憶
個々の手法の詳細については、やはり本書にてご確認を。
ただ、違う名前が付いているものの、一般的には「語呂合わせ」とか「場所法」と呼ばれるものもあり、全体としてはオーソドックスだと思います。
◆ところで、速読本も勉強本もそうなのですが、「本質的な部分」は、人によってそれほど変わっているわけでもなく、ある程度の量の本を読まれてきた方にとっては、「目からウロコ」ということは、滅多にないかもしれません。
本書も、両分野に多くの著作を出されている椋木先生の作品ですし、先生ご自身が王道系というか、奇をてらわない方なので、「画期的」という位置づけでもないです。
それでも、速読術と記憶術の「具体的な戦術」を列挙されている点で、刺さる人には刺さる作り。
私もリアル書店で手にとって、我慢できずに買ってしまいましたwww
このジャンルが好きな方なら、買って損はない1冊!
「ビジネス速読」仕事術 (PHPビジネス新書)
【関連記事】
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【試験仕様】「キャリアが高まる1日15分 速読勉強法」(2008年11月08日)
【編集後記】
◆ちょっと気になる本。好感度200%のマナー術
こういうマナーも抜かりないのが、デキるビジネスパーソンだと思われw
ご声援ありがとうございました!
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この記事へのコメント
そうですね。速読と記憶するってことは
相反するというか・・
記憶するって部分に魅力を感じます。
いいですね、この本♪
相反するというか・・
記憶するって部分に魅力を感じます。
いいですね、この本♪
Posted by イヴォンヌ at 2010年11月22日 20:00
>イヴォンヌさん
当ブログでの一番売れ筋である椋木先生の本ですから、中身は大丈夫だと思います!
私は何冊似たような本があっても、どんどん買っちゃうんですがw
当ブログでの一番売れ筋である椋木先生の本ですから、中身は大丈夫だと思います!
私は何冊似たような本があっても、どんどん買っちゃうんですがw
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年11月23日 05:24
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