2010年11月14日
無料で活用! 『経営のやってはいけない!』まとめ
経営のやってはいけない!〜残念な会社にしないための95項目〜
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、当ブログとしては久々の経営本。本書の著者の岩松正記さんは、来月青森で開かれる土井英司さんの『「スパルタ読書塾」in八戸』に、聖幸さんとともに参戦される方でもあります。
聞いた話によると、岩松さんは、聖幸さん主催の青森のセミナーの出席者の間では人気者らしく、また、私も一度だけお会いしたことがあるのですが、キャラが立ちすぎていて、税理士らしからぬ印象を受けました(いい意味でw)。
本書も、そのキャラ通りで中小企業の経営に関する「ぶっちゃけトーク」が全開!
見てくれはよくないものの、これが「中小企業の起業&経営の現実」なのだと思った次第です。
なおタイトルは「ホッテントリメーカー」作なので、ツッコミはナシでw
101114追記:
本書のアマゾンキャンペーンの件につき、号外記事を書きましたので、あわせてご覧下さい。
【号外】『経営のやってはいけない!』アマゾンキャンペーンのお知らせ
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
序章 成功した人の話を聞いてもムダ
1章 マネジメント編
1.企業理念は必要か?
2.支援組織の世話にはなるな
3.助成金・奨励金に頼るな
2章 人事・労務編
22.創業メンバーは未来の幹部にはならない
23.従業員はすぐ辞める
24.従業員教育はムダ
3章 給与体系編
40.就業規則は買うな
41.ボーナスが欲しいなら経営者になるな
42.社会保険にすぐ入るのは危険
第4章 会社組織編
52.中小・べンチヤー企業は「会社」=「社長」
53.定款は戸籍、登記簿は履歴書
54.取締役をナメるな
第5章会計・経理・税会編
62.会計の知識はいらない
63.税金の心配をしろ
64.管理部門に「カネ」と「時間」をかけるな
第6章ビジネスモデル偏
78.上場会社の研究はムダ
79.理想のモデルは教祖
80.大社長のオーラを知れ
おわりに
【ポイント】
■1.成功者が「やったこと」よりも「やらなかったこと」に着目する成功体験談は、いわば「偉人の伝記」みたいなものだと割り切った方がいい。それよりも、やってはいけないことを確認して行った方が、失敗の危険性は少なくなる。「これをやったから成功した」ということよりも、「これをやらなかったから成功した」ということの方が、はるかに再現性が高い。(中略)
成功者がやったことよりもやらなかったことに着目し、それを実践して行くのです。やらないことを決めることで、やれることは反対に広がっていきます。
■2.専門家の話よりも先駆者の体験談
知っていることとできることは違います。起業家や経営者に必要なのは、単なる知識ではなく、実際に行うための手順。それは、実際に経験した人でないと語り得ないはず。
だからこそ経営者や起業家は、経験者である先輩経営者の話を聞くべきなのです。専門家の話ももちろん大事ですが、より優先すべきは先駆者の体験談です。成功している経営者の多くが読書家なのは、それを疑似体験できるからに他なりません。
専門家の話を鵜呑みにせず、多くの体験談を知り、それを自分の糧にすることで、経営者は自らの組織を考えなければなりません。
■3.社長は経理業務をするな
経営者は、起業直後は特に、経理などの作業はまずは奥さんなど家族を使ってやってもらった方がいい。数字は他人に任せず、常に自分の見える位置に置いて、しかもできるだけコストは抑える。そして最も大事な仕事、「営業」に注力すべき。マメな社長に限って「自分の会社の内容は大したことないし手間がかからないから」と言って経理の作業を自分でしたがります。しかし、本来その時間は本業に向けるべきもので、経営者はちよっとでも時間があったら事業拡大のための活動をしなければなりません。
■4.便いやすい社員が良い社員
結局のところ、明るく元気な人がいい。当り前すぎる話なのですが、挨拶ができて気が利いて明るい、これに勝る人材はいません。中小・べンチャー企業にあっては会社の趨勢を決めるのは社長の能力であり、個々の社員に求める仕事の能力などというのは意外とどうにでもなるものです。逆に言えば、社長がする仕事以外の仕事は誰にでもできる。だからこそ、社長が使いやすい、気分よく付き合える社員こそが、会社には求められるのです。
■5.給料は「貰う側」と「支払う側」では全く認識が異なる
月給25万円の給料といっても、貰う側の感覚は、手取りの金額。たとえば独身の場合だと、雇用保険料と社会保険料約3万2千円と源泉所得税5300円を引いた残りの約21万2千円が、本人の受け取っている給料の実感です。
しかし支払う側の感覚は、25万円に社会保険料の会社負担分の約3万4千円を加えた金額を支払っているというもの。決して21万円しか払っていないなどと思うことはありません。ここですでに、両者のギヤッブは約7万円もあるわけです。
■6.中小・べンチヤー企業は「会社」=「社長」
多くの人が言っていることですが、売上10億円までは社長で決まります。どんな仕組みを作ろうとどんな部下を持とうと、さらにはどんなビジネスモデルを作ろうと結局は社長次第。社長がどう判断するかで勝負は決まってしまいます。
だからこそ、経営者は自覚を持って進まなければならない。さらには自信を持たなければならない。その裏づけに必要なのは、これは残念ながら本人の努力しか無い。多くの先輩経営者はそのためにたくさんの本を読み、勉強してきました。後に続く我々が先達以上の努力をしなければいけないことは当然です。
■7.成功体験のないビジネスはするな
商売は結局、自分がこれまでやってきた経験か活かされるものでなければうまくいきません。経験は努力よりも成功への近道。人は経験したことのあるものに対しては自信を持って取りかかるもの。人は達成感を味わうと、もうその刺激では満足しなくなり、より高みを望むようになります。だから、いったん目標を達成すると次からは簡単にその目標はクリアできるようになり、より上のステージを目指すことができるようになる。だから、絶対に経験は必要なのです。
【感想】
◆えー、一応私も税理士なんで、実感として分かる部分はある(しかも結構w)ものの、ここまでぶっちゃける勇気はありません。てか、よりによって出版するなんて、「勇者すぐる」気がw
ちなみに上記ポイントでは、本当にヤバめなのは根こそぎ割愛させて頂いておりますので、あしからず。
記事を読まれた方に、「私の主張だと思われても困る」のでw
ところで、どうでもいい話ですが、岩松さんのブログ、「本業絡みなのに背景が黒い」のはいかがなものかとwww
◆おそらく、「大手企業の経営者」の書かれた経営本を読みなれている方には、本書の内容は、受け入れにくいものかもしれません。
ただ、全てがそうだとは言いませんが、そういう経営者の方の「本を出す意義」を考えたら、必ずしも実態に即していない可能性があることはお分かり頂けるハズ。
一部上場企業の社長さんが「従業員の意見は聞くな」なんて本に書いてしまっては、色々と面倒なコトが起きかねないわけですよ。
この本には「こんなことは組織コンサルタントが自分たちの仕事を増やすために言っているだけ」と書かれていますがw
◆そういう意味で、これからベンチャーとして起業しようとお考えの方なら、本書は必読だと思います。
とはいえ、一緒に起業を考えている者同士で読んだ場合に、お互い気まずくなる可能性も否定できないのですがw
何たって第2章の初っ端が「創業メンバーは未来の幹部にはならない」ですからね〜。
社長になるおつもりなら「一人で読むこと推奨」。
◆他にも、大企業から中小企業へ転職をお考えの方にも一読をオススメ。
実際私自身、新卒で大手メーカーに入社し、実は税理士になるまでほとんど中小企業の実態を知らなかった(父も長らく公務員でした)ため、最初は文化の違いに色々と戸惑った記憶がありました。
もちろん、華麗に起業を目論む方にとっても本音ベースで書かれている本書はきっと役に立つハズ。
……逆に「本書を読んで起業を思いとどまる」方も出てきそうですがw
ぶっちゃけ杉な本音の経営本をアナタに!
経営のやってはいけない!〜残念な会社にしないための95項目〜
【関連記事】
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【ザ・商人】「ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する」島田紳助(2007年06月08日)
「頭のいい人が儲からない理由」坂本桂一(2007年04月02日)
「小さな飲食店 成功のバイブル」鬼頭宏昌(2007年02月06日)
【編集後記】
◆ちょっと気になる本。誰からも「気がきく」と言われる45の習慣
気が利かない私には、ひょっとして必読かも!?
ご声援ありがとうございました!
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【はじめに】◆今朝ご紹介した、岩松正記さんの、『経営のやってはいけない!!~残念な会社にしないための95項目~ 』、おかげさまで、多くの方に記事を閲覧頂いております。
ところが、私は記事投稿時点で気が付かなかったのですが、何と明日からアマゾンキャンペーンが....
【号外】『経営のやってはいけない!』アマゾンキャンペーンのお知らせ【マインドマップ的読書感想文】at 2010年11月14日 21:34
この記事へのコメント
経営のやってはいけない。紹介ありがとうございます。まだ読んでいないのでコメントできませんが、95項目もあるとボケてしまいますね。「これだけはやってはいけない3項目あるいは5項目」の方がインパクト大ですよね。
Posted by 片木 at 2010年11月14日 20:52
>片木さん
確かに「マジカルナンバー7±2」なんて言うように、5〜9ぐらいが人間の限界ではありますw
ただ、それを超えるような場合は、むしろ「数の多さで勝負」しているので、95というのはそっちでしょうね。
確かに「マジカルナンバー7±2」なんて言うように、5〜9ぐらいが人間の限界ではありますw
ただ、それを超えるような場合は、むしろ「数の多さで勝負」しているので、95というのはそっちでしょうね。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年11月15日 06:31
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