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2010年11月11日

【スゴ本】『また、売れちゃった! 一瞬で顧客の心をツカむ! 売上5倍を達成する凄ワザ88 』河瀬和幸


また、売れちゃった! 〜一瞬で顧客の心をツカむ! 売上5倍を達成する凄ワザ88また、売れちゃった! 〜一瞬で顧客の心をツカむ! 売上5倍を達成する凄ワザ88


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、久々のセールス本

基本的に当ブログでは、このジャンルはあまり人気がないので、どちらかというとプライオリティが低めなんですが、この本はちょっと違いました!

著者の河瀬和幸さんは、「東急ハンズで8年連続売上1位を作った」という、人呼んで「完売王」なるお方。

なるほど、その「買ってもらう技術」は、押し売りとは全く違う驚愕のワザでした!


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【目次】

はじめに

序章  お客様の心理がこれで丸わかり! 観察科学と行動心理学をベースとした「購買心理の5階段」

第1章  これができれば8割成功!1秒でお客様の心をツカむワザ22

第2章  「売れる販売員」に変わるための役立つワザ16

第3章  購入につながる効果的なセールストークワザ19

第4章  押し付けは一切なし! 買う気にさせるさりげない一押しワザ18

第5章  完売するにはワケがある! 売れる販売員の思考法ワザ26

第6章  私の販売「技術」はこうして誕生した!

第7章  実録! マネしてOK! 私が完売した販売技術・実例集

おわりに ・ 「箸よく盤水を回す」~鍵山先生の言葉と共に


【ポイント】

■1.挨拶は身体を向けるとお客様が立ち止まる
声を出すときは、声を出す方向にしっかりと身体を向けることも大切です。誰に声を届けたいのかを考え、その方向に身体を向けて挨拶をすると、きちんと伝わります。まずは、存在に気づいてもらう、「エッ、何?」と思ってもらう、これが大切なのです。


■2.挨拶するときの頭を下げる動作と、言葉を発するタイミングを少しずらす
 具体的には、先に無言で頭を下げ、頭を上げた後に「こんにちは」と言います。
 なぜ、ずらすかというと、そうすることによって、お客様の表情を見ることができるからです。
 目を合わせる、表情に変化があるといったお客様は、もしかしたら買っていただける可能性があるお客様です。
 ですが、挨拶をしても何の反応も示さないお客様は、その通路を通り抜けに使っているだけの可能性が高いといえます。目的買いやトイレなど目的の場所へ行くといったお客様です。このような意思がハッキリしているお客様の深層意識の中には「それ必要かも……」と思わせることはできません。


■3.後ろから声をかけられたとき、方向が分からなくても笑顔で振り向く
 例えば後ろから声をかけられたとき、多くの販売員は「どこから呼ぱれたの?」という表情をして声が聞こえた方向に振り返ろうとします。
 しかし、「目は口ほどにモノを言う」という諺もあるように、表情の大部分は目線の向け方によって決まります。特に、何気なく振り返った時の視線や、作業を中断して下から目を上げた時の視線は、周囲にはきつく感じられてしまうものです。(中略)

 お客様から声をかけていただくには、どんなところから声をかけられたとしても、笑顔で振り向きましょう。それには視線が泳いでしまうのを防ぐために、振り返ったときに「あの柱を見よう」、「あのポスターを見よう」と視線の方向を最初から決めておくと楽です。


■4.商品を手に持っているお客様に買い物カゴを渡す
 お客様の反応については、YESの場合は「ありがとう!」とか「どうも」とか、「さすが、気が利くわね!」といった何かしらの言葉が返ってきます。
 この、一言を交わした時点で、すでに販売員とお客様との間に存在している心理的な壁は低くなっています。(中略)

 一方、カゴを渡そうとしてもNOの場合は、「結構です」とか「いいです」といった答が返ってきます。(中略)

 声かけの目的は、お客様が販売員とコミュニケーションを取りたがっているかどうかを見分けるためですので、カゴを拒否されたからといっていちいち落ち込む必要はありません。
 むしろ、「あのお客様が私を必要としてしていないことが早くわかってよかった。時間を無駄にせずにすんだ」と考えれば、断わってもらってよかったと思えるでしょう。


■5.エスカレーター付近で商品を訴求する(POP・ポスター等)場合は、東京と大阪でやり方を変える
 たとえば、エスカレーターが右回りで昇っていく(=左回りで降りていく)構造の場合、東京ではエスカレーターで昇ってくるお客様に、大阪ではエスカレーターで降りて来るお客様に商品を訴求するのがポイントです。

 大阪の場合、エスカレーターの右側に立つのが常識なので、昇りのエスカレーターで昇ってきたお客様は、次の階への昇リエスカレーターに乗り継ぐのに、右回りに小さく回って行くことになります。
 しかし、下りのエスカレーターの場合は、昇りと逆でアウトコースを滑っているようなものなので、フロアーに飛び出しやすいのです。
 東京の場合は、左に立つのが常識なので、大阪とまったく逆になります。


■6.陳列の棚は向かって右を低くして崩す
 デザインや広告の世界では常識らしいのですが、人の視線というのは「Zの法則」で動きます。これは左から右、そして下へということですが、私の経験則からいえば、これは陳列の棚でも同じようです。それを意識した棚作りをすると、お客様の質問が増えたり、手が伸びたりすることが多いのです。


■7.デジカメとトレーシングペーパーで、誰でも上手に絵が描ける
 手順は簡単で、商品をデジカメで撮り、ハガキに載せるサイズにプリントします。この作業が一番手間がかかりますが、あとは簡単で、トレーシングぺーパーの上から商品をなぞり、それをハガキに写し取り、清書して、色をつけていくのです。(中略)

 ちなみに、私は販売員になる前の営業マン時代から、この方法で絵を描いたハガキをお客様に送っていました。
 このハガキが結構ウケてお客様が楽しみにしてくださるようになり、ハガキが10枚たまったから、と仕事の発注をしてくださる人もいて、このハガキのおかげで数億円規模の仕事をいただいたことが何度もあったのです。


■8.無理に勧めないことで売れる
 たとえば、ライバル店との値段の差を聞いてくるお客様に対しては、「うちの方が安いですよ」と無理にお客様をつなぎとめようとするのではなく、次のような対応をすることで売れることがわかりました。
「店舗数が500店舗を超えると仕入れ値はほとんど同じなので、売価もほとんど同じ。違ってもせいぜい500円程度です。ライバル店の地図と電話番号はこちらになりますので、どうぞお確かめになってみてください」
 こう言って地図と電話番号を書いた紙をお客様に渡すと、ほとんどのお客様はライパル店へは行かずにうちで買ってくれました。


【感想】

◆こういったテクニック系の本としては、久々に「スゲー」と唸ってしまいました。

特に個人的にツボだったのが、見込み客を見分けるスクリーニングの技術。

「挨拶の時点で反応を確認する」ために、動作と声をずらすなんて、目からウロコ

同じように、「買い物カゴを渡す」ことでも見込み客か否かを選別できているわけで、この辺が「完売王」たるゆえんなのかも。

ちなみに、イエローハット創業者の鍵山秀三郎さんによると、河瀬さんと一緒に選挙応援のチラシ配りをした際、鍵山さんは10人に1人もらってくれるかどうかだったのに対し、河瀬さんは10人中8人以上受け取ってもらっていたのだそう。

テラスゴス!

本書では商品のチラシの配り方も指導されていますので、気になる方はご確認を。


◆また、ポイントの5番目のエスカレーターの話も、東京・大阪の違い以前に、まったく考えたことがなかったです。

そう言えば、道路沿いに看板を立てる場合カーブの外側に出した方がよい、という話もありますから(確か)、それと同じ理屈なのかもしれません。

実際、このエスカレーターの違いに関しては、大阪から応援に来た販売員が、それを知らなかったために、チラシをまったく受けとってもらえなかったこともあったそう。

エスカレーターがあるような大規模店舗にお勤めの方は、ぜひ取り入れてみてください。


◆本書の最後には、河瀬さんが売りまくってきた商品の一覧があるのですが、これがまた脈略のないことw

折りたたみ自転車やら美容液やら果てはチョコレートまでw

それぞれの商品の「ウリ」を見抜き、適切な方法で販売していく姿は、まさにプロフェッショナルです。

個々のテクニックだけではなく、商品と対面してから活路を見出すまでの流れをお知りになりたければ、第7章の「実録! マネしてOK! 私が完売した販売技術・実例集」を。

私もこのブログに関して、「モテ本とか勉強本でないと…」なんて言ってる場合じゃないですね。


◆一般的に、対面販売ですと、「口八丁手八丁」の印象があったのですが、河瀬さんのスタイルはまったく違いました

もちろん、「売り口上」の解説等もあるものの、本質的には「科学的アプローチ」に近い感じです。

以前、この本を「スゴ本!」とご紹介したことがあったのですが、それ以来の衝撃。

なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学
なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学

参考記事:【スゴ本!】「なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学」パコ・アンダーヒル(2007年10月09日)

セールスに関わる方にはぜひとも読んで頂きたいですし、セールス以外の方でも、パラダイムシフトが味わえるハズ。


これはオススメせざるを得ません!

また、売れちゃった! 〜一瞬で顧客の心をツカむ! 売上5倍を達成する凄ワザ88
また、売れちゃった! 〜一瞬で顧客の心をツカむ! 売上5倍を達成する凄ワザ88


【関連記事】

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【ネタ満載】「仕掛力」村松美尚(2009年03月03日)

【名著!】「私はどうして販売外交に成功したか」フランク・ベトガー(2008年10月26日)

【スゴ本!】「なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学」パコ・アンダーヒル(2007年10月09日)


【編集後記】

◆円高のせいか、洋書が安くなっているよう。

この本も1000円しなくなっております。

Gallop! (Scanimation Books)
Gallop! (Scanimation Books)

ちょっとしたプレゼントにどうぞw

参考記事:【動画付き】橋本大也さんとこで紹介されてた「錯覚アニメ絵本"Gallop!"」でムスコ大喜びの巻(2008年10月15日)


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この記事へのコメント
               
セールスってとっても大事だと最近とても
思う私です。

こういう本も読んでおくといいですよね♪
Posted by イヴォンヌ at 2010年11月11日 19:56
               
なるほど。確かにこれは「科学的アプローチ」ですね。心理学的な要素を感じます。

私の住んでいる地域には東急ハンズは無いのですが、それだけ売り上げることはスゴイ戦略だと思います。

私は買い物をするときに店員があれこれと話しかけてくることが嫌いですが、こんなアプローチなら受けてもいいと思えます。

応援ポチ!
Posted by 読書ブログ屋 at 2010年11月12日 00:53
               
>イヴォンヌさん

この本、あまりに実践的過ぎて、セールスやってない人には使いどころが難しいと思うんですよ。

でも、考え方としては色々応用きかせられるんじゃないかと思います。


>読書ブログ屋さん

応援ありがとうございます!
私も僭越ながらご協力させて頂きました。

この本読んでいただくとわかるんですが、とにかく著者の方、売りまくってらっしゃるんですよ。
しかも、決して押し付けがましくなく。

これってスゴイことだと思いますし、もし販売業に携わってる方なら、絶対参考にすべきだと思います。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年11月12日 08:01
               
拙著「また、売れちゃった!」をお読みいただき、ありがとーございました。
新しい本が出ました。
「売れないモノを売る技術」です。
KKベストセラーズ刊ベスト新書です。
11月2日には、「人たらし道免許皆伝」がこう書房より出ます。
みんなー、頑張って、新しい時代を生き抜いていきましょー!
Posted by かずちゃん at 2011年10月10日 22:31
               
>かずちゃんさん

著者様直々のコメントありがとうございます。
この本には、かなりうならされました。
また、新刊のご連絡もありがとうございます。
ネタ的にセールス本は、どんなに良い本でも苦戦する(今回の本もそうでした)ので、難しい所ですが。

一方、来月の新刊はセールスではなさそうなので期待しております。
ありがとうございました!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年10月11日 08:56
               
こんにちは、「また、売れちゃった!」の著者、河瀬和幸です。さて、あれから一年、「売れないモノを売る技術」というのをKKベストセラーズさんからベスト新書として発売、次に「人たらし道免許皆伝」というのをこう書房さんから発売しました。昨年の作品が、販売の戦術をつかうというものでした。今回のは、販売の戦術をたてる、そして、その組織をつくる、ということを念頭に書きました。よろしくお願いします!
Posted by 河瀬和幸 at 2011年11月04日 05:37
               
>河瀬和幸さん

コメントありがとうございます。
ご連絡のご本ですが、丁度(?)今朝これから投稿する記事で、他の新刊と一緒にご紹介する予定でした。
後ほどご確認くださいマセ。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年11月04日 08:13