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2010年11月01日

【スピーチテク】『スピーチの天才100人』から選んだ10のTIPS


スピーチの天才100人 達人に学ぶ人を動かす話し方
スピーチの天才100人 達人に学ぶ人を動かす話し方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、古今東西の「スピーチの名手」のテクニックを集めた1冊。

100人もの人物が登場するため、376ページという厚さでも足りない(?)くらいでした。

アマゾンの内容紹介から。
スティーブ・ジョブズ、ジャック・ウェルチ、ジョージ・クルーニー、アドルフ・ヒトラー、アウン・サン・スー・チー……力強い言葉と巧みなコミュニケーション力で、人々の心を鼓舞し、社会に大きな影響を与えた名演説家たち。スピーチの組み立て方から言葉の選び方、表現の仕方まで、達人たちの「人を動かす」話し方のテクニックを徹底解説!
今回はこの本の中から、私たちでも使えるスピーチテクニックを10個選んでみましたので、ご覧下さい。


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【目次】

サルバドル・アジェンデ(チリ大統領)

スーザン・B.アンソニー(アメリカの女性参政権運動指導者)

コラソン・アキノ(元フィリピン大統領)

ムスタファ・ケマル・アタチュルク(トルコ共和国初代大統領)

アウン・サン・スー・チー(ビルマ(ミャンマー)の民主化運動指導者)

ヘンリー・ウォード・ビーチャー(アメリカの牧師・反奴隷制活動家)

アノイリン・ベバン(イギリスの下院議員)

ベナジル・ブット(元パキスタン首相)

リー・ボリンジャー(コロンビア大学学長・法学者)

ナポレオン・ボナパルト(フランス皇帝)〔ほか〕


【ポイント】

■1.キーワードを強調する
 言いたいことを強く印象づけるためには、スピーチの中で同じ言葉を繰り返し用いることが効果的だ。同じ言葉で始まる短いセンテンスを繰り返すと、とくに効果が大きい。この「アナフォラ(首句反復)」と呼ばれるテクニックの最大の効用は、考えや論理を聴衆と共有できることにある。


■2.強烈な印象を与える冒葉を選ぶ
 ベバンは、力強くて歯切れがよく、一度聞いたら忘れられない言葉を演説にちりばめた。ベバンの言葉に刺激を受けた人も多い。たとえば、ある演説で用いた「これが私の考える真実です。あなたの真実な聞かせてください(This is my truth, tell me yours.)」という言葉は、イギリスのロックバンド、マニック・ストリート・プリーチャーズが1998年に発表したアルバムのタイトルになっている。


■3.リハーサルを怠らない
 抜群の記憶力を持つチェンバーズは、いつもメモを見ずにスピーチをするが、事前の準備にはけっして手を抜かない。どんなに忙しくても、リハーサルを欠かさない。話す内容だけでなく、どこで声の抑揚を変えるか、どこで演壇を降りて客席に入るか、どこで個人の名前をあげて称賛するか、どこで言葉を区切って一呼吸おくかを頭に入れた上で演壇に立っている。


■4.聞き手のイメージが湧きやすい比喩を用いる
 第二次大戦終戦後の1946年3月5日、チャーチルがアメリカのミズーリ州フルトンで行った演説で用いた比喩はよく知られている。東西冷戦の時代の到来をいち早く見抜いていたチャーチルは、ソ連に対する警戒を呼びかけるためにこう述べた。「バルト海のシュテッテインからアドリア海のトリエステまで、ヨーロッパ大陸を横切って鉄のカーテンが降ろされた」


■5.いつまでも色あせないメッセージを打ち出す
 スピーチを成功させるためには、途中で主張をぶれさせたり、たくさんの主張を詰め込みすぎたりしてはいけない。不朽のメッセージを見いだし、それを強調することが重要だ。


■6.威厳をもって語り、頼もしさを醸し出す
 軍人として訓練を受け、数々の実戦を経験してきたドゴールは、動揺し恐怖をいだいている人たちに向かってどのように話せばいいかよく心得ていた。力強く、堂々と、明快に演説をした。あっさり降伏した同胞への怒りをあらわにするのではなく、自分の主張を裏づける事実を示し、少しずつ言葉の調子を強めていった。


■7.スピーチにリズムをもたせる
 キング牧師の演説が聴衆を引き込んだ要素の一つは、音楽的と言っていいほどの力強いリズムだった。そのリズムを生み出したのは、演説の構成と声の抑揚である。たとえばこの演説では、「私には夢があります」という言葉が一定の間隔をおいて繰り返されている。このフレーズは歌のコーラスのリフレインよろしく、聴く人の耳になじんだ。


■8.内容にふさわしい引用を盛り込む
 核心を突いた引用は、スピーチにカを与える。リソカーンは1958年に上院選に出馬した際の演説で、アメリカが奴隷制のある州と奴隷制のない州に分裂している状態に関してこう述ぺた。「内輪で争っている家は成り立っていきません」。この言葉は、「どんな国でも内輪で争えば、荒れ果ててしまい、どんな町でも家でも、内輪で争えば成り立っていかない」という新約聖書「マタイによる福音書」の有名な一節から取ったものである。


■9.発声に気を配る
 発声を磨くには相当なトレーニングが必要だが、それだけの意義はある。自分の声を録音して聞いてみるといい。どう聞こえるだろうか? 聞き手はどう感じるだろうか? なまりをすべて直せとか、自分なりのスタイルを捨てろというのではない。しかし、発声が上手かどうかはきわめて大きな意味をもつ。


■10.思いをストレートに表現する
 スペンサー伯爵(ダイアナ妃の弟)は弔辞で、最初のうち姉を「彼女」と三人称で呼んでいたが、途中からは「あなた」と二人称で呼びかけた。その結果、スピーチに人間味が吹き込まれて、姉に対する伯爵の思いが聞き手に強く伝わった。


【感想】

◆本書には100人が登場し、一人につき、ポイントが2~5つ程度収録されているため、実際には上記の何倍もの学ぶべき事項がありました。

ただし、「重要なもの」については何度も登場するので、それは差し引いて考えないといけないかと。

例えば「比喩を用いる」ですとか、「リハーサルを怠らない」といったあたりは、当然複数回登場しています。

そういえば、この本にも、いかにジョブズがリハーサルをしっかりやるかについて書かれていましたっけ。

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則
スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則

参考記事:【スゴ本】『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則』カーマイン・ガロ(2010年07月11日)

冒頭の引用部分にもあったように、本書には当然ジョブズも登場しますが、基本的に一人3ページほどしか割かれていないので、ジョブズのスピーチテクニックについて知りたければ、当然こっちの方をオススメw


◆また100人のうち、ジョブズやゲイツ、ジャック・ウェルチ等の経営者に比べて、政治家が多いのが本書の特徴です。

特に新旧のアメリカ大統領が10人も登場するのは、正直どうなのかな、とw

ただ、日本の首相と違って(?)、アメリカの大統領でスピーチ下手だったら、そもそも大統領になれないでしょうから、致し方ないのかも。

ちなみに、日本人では小泉元総理が登場しております。

他にも目次にあるように、様々な国の指導者が収録されていて、かつ、それぞれの方の解説もあるので、個人的にはスピーチテクニック以外の国際面関係の社会常識を学ぶことができたのが収穫でした。


◆そして、取り上げられているスピーチ自体、歴史的に重要なものがいくつも散見されたので、発言内容だけでなく、状況や時代背景をも考慮しないと、理解しえないものが多かったです。

この辺はむしろスピーチテクニックというよりも、話す内容が大事なんですが、逆に、「そういうシーンではどういうスピーチをすべきか」という勉強になりました。

まぁ私が政治家になることは今さらあり得ませんが、人の上に立って、人を動かす立場にいらっしゃる方なら、こうして多くの指導者のスピーチを横断的に俯瞰できるのは、得るところが大きいはず。

と言いつつも、上記のポイントでは、当ブログの趣旨から言って、思いっきりテクニカルな部分に焦点を当ててるんですがw


◆ぶ厚い本でよくあるのが、すきま時間で分けて読んでいると、登場人物等話が分からなくなってしまうこと。

その点本書は、一項目(一人)が3~4ページですから、その心配は全く無用ですw

私はブログを書く必要があって、一気に読みきりましたが、自宅に置いといて、気になる人物からつまみ読みすれば良いと思われ(私も一番最初に読んだのは小泉さんでした)。


指導者のスピーチを学ぶにはうってつけの1冊!

スピーチの天才100人 達人に学ぶ人を動かす話し方
スピーチの天才100人 達人に学ぶ人を動かす話し方


【関連記事】

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【スゴ本】『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則』カーマイン・ガロ(2010年07月11日)

【プレゼン】「世界最強のプレゼン術」ジェリー・ワイズマン(2010年03月08日)

【テク満載!】ブライアン・トレーシーの 話し方入門(2008年08月03日)


【編集後記】

◆プレゼン絡みでこんな本が。

すごプレ
すごプレ

自分自身がプレゼンやるなら、絶対買ってるんですがw


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この記事へのコメント
               
『すごプレ』ご紹介ありがとうございます!
(変態パワポテク満載です!)

「スピーチの天才100人」、おもしろそうですね。
私もスピーチを活かすことのできるスライドを目指したいです!w
Posted by at 2010年11月01日 14:22
               
>Kさん

コメントありがとうございます。
ご本、実際に書店で見たのですが、圧倒されました。
ただ、自分がパワポを使ったことがないので、推薦する自信がないのと、おそらくテキスト中心のスタイルのブログで紹介するにはちょっと難しいかな、と思った次第です。
ご本が売れるよう、陰ながらお祈りしております。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年11月02日 04:33