2010年10月12日
【濃厚!】週刊ダイヤモンドの電子書籍特集号が予想通りキテる件
週刊 ダイヤモンド 2010年 10/16号 [雑誌]
【はじめに】
◆本日発売の、週刊ダイヤモンド10月16日号。第1特集が「電子書籍入門」ということで、発売日を勘違いしていて昨夜書店まで自転車を飛ばして買えなかった(当たり前w)私が来ましたよ、とw
発売前から、色々漏れ伝えられてきた情報通り、これがまたかなり濃い内容になっていたわけでして。
そこで簡単ですが、ご紹介しておきます。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
出版社サイトから引用します。読み方・買い方はこう変わる!
プロローグ 電子書籍が待ち望まれる必然
「読む・めくる」はこう変わる
端末8メーカー10機種を一挙公開
Interview 片山幹雄(かたやま・みきお)●シャープ社長
Column 日本の出版業界を勇気づける米国の変化
書籍・雑誌ビューア徹底比較
Interview 伊藤正裕●ヤッパ社長
Interview 萩野正昭●ボイジャー社長
電子書籍ならではの読書体験
Column 「ブックシェア・カフェ」の魅力
Interview 大原ケイ●ニューヨーク在住出版エージェント
「選ぶ・買う」はこう変わる
流通プラットフォームを巡る大乱戦
今すぐ買える電子書店
これから開始予定の販売関連サービス
アマゾンが変える読書体験
Interview ジェイ・マリーン●Amazon Kindle事業部ディレクター
グーグルの書籍関連事業を解剖
国会図書館長"長尾構想"の壮絶
Column エスプレッソ・ブック・マシン
疲弊する出版流通と電子化の波
Interview 加藤和裕●三洋堂書店社長
Interview 小城武彦●丸善社長
小さな書店の電子とは違う読書体験の提供
Column 書店商業組合が運営する電子書籍サイト
答えを見出せない取次の苦悩
「残す・運ぶ」はこう変わる
書籍を裁断、スキャンして保存
"自炊派"の生産法を一挙公開!
設立10年目の復刊ドットコム
Column "著者主導"の絶版本電子出版
「著す・編む」はこう変わる
出版という行為はどう変わるか
Column ブログの延長でできた「パブー」
Interview 益子昌一●映画監督
知っておくべき自費出版の原則
編集者が「読書」を刺激する!
講談社を飛び出した"最前線"
Interview 内田 樹●神戸女学院大学文学部教授
紙と電子は二律背反ではない
【ポイント】
■プロローグ 電子書籍が待ち望まれる必然◆特集の初っ端は、出版業界の現状について。
●出版点数&返品率がウナギ登り
●書店が減っている
●市場がピークから7000億円減った
等々、電子書籍が望まれる現在の状況が浮き彫りにされています。
まずはこの辺をスタディしておくのが大事かと。
■「読む・めくる」はこう変わる
◆商品画像と一覧表で、「8メーカー10機種」を一挙に公開。
KindleやiPadはもちろんのこと、GALAPAGOSもしっかり登場しておりますw
◆一方こちらは、「書籍・雑誌電子ビューア徹底比較」。
私も何故かPCに入っているT-Timeや、ダイヤモンド社さんが開発したDReaderなどが紹介されています。
■「選ぶ・買う」はこう変わる
◆このコーナーでは、最初に「流通プラットフォーム」について分析。
詳細は実際に読んでいただくとして、「大日本印刷」の動きは要注目ですね。
そして、「選ぶ・買う」となれば当然出てくるのが「電子書店」。
APP Storeはもちろん、老舗のボイジャーが運営する「理想書店」や、「パピレス」「マガストア」など。
というか、いつの間にこんなに多くの電子書店が…。
◆一方、出版業界の現状についてもこのようにページを割いております。
各県別の書店数の減少ぶりを見ると、改めて、大きな過渡期が到来していることがよく分かりますね。
また、「再販制度」「委託販売制度」についても解説があるので、改めてお読み頂きたく。
■「残す・運ぶ」はこう変わる
◆ここでは「自炊」のノウハウ他を。
「Kindleで読むことが前提なら、表示を大きくするためなるべく余白が少なくなるようにカットする」なんて、アドバイスもアリw
裁断、スキャン、端末に転送、と一連の作業について触れられています。
登場するガジェットは、自炊関係者の間ではお馴染みのこちら。
プラス 断裁機 裁断幅A4 PK-513L 26-106
FUJITSU ScanSnap S1500 FI-S1500
◆そして、「自炊」というよりはむしろ「他炊」のサービス比較もw
これまたいつの間にこんなに業者さんが出てきたのかと。
ちなみに左ページは専門家の方々の「自炊」に関する法的な見解一覧。
「自炊の代行サービス」は、皆さん揃って「クロ」判定なんですがぁ……。
◆さて、自炊するにも、「買った本全て自炊」してたら大変ですから、どう区別するか。
ここでは、坂口孝則さんと磯崎哲也さんという、先駆者であるお二人の意見が紹介されています。
それぞれ「何をデータ化するか?」「どう保存して読むか?」「電子化の効果」についてお話されていますので、自炊派の方なら必見ですね。
■「著す・編む」はこう変わる
◆ここでは「出版社」や「編集者」のこれからについて言及。
果たして、電子書籍時代には、書き手の印税率は従来の約10%からどう変わるのか?
そして、プロの編集者は何をすべきなのか……?
◆画像は撮りませんでしたが、「自費出版」についても触れられていました。
というか最近では、電子書籍でなくとも、自分で本を印刷して、アマゾンに並べることも不可能ではなくなってきていますし(注:今回の特集では下記本は紹介されておりません)。
私にはもう出版社はいらない~キンドル・POD・セルフパブリッシングでベストセラーを作る方法~
参考記事:【アマゾン攻略法】「私にはもう出版社はいらない」は業界関係者必読な件(2010年06月13日)
なお、悪質な自費出版ビジネスの手口について紹介されていますので、自費出版をお考えの方は、ここは目を通しておくと良いと思います。
◆さらに、現役編集者さんのお話も。
何度かお会いしたことのある、講談社の佐渡島さん(『ドラゴン桜』『バガボンド』等)や、『もしドラ』編集者の加藤さん、サンマークの池田さん、新潮社の柴田さんの4人が登場。
この辺は、むしろ業界関係者の皆さんにとって、必読ではないかと。
【感想】
◆非常に簡単ですが、この辺で。上記目次をご覧いただければお分かりのように、全ページ興味深い内容で占められております(個人的に)。
また、丸善の社長さんのインタビューも読みどころの1つ(思ったよりお若くてビックリしたんですがw)。
題して「リアル書店をIT化しマーケティングを実行する」。
私も現在、購入するのはアマゾンがメインなのですが、やはり「未知の本との出会い」はリアル書店には敵わないですね。
◆リアル書店の絡みで言えば、「取次さん」も、日販とトーハンとで、対応がまったく違う、というのも知りませんでした。
ぶっちゃけ現在の出版業界では、ある意味最も力があるプレイヤーが、電子書籍時代にどうなるのか。
両社とも「リアル書店を見捨てない」という点は同じなので、今後の動向にも注目です。
いずれにしても、もっと時間をかけてじっくりご紹介したいくらいの濃厚さでございました。
週刊 ダイヤモンド 2010年 10/16号 [雑誌]
【関連記事】
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ご声援ありがとうございました!
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この記事へのコメント
「新しい書籍の夜明け」を感じます。かつてeメールと表現して、普通のメールと区別していたのが、いつの間にか「e」がとれてただのメールになったように、ebookもいつの間にか「e」がとれるんでしょうね。そしてもう一つは、いま想像している使い方と違う使い方が出てくるんでしょうね。これまでの全ての新技術出現の時のように。
Posted by 片木 at 2010年10月12日 21:48
>片木さん
確かにいずれebookとは言わなくなるとは思いますね〜。
と言うか、最近の若い子は、カセットテープレコーダーとか見たことないんじゃないか、と。
アナログのレコードも、テクニクスがターンテーブル作らなくなるようですし、そろそろ消えてしまいそうですし、コンテンツを載せるものは、その時代によってどんどん淘汰されてしまいますね。
ただ、個人的には物体としての「本」に私は思い入れがあるんですがw
確かにいずれebookとは言わなくなるとは思いますね〜。
と言うか、最近の若い子は、カセットテープレコーダーとか見たことないんじゃないか、と。
アナログのレコードも、テクニクスがターンテーブル作らなくなるようですし、そろそろ消えてしまいそうですし、コンテンツを載せるものは、その時代によってどんどん淘汰されてしまいますね。
ただ、個人的には物体としての「本」に私は思い入れがあるんですがw
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年10月13日 04:20
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