2010年10月07日
【名言集】『ショーペンハウアー 大切な教え』
ショーペンハウアー 大切な教え (智恵の贈り物)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、『読書について』でお馴染みのショーペンハウアー(Wikipediaでも、ショーペンハウエルではなく、ショーペンハウアー表記)の処世訓。巻末の参考文献を見ると、『読書について』以外にも7冊ほど著作が列挙されており、それらから選ばれた「名言」は、計238。
下記目次を見るとお分かりのように、本書は7つの章に分かれていて、それぞれテーマごとに掘り下げられています。
各ページごとに簡潔しているので読みやすく、手軽にショーペンハウアーの世界を堪能できる1冊だと思われ!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
1 幸福に生きる
2 自分を愉しむ
3 マイペースに暮らす
4 知性を磨く
5 快く過ごす
6 本と向きあう
7 自由にはばたく
【ポイント】
■1.自分の持ち物のありがたさに気づく人は自分の持っていないものを見ると、つい「あれが自分のものだったなら」と考えがちで、そのために不足感に陥ってしまう。それより、できるだけ「もし、これが自分のものでなかったなら」という逆のケースを想定すべきだ。つまり、自らが現在手にしているものを、仮に失った場合のことを考えるのである。財産も健康も、友人、妻子、恋人といった自分の愛する人々も、また馬や犬にしても、いずれも唯一無二の存在だ。たいてい、失ってみてはじめてその価値がわかるものである。
■2.幸福にあっては不幸を想定する
時は大きな変化をもたらし、物事は元来はかないものであるという事実を忘れてはならない。したがって、どんな場合にも、反対の事態を想定することだ。幸福にあっては不幸を、友情にあっては敵意を、好天にあっては雲に覆われた空を、愛にあっては憎しみを思い浮かべ、信頼して打ち明ける際には、裏切られて後悔するところを想像するのである。また、その反対の場合にも、常に逆のケースを意識の中に入れておくといい。
■3.刺繍の裏をのぞく
人生は、刺繍をほどこした布にたとえられる。生涯の前半は布の表を見せられ、後半は裏を見せられる。裏は表のようには美しくないが、得るところは大きい。針がどのように動いたのかがわかるからだ。
■4.孤独の二つの利点
知的水準の高い人は、孤独によって二つの利点に恵まれることになる。一つは、自分自身を相手にしているという利点、もう一つは、他人を相手にしなくてすむという大いなる利点である。
■5.偉大な者は後世のために仕事をする
同時代の人々の感謝を生きているうちに経験したいと思う者は、時代に歩調をあわせなければならない。だが、そうしていると、決して偉大なことは成し遂げられない。偉大なことを目指す者は、のちの世界に目を向け、後世のために確固たる自信を持って、自分の仕事を仕あげるべきである。
■6.自分の弱みを話せ
相手を上機嫌にさせるには、最近自分が見舞われたトラブルについて話すか、個人的な弱みを包み隠さず打ち明けるのが何より効果的だ。このことは、人間の本性を実によく表しているといえる。
■7.遠く離れて美しさを知る
人生のさまざまな情景は、粗いモザイクの絵のようなものだ。近くから見ても何の印象も得られない。美しいと思えるようにするには、そこから遠く離れて見る必要がある。
■8.悪書は読まない
悪書は読まなさすぎるということはなく、良書はいくら読んでも読みすぎるということがない。悪書とは知性を侵す毒であり、精神を破壊するものだ。良書を読むための条件は、悪書を読まないことである。人生は短く、時間と体力には限りがあるからだ。
【感想】
◆実際にそうかはさておき、本書はやはり『超訳 ニーチェの言葉』を意識しているのだと思います。私は正直なところ、「哲学」的な作品は守備範囲ではないので、実はこの『超訳 ニーチェの言葉』も読んでおりません。
とはいえ、装丁を含めたパッケージ全体としては惹かれるものがあり、そこに出てきたのが本書。
私はリアルな「本」として、現物を確認した上で購入しましたが、読書好きなら「ショーペンハウアー」の名前だけで買ってしまいそうなw
◆もちろん本書は、フレーズ集ですから、ページによっては数行で終わっているものもあります。
ただし、その一つひとつの重いこと、苦いこと。
よくよく考えたら、ニーチェはショーペンハウアーに影響を受けているのであり、ガチな哲学者だったんですよね(今さら)。
本書の帯にも「アルトゥル・ショーペンハウアーは私が誇りとする厳格な教師である」というニーチェの言葉が載っています。
◆そしてこの「厳格な教師」さんが、非常に「孤独が好き」であることが明らかにされているのが、第3章の「マイペースに暮らす」。
あまりに「ぼっち」なので、上記のポイントでは1つしか取り上げていませんが、小見出しだけ拾ってみても
「孤独を愛さない者は、自由を愛さない者だ」
「人間関係は深入りしすぎない」
「非社交的な人は知的」
「独りきりの醍醐味」等々、
「これでもか」とぼっちを礼賛しております。
他の章でも「群れることを嫌う」お話が出てくるので、よほど人付き合いが嫌いなのだと思われ。
多分何も知らないで本書を読んだら、フツウに驚くと思いますので、ここで先に告げておこうかと。
◆本書は、『超訳 ニーチェの言葉』より一回り小さいサイズでありながら、ハードカバーと厚めの紙を採用しており、さらに手に取りやすい作りになっています。
さらにお値段も『超訳 ニーチェの言葉』より400円ほど安く、プレゼントとしてあげるにはいい感じ。
ただし、中身は上記で申し上げているように、ビターテイストなので、贈る相手はよく考えて頂きたく。
『ニーチェ』の次に来るのはコレかもしれません!?
ショーペンハウアー 大切な教え (智恵の贈り物)
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【編集後記】
◆今日ご紹介した本と同じく、イーストプレスさんからもうじき出るご本。頭が突然鋭くなる「全脳」刺激法
茂木先生の作品は、当ブログとしてはあまり取り上げていないのですが、これは面白そうです。
ご声援ありがとうございました!
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