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2010年09月21日

【仕事術】『残念な人の仕事の習慣』山崎将志


残念な人の仕事の習慣 (アスコムBOOKS 9)
残念な人の仕事の習慣 (アスコムBOOKS 9)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、前作『残念な人の思考法』が20万部を突破したという、山崎将志さんの最新刊。

今回も、新書であり、読みやすさは前作同様。

そして相変わらずネタが豊富なのはいいのですが、ネタバレ意識しちゃうと、記事を書くのが結構難しかったり……。

ちなみに丸善オアゾの中の人もオススメのようですよ!


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【目次】

第1章 ビジネス編 できる人がやっている「損してトク取れ」方式

 非効率な仕事を頑張らせない
 「朝食無料サービス」で利益が増えたゴルフ場
 「忙しいから人を増やす」は何も解決しない ほか

第2章 コミュニケーション編 残念なメールは金曜夜にやってくる

 昼間から疲れを想起させてはいけない
 「どう思う?」と質問する残念な人
 メジャーリーグのインタビュアーに学ぶプロの質問力 ほか

第3章 時間の使い方編 残念なタクシーに乗り込む残念な客

 残念なタクシーに乗る人は、残念な時間を使っている人
 トップ1%の運転手が実践するサービス業の真髄
 MKタクシー社員の「やる気のスイッチ」とは ほか

第4章 働き方編 二流は「単純作業」と嘆き、一流は「実験の場」と喜ぶ

 華やかなプロゴルファーの退屈な日常
 仕事は飽きるが、ゲームは飽きない
 仕事と賃金 ほか

第5章 イノべーション編 もしも書店から会計レジがなくなったら…

 他業種の仕組みを盗む「ベンチマーク」の習慣
 レジ袋で2円引き
 ブックカバーは本当に必要か ほか


【ポイント】

■1.「損してトク取れ」方式の本質
 客の望む通りにサービスすれば客は喜ぶが、結果的にコストが上がる。これは当然だ。かといって、お金を使うな、時間をかけるな、ということではない。
 結果を出す人は、どんなことでも「自分たちのメリットになることはないか」を一生懸命考えている。転んでもただでは起きないことが習慣化されているのだ。
 客と会社の両方がWIN-WINになるためには、一見損だと思うことでも本当にそうなのか、得をすることはないのか、とことん考える必要がある。これが、「損してトク取れ」方式の本質だ。


■2.望まれるメールの件名のラベル
 また、件名に【重要】【緊急】【要返信】といったラベルを使用する場合はよく考えてほしい。往々にして【緊急】と記されているものは、送り手にとっては緊急であるが、こちらにとっては全く急ぎには見えないものである。(中略)

 とはいえ、メールのラベルはコミュニケーションの最適化のために有効である。私がよいと思うラベルは、【報告】【連絡】【相談】【依頼】【質問】などの、相手に期待するアクションを明示したラベルである。相手のアクションを明示するというよりは、「強要する」「急かす」ものであることが先の例との違いだ。


■3.残念な人が具体的なことが言えない理由
 抽象的なことばかり言って、具体的なことを言えないのは、残念な人の特徴である。
 たとえば、「最近の若者ってかわいそうだね」「日本人って残念だよね」と言っても「その若者って誰ですか?」「残念な日本人って誰ですか?」となる。「だって、よくテレビで言っているじゃないですか」と言う人もいるが、それはテレビの意見でしかない。
 そういう人は、自分の頭や体を使っていないからわからない。だから、具体的にならないのである。


■4.「少々お待ち下さい」の少々は何分?
 人間というのは不思議なもので、「1分ほど待ってもらえますか」と言われた1分は短く感じるが、「少々お待ちください」と言われて待たされる1分は相当長く感じるものだ。(中略)

忙しい、忙しくないにかかわらず、待た「される」というのは誰にとっても嫌なことなのだろう。つまり、「少々」といった曖昧な表現はなるべく使わないようにして、定量的な表現、定量的なソリューションを心がけるべき、ということだ。


■5.面白い仕事は、つまらない仕事の積み重ねで成り立っている
 面白いことはそこら中に転がっている。キーワードは、ゲーム化、日常へのフイードパック、勉強との接点、自分のポジションの構築である。
 繰り返すが多くの人が気付いていないのは、面白い仕事は、つまらない仕事の積み重ねで成り立っているということである。(中略)

 人の仕事を羨ましく思ったり、仕事とは別のところに生きがいを見出したりすることで得られるものは少ないのではないだろうか。


■6.上司の悪口を言う人も残念な人
 私も会社勤めをしていた頃は、苦手な上司がいた。
 しかし、あえて厳しいことを言えば、結局上司の悪口を言う人も残念な人なのではないだろうか。
 仕事で付き合う相手は、自分を映す鏡でもある。
 たとえば、「その程度の上司としか付き合えないのは、あなたのせい」でもある。「取引先は頭が悪くてどうしようもない」と愚痴る人は、そのような取引先としか付き合えない人でもあるのだ。


■7.MBAや英語ではない。直接仕事に繋がる勉強をする
 あなたの担当する顧客は創業何年で、誰がどういう目的で設立した会社なのか。売上高、利益はいくらで、従業員は何人か。
 社内の規定集を全て読み通したことがあるか。自社の商品名を全て言えるか。商品の主要機能、導入方法、効果、リスクは何か。(中略)

 このような勉強はタダだ。しかも、調ぺていくうちにいろいろ疑問が湧いてくる。それを社内の専門家に尋ねれば人脈が広がるし、図書館で本を借りても、目的に合った勉強ができる。
 会社が嫌で転職したい人には、せめてこれくらいの勉強はしてから「つまらない」と言ってほしいと思う。面白いこと、勉強すぺきネタはそこら中に転がっているのだ。


■8.自分で経験したことを本で整理することはできるが、本で読んだことを経験に生かすのは難しい
 たとえば、ラーメン屋をやりたい人は、夜もしくは土日にラーメン屋で働いてみるといい。ネットショップをやりたい人は、ネットショップ運営会社に頼み込んで働かせてもらえばいい。
 これは時給で働くという意味ではない。ラーメン屋での給料は時給かもしれないが、その背景にはラーメン屋を起業する準備があるからだ。同じラーメン屋のバイトでも、目的によって捉え方が変わってくるということだ。


【感想】

◆これだけ書いたにも関わらず、結局冒頭で申し上げたネタバレしかねない故に「書くのが難しい」という部分は割愛してしまいました。

具体的には、アマゾンの内容紹介に小見出しが挙げられています。
・「朝食無料サービス」で利益が増えたゴルフ場
・ビジネスホテルに「大浴場」がある本当のワケ

ちょっとだけネタをバラしてしまうと、前者は「遅刻者が激減したから」であり、後者は「部屋の●●の工程を省くことができる」から。

これらはいずれも、山崎さんが言うところの「損してトク取れ」方式でもあります。

同じように「餃子の王将」が半額サービスをする理由も、この「損してトク取れ」方式なのですが、何が「トク」かは、本書を読むまでまったく気が付きませんでした(集客ではありません)。


◆一方ビジネスシーンで、日頃何気なく行っている行為でも、山崎さんの目には「残念」に映るものが多々。

上記のようなメールの件名はもちろん、私も普通に使っているある挨拶用語も、実は「残念」だったのだと今さら気が付いてみたり。

こういうことは、思考停止していると気が付かない、というか、周りの人も普通に使っているので、何ら違和感がなかったからなのですが(言い訳)。

本書を読んで、自分のやり方や考え方も、今一度、見直すべきだと感じました。


◆そして最もグサっときたのが、7番目の「直接仕事に繋がる勉強をする」というくだりで、この考え方に従えば、私はほとんど自分の仕事について「勉強」してこなかったな、と。

もちろん、税法は掘り下げていったらホントにキリがないのですが、極限まで掘れば、面白くなるのかもしれません(?)。

いや、そうでなくとも、自分の仕事について「勉強」することはいくらでもある、というのは改めて実感した次第。

間違っても「本業が面白くないからブログやってます」なんてことは、口が裂けても言えません罠……。


◆本書は、山崎さんの前作がツボだった方なら、ほぼ無条件でオススメできると思います。

前作同様の「物の見方」「考え方」がベースとしてあるので、好きな方ならハマることウケアイ(そうでない方はそれなりに(?))。

もちろん、読んで「ふーん」で終わらせずに、日々の生活に活かすことが大事なのは言うまでもなく。

そう言ってる自分が、「美味しいネタを仕入れて満足して終わり」になりそうで怖いんですがw


「残念な人」にならないために!

残念な人の仕事の習慣 (アスコムBOOKS 9)
残念な人の仕事の習慣 (アスコムBOOKS 9)


【関連記事】

【働き方】「残念な人の思考法」山崎将志(2010年04月28日)

【一万円】『成功する人だけが知っている「一万円」の使い方 』向谷匡史(2010年08月30日)

【仕事論】「若者のための仕事論」丹羽宇一郎(2010年05月14日)

【痛快!】「大人げない大人になれ!」成毛眞(2009年11月25日)

【コンサルタントの視点】『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』小宮一慶(2007年10月24日)


【編集後記】

◆昨日、干場社長のブログ記事を読んで、気になったのがこの本。

大ヒットの方程式 ソーシャルメディアのクチコミ効果を数式化する
大ヒットの方程式 ソーシャルメディアのクチコミ効果を数式化する

ただ、タイトルにある「方程式」は、概念ではなくて「ガチで数式」らしいので、ビビっておりますw


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