2010年09月18日
【必読。】『「売れるキャッチコピー」と「買わせるキャッチコピー」』井手 聡

「売れるキャッチコピー」と「買わせるキャッチコピー」 (DO BOOKS)
【本の概要】
◆今日お送りするのは、久々に「キャッチコピー」のご本。表紙はちょっとアレですが、中身はキャッチコピー作りの様々な「型」を具体的な事例とともに紹介しており、かなり実践的だと思います。
アマゾンの内容紹介から。
売れるキャッチコピーづくりの基本を知りたい人、よいキャッチコピーがなかなか思い浮かばない人、買う気にさせる・心を打つコピーを作りたい人……必読です!ちなみに、記事のタイトルの冒頭にある句点(「。」)にも意味があるんです!
たった一行で、多くのお客様の心をつかむことができるキャッチコピーをつくろう! 「何を伝えるか」を決め、そのことを伝えるのに最も適したコトバを探し、効果的に並べる。そんなキャッチコピーの「型」を効果別に紹介!
この「型」をもとにアレンジすれば、より効果的なキャッチコピーが生まれます。

【目次】
1章 「メリット」「デメリット」で気を引くキャッチコピー
2章 「好奇心」で誘い込むキャッチコピー
3章 「感情」に強く訴えかけるキャッチコピー
4章 「想像」でその気にさせるキャッチコピー
5章 「大衆心理」を突くキャッチコピー
6章 「親近感」でピンとこさせるキャッチコピー
7章 「数字」をフル活用するキャッチコピー
8章 「安心感」で納得させるキャッチコピー
9章 「意表」をついてうならせるキャッチコピー
10章 「変化」「対比」で心を揺さぶるキャッチコピー
11章 「力強さ」で圧倒するキャッチコピー
12章 あの手この手で「目立たせる」キャッチコピー
【ポイント】
■1.「このままでは損」と思わせるそれでもまだ、今の保険を続けますか?
これは、生命保険の広告の中に見つけたキヤッチコピーです。その意味深な投げかけに、「えっ、どういうこと?」と、続きを読みたくなる人は少なくないはすです。(中略)
これは「『このままでは損』と思わせる」というテクニックです。「それでもあなたは(まだ)、……」からはじめるのが、このキャッチコピーのパターンです。
■2.その先が気になるように途中で終わる
私がピアノの前に座るとみんなが笑いました。でも弾きはじめると……!
このキャッチコピーは、今から80年以上も前に作られたものですが、今でも充分に通用する秀逸なものです。
ポイントは、すべてを言い切らずに途中で終わっていることです。これにより、読み手が想像を膨らませ、「それで、どうなったんだ?」と広告の続きに目をやることになります。
■3.擬音語を使う
バタンと身をあずければ、もう動けない夢心地
体の負担を極限まで減らすから、シーンと深い眠リの世界へ
もうお気づきだと思いますが、これらのキャッチコピーに共通するのは、擬音語を使っていることです。読み手の想像をかき立てるのに、擬音語は最も手軽で便利なツールです。
パチンコの出玉は、「たくさん出る」より「ジャンジャン出る」としたほうが臨場感が伝わるし、台所洗剤であれば、「すぐに汚れが落ちる」より「シャッと洗える」としたほうがスピード感が出ます。
■4.かぎかっこを使って深い意味を予感させる
本書の第12章で、特定のキーワードを目立たせる手法についてご紹介しています。その手法には、「文字を大きくする」「フォントを変える」「傍点を付ける」「下線を引く」などがあるのですが、「かぎかっこを付ける」のも、そのひとつの方法です。
ただ、かぎかっこによる強調が他と違うのは、「意味深」なイメージが加わることなのです。つまり、かぎかっこには「深い意味を予感させる」という役割もあるのです。
■5.ストーリーを仕立てる
「お前も行かないか」……すべてのはじまりは、友人からもらった1枚の招待状だった
要するに、ストーリーのはじまりで関心を引き、「最後まで知りたい」という欲求を利用して、広告の目的部分にまで誘導するのです。
このように、ストーリー仕立てのキャッチコピーを作るときに便利なフレーズは、「すべてのはじまりは、〇〇だった」です。
■6.お客様にしてほしいアクションを指示する
今すぐご来店ください
今すぐお電話ください
コンサルタントとしていろいろな会社の広告を見ていると、この、お客様にしてほしいアクションを指示するというポイントが抜けているものが多いのに驚かされます。
特に「チラシ」は、即効性を求める広告媒体なので、このポイントを押さえることが欠かせません。にもかかわらず、「ご来店ください」「お電話ください」といったキャッチコピーが見当たらない。そればかりか、「来店してほしいのに、地図や営業時間、定休日が抜けている」「電話をしてほしいのに、電話番号が小さくて日立たない」というようなケースが多いのです。非常にもったいないし思います。
■7.「コード・スイッチング」を使う
社会言語学者の東照二さんは、著書『人を惹きつける「ことば戦略」』(研究社)の中で、「コード・スイッチングとは、言語・方言・立場・話し方等を変化させることによリダイナミックにアピールし、相手を惹きつける技術」であると述べています。変化をつけて気を引く技法、それがコード・スイッチングです。(中略)
(3)創業以来の破格値です!! でも、ちよっとやリすぎたかな……
(3)は「ソト」と「ウチ」のコード・スイッチングです。外に向けて「破格値です」と言い切った後、「やりすぎたかな」と、内に向けてボソッとつぶやくように言う。この落差で目を引こうとしてしいます。
■8.「実は」「ところが」で関心を引く
「実は、……」と言われると、何か意外なことや、びっくりすることを話してくれるのではないか、と期待するものです。当然、その期待に沿うような「ネタ」を用意した上でそう話すのですが、ところどころに「実は」が来ることで、絶えず期待を抱きながら話を聴くことができるのです。
「ところが」も同様です。「ところが」は、起承転結でいえば「転」にあたり、思いもかけない展開を期待させます。これは、キャッチコピーを考える上でも使えます。「実は」「ところが」は、読み手の関心や注意を引くことができるのです。
【感想】
◆本書はこのような「キャッチコピーのワザ」が計80個収録されています。もちろん、取り上げなかったものの中にも秀逸なモノが沢山ありますので、気になる方は是非とも要チェックで。
特に第7章の「数字」を使うパターンは、キャッチコピーの王道ですが、逆に皆さんあまりに日頃から接しすぎかと思って割愛した次第。
その中に「たったひとつ」パターンが出てくるのですが、これは「ホッテントリメーカー」でよく出てくる「たったひとつの冴えたやり方」という決まり文句でお馴染みですねw
◆そう言えば、そのホッテントリメーカーにも随分お世話になっているワタクシ。
実際ににホッテントリ入りした(もしくははてブ50以上付いた)中に、ホッテントリメーカー作が、どのくらいあるのかチェックしてみました。
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これ見ると、数字ネタばかりのような気がしないでもなく。
というか、ホッテントリメーカーは色々な候補作を提案してくれている中で、私が数字ネタを好んでいる、とも言えるんですがw
◆また、ホッテントリ入りした中で、ホッテントリメーカー作でないものも、そもそも本のタイトル自体がキャッチーだったりします。
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やっぱり数字ネタ多めですね。
ただ、数字だけでなく「プラスアルファ」があって、その相乗効果とも言えそう。
そしてそのプラスアルファの各パターンについても、本書には「型ごと」に紹介されているわけです。
◆というワケで。
私の場合はさておき、実際にご商売をされている方なら、この手の本でコピーライティングのスキルを磨くことは、決してムダではないと思います。
特に、出版関係者の方なら、本のタイトル、サブタイトル、帯のフレーズ、POPのフレーズ等々、考えなくてはいけないシーンが山ほどあると思われ。
また、アマゾンでの内容紹介でも、小見出し風に強烈なキャッチをいくつも入れて書いたほうが、ダラダラ長文の紹介よりもインパクトがあるような気がしています。
もちろん、あんまり短すぎる紹介文だと、やる気がないように見られる危険性はあるのですがw
コピーを制する者は、ビジネスを制す!

「売れるキャッチコピー」と「買わせるキャッチコピー」 (DO BOOKS)
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【編集後記】
◆昨日、職場近くの靴屋さんで、このスニーカーを買いました。![[アディダス] adidas STAN SMITH 2](http://rcm-images.amazon.com/images/P/B001Q3LPRC.09.TZZZZZZZ.jpg)
[アディダス] adidas STAN SMITH 2
何故かリンク画像は白ですが、クリックして飛んで頂くと分かるように、私のテーマカラーである「黒」のスタンスミス。
これで今日は、ムスコの保育園の運動会に参加してきます!

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