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2010年09月13日

【勉強ネタ】『一生クビにならない脳』で知った4つのTIPS


一生クビにならない脳 (Forest2545Shinsyo 20)
一生クビにならない脳 (Forest2545Shinsyo 20)


【本の概要】

◆先日アマゾンキャンペーンをお知らせした、篠原菊紀先生の新書、『一生クビにならない脳』

とりあえず自分自身もキャンペーンに応募し、皆様にも本の存在はお伝えしているので、再度記事にすることはないかな、と思っておりました。

ところが、パラパラと読んでみたところ、「今まで見たことのない画期的(?)な情報」を発見。

他にも「勉強本」として使えるTIPSがあったので、4つほどご紹介してみます。


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【目次】

プロローグ ワーキングメモリの力で脳は冴えわたる

第1章 脳の「メモ機能」を強める―「超イメージ」こそ脳にとってのリアル

第2章 ワーキングメモリを鍛える意味―「脳のメモ帳」を使い込んで「脳の容量」を増やす!「アイデア」「集中」「判断力」について

第3章 自分の脳を「超イメージ」―脳の中に「三つの目線」の動画を作り、あらゆる場面に対応する

第4章 相手の「脳内を見る」技術―脳から考える「人間関係」「コミュニケーション」「伝える力」「褒める力」

第5章 脳に「記憶の引き出し」を作る

第6章 ワーキングメモリを鍛える「睡眠」―睡眠がひらめきを生む

第7章 脳をダマせば行動は変えられる―脳によってパフォーマンスを上げる

第8章 2025年の脳―パチンコと脳から「社会」「ビジネス」の先を読む


【4つのTIPS】

■1.東大生のノートの秘密は「美しさ」ではなく「後で見やすい」こと

◆かつてブームとなった『東大合格生のノートはかならず美しい』

この本のヒットの最中に、篠原先生は、フジテレビ「とくダネ!」の依頼で、この本に登場する東大生がノートを取っている時の脳活動を調べたのだそう。

そのとき「あとで見やすいように考えながらノートを取る」「漫然と板書を写す」の2パターンでノートを取ってもらったところ、次のようなことが分かりました。
 あとで見やすいよう考えながらノートを取ると、ワーキングメモリに関わる前頭葉や頭頂葉などで強い活動が見られます。しかし、ただ板書を写している場合は、言葉を聞く中枢、話す中枢は活動していますが前頭葉はあまり活動しません。ただ頭の中で内言がまわっているだけで、それを脳のメモ帳に持ち上げて操作することはあまり行われていないわけです。
 ワーキングメモリで「深い」処理が実行されると記憶に残りやすくなりますから、考えながらノートを取った方が記憶に残りやすい。あとでする勉強の量が少なくてすむわけです。


◆私は番組を観ていないのでなんとも言えませんが、ここだけ読むと、東大生が普通、どちらでノートを取っているのか分からないような(?)。

ただし、少なくとも「漫然と板書を写す」というノートの取り方をすると、記憶に残りやすくはないことだけは明らかです。

ただ単に丁寧にノートを取るだけではダメで、「あとで見やすいように考える」のがキモのよう。


■2.眼球運動で集中力アップ

◆集中力をアップさせるTIPSは他にもありますが、本書で推奨されているのが「眼球運動」
 集中力は「眼の玉のコントロール」と密接に関係しています。集中力とは「眼球をいかに動かすか」ということで、極端に言うと目線をある一点に固定することです。
 目線の固定と言っても、単なる眼球の固定ではあリません。集中してどこか一点を見つめる場合、アタマの微細な動きをキャンセルするよう眼球を動かす必要かあリます。
 こうした微妙な眼球コントロールに深く関わるのが前頭葉の前頭眼野。この部位は能動的な注意を払う時に活性化します。
 つまリ、眼球を動かして前頭眼野を活発化させ、「見る」メカニズムを使って集中力を高める方法もあリうるのです。
具体的には「目玉グルグル運動」と呼ばれる眼球運動が紹介されているのですが、ここでは割愛(詳細は本書を)。

勉強をする前に、「集中の儀式」としてやると良さそうです。


■3.最適な復習のタイミング

◆これが、個人的に画期的と思ったTIPSです。

2007年に行われた実験によると、「復習のベストタイミング」
(学習から復習までの期間:期間1)÷(復習から本番までの期間:期間2)=0.1〜0.3
なのだそう。
 ややこしいので仮に比率を0.2とすると、復習までの期間と本番までの比は1対5になります。つまり学習から本番までの期間を6で割った答えが、最適な復習タイミングなのです。
 60日後が目標(試験など)なら、今日やったことを10日目に復習するのがベストとなります。
さらに、2回目以降も同じロジックで計算。
 60日後が目標なら、60÷6=10でまずは10日後に1回目の復習。残り50日をまた6で割ると、2回目の復習タイミングは約8日後です。
今まで、エビングハウスの忘却曲線の話ばかり、よく勉強本には登場してきましたが、それ以外でエビデンスのある考え方を見たのは、多分これが初めてかも。


■4.「やる気」「モチベーション」にはサブリミナルが効く

◆本書によると、「やる気」「モチベーション」にはサブリミナルが結構効くのだとか。

実験では、ディスプレイの「握れ」という命令で握力計を握った際の数字を、直前に「頑張れ」というポジティブな単語をサブリミナルで表示した場合と比較。

結果、「頑張れ」の言葉で握力が2倍になったそう。
 試験前に「頑張れ!」「絶対合格!」「必勝!」などと書いた紙を壁に貼った経験はあるでしょうか。あれも相当意味がありそうだということです。紙の文字を真剣に読んでしまえばバカらしいものの、さり気なく目に入るようにしておくとサブリミナル的な役割を果たして、それなりの効果が期待できるのです。
もっとも、壁に貼った紙等ですと、これはもう十分に知覚できる刺激の長さなので、サブリミナルではなく、「スプラリミナル知覚」と呼ばれるらしいのですが、詳細は良く分からず。

いずれにせよ、やって効果があることならば「何でもやる」のが受験生のオキテではないかと。


【感想】

◆本書は、タイトルに「クビにならない」というフレーズもあるように、「勉強」ではなく、むしろ「ビジネスシーン」に重きをおいた感じです。

メインテーマは「ワーキングメモリ」の機能を向上させることであり、それにより、「記憶力」「会話力」「思考力」「コミュニケーション力」「アイデア力」「集中力」が高まるとのこと。

特に、パフォーマンスを上げるために、「イメージ力」にフォーカス。

イメージする時は、「自分」「相手」「その他」の3つの目線を意識すると良いのだそう。

本書ではビジネスシーンでのイメージトレーニング(「新規のお客さんとの初対面シーン」等)のやり方にもページを割いており、通常の勉強本を期待すると、ちょっと肩透かしを食らう可能性が。


◆ただ、それを差し引いても、「勉強ネタ」として使えるTIPSがあるのが本書の魅力。

上記以外でも、「ストレスがワーキングメモリの力を奪う」「やる気を出すのもイメージで」「後悔の感情は手を洗うと小さくなる」といったところは、実際に活用してみたいところ。

もちろん、上記で挙げた「最適な復習のタイミング」については、そこだけでも本書を購入した甲斐がありました。

実験自体が2007年と比較的最近なので、今後は他の勉強本でもこのお話が登場してくるのかもしれません。


◆また、本書を読んで痛感したのが「睡眠の重要性」です。

まず、キチンと睡眠を取らないと、ワーキングメモリが十分に働きません。

これは、睡眠不足だとすぐ頭がイッパイイッパイになることからも明らかですね。

さらに、以前からよく言われていた「何らかの課題をかかえて寝ると、寝ている間に解決する」という話も、数列実験で証明されており、これも実は結構画期的なのかも。

……って、この記事の下書きを朝4時ごろ書いている「smooth涙目の巻」なんですがw


思ったよりも使えるネタがある1冊!

一生クビにならない脳 (Forest2545Shinsyo 20)
一生クビにならない脳 (Forest2545Shinsyo 20)


【関連記事】

知らないと損する「記憶力」活用法(2010年06月25日)

【脳力UP!】「脳力育成HACKS!」に学ぶ7つのポイント(2010年03月17日)

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【脳】「記憶力をのばしたい!」キャスリン・ジェイコブソン・ミラン(2008年07月23日)

「脳が冴える15の習慣」築山 節(2006年11月18日)


【編集後記】

◆以前ちょこっと触れた苫米地先生の速読本というのは、文庫本書き下ろしだったんですね。

ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方 (PHP文庫)
ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方 (PHP文庫)

これは一応チェックしておかねば……。


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