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2010年08月21日

【プロの企画力】『「超一流」の構想術』中谷彰宏





【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の土井さんのメルマガで知った1冊。

今頃2年前の、しかも今までほとんど取り上げたことのない中谷彰宏さんのご本、ということで、メルマガを読んだときには違和感を感じたのですが、読んでみたところ、確かに濃いです、コレ。

アマゾンの内容紹介から。
この本は、3人のために書きました。 1ヒラメキを、具現化して、実現したい人 2単発のヒットを、連打にしたい人 3ベストセラーよりも、ロングセラーを作りたい人 物量で来る男性は、モノでない勝負になった時に、必ず負けます。 モノの勝負は必ず物量勝負になります。 それでは、やっている側も疲れてきます。 「なんでもいいけど、お花を買ってきて」と言われた時に、何を買うかです。 ─中略─ モノはたまたま関係づくりのキッカケになっているのにすぎないのです。 「モノづくり」よりも「関係づくり」が大切です。
ぶっちゃけ、かなりの掘り出し物でした!


回転するようになりましたw
    ↓
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【目次】

プロローグ

1 無限大へ、具体化する。

 抽象的なものを、具体的にする。
 構想は、ロジック。ヒラメキは、フィーリング。
 軸と方向性があれば、ブランドが構築できる。 ほか

2 小さく産んで、大きく育てる。

 どこまで絞り込めるかが、勝負。
 小さく産んで、大きく育てよう。
 1000を1つより、10を100個 ほか


3 生活に「物語」を提供する。

 スターバックスが売っているものは、第3の居場所。
 モノより、物語を売る。
 「ブランド」は、「分化」  ほか

4 自由自在な、アングルを持つ。

 最初にうまくいったやり方は、なかなか変えられない。
 制約に、負けることが大切。
 アイデアに、「正しい」「間違い」はない。 ほか


【ポイント】

■1.同じお客様に新しい商品を売る
 一人のお客様に次のものを買ってもらうのは、時計を持っている人にもう1個の時計を売ることではありません。
 次は、傘、カバン、ぺン、ペンケースという形で広げていくのです。
 これが構想です。
 一人のお客様に徹底的につきあうのです。


■2.構想型は結果から逆算して考える
 発想型のやり方は、あみだくじを「ここをやったら、はずれ。次もはずれ。またその次は……」と順番にやっていきます。
 構想型のやり方は、当たりから上がっていきます。
 だから、はずれようがありません。
 これが構想と発想の違いなのです。


■3.1000を1つより、10を100個
10人集まる企画なら、とんがった企正画ができます。
 1000人呼ぼうという企画は、ありがちな企画しかできません。
 トンガリのある10人単位の企画を、いかに100個つくるかです。
 それを試したあとに、また10人単位の企画を100個つくって、波状攻撃をかけるのです。


■4.学習型モデルと消費型モデルの違い
消費には、発表の場がありません。
 でも、学習には、必ず発表の場があります。
 ダンス教室にも、デモンストレーションのパーティーがあります。
 発表したら、必ずアワード(表彰)してあげます。
 学習型のモデルと消費型のモデルとの根本的な違いは、学習する仲間が生まれることです
 これが大きいのです。


■5.ブランドはあせってつくるものではない
 「どうしたら早くブランドをつくれますか」という質問は、間違っています。
 早くブランドをつくりたいと思っている人は、ブランドをつくれません。
 ブランドは、「気がついたらできていた」ということです。

 堂々とした横綱相撲をやっているところに、ブランドはできるのです。


■6.銀行ではなく、銀行強盗を襲撃する
「〇〇銀行の警備が甘い」という情報が入った時に、銀行強盗をしようとする人は、そこを狙います。
 でも、構想力のある人は、「みんなも同じことを孝えている」と考えます。
 アイデアの落とし穴は、自分だけが思いついたと思い込むことです。
 構想力のある人は、銀行強盗の逃げるルートを考えて、銀行強盗を襲撃します。


■7.「当たるのは何か」から考えない
 1発当てようと考えると、当たりません。
 それは、スタートラインが「当たるのは何か」から始まるからです。
『メンタツ』に関して言えば、「こんなのやりたい」というのが最初にありました。
 最初に「こんなのやりたい」があって、あとから「もう少し売れるにはどうしたらいいか」と孝えたのです。
 まず、自分の中に順番があって、それからまわりへ広げていったのです。
「当たるのは何か」とまわりから考えると、絶対に当たりません。
 それはみんなと同じ答えになってしまうからです。


■8.プロとアマチュアの違い
 構想できることが、プロたるゆえんです。
 発想は、「思いつき」「ヒラメキ」です。
 構想は、発想を「継続させる」「ビジネスにする」ということです。

 発想を単発的な考え方とすると、構想は連続的な考え方です。
 単発で考えることや一発のまぐれ当たりは、誰でもできます。
 それを連続させることで、プロの仕事になるのです。


【感想】

◆土井さんのメルマガでこの本が紹介されたとき、私は「ヤベ!」と思って、速攻「アマゾンアタック」をかけました。

アマゾンの新品ストックが元々多くなかったこともあり、すぐに在庫切れになるとともに、マーケットプレイスの在庫数も減少。

私が最初にアクセスしてから十数分で、かなりさばけていたのを見る限り、ビジネスブックマラソンの読者さんの鼻の利き具合は侮れないな、と。

私を含め、その他の書評系ブロガーは、そんな土井さんに先んじないと、勝負にならないのですがw


◆本書のテーマは「構想力」ということで、私たちが良く使う言葉である「発想力」との対比で、その考え方が述べられています。

そしてこの「構想力」は、最後のポイントにもあるように、「思いつき」ではなく、「継続させる」のがキモ。

「プロ」として、「ビジネス」として、企画をする方には必須の能力なのだと思います。

言われてみれば確かに、当ブログで紹介する「アイデア系」の本の著者さんたちも、おしなべて、「発想するシステム」をお持ちでした。


◆また、興味深かったのが7番目の「当たるのは何か」のお話で、「マーケットイン」的な考え方を否定されている点。

中谷さんの出世作である『メンタツ』も、むしろ「プロダクトアウト」的な発想からスタートしてた、というのは正直意外でした。

常日頃、「売れる企画」「当たる企画」を考えてらっしゃる方にとっては、耳イタイところかもしれません。

とはいえ、あまりにマーケットを無視してしまうと、「自己満足」な成果物しかできなかったりするのですがw


◆ふと思ったのですが、本書は800冊を超える本を出している中谷さんが、手の内の一端を公開した本じゃないか、と。

そういう意味も含め、土井さんも言われているように「本作りのヒントについても言及されているので、出版関係者、著者は必読の一冊」だと思います(個人的には特に編集者さん)。

同様に、マーケティングや、広告企画等に携わる方も読んで損はないでしょう。

もちろん、お約束の「中谷印の書籍」なので、文字数は当然少なめですけど、中身は濃いです。


クリエイティブ・ワーカーならマストな1冊!

一流の常識を破る6「超一流」の構想術
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【編集後記】

成毛 眞さんのブログで見かけた本。

シークレット・サービス
シークレット・サービス

ブログではご紹介しにくいタイプの本なのですが、面白そうですねw

(なお、上記記事の最後に、成毛さんと小飼さんの対談の予告(?)がちょこっと載ってます。)


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