2010年08月20日
【超実践的】「仕事に活かす! フォトリーディング」主藤孝司
仕事に活かす! フォトリーディング (PHPビジネス新書 146)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日来からことあるごとにブログで触れていた注目の1冊!著者の主藤孝司さんのご本は、今まで何冊か拝読させて頂いておりますが、日本における「フォトリーの第一期公認インストラクター」 だというのは存じませんでした。
そして本書は、フォトリーの手法を解説するものではなく、むしろ「手段としてどう活かすか」という部分にフォーカスされているのが特徴。
帯で神田昌典さんが「日本発、世界に向けたフォトリーディングが本書で生み出された!」と書かれているように、フォトリーディングのメンタルブロックをも取り除くような、斬新な(?)内容です!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
はじめに フォトリーディングは本当に役に立つのか?
フォトリーディングを「使いこなす」人たち
フォトリーディングに関する現実と誤解
知識は活かさなければ無意味だ
第0章 フォトリーディングのメソッド
受験生の7割が39歳以下
ステップ1 準備
ステップ2 予習 ほか
第1章 フォトリーディングがあなたの仕事に役立つ理由
情報加速化社会が始まった!
フォトリーディングが「使える」理由1
フォトリーディングが「使える」理由2 ほか
第2章 フォトリーディング「活用」のステップ
ステップ1 目的設定――重要なのは「絞り込み」
ステップ2 情報の選別――「捨てる」ことを覚える
ステップ3 インプット――効率よく頭の中に取り込むために ほか
第3章 なぜ、フォトリーディングが続かないのか
学習者が直面するいくつもの壁
教わった通りにやらなくていい
眠くなったら寝てしまおう ほか
第4章 今すぐ仕事に使えるフォトリーディング
会議・ミーティング――1週間前の「パラパラ読み」がポイント
プレゼンテーション――準備にも、本番直前にも
相手のニーズをつかむ――相手の会社を訪問したら、まずは「ぼんやり」眺めてみる ほか
第5章 あらゆる場面でフォトリーディングを活かす
私のアウトプット活用例――相手の心をつかむ「準備」のために
文書執筆――何を、誰に向けて書いていくか
炊事――実は家事にもいろいろ使える!? ほか
【ポイント】
■1.情報を大量に摂取し、排出されない状態を防ぐにはこの問題を解決する方法の一つは、意外と簡単なところにある。求められている情報アウトプット(たとえば次回の商談の際のプレゼンテーション)から逆算し、必要となる情報のみを的確にインプットしていけばいいのである。こうすれば、必ず出口がある情報のインプットがなされる。いつか体外に排出される可能性が十分にある。
■2.さまざまな速読法とフォトリーディングの違い
「加速型」はその名の通り、本を読むスピードを物理的に速くしようとするものである。(中略)
「ピックアップ型」の速読は、いわゆる「拾い読み」や「斜め読み」と言われる速読法である。(中略)
では、フォトリーディングはというと、これらいずれとも違う。むしろ、加速型とピックアップ型の両方のいいところを取り入れ、さらに読書後の情報活用までを考えた実用的な速読法だと言える。
■3.フォトリーディングで本を速く読む秘訣は、目的設定にコツがある
本から何を学び取りたいのか。その本を読んで一体どのような目的を達成したいのか。読書の前に、まずはその目的を強く意識する。そうすると、目的を強く意識しないときと比べて、格段に速く本が読めるようになる。いや、正確には格段に速く情報が向こうから飛び込んでくるようになる、というのが正しいだろう。
■4.アウトプットを意識した情報選別を行う
だからあなたが情報選別をする際には、あらゆるものを書き留めておこうというのではなく、「この情報はどんなアウトプットにつながるか」を意識して、今後使う可能性が高いもののみを、今その瞬間の判断で決断し、メモを取るようにしていくことだ。
■5.「今の自分に必要な情報か」にこだわる
今まで他の人から与えてもらっていた情報に基づいて仕事をこなしていた人たちは、自らの判断で「情報を選択する」ことが苦手な場合が多い。そうした人にぜひ考えてほしいキーワードがある。それは、その情報が、「今の自分にとって必要な情報か」という問いである。「いつか役立つかもしれない」「何かに役立つかもしれない」という意識を捨て、「今の自分にとって必要な情報」に意識を集中していくことが、情報選択の第一歩となるのである。
■6.一日五分のフォトリーディングでも十分
「続けていく」「習慣化する」ということを考えた場合、「モチべーションのピークではなく、ダウンしたときに合わせてノルマを考えてみるとよい。たとえば、「一日五分は必ずフォトリーディングに取り組む」などという目標にしてみるのだ。(中略)
さらに、ステップ3を行っただけでも「フォトリーディングをした」ということにはなる。なぜなら、ステップ3の正式名称は「フォトリーディング」だからだ。たとえば三ヵ月の間、毎日五分であってもステップ3だけをやれば、「フォトリーディングを三力月続けた」と言える。これなら一年でも続きそうだ。
■7.マインドマップは書かなくてもよい
フォトリーディングの講座では、活性化の一つのテクニックとしてマインドマップを作成することが基本の流れとなっており、第0章などでもご紹介したとおりである。しかし、「基本」はあくまでも「基本」にすぎない。マインドマップを書くための精神的、あるいは時間的な余裕がある場合は、基本の流れに沿って行うのもよいだろう。だが、フォトリーディングを行った結果、マインドマップを書く時間や労力に値する情報が得られなかったという場合には、当然のことながらマインドマップを書く必要はない。
なぜなら、フォトリーディングのゴールは「マインドマップを書くこと」ではないからだ。
■8.プレゼンの目的を明確にする
ポイントは、一番最初に今回のプレゼンの目的あるいは結論を示すことだ。これから行うすべての発言はこの目的のため、あるいは結論へ到る背景の説明である、ということに、他の参加者の意識が集約されていくからだ。フォトリーディングと同じように、目的に合致している情報を人は強く意識し、注目するようになる。結果、こちらの意図も、より正しく伝わるのだ。
【感想】
◆この記事の冒頭で、本書はフォトリーの手法を説明するものではない、と申し上げました。ただし、一応第0章にて、予備知識のない方のために、ひと通りフォトリーのやり方についての解説はあります。
有名な「ミカン集中法」についての記述もアリ。
ただし、フォトリーに関するテクニカルな話は、この第0章でほぼ終わりで、以降はテクニカルではないお話が続きます。
◆第1〜2章では情報の処理や活用の仕方について。
今まで漠然と行ってきた情報処理も、フォトリーの考え方を加味することで、また違った意味合いを持ってくるかと。
例えば、いらない書類を捨てるとき、一応パラパラと見たりしているハズ。
「うん、大丈夫。これは捨ててもいいや」なるほど、確かに。
チラ見しながらどんどん捨てていく。それは一種のフォトリーディングである。
他にも、上記ポイントでも挙げたように、フォトリーに限らず「目的意識を持つことの意義」が繰り返し強調されていました。
確かに私も「ブログを書く」という目的を持って、本を選んで読んでますしね。
◆一方、本書の大きな特徴とも言えるのが、フォトリーのやり方に対する柔軟な姿勢。
「ステップ3(パラパラと高速でページをめくる)だけでもいい」ですとか、「マインドマップは書かなくていい」、などは、実際の教室レベルでは講師の方が言われることはあっても、本で明記されたことはなかったのではないでしょうか?
この辺は、フォトリーが「目的」ではなく、あくまで「手段」であることの表れではないか、と。
そもそも、本家のポール・R・シーリィ氏が監修している以上、内容的にもキチンとOKが出ているはず。
これにより、初心者の方にとっては、心理的なハードルが下がったでしょうし、フォトリーに挫折してしまった方も、本書の考えに沿って、再挑戦しても良いかもしれません。
◆そして本書の主たるテーマは、タイトルにもあるように、フォトリーを「ビジネスに活かす」ことです。
おしまいの第4〜5章では、その具体的なやり方について解説。
今まで、マインドマップ本では、「どう活用するか」をテーマにした本が結構あったのに対して、フォトリーは「フォトリー自体のテクニカルなお話」がメインだった印象があります。
そういう意味では、本書の持つ意義は非常に大きいですし、フォトリーをただ単に「1つの速読法」と思われている方こそ、本書を読むべきではないかと。
本を読むだけで終わらせたくないなら必読!
仕事に活かす! フォトリーディング (PHPビジネス新書 146)
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【編集後記】
◆もし、フォトリーディングを書籍だけで学ぶのであれば、読んでおくべき1冊がこちら。[新版]あなたもいままでの10倍速く本が読める
私は旧版を買ったものの、結局積読でそのままでございますが…。
ご声援ありがとうございました!
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