2010年08月15日
知らないと損する「心を揺さぶる名経営者の言葉」活用法
心を揺さぶる名経営者の言葉 (PHP文庫)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、日本や世界で著名な経営者の皆さんの「名言集」。似たような本は他にもありますが、「文庫書き下ろし」ということでゲット!
アマゾンの内容紹介から。
どんな名経営者でも、必ず逆境と困難の時代を乗り越えてきた!ピンチに陥ったとき、厳しい選択を迫られたとき、彼らは何を考え、どんな言葉を口にしたのか?―本書は、「運に恵まれるには努力が必要である」「景気は自ら作るもの」など、経営者としての信念が生んだ、人の心を揺さぶる“魂の言葉”を業績やエピソードとともに紹介。“リーダーの本質”がわかる珠玉の名言集。実際、個人的には、かなり勉強になりました。
なお、タイトルはホッテントリメーカー作です。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1章 努力を忘れない
第2章 挑戦する言葉
第3章 先見の明を養う
第4章 失敗を恐れない
第5章 逆境を跳ね返す
【ポイント】
■1.「運に恵まれるには努力が必要である」(江戸英雄:元三井不動産社長・会長)
「果報は寝て待て」「棚からぼた餅」ということわざがある。しかし、何もせずに運が向こうからやってくるなどということは減多にない。「幸運でした」という言葉の裏には、人知れない努力が隠されているものだ。
■2.「歴史と伝統の上にあぐらをかいていると、気づいた時には手遅れになる」
(草刈隆郎:日本郵船取締役・相談役)
さらに危機感を募らすきっかけになったのが、トヨタ自動車との運賃交渉だ。トヨタは運送コストを正確につかんでおり、容赦なく運賃の割引を求めてきたのである。それは、今までの取引慣習とはまったく違うものだった。草刈は世界を相手にする企業の厳しさと自社の甘さを思い知った。このとき草刈の脳裏に浮かんだのが、冒頭に紹介した言葉である。
■3.「人間は夢をもたねばならないが、それを実現すべく努力しなければならぬ」
(永野重雄:元新日本製鐵会長)
永野は「会社を再建する」という夢を持って、富士製鋼の支配人に就任した。しかし彼の初仕事は、荒れ果てた敷地に生えた雑草の刈り取りだったという。そうした頑張りが彼を成功に導いたのだ。夢は美しいが、それに到達するまでの道は泥だらけで険しいもの。それを忘れず、夢に向かって努力していきたい。
■4.「『なんでだろう』から、仕事は始まる」
(小倉昌男:元ヤマト運輪社長・会長)
小倉が宅配便ビジネスを思いついたきっかけは、他の運送会社では利益が出ているのに、自社では利益が出ないのは「なんでだろう」と考えたことだという。小倉はこの疑問を五年間考え続け、「宅配便事業への進出」という答えを出した。
■5.「ビジネスマンは、自分がやってきた古い方法に自己満足し、そこから変化することができないために敗北する」
(へンリー・フォード:フォード自動車創業者)
フォードは常に新しいものに挑戦し続け、成功を勝ち取ってきた。だが、そのフォードがT型の成功に気をよくして変化を求めることを拒んでしまった。その結果は、すでに述べたとおりの「敗北」である。この苦い経験が、名言を生んだのだろうか。現状には満足してはならないという戒めである。
■6.「英雄とは、自分のできることをした人だ。凡人は自分のできることをせず、できもしないことをしようとする人だ」
(リチャード・ブランソン:ヴァージン・グルーブ創業者)
ブランソンはただ語るだけではなく、その計画をしっかり成し遂げた。ここが凡人とは違うところだ。将来の夢を語る人は多い。だが、その実現に向かって努力する人はあまりいない。語るだけではなにも始まらない。まずは一歩を踏み出さなければならないのだ。
■7.「リスクを自ら取り込む。リスクがないと社員は成長しない」
(似鳥昭雄:ニトリ創業者)
ニトリが最も特徴的なのは、コンテナ船の手配まで自社で行なっていること。商社に任せればリスクが回避できるのに、あえて自社でリスクを抱える。ときには社員のミスやトラブルで数十億円の損失が出ることもあるが、このようなリスクを冒させないと、社員は成長しないという。
【感想】
◆今回も付箋だけならやたら貼ってしまいました。本来、それぞれ本1冊ずつ以上費やして足跡を辿るべき経営者の言葉がズラーっと並んでいるのですから、それも当然。
数えてみたら、109個名言が収録されていました。
気に入った言葉を手帳に書くもよし、簡単なスピーチ等で触れるもよし、使い勝手は良さそうなw
◆ちなみに本書のスタイルは、名言1つにつき、見開き2ページで完結。
その経営者のことを知らなくても背景がわかるように、簡単なプロフィールやその方の経歴が記されているのが有難いところ。
名言よりも、むしろこの部分の方が勉強になる方も多いかもしれません。
例えば、ちょっとした豆知識(?)ですが、江崎グリコのネーミングは、創業者の江崎利一氏が、地元で捨てられていた牡蠣の煮汁に含まれていたグリコーゲンをキャラメルに入れて販売したところから来ている、とか。
なるほど、コーポレートメッセージが「おいしさと健康」というのもうなずけますね。
◆他にも含蓄のある言葉が色々あったので、いくつかご紹介を。
「チャンスは貯蓄できない」(樋口廣太郎:元アサヒビール社長・会長)
「どこにでもいるような人が集まって、だれにもできないようなことを成し遂げた」(サム・ウォルトン:ウォルマート創業者)
「優先順位の低いことをいくら上手にやってもそれは時間、才能、労力、資源の無駄だ」(カルロス・ゴーン:日産自動車CEO)
「人生はマラソンなんだから、100メートルで1等をもらったってしょうがない」(石坂泰三:元東芝社長・会長)
「長い闘病、浪人、牢獄、放蕩、そのうちどれかを突破した人がモノになる」(奥村綱雄:元野村證券社長・会長)
…最後の奥村さんのは、ちょっと飛びぬけてますがw
この文庫本で、旅先で学ぶも良し!
心を揺さぶる名経営者の言葉 (PHP文庫)
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【編集後記】
◆「情熱大陸」出演で、一躍「時の人」となった横田尚哉さんの新刊が登場。問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門
どちらも読んでない方は、前作よりも、こちらを先に読んだほうが良いのかも。
ご声援ありがとうございました!
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