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2010年07月29日

【危機管理術】「もし顔を見るのも嫌な人間が上司になったら」江上 剛


もし顔を見るのも嫌な人間が上司になったら―ビジネスマン危機管理術 (文春新書)
もし顔を見るのも嫌な人間が上司になったら―ビジネスマン危機管理術 (文春新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、本のサブタイトルにもあるように、「ビジネスマンの危機管理」について説いたご本。

メインタイトルだけ見ると「対上司」の内容のようですが、実際には下記目次にもあるように、様々な状況下での問題についてアドバイスしてくれています。

アマゾンの内容紹介から。
あなたならどうする?銀行員時代、人事、広報、総務で辣腕を振るった作家が実体験をもとに伝授。ピンチを切り抜ける46の方法。
本書に収録されている実体験のいくつかが、新聞沙汰レベルなので読んでいて気になっていたのですが、元銀行マンである著者の江上さんは、高杉 良氏の『金融腐蝕列島』のモデルとなった方なのだそう。


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【目次】

第1章 部下の憂鬱

第2章 上司のつらさ

第3章 あぶない取引先

第4章 トラブル一一〇番

第5章 会社の不祥事

第6章 リストラ・人事異動・倒産の悲劇

第7章 病気は突然やってくる

第8章 家庭崩壊にご用心

第9章 ビジネスマン危機管理3カ条


【ポイント】

■1.上司が学歴重視なら、有無を言わせないほどの実績を上げるべく努力する
 あなたが実績よりも学歴を重視する上司に出会ったのは、不幸です。そんな上司ばかりなら、さっさと会社を辞めた方がいいかもしれません。将来性がありませんからね。
 しかし辞められないなら、上司に有無を言わせないほどの実績を上げるためにたゆまぬ努力をすることでしょう。世の中は、すべて理不尽なことばかりです。いちいちそれに腹を立てていては、暮らしにくいこと、甚だし、です。


■2.仕事の優先順位は難しい仕事から
 まずは、上司が何も言えないほど実績を上げること。実績さえ上げれぱ、優先順位など何も関係ありません。上司は何も言いません。(中略)

 実績が上げられないなら、優先順位は、難しい仕事、やりたくない仕事から選ぶべきです。容易にできる仕事から、始めがちですが、私はいつも難しい仕事、やりたくない仕事から優先するようにしていました。
な ぜ難しい仕事から始めるかと言いますと、結局、こういう仕事が、後回しになって、あなたを追い詰めるからです。


■3.現場の立場にスタンスを定めよ
あなたが上層部と現場との狭間で悩むなら、現場の立場にスタンスを定めなさい。それはなぜか。あなたは今、現場の管理者だからです。部下は、あなたの一挙手一投足を見ています。あなたが上層部と現場との間を蝙蝠のようにふらふらしていたら、どっちにもいい顔しようとへらへらしていたら、現場の部下のみならず上層部まで、あなたのことを馬鹿にするでしょう。


■4.ケンカ程度の事件なら、会社に慌てて報告しない
 私は人事部にいましたからわかりますが、報告されれば何か処分を下さざるを得なくなります。報告されなければ事件はなかったということです。
 不正直だと思われるかもしれませせんが、逮捕され、起訴される前に、なんとか事件を解決することに全力を尽くすことです。


■5.会社を飛び出して成功した人々の共通点は「人脈」
 彼らの共通点は、人脈です。自分で起業するにしても、別の会社に転職するにしても、今までの仕事で培った人脈が生きているのです。
 結論は、潰れたら何をするかではなく、今を一生懸命にやることです。その結果、あなたを信頼する人たちの人脈をどれだけ作っているかでしょう。


■6.労災認定に時間がかかる理由
なぜ時間がかかるのかと言いますと、会社が非協力的だからです。なぜ非協力的なのかと言いますと、労災申請をされると、過労を引き起こすような職場環境、たとえばサービス残業などの実態が明るみに出てしまうからです。その結果、他の社員にも残業手当などを支払わねばならない事態に追い込まれ、思わぬ損失を被ることになるからりです。


■7.会社の危機管理の原則は「嘘をつかない、隠さない、騙さない」
「嘘をつかない、隠さない、騙さない」、この三つは、コンプライアンスや危機管理の原則です。不祥事が起きたら、すぐにこの原則に従って行動すべきなのです。躊躇すれば、企業もあなたも死んでしまいます。


【感想】

◆一応今回は、比較的大人しめのモノを選んでおります。

大見出しが多いので、小見出しを丸ごとカットしてしまったのですが、結構ヘビーな項目がずらずらと。

いくつか抜粋してみると、こんな感じです。
・上司に社内不倫がバレてしまいました。

・要領の悪い部下を説教したら、メンタル系の病気になってしまいました。

・取引先からの要求を断ったら、暴力団風の人間が出てきました。

・会社の不祥事を知ってしまったが、上司に口止めされました。

・定年後、妻からいきなり離婚を切り出されました。

相談内容の多く(というかほとんど全部)が、江上さんの周辺で起こっているのがスゴイというか、さすが都銀は違います罠。


◆江上さんのお年からいっても、バブル時代に銀行業界にいらしたわけですから、景気のいい話はいくらでもあったハズ。

それが不景気になった途端に、問題が続出します。

資金を引き上げようとして、取引先から過去の接待賄賂の件でゆすられたり、総会屋と縁を切ろうとして尾行されたり、というのは、どこにでもある話ではないような。

正直、今までもこれからも縁がなさそうな方の方が多いと思われ。


◆一方で、景気不景気関係なく、どこにでもあるのが、人間関係の問題です。

「上司⇔部下」「男性⇔女性」「お局⇔新人」等々、会社の問題の多くが人間関係にある、というのも思わず納得。

本書でも、1章と2章あたりが丸々このテーマなので、今現在悩まれている方は、ここだけでもチェックしてみて頂きたいところ。

ところで、やたらと「不倫」の問題が出てくるのは、銀行特有なんでしょうか??


◆本書の「はじめに」で、江上さんは本書について『サラリーマン時代を生き抜く「ガイドブック」です』と言われています。

確かに、今現在、何の悩みもなく働いている方も、何かの拍子に問題にぶち当たる可能性はないとも言い切れません。

私自身、会社員時代には、突然の望まない異動で引越しを余儀なくされたりもしましたし、当時本書を読んでいれば、少しは悩まずに済んだかも。

私が単にこの手の本を知らなかっただけかもしれませんが、本書は当ブログ初の、ビジネスパーソン向けの「危機管理マニュアル」ではないか、と。


今は大丈夫でも、「備えあれば憂いなし」ですよ!

もし顔を見るのも嫌な人間が上司になったら―ビジネスマン危機管理術 (文春新書)
もし顔を見るのも嫌な人間が上司になったら―ビジネスマン危機管理術 (文春新書)


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【編集後記】

「草食系男子」という言葉のハシリであるこの本も、とうとう文庫化。

草食系男子の恋愛学 (MF文庫 ダ・ヴィンチ も 2-1)
草食系男子の恋愛学 (MF文庫 ダ・ヴィンチ も 2-1)

まだの方は、この機会にぜひ。

参考記事:【モテ】「草食系男子の恋愛学」森岡正博(2008年09月21日)


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