2010年07月12日
【88のワザ】「図解力の基本 ちょっとしたコツだけど、だれも教えてくれない88のテクニック」山田雅夫

図解力の基本 ちょっとしたコツだけど、だれも教えてくれない88のテクニック
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「図解スキル」を向上させたい方なら、注目の1冊。ただし、その対象となっているのは、コンサルタントのような上級レベルではなく、初心者だったり、図解が苦手な方です。
出版社のサイトから。
確かに基礎的な部分から解説してくれていて、分かりやすかったです!「図解したいけどうまく描けない」「せっかく描いたのに伝わらない」そんな人のための図解のちょっとしたコツを伝授。よくやってしまいがちなミスを「悪い例→いい例」という構成で指摘。思考を整理する図の描き方、伝わる図の見せ方がひと目でわかる!

【目次】
序 章 図解力ってなに?
図解ってこんなにスゴイ
図解はどんな場面で使えるの?
図解のコツを簡単につかむには? ほか
第1章 「メッセージ」を明確にする
四角と矢印で図解の「基本形」をつくる
因果関係「AだからB」を矢印(→)で示す
変化「AからBへ」を矢印(→)で示す ほか
第2章 「型」を選ぶ
どうやって「型」を選ぷの?
「べン図」を使って重なりに注目する
「プロセス」を使ってスケジュールを把握する ほか
第3章 「グラフ」を作成する
「グラフ」の形式はどうやって選ぷの?
表をもとにグラフへ加工する
「表」で強調したいところを目立たせる ほか
第4章 「テキスト」を書き込む
テキストを図に書き込むときのポイントは?
専門用語や業界用語を使わない
絵を使ってより親切に説明する ほか
第5章 「レイアウト」を整える
レイアウトを整えるときのポイントは?
キーワードを出したあと配列を整える
目の流れは「Z」を意識する ほか
第6章 「色」をつける
色をつけるときのポイントは?
本当に強調したいところだけに色をつかう
表に使う色は1色 ほか
【ポイント】
■図解は論理的か?感覚的か?論理的な人は、じつは図解に向いているといえます。図のなかの要素は、そのほとんどがおたがいにつながりがあります。この関連性を言葉にすることができる論理的な人は、図解が上手になる資質があるといえます。論理を図に置き換える手順をふめばよいだけです。
だからといって、論理的でなければ無理ということでもありません。図を描きながら考えればよいだけですから、それほど気にする必要はありません。逆にいうと、ビジネスで使ういくつかの論理のパターンさえ押さえれば、うまく描くことができるようになります。
■込み入った構造を説明するにはツリー
ツリーは分析などのほか、全体の組織構造を図解するときにも使えます。(中略)
法律や公文書などで定められているようなものは、整理されたものがほとんどです。その点で、じつは図解と相性がよいともいえるでしょう。
■マトリックスの2軸を選ぷコツは?
上記の質問には、期待はずれな答えであることを承知で「覚えましょう」と答えています。この軸までをふくくめて、「型」と理解しておくのがよいでしょう。
基本的には、規模の大小や、概念などの対比で軸を決めます。たとえば、低い/高い、少ない/多い、理想的/現実的、A/not A(A/Aでない)、既存/新規などがあります。
これらをいストックとしてどんどん増やしていくようにします。自分の独自の視点で軸を決められるようになるのが、理想的でしょう。
まずは、上司や先輩の資料、新聞やピジネス誌などを見て、2軸に何を選んでいるかを見て、いつでも使える状態にしておきましょう。
■「棒グラフ」は原点を描き途中を省かない
(棒グラフの)縦軸で、途中をカットして表示するものをよく見ますが、これは避けるべきです。かならず縦軸の原点(ゼロ)のところから尺度をとるようにします。このとき、見せたいグラフの大きさを決める縦軸の数値の目盛りを、設定するときに注意しなくてはなりません。
微細な違いを強調するために途中を省くこともありますが、原点(ゼロ)を描くのが基本です。
■「円グラフ」と「棒グラフ」を使い分ける
円グラフだけでは、全体の売上高の増減を視覚的に表現しきれない場合があります。こういうときには、棒グラフで変化をつけたほうが、相手に伝わりやすくなります。
「比率」や「内訳」とくれば、単純に円グラフを使えばいいというものではありません。全体の金額や数量の変化もあわせて示したいときには、棒グラフのほうがよいかもしれない、と考えるようにしましょう。
■強調する際に用いる記号の使い分け
「●」も「■」も同じように思えるかもしれません。(中略)
もし両方使うならば、「●」も「■」を使うときには「■」を重要なほうに使うようにします。
さまざまな記号を組み合わせたい場合には、強調する順序としては「■>●>□>○」と理解しておきましょう。
■メッセージを枠で囲んで相互関係を表現する場合には、強調したい枠を他と変える
要素が増えたときには、相手に全体像をつかんでもらいたい意図とともに、伝えたいポイントもあるはずです。
こういうときには、枠の形を変えることをおすすめします。なお、枠の形とは別に、枠の線の太さについても、強調したい枠であればその線を相対的に太めにします。ダブルラインを引くなどしても強調できます。
ただし、むやみに線の太さを変えたり、線の種類を増やしたりすることは逆効果になるので注意しましょう。
■モノクロコピーされることまで考える
たとえば、一般部分を黒の印字で、特徴的な部分のみ明るい赤色で目立たせる資料があったとします。たいへん効果的ですが、なんらかの事情から、その資料をモノクロでコピーして配布しなくてはならなくなったとします。
この場合、赤色がグレーに置き換わり、肝心の部分が目立たなくなりますので明るい赤色を使う場合は注意しましょう。
【感想】
◆当ブログでも、今まで何度か「図解」関係の書籍をご紹介してきましたが、おそらく本書が最も基本的な部分から言及していると思います。そもそも、ビジネスで使うのであれば、「5つの型」さえ押さえておけば良い、と。
それは何かというと、「ベン図」「プロセス」「ツリー(ピラミッド)」「グラフ」「マトリックス」の5つ。
さらに「包含ベン図」と「循環図」の2つを加えた7つの型を知っておけば、ほとんど対応可能とのこと。
それぞれの使い分けについては、本書にチャート式で解説がありますので、ご参考まで。
◆この7つの中で、ある意味「キモ」だったのが、「グラフ」で、丸々第3章が割り当てられています。
といっても、様々なグラフを使いこなせ、というのではなく、「棒グラフ」「折れ線グラフ」「円グラフ」の3つが使えれば大丈夫なのだそう。
本書では特に、この3つの使い分けや、さらには「3D表示」(グラフに厚みを持たせる)をしてはいけない理由についてまで述べられています(詳細は本書を)。
指摘されてみて「ナルホド」と思う反面、今まで目にしてきた3Dグラフに、何らかの意図があったのなら、私は気がつかずに受け入れていた可能性が大きいです。
そうでなくともグラフに関しては、こういうご本もありますしね。

統計でウソをつく法 (ブルーバックス)
◆冒頭でも申し上げたように、本書は「図解」における「基本を押さえる」ことを主眼にしています。
ゆえに、吉澤 大さんのように、自著の図は全部自分で描くような人でない限り、得るところはあると思われ。
実は、たまたま顧問先から相談を受けた件に関して、わかりやすく図解する必要があり、結構本書を参考にしているワタクシ。
やはり読むだけではなく、実際に使ってみるのも大事なんですね(当たり前w)。
会議の資料や報告書作りに活用できる1冊!

図解力の基本 ちょっとしたコツだけど、だれも教えてくれない88のテクニック
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【仕事術】『「見える化」仕事術』石川和幸(2008年12月23日)
【編集後記】
◆これまた気になるプレゼン本が。
心を動かすプレゼンの技術 人前で話すのが苦手なあなたへ (角川oneテーマ21 C 190)
ジョブズ本を紹介したばかりなので、どうしたものかと。

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