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2010年06月21日

【整理術】「特別講義 コンサルタントの整理術」三谷宏治


特別講義 コンサルタントの整理術
特別講義 コンサルタントの整理術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、これまた当ブログの定番ネタである「整理術」

軽やかな装丁から、てっきり小山龍介さんの「整理HACKS!」路線かと思いきや、もうちょっと「気づき系」なテイストでした。

アマゾンの内容紹介が分かりにくいので、出版社サイトから。

シゴトを渋滞させないために私たちができることは何か。多くの整理術は「モノに定位置をつくって納めよ」「電子化して検索自在にせよ」などと言うが、実はこれではシゴトの流れは本当にはスムーズにならない。整理のための整理ではなく、シゴトをうまく流すための「整流術」。そのためのキーワードは、「分ける」「減らす」「早めにやる」「習慣にする」、だ。元BCG(ボストン コンサルティング グループ)&アクセンチュアのトップコンサルタントが教える一流、そして究極の整理術!

明日からでも意識すれば、効果がありそうな予感!?


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【目次】

はじめに

prologue0 「シゴトが渋滞する」とはどういうことか?
 渋滞のしくみ
 「分ける」「減らす」「早めにする」「習慣にする」
 「分ける」とは? ほか

chapter1 「分ける」
 すべてのことを「分ける」
 悩み自体で時間をムダにしない
 自分の心の状態を知る ほか

chapter2 「減らす」
 モノの総量を減らすとは?
 面倒な部下になって仕事を減らす(1)
 面倒な部下になって仕事を減らす(2) ほか

chapter3 「早めにやる」
 急かされるとヒトの生産性はダウンする
 早めにやるとはどういうことか? 
 気分に合わせて仕事をする ほか

chapter4 「習慣にする」
 「分ける」「減らす」「早めにする」を習慣にする
 身につけやすい習慣から手をつける
 新習慣に入りやすく出にくくする ほか

おわりに


【ポイント】

■日本のホワイトカラーの生産性が先進国中最低なワケ

 ホワイトカラーの非効率の原因は「悩み」の蔓延、つまり「悩む」という作業に多くの時間を費やしていることにある。
 生産現場にも日々難しい判断はあるし、みながエンジニア(改善・改革をする者)として働いている。でも「ムダな悩み」はほとんど無い。

 
■悩まないためには、こだわりのレベルを定義する

「レべル」は、「こだわる/こだわらない」の2レべルでも良いし、「すごくこだわる/少しこだわる/全くこだわらない」の3レべルでも良い。でも、4レぺル以上には分けないこと。覚えていられないし、結局悩む時間が増えるだけだ。


■キーワードだけをメモする

 本当に大事なことなら、ヒトはちゃんと覚えている。「キーワード」さえあればいい。
 あとでメモにあるキーワードを見返して、思い出せないようなら多分それは「大事なコト」ではなかったのだ。潔く、忘れよう。


■メールの極意

 1.即レスする必要のないモノには即レスしない

 メールが、ある人からきたとする。その瞬間、相手は席でパソコンに向かっている可能性が高い。即レスすれば、相手もそれに対してまた即レスとチャット状態になって、メール数がどんどん増える。

 2.苦情メールには即レスする

 苦情メール、不満を表明しているメールには即レスすぺし。
 ただし、ただの「承りました」メールでは意味がない。24時間以内でいいから、しっかりと。
 それが仕事自体を減らすことにつながる。


■『仕事(ジョブ)を作業(タスク)に分け、さらにそれらを「クリエイティブワーク」と「力仕事」と「軽作業」に分ける』例

・序盤→アイデアに発想や着想が必要【クリエイティブワーク】
・前半→(時間はかかるが)情報収集集や整理が中心【軽作業】
・後半→分析やストーリー決め【クリエイティブワーク】
・終盤→資料の書き下しと整理【力仕事】


■ショートカットアイコンを活用しよう

 今同時に手をつけている仕事の数は、せいぜい5〜20といったところだろう。
 それぞれでの作成中の資料に対して、必ずショートカットアイコン(やエイリアス)を作ってデスクトップに置こう。(中略)

 そのアイコンたちは、あなたにやる気を出させるための、イべントリスト替わりにもなるだろう。


■メールや携帯電話チェックに「小さな習慣」をくっつけてみる

タイミングは「の前」「と同時」「のあと」の3種類ある。
・携帯を使う前に必ず見るよう、待ち受け画面に身につけたい行動(例えぱ「苦情には即レス」「携帯電話には出ない」など)を標語にして表示する
・携帯チェックと同時に、今日明日のスケジュールを確認・修正する。そのとき「分ける」「早めにやる」を意識する
・メールチェックのあとに、必ず受信箱を整理する。2日以上溜めない


■習慣の撤退障壁を上げて、途中で止められないようにする

 まずはその習慣(候補)を途中で止めたら、捨てるモノかとても大きくなるようにしてしまうことだ。
 特別な手帳を買ったところで金額はしれている。
 でも、特別な整理棚をオーダーで作ったらどうだろう。結構なお買い物だ。
 最初から壁一面だと、むしろ参入障壁を上げてしまうので、少しずつ増やしていくのも手だろう。


【感想】

◆本書の著者である三谷さんの作品は、大昔に「突破するアイデア力」というご本を読んで以来でした。

その本も、結構漠然と(私自身は消化不良気味)していましたし、その後拝見するご本も、面白そうではあるものの、「読んで何を得られるのか?」というのが、パッと見、分かりにくく、距離を置いてしまったという。

それが今回、「コンサルタント」「整理術」と、「よく響く」キーワードがあったので、思わずゲットした次第。

おかげでコンサルファームを渡り歩いてきた三谷さんの、「仕事術」の一端を知ることができました。


◆その「キモ」は大きく分けて「分ける」「減らす」「早くやる」の3つ。

これらを「習慣化する」ところまでが、本書のテーマになっています。

ただし、「突破するアイデア力」の時と同様に、普通の方と「ちょっと視点が違う」のがミソ。

作品の「テイスト」としては、小宮一慶さんの『「発見力」養成講座』に近いのではないか、と個人的には感じました。

…あくまで私見ですけどw


◆ちなみに、ポイントの一番最後の「整理棚」の話に関しては、丁度小飼さんの新作で「新書を入れる棚を買う」という話を読んだばかり。

参考記事:【小飼邸動画アリ】「新書がベスト」小飼 弾(2010年06月11日)

実は私自身も、税理士試験に挑戦するに当たって、結構値のはる机と椅子を買っておりましたし、なるほど納得

また、三谷さんは、他にも撤退障壁を上げる方法として、「他人に宣言する」と言うものを挙げていますが、これは「Twitterを活用」する等、今では色々なアプローチが考えられます。

「影響力の武器」じゃないですが、「コミットメントと一貫性」の力は、やはり偉大なんですね。


◆ところで、表現できなかったので割愛しましたが、本書にはところどころ「フレームワーク」が時折登場するのも、コンサルタントならでは(?)。

「こだわり方」1つをとっても、例えば「スーパーの買い物」において「こだわる/こだわらない」「品質/価格」「2×2マトリックス」を作成していたりします(詳細は本書を)。

それ以外の「フレームワーク関係なし」も売れ線のイラストに近いですし、各章末に「チェックリスト」が付いていたり、と、地味目な版元さんとは思えない作りのような…?

うーん、実際に手に取ると、この手の本って、つい買っちゃうんですよねw


「自己啓発書好き」にフォーカスした、スマートな1冊!

特別講義 コンサルタントの整理術
特別講義 コンサルタントの整理術


【関連記事】

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【整理術】「超! 自分マネジメント整理術」石田 淳(2008年08月23日)


【編集後記】

◆あの「プレゼンテーション Zen」に続編が出る模様。

プレゼンテーション Zen デザイン
プレゼンテーション Zen デザイン

今回はビジュアルコミュニケーションのデザイン全般に重点が置き、スライドデザインの構成要素であるサイズ、配置、色その他の要素とのバランスを慎重に考慮することの必要性や、余白や角度といった要素の持つ聴衆への影響などを、豊富なサンプルとプロフェショナルなアドバイスを交えてわかりやすく解説。前作「Zen」の読者達は、シンプルな禅の思想を視覚的なコミュニケーションと結びつけたガー・レイノルズの新鮮で刺激的な指導スタイルを、この「Zenデザイン」で引き続き楽しめることだろう。

ということで、これまたクオリティは高そうです。


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