2010年06月17日
【処世術】「お前なんかもう死んでいる ~プロ一発屋に学ぶ50の法則~」有吉弘行
お前なんかもう死んでいる ~プロ一発屋に学ぶ50の法則~
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、元・猿岩石の有吉弘行氏の人生指南本。カッコ良く言えば、「ライフハック」なんですが、そこは「毒舌芸人」だけあって、かなりの(でもいつも通りの)「過激さ」に溢れておりますw
アマゾンの内容紹介から。
「夢も希望もない」というより、「身も蓋もない」のが私好みだったりしてw『猿岩石』で一大ブームを巻き起こすも、あっという間に人気急落、天国から地獄へと急転直下でどん底生活を味わうこととなったお笑い芸人・有吉弘行。100年に一度の不況と言われている今だからこそ誰にでも地獄はやってくる。そんなとき一体どうすればいいのか。本書は芸能界、そして人生の辛酸をなめた有吉だからこそわかる落ち目を生き抜く50の知恵袋。一億総リストラ時代のサラリーマンに贈る有吉版・「救国の書」である。明るい未来なんかクソ喰らえ!! 夢も希望もない生き方こそ、真の勝ち組なのだ!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1章 「栄光からの転落」4の法則
現金で4千万円って「お金」って実感がないんです
第2章 「どん底生活」11の法則
このままでいるより自殺したほうが楽なんじゃないかな
第3章 「地獄で発見」11の法則
俺も試しに炊き出し喰ってみといたほうがいいかな
第4章 「プロ一発屋」9の法則
アイドルみたいなお笑い能力の低い奴らの中で面白いって言われたい
第5章 「現代人へ贈る」15の法則
お前なんかもう死んでいる
【ポイント】
■今までより下のレべルの人間と付き合うようになってたら要注意今まで付き合ってた友達に「なんか会いづらいんだよな」って思うようになったら危険です。明らかに自分の生活レべルが落ちてます。そのうえ、今までと比べて明らかに下のレべルの人間と一緒にいるようになったら、確実にマズイです。
■「自分を下に見せる」のが一番大事
自分を大きく見せないで、より小さく見せる。「自分は売れてる」とか、サラリーマンなら「自分は仕事ができる」なんて見せちゃダメなんです。
絶対にどっかで反感買います。足元すくわれます。どっか僻地に飛ばされたり、会社にいられなくなったりします。
そうならないためには、自分を実力以下に見せることです。自分を小者に見せることが大事なんです。
■頭のいい人の話を受け売りする
「有吉さん、今悩んでるんですよ」みたいに相談されたときとかに、「それはな、こういうことだから、こうなってるんだぜ」って、「あのとき、さんまさんがこう言ってたよな」っていう言葉をパクって、さも自分の考えみたいにしてぷつけてやると、「有吉さんってさすが考えてらっしゃいますね」っていうことになるんですよね。誰の意見の受け売りだろうが、「俺はこう思うんだけど」って1個入れとけば、もう自分の意見になっちゃうっていう手法です。
■嫌いな上司や先輩と飲みくなら「仕事だ、修行だ」と思ってりやいい
「つまんねーな」とか、「早く帰りてーな」とか思うと辛くなるんで、「これは仕事なんだから自分が楽しむ場じゃないんだ」うて思えぱ意外に平気なもんです。
僕の場合、嫌いなヤツと飲みに行ったら、自分からは何も発信せずに、ニコニコしてただそいつの話を聞いて、適当に相槌打ってます。自分の意見は言わないです。へたに自分の意見言ったりすると、「なんだよ!」になったりするんで。
■嫌いだけど使えるヤツと付き合うにはずっと笑ってりゃ大丈夫
とりあえず笑顔でいりゃなんとかなるっていう程度の付き合いでいいんですよ。深く付き合う必要ないんで。表面上仲良くしとけばいいんです。(中略)
風俗嬢と一緒です。「その時間付き合えば金になる」って思えばいいんです。そこは一通りの基本プレイしかしなくていいっていう。それ以上のサービスして欲しいならもっと金出せっていう、そういう姿勢で臨めばいいと思うんですよ。
■自分を磨く努力するなら、人を見極める努カしろ
「この人に付いていけぱオイシイ思いができる」とか、「この人バックにつけとけば都合がいい」とかそういう人を見る目を磨いたほうがよっぽど役に立ちます。自分を見つめ直してもしょうがないんですよ。結局自分のこと知っちゃうと嫌になるだけなんで。
■人間、挨拶とお天気の話だけできれば、それで十分
それだけで普通は「いい人だ、気さくな人だ」って言われます。「今日はあったかいですね〜」って言って笑っていれば、「いい人だ」って言われるので大丈夫です。それ以上深い話とかする必要ないし。
僕は小学生のときとかに、近所の人に「こんにちは!」って言うだけで、「あの子、いい子ね」って言われていたので。人を判断するのってそんなもん、その程度のことなんです。
■「やる気」とか見せなくていい
それなり、そこそこでやっときゃいいんです。係長ぐらいのポジションでいれば。絶対的な責任はないけど、下もいるしなっていうぐらいが楽でいいんですよ。
ソープランドのオーナーにはなりたくないけど、ソープランドの教育係にはなりたいっていう、それぐらいのやる気で。オーナーは責任あるけど、教育係なら客来なくても責任ないし、女の子に指導できるし「一番いいな、あれ」っていう。その程度の上昇志向で十分なんです。
【感想】
◆冒頭の内容紹介で「落ち目を生き抜く50の知恵袋」とあったように、第1〜3章までは、有吉氏のどん底状態の描写や、そこで得た教訓の連続。正直この部分は話としては面白いものの、当ブログでご紹介するには「ディープすぎる」ので、ほとんど割愛しました。
ただ、現在の有吉氏の「厭世観」がこうした経験からくるものだと思うと納得。
一歩間違っていれば、確かに「ホームレス」くらいにはなっていたのかもしれません。
落ち目になりかけたころに、給料制を歩合制に変えた結果、本当に「給料ゼロ」になり、それが長い期間続いたのだそうですし。
◆一方、第4章では、どん底状態から『内村プロデュース』出演をきっかけに再浮上し、『アメトーーク!』での「おしゃべりクソ野郎」発言で再ブレイクしてからの状況にも触れられています。
ただし、本書のテーマと異なるためか「お笑い」方面での掘り下げが少なめなのが、お笑い好きの方にはちょっと残念かも。
一応、有吉氏本人としては、「芸人がいっぱいいるところであんまり仕事したくない」「アイドルみたいなお笑いの能力が低いヤツらの中で、「面白い」って言われたい」とのこと。
なるほど、その一端がコレですかね?
有吉弘行がロンハー格付けタレントをふたたび襲撃 - はてなでテレビの土踏まず
◆ちなみに、本書の発売元は「双葉社」。
これは、前々作である『竜兵会』と同じです。
竜兵会―僕たちいわばサラリーマンです。出世術のすべてがここに
参考記事:【人心掌握】有吉弘行の人心掌握術がスゴすぐる件:マインドマップ的読書感想文
この本をお持ちの方ならご存知のように、各ページの欄外の注釈が読みどころの1つ(スベってるのもありましたがw)だったわけで、それは今回の本にも継承されています。
『竜兵会』が、サラリーマン向け(?)ならば、本書はより広い層に向けて、『竜兵会』でももっとも際立ったコンテンツだった有吉氏のパートを取り上げた、という位置づけなのかも。
◆ぶっちゃけ、DVDまで付いて、1500円しない『竜平会』の方が、お笑い好きの方にはオススメではあります。
ただ、この本が出た1年ちょっと前から現在まで、有吉氏の露出が減ることなく、毒舌の切れ味も鈍っていないのは、スゴイことだと思われ。
そんな有吉氏の「今」を表現している点で、本書を評価したいワタクシ。
有吉氏のこんな感じのイラストも、いい感じで味を出していますしネ(本書内のイラストはモノクロですが)。
日本の誇る「トリックスター」の新作がここに!
お前なんかもう死んでいる ~プロ一発屋に学ぶ50の法則~
【関連記事】
【人たらし】「嫌われない毒舌のすすめ」有吉弘行(2009年07月10日)【人心掌握】有吉弘行の人心掌握術がスゴすぐる件(2009年04月18日)
【紳助のヒミツ】「紳竜の研究」はスゴかった(2008年03月14日)
【新ライフハック】「クビにならない日本語」ココロ社(2009年07月06日)
【編集後記】
◆先日お知り合いから頂いたご本。スーパー戦隊バトル ダイスオー パーフェクトBOOK 第1弾〜第2弾コンプリート (スーパー戦隊シリーズ)
「スーパー戦隊シリーズ」にハマっているムスコ大喜びであります(ありがとうございました!)。
ご声援ありがとうございました!
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