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2010年06月11日

【小飼邸動画アリ】「新書がベスト」小飼 弾


新書がベスト (ベスト新書 284)
新書がベスト (ベスト新書 284)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、おなじみ小飼 弾さんの新刊。

今回のネタはタイトル通り「新書」であり、このタイトルも小飼さんが付けたのだそう(それにしても、「ベスト新書」から「新書がベスト」で出すとはw)。

たまたま某所から頼まれて、小飼さんにお渡しするものがあったところ、「じゃー、この本と交換でw」ということになり、久しぶりに小飼邸を訪問して参りました。

ついでに「小飼流速読」も実演して頂きましたので、併せてご覧下さい!


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【目次】

序章 生き残りたければ、新書を読め

PartI 新書の買い方、読み方

PartII 新書を10倍生かす方法

PartIII 新書レーベルめった斬り!

終章 新書と電子ブックの未来


【ポイント】

■新書こそ中身が問われる

 紙の書籍はネットのコンテンツと異なり、どうしてもある程度のボリュームとクオリティを見込めるものでないと出せません。紙という高価な媒体を使って利益を出すには、大量に印刷できることが前提になるからです。(中略)

 また、新書のカバーはレーべルごとに統一されています。つまり出版社にしてみれば、装丁でごまかすことができないわけで、中身で勝負するしかないわけです。新書になっているというだけでも、最低限の品質基準を満たしていると考えて間違いないでしよう。


■知の連鎖を広げる2つの買い方

ひとつは、自分が興味を持っている分野に隣接する内容を選んで、もっと深めていくやり方。もうひとつは、今まで読んでこなかった分野をピックアップして飛び地をつくり、それらをつなげていくやり方。
 特に文系の人は科学系の本を読まない傾向が見られるので、意識的に読むように心がけるべきです。そしてあくまでもテーマで選ぶべきであり、著者名で買い揃えるべきではありません。


■新書で「にわか専門家」になるワザ

 何か知識を得たい分野があったら、まずその分野の土台となる新書を探してください。
 1冊主役となる本を決めたら、同じレーべル、あるいは別のレーべルから、似たようなトピックを扱っている新書を探してきます。主役の新書1冊プラス、関連する新書9冊がべストな配分ですね。


■新書はタイトルが短いほどハズレ率が低くなる

短いタイトルほどダメ本率は低い傾向があります。形容詞が少なければ少ないほど、そして単語に近ければ近いほど、特に新書では当たりが多いようです。


■自然と速く読めるようになる

 速読術では、本のぺージを写真のように記憶していくといったトレーニングを勧めていたりします。しかし、ここまで紹介してきたように「多くの本を、曖昧さを残したまま読み飛ばす」ことを続けていると、読むスピードがみるみる上がっていくはすです。知識が増えていけぱ、自分の考えと著者の考えとの「差分」を拾っていくだけでもよくなります。


■ノンフィクションの場合、必ずしも丸々1冊を読む必要はない

極端なことを言えば、目次を読んでなんとなく内容がわかってしまえばそれも読書なのです。
 上手に編集されているノンフィクションほど、ランダムアクセスを考えられている、つまりどこからでも読めるようにつくられてあります。目次を眺めて、面白そうなところだけつまみ読みしたってかまわないのです。


■「衝突断面積」を増やす

自分のアンテナ、つまり関心を持つ領域を広げておくことで、同じ時間内でより多くの幸運や出会いに当たる確率が高まります。(中略)

 ひとりの著者が書いたマーケティングの本だけ読んでいても、そこに書かれているアイデア以上のものはなかなか出てこないでしょう。ところが、まったく別の分野、それこそ歴史や生物学の本を合わせて読んでいるときに、それらの内容が化学反応を起こして、新しいマーケティングのアイデアを思いつくかもしれません。


■本を読むことと書くことはそれほど離れているわけではない

 極端なことを言えば、ツイッター上に本の感想をつぶやいているあなたは、「自分の読書履歴」という本を執筆しているのです。そして、あなたが今読んでいる本は、読書履歴を書くための参考資料だという見方もできるでしょう。
 ツイッターやブログで読書履歴を公開すると、知らない人からもツッコミが入ります。そのとき、あなたはもう「読み手」ではなく、人から読まれる「書き手」になっているのです。


【気になる3冊】

◆本書のPartIIIでは、小飼さんが各新書レーベルやその作品群をレビューされており、その中から私が個人的にピンと来た3冊を小飼さんの寸評とともにご紹介。

なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学 (ハヤカワ新書juice)
なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学 (ハヤカワ新書juice)

お客の行動を徹底的に分析して導き出したアドバイスは、「本当に1470円でこの知識を手に入れていいのか」と空恐ろしささえ感じます。


だまされる視覚 錯視の楽しみ方 (DOJIN選書 1)
だまされる視覚 錯視の楽しみ方 (DOJIN選書 1)

 トイレでの読書を勧めましたが、『だまされる視覚』についてだけは持ち込み厳禁。視覚のトリックで本当に便座から立ち上がれなくなってしまいます。


「負けるが勝ち」の生き残り戦略―なぜ自分のことばかり考えるやつは滅びるか (ベスト新書)
「負けるが勝ち」の生き残り戦略―なぜ自分のことばかり考えるやつは滅びるか (ベスト新書)

 本書は普者自身の論文がべースになっており、非常にオリジナリテイが高い。にもかかわらず168ぺージという薄さ。このくらい薄くていいんです。これだけ大きなテーマをこれだけ少ないぺージに、しかも豊富な図版入りで収めたのは驚くべき編集力でしょう。


【感想】

◆小飼さんは既に、「空気を読むな、本を読め」という本を出されており、「2冊目の読書ネタ本」ということで、正直それほど大きな期待をしていませんでした。

ところがどっこい、付箋を貼ったこと貼ったこと…。

新書がベスト








まかりなりにも、趣味欄に「読書」と書いたことのある方なら、本書を読む価値は少なくありません。

…もっとも、読書初心者にいきなり「新書300冊入る本棚」を勧めるのはどうかと思いますがw


「読書好き」な方であれば、1章と2章だけでも、小飼さんの新書や読書そのものに対する、考え方やアドバイスを得られるハズ。

ただし、いかにも小飼さんらしいのは、序章終章なのかもしれません。

なぜ小飼さんが本書のようなテーマの本を出してまで、「新書」に固執されるのか。

詳しくは本書でご確認頂くとして、ひとつには純粋に「パッケージ」ではなく「コンテンツ」にこだわってらっしゃる方なんだな、と。


◆またそれは、最終章の「新書と電子ブックの未来」にもつながってきます。

電子書籍において「コンテンツはどうあるべきか」の小飼節が堪能できたのは、本書の収穫の1つでした。

とはいえ、「なるほど」、と思う反面、自分自身が電子書籍に慣れ親しんでいないため、違和感がなかったわけではないのですが。

…ちなみに今回小飼邸を訪問して、小飼さんに延々と
「iPadは買うべきだ」
「いやでもiPhoneすら持ってないんです」
「いやsmoothさんなら、iPhoneよりiPadだ」

と洗脳されかかったことを付け加えておきますw


◆今回、著者である小飼さんと直接お話をする機会があった(実は小飼さんとサシで長時間話したのは初めて)のに、事前に本書を読んでなかったのは、非常に悔やまれました(本をもらいに行ったので当然ではありますが)。

私自身、本書を読んで小飼さんの新たな一面を知りえましたし、小飼さんのブログの読者さんであれば、本書を読めば、小飼さんのブログの個々のエントリーをより楽しめるかと。

それ以上に、新書というジャンル自体が今までとは違う客層の目に触れるわけで、新たに「小飼 弾」という人物を知り、ファンになる人が増えそうな予感。

そして新規客に合わせたのか、多少カドがとれて(?)、一見さんが読んでも受け入れられる作りにもなっているのが抜かりないな、と思うワタクシw


コストパフォーマンスから言っても本書が「小飼さんのベスト」でしょう!

新書がベスト (ベスト新書 284)
新書がベスト (ベスト新書 284)


【小飼邸動画】

◆さて、お待ちかねの動画です。

…って、今般動画があったのに、ここまでまるっきり普通の記事と同じ量の文章を書いており、すでに長文杉

ホントは動画に収録されていない面白い話があって、それも記事にしようと思ってたのですが断念して、簡単に動画のみご紹介しておきます。


■「二丁拳銃読み」をやって頂きました




◆本書にも画像入りで登場する「二丁拳銃読み」を、生で披露して頂きました。

動画内で小飼さんが言われているように、私の本を気遣ってもらった関係で、いつも通りのスタイルではなかった模様。

動画は3分ちょっとあるのですが、終わりの方で小飼邸名物(?)の特製本棚を撮影しております。


■ついでに速読もやって頂きました




◆上記「二丁拳銃読み」で使われたうちの1冊は、小飼さんが未読の本だった(もう1冊は「新書がベスト」)ため、その後そのまま読んで頂きました。

途中までは2冊一緒に読んでいたので、正確に「何分かかったか」は分かりませんけど、いつもこの動画の速度くらいで読まれてらっしゃいますね。

あっつー間に読み終わり、最後に私が「ゲゲー」と大声出してしまったのが耳障りでスイマセン。

たまたま持って行ったのが結構古い本だったのですが、この本を元ネタにしている部分がある本が、5冊くらい思い浮かんだそうです。


【関連記事】

【小飼流読書術】「空気を読むな、本を読め。」に学ぶ7つのポイント(2009年10月22日)

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すぐに使える「ロジカルシンキング・リーディング」テクニック5選(2009年09月04日)


【編集後記】

◆そういえば、「新書ネタの本」としては、この本もありましたね!

だから、新書を読みなさい
だから、新書を読みなさい

こちらは本自体は単行本ですが、併せてどうぞ。


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この記事へのコメント
               
danさん、髪切ったんですね。
danさん自体が濃いので、髪はさっぱりされた方が似合うと思います(笑)。
Posted by naomim at 2010年06月11日 10:12
               
>naomimさん

コメントありがとうございます!
弾さん、確かにお顔とか濃いですよね〜。
私自身はベリーショート派なので、弾さんもさっぱりしてもらうのには賛成ですw

今後とも宜しくお願いします。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年06月12日 06:23
               
「ゲゲー」に同感w 速いですねー。「読み飛ばし」がすごいんだろうか。
『新書がベスト』は速く読んだりじっくり読んだりしてみようと思います。
Posted by moka at 2010年06月17日 01:28
               
>mokaさん

読み飛ばしというより、おそらく自分の知らない情報との「差分」しか読んでないのだと思います。
私たちでも、50回、100回と読んだことのある本なら「ハイハイ、あの話ね」とサクサク読めちゃいますしね。

今までの小飼さんの本に比べると、今回の本は、格段に読みやすいのがいいですよね〜。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年06月17日 04:50