スポンサーリンク

       

2010年05月03日

【フェイスブックの真実】「facebook 世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男」ベン・メズリック


facebook
facebook

【はじめに】

◆昨日ご紹介した「Me2.0」でも、重要なツールの1つとして登場しているSNS、「Facebook」

下記記事を見ると、最近では何やらGoogleの聖域まで侵略しそうな勢いですね。

CNN.co.jp:グーグルの悪夢:リンクに取って代わる「Like」ボタン

そこで今日は、ずいぶん前に読んだきり、記事にしそこなっていた「Facebook誕生の舞台裏」を描いた本、「facebook」をご紹介してみようかと。

念のために申し上げておきますと、「FacebookのHowTo本ではない」ので、お間違えのないようw


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!




【目次】

第1章 「ファイナルクラブ」で出会った男
第2章 ハーバードヤード
第3章 「ハーバードコネクション」
第4章 フェニックスの通過儀礼
第5章 ハッキング
第6章 寮への侵入
第7章 予想外の反響
第8章 エリートたちの思惑
第9章 勧誘
第10章 電子版ファックトラック
第11章 双方向のソーシャルネットワーク
第12章 マークの言い訳
第13章 「ザ・フェイスブック」運用開始
第14章 寝耳に水
第15章 警告状
第16章 学長への直訴
第17章 「ナップスター」創業者の登場
第18章 大金持ちの予感
第19章 マークの野望
第20章 タイラー達の逆襲
第21章 創業者の資質
第22章 ショーン主催のパーティー
第23章 踏み潰されるライバルたち
第24章 疎外されるエドゥアルド
第25章 「ペイパル」創業者への売り込み
第26章 フェイスブック株の行方
第27章 エドゥアルドの油断
第28章 株の売却
第29章 弁護士からの通達
第30章 ビリオンダラーベイビーの誕生
第31章 訴訟
第32章 ショーンのスキャンダル 
第33章 冷徹な決断
第34章 パーティーは終わった


【読みどころその他】

◆本書はストーリー形式なので、ポイント等はカットして、読みどころ等をサラッとご紹介。


●海部美知さんの記事は読んでおこう

◆元々私がこの本を知るきっかけとなったのが、こちらの記事。

キレイゴトでないフェースブックの物語 - 「The Accidental Billionaires」 - Tech Mom from Silicon Valley キレイゴトでないフェースブックの物語 - 「The Accidental Billionaires」 - Tech Mom from Silicon Valley

海部さんが読んだ(厳密にはオーディオブックなので聞いた)のは、原本なのですが、内容的にはほぼ同じと思われ。

The Accidental Billionaires
The Accidental Billionaires

最初にこちらの記事を読んでいたので、Facebook創業者であり、本書の主人公(?)であるマーク・ザッカーバーグのいた東海岸と、シリコンバレーのある西海岸との文化の違いを意識して読み進めることができました。

というか、東西でそんなに違うとはわかってなかったもんで。


●きっかけは「出来心」からだった

◆そのガチガチの東海岸の大学であるハーバードにおいて、ひょっとしたきっかけで各寮の学生のデータをハッキングし、とあるサイトを作り上げたマーク・ザッカーバーグ。

「ちょっと他の人の意見を聞こうと思って」アップしたところあら大変

あっという間にアクセスが殺到したため、あわててサイトを閉鎖したものの、そのウワサは学内に広まることになります。

そして、そのウワサを聞いたとある学生から、また別のサイトの構築に勧誘され……(以後ネタバレ自重)。


●「エリート大学」のブランド効果?

◆そもそもFacebookは、当初「ハーバード大学の学生のみ」を対象としたサービスでした。

その後も、やみくもに開放したのではなく、スタンフォードやコロンビアといった、同じようなエリート大学にも開放。

ちなみに上記Wikipediaによると、その後については、

徐々に全米の学生に開放され学生生活に欠かせないツールとなった。大学のメールアドレス(.eduドメイン)を所有する大学生のみに参加が限られていたが、2006年初頭には全米の高校生に開放し、2006年9月までには一般に開放され、誰でも利用できるようになった。

とのこと。

このようにコントロールした開放の仕方も、ヒットの要因のような。


●「ナップスター」創業者、ショーン・パーカーも登場

◆シリコンバレーにおいては、ナップスター創業者として、セレブの扱いを受けるショーン・パーカー。

そのショーンが、目をつけていたのが「ソーシャルネットワーク」

ただし、その当時の米国のソーシャルネットワークサービスについて、ショーンは否定的な見解を持っていました。


◆例えば「フレンドスター」

正直に言えば、フレンドスターには限界があった。結局は、いわゆる「出会い系」サイトだったのだ。マッチ・ドットコムやJデートなどに比べれば出会い系に見せないように工夫されていた。しかし、見ず知らずの若い女性と話をして、相手のメールアドレスを教えてもらうサイトということに変わりはない。

そして「マイスペース」

マイスぺースはSNSとしては規模がずば抜けて大きい。しかしショーンにとって、これは本当のソーシャルネットワークではなかった。コミュニケーションを取るために訪問する場所ではないのだ。自分の姿を見せに行くところだ。自己陶酔する人間のための巨大な遊び場のようなものだ。
 僕を見て! 私を見て! 僕のバンドの演奏を聞いて!(中略)ビデオを見て!といった内容が延々と続いているだけ。自分というブランドを提示して、誰かが関心を持ってくるのを期待しているのだ。

そんなショーンが、Facebookのどこに惹かれ、どのようにアプローチをしたかは本書をご覧アレ。


●狂熱のインターン選考イニシエーション

◆ショーンのいる西海岸で、Facebookのサービス拡大を図ることとなったマークは、スタンフォードの学内でインターンを採用することにします。

本書で描かれている、その選考の模様がコチラ。

エドゥアルドは、パソコンのディスプレイがよく見えるところにいたが、画面には数字や文字がごちゃごちゃと並んでいるようにしか見えなかった。パソコンに向かう五人は、複雑怪奇なコードで競い合っているのに違いない。マークとダスティンが考えた、プログラマーの適性テストなのだろう。プログラムを、あるところまで書き上げると、画面が点滅する。すると受験者は顔を上げ、グラスを一杯空ける。その度ごとに、観衆からは歓声が上がり、それから受験者はまたプログラミングを続ける。(中略)

叫び声、キーを叩く音、ウィスキーの一気飲みがさらに十分続き、ついに二人が、ほとんど同時に席から立ち上がった。椅子が後ろにひっくり返った。
「採用決定! おめでとう!」
と同時に、誰かがMP3プレイヤーの再生ボタンを押すと、部屋の隅に置かれたスピーカーから、ドクター・ドレー(エミネムなどを手がけたアメリカの音楽プロデューサー、ヒップホップ・ミユージシャン)の曲が流れ始めた。

California, it's time to party (カリフオルニア、さあパーテイの時間だ)……


【感想】

◆海部さんの記事にもあるように、西海岸に行ってから、物語はさらに加速。

投資される資金も膨大なものになっていきます。

そこで生まれる争いや裏切り。

そして、別れ。


◆本書では、色々な人物が登場し、彼らの目を通して、「マーク・ザッカーバーグ」という人物が描かれています。

ある人は、マークに裏切られた、と思っているのですが、実はマーク自身には、そういう意図があったかどうかもわからないような。

例えば、ショーン・パーカーから見たマーク。

マークは才能に溢れ、野心的で、辛口のユーモアセンスを持っていた。たいてい、彼はおとなしい。ショーンは彼をあらゆるパーティーに連れていったが、居心地よさそうにしていたことは一度もなかった。彼にとっては、コンピュータの前で寝る方がよほど幸せなのだ。時には20時間ぶっ続けでパソコンの前にいたこともあった。大学のガールフレンドとはまだ付き合っていて、週に一回ほど会っていた。コンピューターに飽きたときには、長距離ドライプに行くのがお気に入りだった。だが、そうでなければ、彼はプログラミングマシーンだった。生きて、呼吸し、彼が自分で作った会社を「食べて」いた。

少なくとも、マークはプログラムに対しては「誠実」だったと言えるのかもしれません。


◆冒頭で触れたように、本書はFacebookの使い方等に関しては全く言及しておらず、そちら方面を目的として、「タイトル買い」されると、ずっこけること請け合いw

ただし、才能のあるギークが、「世界一になりうるWebサービスを生み出した経緯」というのは、単純に話として面白かったです。

実際、読み始めたら止まらなくて、ブログの記事を書くために、他の本と平行しながら読み続けた次第。

今からでも、「ゴールデンウィークの読書用」に検討頂きたいところです。


エンターテインメント作品としてオススメ!

facebook
facebook


【関連記事】

【個人ブランディング】あなたが『Me2.0』を買うべき3つの理由(2010年05月02日)

【ヤバ本】『クリック!「指先」が引き寄せるメガ・チャンス』ビル・タンサー(著),泉 浩人(監修)(2009年11月11日)

【ティッピング・ポイント】「急に売れ始めるにはワケがある」マルコム・グラッドウェル(2007年07月18日)

「ミクシィ(mixi)で何ができるのか?」山崎秀夫(2007年01月29日)

「mixiと第二世代ネット革命」(2006年09月26日)


【編集後記】

◆本書と違って、テクニカルなこと(マーケティング方面?)が書かれているラシイ本がこちら。

The Facebook Era
The Facebook Era

えー、洋書という時点で、私には手が出ないのですがーw


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「ITスキル」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 09:30
Comments(2)ITスキルこのエントリーを含むはてなブックマーク

スポンサーリンク




                               
この記事へのコメント
               
はじめまして。

今回ご紹介いただいた「フェイスブック」

私としてはとても衝撃的でした。

とくにCNNの記事の中で、
“グーグルへのサーチエンジン最適化(SEO)産業が今後フェースブック向けにとってかわるかもしれない”

ということで、とても驚いています。

私もビジネス関係の本も読んでいるのですが、もっぱらノンフィクション系が多いので、こんな情報は知りませんでした。

これからビジネス関係の本も読んだり、勉強したいと思っていたところなので、勉強になります。

これからも有意義な情報を発信してください。
Posted by ocean 〜おすすめブック天国〜 at 2010年05月03日 18:17
               
>oceanさん

はじめまして。
コメントありがとうございます。
私もこういう物語系の本は滅多に読まないのですが、この本はなかなか面白かったです。

ただ、具体的にビジネスなりに活かせるか、というとそれはまた違うので、万人にオススメという本でもないかと。

oceanさんも、ライブドアブログなんですね。

(・∀・)人(・∀・)ナカーマ

またお暇なときにでもお越し下さいませ。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年05月04日 03:12