2010年04月30日
【新常識】「やらなくてもいい、できなくてもいい。」四角大輔
やらなくてもいい、できなくてもいい。
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、絢香、Superfly、CHEMISTRY、平井堅といった著名アーチストのプロデューサーでもあった四角大輔さんのデビュー作。目次には「え?これで本当に大丈夫なの?」といった感じのフレーズが並んでいて、最初はビビりましたが、読んでみて思わず「なるほど」と納得。
アマゾンの著者メッセージから、一部引用します。
本書の内容が、これからの時代の「新常識」となるのかも?!「デキる人」とは、すべてをこなせる万能人間のことではありません。目の前にある仕事や課題の中から、好きになれるところを見つけ出せる人。そしてそれを迷わず自分らしく、愚直なまでにやり抜ける人こそが、本当の「デキる人」なのです。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1章 できなくてもいい
夢がわからなくてもいい!
うまく話せなくてもいい!
好きな人としかつきあわなくていい! ほか
第2章 なくてもいい
夢がかなわなくてもいい!
大企業の名刺も、肩書もなくていい!
カッコわるい仕事でもいい! ほか
第3章 やらなくてもいい
万能にならなくてもいい!
ひとつだけできればいい!
好きなことだけやっていてもいい! ほか
第4章 そのままでもいい!
脇役でもいい!
欠点は直さなくていい!
仕事は自己表現でもいい! ほか
【ポイント】
■ちょっとした努力でクリエイティブになれるクリエイティブといわれる仕事のなかでも、本当に感性だけでつくり上げるものは別として、ほとんどの仕事は「ひらめきをメモする」ことでまかなえます。要は、生み出すものの部品をどれだけ持っているかなのです。(中略)
だから、ちょっとしたひらめきや「いいな」と思うものを取りこぼさずに残すことで、部品を蓄えていけばいいのです。愚直なようでいて、メモやノートをとることはクリエイティブへの第一歩であると断言できます。
■得意なことをずっと続ける
仕事を始めて二年目くらいのときに一生懸命にやっていたことを十年間続けられたら、どんな業界でも必ず成果を挙げられると思います。そして、ずっと続けられる人とは、僕がそうだったように「自分はほかに得意なことがないから、これだけはしっかりとやっておこう」という人ではないでしょうか。
■「なりたいもの」になるよりも「やりたいこと」ができるほうが重要
いちばんもったいないのは、なりたいものになれなかったからといって、もともと実現したかったことまであきらめてしまううことなのです。もし、いま、自分では不本意だと思っている仕事に就いていたとしても、決してあきらめないでください。
「なりたいもの」になるよりも、「やりたいこと」ができるほうが重要なのです。
なりたいものになれなかったとしても、やりたいことができるチャンスがいつかめぐってくるかもしれません。つまり、職業を夢にしなくてもいいのです。
■「ToDoリスト」より「やりたいことリスト」
「やるべきこと」というのは自分の外側で勝手に増えていきますが、「やりたいこと」というのは、自分の内側からしか出てきません。
あなたが何に興味を持っているのか、どんな人間なのかが、やりたいことリストを見ると一目瞭然です。そして、半年や一年に一回、そのリストを見直すことで、自分の軸に立ち返り、ブレずに生きていくことができるのです。
■仕事ができるようになるには、その仕事に好きなところを見つける
仕事において、人間が本当に能力を発揮できるときというのは、その仕事の対象をとことん好きになったときなのです。実際に僕は、普通レべルであった自分の能力の数倍のカを出せた瞬間を何度も体験しました。本当に好きになれば、200パーセントのカが出せるものです。たとえば、好きでもない人の1日をプロデュースしてくださいと言われても何のアイディアも浮かびませんが、大好きな人の1日をプロデュースするのであれば、いくらでも考えられるし、どんな労も惜しまずに準備をするでしょう。
■交渉の際にはブレないこと
アーティストプロデュースに限らず、営業でも何でも、交渉ごとをするときにはとにかく、ブレないことが大切だと思います。けれども、繰り返しますが、たんなる「頑固であること」と「ブレないこと」は違います。相手の意見を聞く「すきま」を残したうえで、ゆずれないこちらの"クレド(中心軸となる方針)"が何かを、理論的に整理して、相手にもちゃんと伝える。こんな基本的なことだけで、次からの仕事もスムーズにいく交渉ができるようになるのです。
■相手の対応を記録した「アタック・リスト」で恩返しを徹底する
なぜそんなに細かいリストを作るのか。
その理由は、まだ全然売れていない、ブレイク前の新人アーティストをメデイアで取り上げてくれた人と、何もしてくれなかった人とを、線引きするためです。(中略)
したがって、ブレイク前にリスクを一緒に背負って、そのアーティストを売るための努力をしてくれた人と、人気が出たあとにリスクなしで仕事をする人を、一緒に考えてはいけないと思っているのです。
【感想】
◆一般的に「プロデューサー」というと、「小室某氏」のように、フリーの状態でアーチスト側から依頼されて、楽曲を作る人をイメージしますが、四角さんのようにレコード会社に勤務されていた方(サラリーマン・プロデューサー)ですと、担当アーチストの売り込みである「プロモーション」もご担当されるわけです。本書にはそれに関連した色々なエピソードが登場しており、中でも私が最もビビった(?)のは、ポイントの最後に挙げた「アタック・リスト」のお話。
こういうブログを長年やっていると、同じように、「プロモーション」されることが結構あるんですよね。
その著者さんなり、編集者さんが四角さんのように「エクセルで管理」されているかどうかは知りませんがw
◆実は、当ブログでの記事掲載に至らなかった本の中でも10万部超えした作品があったりします(マジで)。
さすがにその関係者の方に「いや〜、私も売れると思ってました」なんてことは言いませんが、そんな時は自分の「見る目の甘さ」を痛感せざるを得ず…。
もっとも、ある一定レベルの数を超えるような本は、毎日のようにビジネス書を読んでいる層から見ると「中身がちょっと薄い」ケースも多々あるのですが。←言い訳星人w
ただ、こちらは365日、毎日同じくらいの量の記事を書かねばならないのに対し、本の著者さんにとっては、極端な話、「その本が最初で最後」かもしれない以上、どうしても「"想い"の不均衡」が生じていることは日々感じております。
ですから、もしお断りするにしても、その「想い」に対して、真摯に向き合って、時間をかけてメールを書いている次第。
◆そして本書には、四角さんの「仕事」や「アーチスト」に対する「想い」が溢れています。
さらには、その四角さんが多大な影響を受けた、北海道一のCDショップのカリスマ店員石川さんの仕事ぶりのアツさと言ったら!
石川さんの平井堅に対する応援ぶりと、ステージでのエピソードには、こちらも思わずジーンと来ました。
これぞ「想い」が報われる瞬間ですよね。僕は、石川さんから、アーティストや作品に愛情を持つことの大切さを改めて教わったのです。ある人が心をこめて売り出すことで、まったく無名のアーティストがどんどんメジャーになっていく。100万枚以上売れるような大ヒットも、たったひとりの情熱から始まるということを教えてもらったのです。
◆もちろん、これは音楽業界に限った話ではありません。
自分の仕事に「好きなこと」を見つけて、それに情熱を傾ければ、きっと何らかの形になるハズ。
私も、自分の仕事に「好きなこと」を見出し、改めて「アツくならねば!」と思いました。
…でも、「やりたいことリスト」を書くと、ブログ関係のネタばかりなんですがーw
アツい想いに触れる1冊!
やらなくてもいい、できなくてもいい。
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【編集後記】
◆今日の気になる本。生活者発想塾
銀座界隈の書店では激プッシュ中でございます。
ご声援ありがとうございました!
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四角さんは、ここぞ、というときの意志の強さは、凄いと思いました。
でもそれは、齊藤さんも同じかもw