2010年04月28日
【働き方】「残念な人の思考法」山崎将志
残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、新聞広告によると、既に6万部突破しているラシイ新書、「残念な人の思考法」。リアル書店でパラパラとチェックしてみたところ、面白そうだったので即ゲットしました。
アマゾンの内容紹介から。
「なるほど!」と、付箋を貼っていたら、こんなになってしまったというw能力があってやる気も十分なのに、成果が出せないのはなぜ?――その仕事が失敗するのは、「考え方の出発点=プライオリティ」に問題がある。日々の仕事に今日から応用できる思考法のエッセンス集。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
プロローグ なぜ残念なのか
能力も、やる気もある「残念な人」
働いても働いても結果が今ひとつなのはなぜ?
残念な人≒「もったいない人」 ほか
1章 残念な人はつくられる
「ボタンを押すとエンジンがかかる」のが本当によいのか
「使えないシステム」の陰に「使えない人間」がいる
システム化×「思考停止」=残念なトラブル ほか
2章 二流は掛け算で考え、一流は割り算で考える
行列ができてしまう残念な店
効率の悪い仕事を"拝見"
ボトルネックは「パスタ鍋」にあった ほか
3章 残念な人は「塗り絵」ができない
残念なビジネスパーソンは、タイミングでまず蹟く
一時間後に電話を折り返すと、風呂に入ってくつろいでいる
「名刺交換がしたい」の不幸 ほか
4章 機能だけを磨いても二階には上がれない
任せ「られ」ない人に共通する思考パターンとは
共有すべきは「考え方」と「前提条件」
まずは役を演じる。「自分らしさ」を付け加えるのはその次 ほか
5章 人生を残念にしないためのプライオリティ
カレーの中で不動の地位を保つ存在とは何か
成長企業の光と影
「肉」と「玉ねぎ」の両方を同時には選べない ほか
おわりに
【ポイント】
■プライオリテイ付けの「正否」と「適否」どのような仕事をするにも、結果を左右するのは、プライオリテイ付けの「正否」と「適否」である。
プライオリテイの「正否」とは、状況にかかわらず、そのときの選択が常に正しいか間違っているかの明確性を測るものである。たとえば、仕事においては他人へのお願いを先にして個人の仕事は後にする、料理のときには湯を沸かしている間に材料を切る、などいわゆる「段取り」のことである。
一方、プライオリテイの「適否」とは、そのときの状況にマッチしているかどうかであり、それは相対的に変化するものである。(中略)
つまり残念な人とは、プライオリティ付けの「正否」「適否」を考えない人、あるいは見誤る人のことなのである。この点を改善すれば能力を十分に発揮できるようになる。
■ボトルネックは「パスタ鍋」にあった
一度に40人しか入らないのだから、滞留時間ミニマム15分とすれば2時間の営業時間で、1日のランチに入る数はマックス320人。実際にはその半分くらいの入りと推測できる。よってパスタの束を160個開店前に作っておけばいい。これがボトルネックということに、店は気づいていない。
■市場の成熟度によって競争のポイントも変わる
市場のメジャープレーヤーは、後知恵では絶対に勝てない。だから、現在の競争のポイントを正しく理解し、次にくる市場での競争のポイントを見極めて先手を打っていくのである。マイケル・デルは製造関係費が競争のポイントだった時代に、高度なサプライチェーンを構築し、低価格戦略に打って出た。IBMはネットブック時代が来る前に、中国の会社にPC事業を売却してしまった。
■問題に集中するな、機会に集中せよ
実行してみて、「どれだけ頑張っても駄目なことがある」と自分の仮説の間違いを知ることは、行動における最大の収穫である。ある時点で見切り、損切りすることは、成果をあげるためにきわめて重要な行為といえる。
問題ではなく、機会に集中せよ。覆水盆に返らず、見切り千両であり、これからどう勝っていくかが大事なのだ。「いかに、将来に向けてのリソースを投入するか」に意識を集中すべきである。
■すぐに不採用の箱に入れられてしまう履歴書の2つのパターン
ひとつは、複数の企業に同じ内容の履歴書を送っているのが一目瞭然のものだ。(中略)
もうひとつは、自分の都合しか考えていないのではないかと思われるものだ。「コンサルテイングの仕事がしたい」「今の会社では、自分の能力を生かし切れない」「キャリアアップしたい」といった理由だけしか書かれていないものが少なくない。
こうした履歴書を見るたび、こちらが何を求めているのかを考えないのだろうかと不思議に思う。
■転職の応募書類の3つの重要なポイント
まず送り手は何者で、これまでどんなことをやってきたか(1)をまず知りたい。その次に、その人物が、当社のどの部分に興味を持ったのか、採用広告のどこに魅力を感じて応募してきたのか(2)が気になる。そして、「こういうポジションがあったら、もしかしたら役に立てるかもしれない」と、当人がどう認識しているのか(3)が示されていると、当社のどの部分において戦力になり得るかをこちらでもイメージしやすい。
つまり、まずは公開されている情報のみに基づいて反応してもらいたいのだ。この3点のどれかに魅力を感じたら、会って話を聞いてみようと思う。
■業務特性の違い(営業、販売、研究開発、製造など)にかかわらず、高いパフオーマンスをあげる可能性のある人の話の特徴(抜粋):
●具体的である(目的、場所、日時、期問、登場人物など)
●過去形で話をしている
●やればよかったと後悔していることやポリシーではなく、そのときに実際にとった行動である
■高学歴者や大企業出身者の始めるベンチャーが失敗する理由
彼らはひとことで言うと、甘いのだ。
もちろん、世の中に甘い人はたくさんいるが、高学歴で大企業にいるから甘く「なってしまう」のだ。給料は世間の平均以上にもらい、友人や親戚からはすごいねと言われ、社外に出れば敬意を持って遇され、会社にいても向こうから会ってくれと人が寄ってくる。これを、自分のカであると勘違いしてしまう。
だから、起業しても、程度の差こそあれ同じような状況が続くと期待してしまうのである。
【感想】
◆冒頭の写真のように豪快に付箋を貼ったのですが、この辺で。とにかく事例が豊富で、分かり易かったです(この記事は別としてw)。
これはおそらく、「新書」というパッケージを意識したからではないか、と著者の過去の作品と比較して想像したワタクシ。
テイストとしては、小宮一慶先生の最初の10万部超えとなった作品である『ビジネスマンのための「発見力」養成講座 』に近い感じです。
……なるほど、だから売れているのか??
◆その分、内容的に若干散漫に感じられるかもしれないですが、私としては「付箋を多く貼った本が"当たり本"」なので、ネタが多いのは大歓迎。
ただ、当ブログの読者さんの嗜好を考えたら、本当は、後半に並んだ「転職・起業ネタ」だけでこの記事もまとめた方が良かったのかもしれません。
そうしなかったのは、単に私が、その他のネタを割愛したくなかっただけなんですがw
と言いつつも、帯にある「仕事と塗り絵は同じである」というのは、絶賛「ネタバレ自重中」。
他にも『「肉」と「玉ねぎ」の両方を同時には選べない』なんてお話は、ツボだったのに泣く泣く割愛しちゃいましたので、手に取る機会があれば是非ご一読を(「キャリア」に関するネタです)。
◆また、やはり割愛したネタで「行動特性インタビュー」と呼ばれる面接技法があったのですが、そこで紹介されていたのが、マイクロソフト日本法人の元社長である古川亨さんの採用面接のお話。
面接がどんな感じかは、たまたま私も読んだことのある、この記事が参考になるかと。
マイクロソフトの採用面接 - Windows Live
要は、「好きなことに対しての取り組み姿勢が優れていれば、仕事で高いパフォーマンスを出す可能性が高く、そうでなければ見込みがない」ということ。
古川さんはちょっと特殊でしょうけど、転職等の面接の際には、この「行動特性インタビュー」の考え方は、知っておくと良いかも。
◆本書で挙げられている「残念な人」は、その人たち自身は、自分が「残念な人」であることに気が着いていませんし、今現在、結果が出ていなくても、その原因は分かっていません。
もしくはその原因を見誤って、明後日の方向を向いちゃっています。
「一生懸命やっているのに結果が出ない」
「実力はあるはずなのに上手くいかない」
何となく心当たりのある人なら、本書をご一読アレ。
個人的にはオススメの1冊!
残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ)
【関連記事】
【痛快!】「大人げない大人になれ!」成毛眞(2009年11月25日)【仕事観】「いい仕事ができる人の考え方」村山 昇(2009年04月06日)
【コンサルタントの視点】『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』小宮一慶(2007年10月24日)
「ビジネス力の磨き方」大前研一(2007年04月26日)
「頭のいい人が儲からない理由」坂本桂一(2007年04月02日)
【追記:お知らせ】
◆私も途中まですっかり忘れていたのですが、土井英司さん監修の「Me2.0」のキャンペーンの「申し込み期限」が今日まででした!『Me2.0』発売記念Wキャンペーン
期限内に本だけ買って、安心して申し込み忘れというのは、今まで何度かやらかしてきましたが、今回だけは特典もらいそこねたくないので、夕べあわてて申し込んだ次第。
土井さんのツイートによると、先ほどの時点であと259冊とのことなので、ダブル特典が欲しい方で、まだお買い求めでない方はお早めに!
Me2.0 ネットであなたも仕事も変わる「自分ブランド術」
参考記事:【号外】土井英司さん監修『Me2.0』アマゾンキャンペーンのお知らせ(2010年04月26日)
【編集後記】
◆ふと考えたら、相変わらず自己紹介が下手な私。また会いたい!と思われる 自己紹介のルール
リアル書店で見かけて、その時は今日ご紹介した本の方を買ってしまったのですが、こちらも気になりますね〜。
ご声援ありがとうございました!
この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ
「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
スポンサーリンク
この記事へのトラックバックURL
●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。