2010年04月11日
【正論?】「まな板の上の鯉、正論を吐く」堀江貴文
まな板の上の鯉、正論を吐く (新書y)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、ホリエモンこと堀江貴文さんの現時点での最新刊。Twitterでも、ちょくちょくフォロワーからの質問に140字以内で答えたりしていますが、本書はもっと掘り下げた「問答集」となっています。
その内容は下記目次の通り多岐にわたっており、「堀江貴文」という人物の考えが、この1冊でほぼ丸分かりになるような仕様。
Twitterやブログだけでは知りえない、ディープな1面を知ることができる良書だと思われ!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1章 ビジネスについて
第2章 マネーについて
第3章 政治について
第4章 事件について
第5章 交遊術について
第6章 未来について
【ポイント】
■プログラマーの哲学プログラマーという人種は元来「怠け者」なんです。怠け者だからこそ、プログラミングをしていろんな作業を自動化しようとする。(中略)
会社経営においても、プログラマーとしての気質が有利に働いていた、ということはいえるかもしれません。プログラマーをやっていると、コンピュータの中の世界だけでなく、世の中のシステムを最適化することにまで考え方が拡張していくのです。
■ビジネスでの成功の秘訣
ビジネスを当てた人は、皆が「狙ってやった」といいます。それは嘘ではありませんが、同じように狙って外したアイデアの方が、はるかに多い(中略)
ビジネスで成功するためには、とにかく思いつく限りのことをやってみるしかない。うまくいかなかったら早く見切りをつけて、次のアイデアを試す。100のアイデアを試して、ようやく1,2個は当たるかもしれない。ビジネスというのは、そういう世界です。
■一部の労働は移民によって補うべき
例えばタクシードライバーにしても、ベビーシッターにしても、国際社会の中では「誰にでもできる職業」として認知されています。給料が安くても納得して仕事を続けるか、それをステップにしてのし上がっていくかは個人の自由選択ですが、少なくとも日本のように普通のタクシードライバーが平均年収を維持している社会というのは、本当はいびつなのです。
■「堀江内閣」の金融担当大臣は誰に?
金融担当は●●●●さんを推します。(←ネタバレ自重)
理由は、彼ほど「勝つ方法」――ルールの穴を突くことに長けている人はいないからです。ただし、頼んでも絶対にやってくれないでしょうけれど……。これから日本が世界で戦っていける金融立国になるためには、彼の力が絶対必要です。
■英語を公用語に
こういうと反発を受けそうですが、僕は日本でも、英語を公用語にすべきだと考えています。次いで、第二外国語で中国語を教育しなければいけない。「英語を公用語にすると、日本の伝統、文化が破壊される」という反論が相変わらずありますが、国際競争をしていく中では、避けて通れない現実です。なにも日本語を撤廃しろといっているのではなく、みんなが英語を使えるようになればいいだけのこと。IT分野における日本企業の弱点はまさにそこで、英語力のなさで損をしているから、結果としてそこからの税収を得られない状態になっているのです。
■ステージが変わると、人間関係もリセットする
「付き合いが苦手」というよりは、「友達が少ない」というほうが正しいかもしれません。人付き合いには、「刺激の賞味期限」みたいなものがあって、人生のステージが変わる中で、話が合わなくなっていく人も多い。(中略)
僕が通っていた高校は進学校だったので、同級生は東京でバリバリ働いている人も多いはずですが、どこで何をしているかすら知りませんし、同窓会もない。人生のステージが変わるごとに、人間関係もリセットしている、そんな感覚です。
■付き合いたいと思う人物
僕が付き合いたいと思う人は、むしろ自分の予想を超えるような刺激を与えてくれる人だったり、必ずしも僕の味方でいてくれるわけではなく、時には緊張関係になり得る人。そういう人と付き合っていたいから、実家にも帰らないし、昔の友人にも用がなければ会わないんです。
無償の愛に甘えず、自分の能力で勝負したい。人間関係も、常に開拓、開拓です。
■ベンチャー企業成功の秘訣
「少ない資本で立ち上げられて、利益率の高い商売をやりなさい」というのが僕の提言なのですが、そこができていないことが多い。そして、できればマーケットが今後大きく拡がっていく商売をやった方がいいということもあります。この基本を押さえていればまず問題はないはずです。(中略)
繰り返しますが、何よりも大切なのは成功するための"商売選び"です。インターネットの商売は資本も人手もいらないので、比較的ローリスクで始められるし、工夫次第で儲けることができる商売だと思います。
【感想】
◆個人的に、古くから(と言ってもブログを始めた2005年頃)の堀江氏のファンであるワタクシ。大昔には、サインをもらうためにライブドアの高額セミナーのさらに高額席に申し込んだりもしました。
まぁそんな私ですから、本書のように「丸ごと"堀江貴文"」みたいな本だとウハウハ(?)しまった訳で、当然付箋も貼りまくりw
今回は控え目にしておきましたが、第5章の「交遊録&人物評」部分が一番面白かったのは内緒です(言いまくりw)。
◆と言うか、ネタバレ自重してしまうと、その辺については書きたくても書きにくいわけなので、どのような方が登場するかだけ簡単に列挙。
藤田晋さん、熊谷正寿さん、三木谷浩史さん、村上世彰さん、孫正義さん、野村克也さん、秋元康さん、そして何故かトヨタの奥田碩さん等々。
他にも共著である「なんかヘンだよね・・・」のあとがきでも触れていたように、2ちゃんのひろゆきのことは高く評価している模様。
また、全然知らなかったのですが、堀江さんのTwitterのアイコンの似顔絵は、リリー・フランキーさん作だったんですね。
一方、「嫌いな人」というのも数名挙げられているのですが、この辺は本書にてご確認をw
◆私が堀江さんのことをなぜ好きかというと、おそらく考え方や発言が、いい意味で「身も蓋もない」からだったりします。
ただし一般論として、何らかしらの考え方が「理論的に正しい」ことと、それが「感情的にどうなのか」は、また別。
特に私たち日本人は、ドライに考えることが苦手な方だと思うので、堀江さんの言動に眉をひそめる人(特に古い考え方の人)は多いと思います。
そして、その反感の広い意味での「ピーク」がいわゆる「ライブドア事件」であり、本書では第4章にて言及。
「徹底抗戦」等の関連書をお読みでない方は、ぜひここもご一読を。
◆なお本書によると、堀江さんは「何かに熱中するとハマりすぎるほどハマる」そうで、先日はてブで賛否両論だったこのエントリーの件も、単に「たまたま"仕事"にハマっていただけ」なのかも、と思った次第。
起業してほぼ確実に成功する方法|堀江貴文オフィシャルブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」by Ameba
上記ポイントでも触れたように、起業ネタやビジネスネタは当ブログの読者さんにも興味がおありでしょうし、本書でも「トヨタ」「ソニー」といった有名企業が遡上にあがってますので、お楽しみに。
もっとも当ブログ的には、「メール術本」の、「続編」も気になるところですがw
Twitterで堀江さんをフォローしている方なら、「マスト」でしょう!
まな板の上の鯉、正論を吐く (新書y)
【関連記事】
【堀江流成功本】『夢をかなえる打ち出の小槌』堀江貴文(2009年10月24日)【対談】『ホリエモン×ひろゆき 語りつくした本音の12時間 「なんかヘンだよね・・・」』(2009年09月06日)
【堀江節】「徹底抗戦」堀江貴文(2009年03月12日)
「ライブドアブログで稼ぐ!儲ける!」 堀江貴文 (著)(2005年09月09日)
「堀江本。」堀江貴文 (著)(2005年03月23日)
【編集後記】
◆昨日の「気になる本の紹介の記事」で、漏れてしまった本の中から1冊。行動科学で人生を変える (Forest2545Shinsyo 11)
画像が小さくてわかりにくいのですが、石田淳さんのフォレスト出版からの新書です。
以前、同じフォレストさんから出た『「続ける」技術』がベースになっているとのこと。
ご声援ありがとうございました!
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