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2010年04月06日

【スゴ本】「20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義」


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20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、スタンフォード大学で起業家育成コースを担当しているティナ・シーリグ女史の起業マインド育成本。

土井英司さんを初め、既に多くの方が取り上げてらっしゃるので、お読みの方も多いとは思いますが、私もやっと手に取りました。

アマゾンの内容紹介から。

いくつになっても人生は変えられる!「決まりきった次のステップ」とは違う一歩を踏み出したとき、すばらしいことは起きる。起業家精神とイノベーションの超エキスパートがまとめた「この世界に自分の居場所をつくるために必要なこと」。

たとえ起業に興味がない方でも、「一読の価値アリ」「スゴ本」です!


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【目次】

第1章 スタンフォードの学生売ります
 自分の殻を破ろう

第2章 常識破りのサーカス
 みんなの悩みをチャンスに変えろ

第3章 ビキニを着るか、さもなくば死か
 ルールは破られるためにある

第4章 財布を取り出してください
 機が熟すことなどない

第5章 シリコンバレーの強さの秘密
 早く、何度も失敗せよ

第6章 絶対いやだ! 工学なんて女がするもんだ
 無用なキャリア・アドバイス

第7章 レモネードがヘリコプターに化ける
 幸運は自分で呼び込むもの

第8章 矢の周りに的を描く
 自己流から脱け出そう

第9章 これ、試験に出ますか?
 及第点ではなく最高を目指せ

第10章 実験的な作品
 新しい目で世界を見つめてみよう


【ポイント】

■「イノベーション・トーナメント」の課題例

いま、手元に5ドルあります。2時間でできるだけ増やせと言われたら、みなさんはどうしますか?これは、わたしがスタンフォード大学で実際に学生に出した課題です。(中略)

じつは、大金を稼いだチームは、元手の5ドルにはまったく手をつけていません。お金に注目すると、問題を狭く考えすぎてしまうことに気づいたのです。5ドルはあってないようなもの。そこで、問題をもっと大きな観点で捉え直すことにしたのです。


■失敗とは人生の学習プロセスの重要な一部

進化が試行錯誤を繰り返してきたのとおなじように、人生でも、最初に間違い、途中でつまずくのは避けられません。成功するかどうかは、こうした失敗の経験から、その都度、教訓を引き出せるか、そして、新たに身につけた知識を武器にして前に進めるかどうかにかかってきます。


■成功するには「情熱」だけでは足りない

 情熱は出発点に過ぎません。自分の能力と、それに対する周りの評価を知っておくことも必要です。(中略)

 情熱を傾けられるものがあり、能力もあるけれど、それを活かす市場がない、という場合があるかもしれません。(中略)

 情熱とスキルと市場が重なり合うところ。それが、あなたにとってのスウィート・スポットです。そんなスポットを見つけられたら、仕事がただ生活の糧を得る手段で、仕事が終わった後趣味を楽しめるのではなく、仕事によって生活が豊かになるすばらしいポジションにつけることになります。


■共に働く人の質が最適になるようにキャリアを考えよ(byランディ・コミサー

できる人たちは、お互いを応援しあい、貴重なネットワークを築いていて、たえず新しいチャンスを生み出しています。自分が生活し、働いている場所の生態系によって、どんなタイプの機会が巡ってくるかが大きく左右されるのです。
 経験豊富なプロフェッショナルの多くが、ランディのこうした考え方に共感します。自分のキャリアを狭く捉えて、その枠内でしか動こうとしないのは間違いであり、面白いチャンスを絶えず与えてくれる組織で働くべきだと知っているのです。


■運を上げるためには、身の回りに注意を払う

 『発想する会社!』を書いたトム・ケリーは、日々、身の回りの環境を敏感に感じること、外国人旅行者の目になることが必要だ、と言います。わたしたちはふだん、ブラインドを下ろし、踏みならされた道を歩きがちで、立ち止まって周りを見回すことは滅多にありません。でも外国を旅すれば、見るものすべてが新鮮で、密度の濃い体験ができます。視点を変えることで、毎回面白い発見ができるのです。


■学習意欲の高い人たちは悪い状況をうまく好転できる

ジニー(・カワジー)は、模擬就職面接の実験を行いました。面接官にはあらかじめ、応募者について否定的な情報を与えます。志望者は3つのグループに分けます。第1のグループには、自分がその職にふさわしいことを証明するよう指示します。第2のグループには、面接官とのやりとりから学ぶよう指示します。そして、第3のグループには何も伝えません。第1のグループと第3のグループでは、面接官の否定的な見方が増幅されました。ところが、面接官とのやりとりから何か学べと指示したグループは、面接官の否定的な見方を覆したのです。


■期待以上のことをすると決意する

 わたしたちは、「最低限の条件を満たす」よう促されています。つまり、要求されたことに応えるために最小限の努力をするよう暗に明に促されているのです。(中略)

 見返りに何を得るかが正確にわかっていれば、最低基準を満たすのは簡単です。でも、こうした限度を外したときにこそ、目を瞠るようなすばらしいことが起きるのです。


【感想】

◆実は、上記ポイントの最初の項目は、アマゾンの内容紹介にあったものと同じです。

引用すると結構長くなるので割愛しましたが、アマゾンの方でも、学生たちの解答例は、最小限しか掲載していません。

そして私は、この最初の10ページ弱の部分をリアル書店で読んで、即、レジ直行

「なるほどねー」の連続なので、本来ならそこをご紹介したいところなのですが、アマゾンでさえ伏せているので、当然自重。


◆本書はハードカバーで厚みを増してはいるものの、本自体は230ページちょっとと、翻訳本としては決して厚くはありません。

しかし、その中身の濃いことと言ったら!

メインとなるのは起業関係のお話なのですが、「キャリア論」や、「コミュニケーション」「モノの考え方」等々、今すぐにでも取り入れたいエッセンスがたくさんありました。

ちなみに、上記ポイントの「身の回りに注意を払う」というお話のところで登場する動画のURLが巻末で紹介されていたので、ここでご紹介。



本書ではもちろん、日本語で書かれている内容なのですが、長さも1分弱ですし、試しにやって「自分がどれほど"注意力"があるか」チェックして頂きたくw


◆また、「起業以外でも役立つ」という点に関して、著者のシーリグ女史はこう言われています。

どんな役割を果たすにしろ、起業家的な発想が、問題を解決するうえでカギになります。日常生活で日々、経験するささいな問題もそうですし、地球規模での関心や取り組みが必要な、迫り来る危機についてもおなじことが言えます。じつは、起業家精神とは、リーダーシップやチームづくりから、交渉やイノベーション、意思決定に至るまで、人間が生きていくうえでカギとなるような幅広いスキルを開拓することなのです。

実際、彼女の起業家育成コースの演習では、グループごとに自分たちに関係のある課題を挙げ、それらの解決策として、「最高の案」(ベスト)「最悪の案」(「ワースト」)を提出させます。

そして「ベスト」をシュレッダーにかけ、「ワースト」を他のグループに配りなおし、「それを練り直して最高の案にせよ」と指示するのだとか。

「南極でビキニを売る」「ゴキブリ寿司が売りのレストランを開く」といった「ワースト」がどう生まれ変わったか等、詳細は本書をご覧アレ。


◆元から起業家精神に溢れたアメリカの学生、しかもスタンフォードの起業家育成コースに来るような優秀な学生に、本書で紹介されているようなユニークなプログラムが提供されていれば、それはベンチャーが数多く生まれるのも納得です罠。

本書には聖幸さんの記事にもあるように、著名起業家の言葉も多々ありますが、スタンフォードと言えば、やはりステーブ・ジョブズの名スピーチでしょう。



本書でもこのスピーチは2回登場しており、なるほど、このスピーチが好きな方なら、本書はツボだろうな、と思った次第。


"平凡"な日常を"非凡"にするのは自分の考え方次第です!

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20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

【関連記事】

【52のルール】「伝説のビジネス誌編集長が選んだ 飛躍のルール52」アラン・M・ウェバー(2010年03月02日)

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「大きなケーキは人にゆずろう」バーバラ・コーコラン(2007年02月16日)


【編集後記】

◆今日発売のアソシエは「文房具特集」です!


こりは絶対に買わねば!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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この記事へのコメント
               
今月は積読解消月間として極力購入を抑制しようと思っておりましたが、各方面で紹介されて気になっていた本書を、smoothさんまでスゴ本認定とあっては… これは読まずにはいられませんね。
今月の購入リストに加える決心がつきました、ありがとうございます。
Posted by Taka@中小企業診断士(業務休止中) at 2010年04月06日 10:14
               
>Takaさん

遅ればせながら、認定(?)させて頂きました。
ただ、こういう本は、もっと若い頃に読んでおきたかったかもw

もちろん、私もいい年こいて、この本を十分に楽しみましたが。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年04月07日 01:38