2010年03月19日
【出世する仕事術】「仕事ができる人に変わる41の習慣 朝イチでメールは読むな! 」酒巻 久
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、キヤノン電子社長・酒巻久さんの仕事術の本。タイトルに「メールが何たら」とかありますが、これは新書にありがちな「本の一部分だけ取り上げた」パターンであり、実際は下記目次にもあるように、多岐に渡った内容となっています。
アマゾンの内容紹介から。
さすがに社長まで登り詰めた方だけあって、「出世」のヒントが多々ありましたw頭が冴えた朝は、メール処理ではなく創造的な仕事からスタートする。こうした習慣の積み重ねが、仕事の成果に大きな違いを生んでいく。キヤノン電子のカリスマ社長が身につけ、部下に教えてきた仕事習慣を、「時間と仕事の管理」「上司との関係」「部下の動かし方」「情報収集」「自分を伸ばす勉強法」など、9つのテーマごとに徹底指南。今すぐ役立つ仕事習慣が必ず見つかる!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
序章 人間の能力は何で決まるか?
1章 時間・仕事を管理できる人、できない人の習慣
2章 上司とうまくやれる人、やれない人の習慣
3章 部下をうまく動かす人、動かせない人の習慣
4章 情報収集・整理・アイディア出しがうまい人、へたな人の習慣
5章 勉強して自分を伸ばす人、伸ばせない人の習慣
6章 交渉に強い人、弱い人の習慣
7章 会議を活かす人、活かせない人の習慣
8章 チーム・工場をうまく動かす人、動かせない人の習慣
9章 打たれ強く出世する人、しない人の習慣
【ポイント】
■上司の都合、癖を考えて報告する人間というのは案外単純なもので、論理よりも感情に左右される面が少なからずある。(中略)
だから、上司に報告などをするときは、自分が報告したいタイミングではなく、「相手の立場=相手の機嫌」を優先するのが何より大事になる。(中略)
「上司の癖を見極めて、タイミングよく報告する」習慣は、ほとんど誰もその必要性にすら気づいていないことなので、これが身につけば社内での仕事はぐっと進みやすくなるはずだ。
■上司の怒りをもっとも買う「頭越し」
何かしら相談をする場合でも、課長より部長のほうが詳しいからといって、課長に一言の断りもなく部長に相談に行くのは明らかにルール違反だ。そういうときは、「部長に相談したいと思うのですが」と必ず一言断りを入れ、できれば課長にもついていってもらうのがベストである。
■仕事をうまく進めるためには「手柄を譲る」
手柄は上司や仲間に譲ればいい。そうすれば、「彼は手柄を欲しがらない。譲ってくれる」との評判が立ち、みんなも安心して協力してくれるようになる。当然、その後の仕事はやりやすいし、成功する確率も高くなる。
■部下の「帰り際の背中」に本音が現れる
部下の背中は正直だ。いい仕事を終えて、さっぱりした気分で意気揚々と帰る人の背中と、何か悩みを抱えて帰る人の背中は明らかに違う。特にミスを隠していたり、転職を考えていたり、不正に手を染めているような部下は、本人は隠しているつもりでも、覇気がなくなるし、帰り際の背中にある種の「後ろめたさ」のようなものが滲み出てくるものだ。
■目的が明確でない情報収集は意味がない
その意味では、新商品開発に困った挙句、「何か有望な市場はないか」などとコンサルタント会社に調査を依頼するケースなどは、情報収集のあり方としては最悪である。どういう商品を売りたいのか、どういうサービスを提供したいのか、それが明確でなければ、本当に役に立つようなデータを集められるはずがないからだ。
■知識を得ることだけを目的としない
「知識」は目的ではなく、「知恵」を得るための手段だ。仕事に役立つ知恵にできて、初めて知識は意味を持つし、正しい決断や行動ができる。知識は、実際に使える知恵に変えないといけないのだ。知識を得ることだけを目的としてしまうと、その部分が疎かになり、やたらと知識を振りかざし、批判や批評ばかりをする評論家になりかねない。
■やりたい企画を通すための5つの行動原則(抜粋):
●趣旨を簡潔明瞭に述べる
●日頃から「信頼」を積み重ねておく企画書はA4サイズ1枚にまとめることだ。その際、いったい自分は何をしたいのか、趣旨を5〜10行で簡潔明瞭に述べる。これが曖昧だとなかなか企画は通らない。
●会議を通してカギを握る人物を知る
(詳細は本書を)
■外国とのビジネスで騙されないための4つの心得(抜粋):
●交渉内容は必ず文章化する
●交渉にはいい通訳を使う
(詳細は本書を)外国企業との交渉では通訳の技量が大きくものをいう。極端な話、通訳次第で交渉の成否が決まるといってもいい。
■会議を有効に行うための5つの習慣(抜粋):
●理想は「1会議1テーマ」で、会議を短くする
●資料の持ち込みを禁止する
●「〜だろうと思います」という発言を禁止する紙資料がある場合は、事前に配布し、必ず目を通しておいてもらう。その上で会議への持ち込みは禁止とする。資料があると、そちらに気を取られ、会議に集中できなくなるからだ。
(詳細は本書を)
【感想】
◆最後の方になって、箇条書きのテーマが多くなってしまいましたが、実は泣く泣く割愛した中にある「工場を運営するための6つのポイント」というのも、後半の第8章でした。このようにまるで「ビジネス書好き」を狙い撃ちしたかのような(?)後半に比べると、前半で目立ったのが「上司」や「部下」との接し方。
この辺りは、私のように一人で働いている者には微妙な内容なのですが、逆に、もし私が脱サラしないで会社人間のままでいたら、「非常に役立つ内容」だと思われ。
上司は上司で「感情で動く」し、部下もぶっちゃけ「何考えているかわからない」ことが多そう(憶測ですがw)ですから、とにかく大事なのは「観察すること」。
「上司の癖」も「部下の背中」も良く観察して、適切な対応を取るのが、どうやらキモのようです。
◆また、本書で何度か出てくるのが「手柄を譲る」こと。
「手柄」と言うと、ちょっと抽象的ですが、酒巻さんはこんな風に譲られていました。
……いや、十分大した問題だと思うんですがwたとえば私はキヤノン時代、約600本の特許を書いているが、特許権者としての名前を部下に譲った特許は、その倍の1200本ほどある。私にしてみれば、要はいい仕事ができればいいのであって、特許の申請者の名前が誰になるかというのは、たいした問題ではなかったのだ。
ただ、このような形で周りに貢献した結果が、現在の「社長」という地位なのかもしれませんね。
なお、酒巻さんの「出世」について考え方は、第9章にまとめられていますので、「出世したい方」はこちらをご覧あれ。
◆一応、タイトルの「朝イチのメール」について触れておくと、キヤノン電子では、「同じフロア内のメールは禁止」「部長以上は出社から2時間以内はメールの閲覧も禁止」なのだそう。
タイトルは煽りじゃなくて、「ガチ」でしたw
そして酒巻さんご自身も、「メール」というツールに依存しがちな昨今の働き方には疑問を呈してらして、『「一に面談、二に電話、仕方がないから三にメール」習慣を持って欲しい』と言われています。
確かに、多少問題もあるかもしれませんが、個人的にはそこまでメールを毛嫌いするのもどうかと思うので、ポイントでは割愛しましたが。
◆考えてみれば、当ブログでご紹介する本の著者のほとんどが40代以下なので、酒巻さんのようなかなり上の世代(1940年生まれ)の方の仕事術の本というのは、新鮮でした。
自分が実践するだけでなく、こういう上の世代の方の「仕事に対する考え方」を知る上でも、本書は有意義だと思われ。
もちろん、目次にもあるように4章、5章では「情報収集・整理」や「勉強」といった、当ブログでもなじみの深いテーマもカバー。
広い意味での「仕事術の本」と言えると思います。
社長になる人はこういう働き方をしているのだな、と
酒巻 久 (1) |
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【編集後記】
◆昨日のお買い物。実は以前、この本を紹介した際に「気になる」と言った手前、実際に買って使っておりました。
榎本 雄作 (4) |
参考記事:【香】「デキる男は香りが違う! 」榎本雄作(2008年11月21日)
1本使い切って、これが2本目。
一応上の本によると、「企画・デザイン・プログラマー関係向け」なんですが、気にしないw
ご声援ありがとうございました!
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なかなか興味津々です( ̄m ̄〃)
また覗きにきますね♪僕のブログはちょっと気分悪くするかもしれないのであまりみないほうがよいかと・・・
初めまして、コメントありがとうございます。
私もモテ本とか紹介しているので、気分は悪くならないですよw
今度はそういう記事のところでコメント下さいマセ。
今後ともよろしくお願いします。