2010年03月15日
【1枚でOK】『3秒で落とす 元祖!「1枚企画書」』竹島 愼一郎
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【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、企画書作成に悩む方なら必読の1冊。著者の竹島 愼一郎さんは、かつて「パワポで極める 1枚企画書」で、「1枚企画書ブーム」を巻き起こされた方。
本書は、それに続くシリーズの既刊「エクセルで極める1枚企画書」等のコンテンツも含め、「企画書デザイン編」と題した後半では、実践的なテクニックが多数収録されています。
新書にしては「詰め込みすぎw」の感がなきにしもあらずですが、その分「濃い作り」だと思われ!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
1 企画マインド編
・「遣」の文化と「1枚企画書」
2 企画書デザイン編
・メソッド
・メリット
・構図
・コンセプト
・タテ位置
・市場創造
・デザイン
・グラフ
・エクセル
・表現法
【ポイント】
■企画に必要な3つのハートなにはともあれ、人というのは我が意を酌んでくれたという事実には弱いのです。(中略)
つまり「意を酌み、気を配り、思いを遣る」という姿勢です。言葉を換えると「斟酌、咀嚼、解釈」といったものになります(想像力には新しい解釈が必要です)。企画や企画書にはこれら3つのハートが揃っていなくてはいけないのです
■1枚企画書は「イメージ」と「言語」のバランスの上に成り立つ
ロジカルな説明の仕方で「結論はこうです。その根拠は……」と話を運ぶのがいいと言われますが、「1枚企画書」でも同じように結論を先に見せ、その根拠を序々に明らかにするという見せ方をします。そういった点でロジカルシンキングの考え方をも内包しているといっていいでしょう。
つまりイメージ脳である右脳と、言語脳である左脳の双方をフルに活用し、両者のバランスによって成り立っているのが「1枚企画書」なのです。
■「1枚企画書」の7大メリット(抜粋):
1.素早く多くの提案が可能
3.稟議制で上に通すのが楽
5.デザインセンスが磨かれる
7.整理・ファイリングが容易
■「1枚企画書」はコンセプト発想で作っていく
「この企画のコンセプトは何か」を考えていくことはクリエイティブな思考にとっても好都合なのです。つまり、もし企画書を仕上げたあとで手応えがないと感じたら、中心にあるものが何か見えていないという証拠なのです。
■企画書に有効な"左ビジュアルの法則"
脳の左右と両眼とをつなぐ視神経は左右が交差しており、イメージ脳である右脳は、左視野の広い左眼の情報が伝達されるため、左側にイメージ要素を持ってきたほうがしっくりくるのです。(中略)
図解入り「1枚企画書」でも原則としてビジュアル要素は左側に配置します。こうした配置法を私は企画書の"左ビジュアルの法則"と呼んでいます。
■左右で比較する図解入り「1枚企画書」
企画というのは「悪しきこと」を踏まえて「良きこと」を提案するものなので、before/after図では、左に「悪しきこと、旧、過去」(beforeやpast)、右に「良きこと、新、未来」(afterやfuture)を配置するのが一般的です。
■単純な論理構造に効果的なタテ位置「1枚企画書」
ヨコ位置が基本のパワポですが、タテ位置を選ぶこともできます。(中略)
起承転結が明快な企画の場合には単純な流れのほうが向いています。(中略)
上から下に読み進めていくだけで論理の展開が頭に入ってきやすいというのは確かに利点です。そうした見せ方が向いている企画書が左図のタテ位置の企画書例です。
■洗練された「企画書デザイン」の秘訣
商品のネーミングを目立たせたいときにはただの円ではなく、二重円にして内と外とで線の太さを変えると高級感が生まれます。(中略)
円というのは1つの中心点から等距離に描かれた図形なので、人は円を見たら中心に点を見る習性があります。したがってここには1語か2語程度のテキストを入れ、長くなるなら楕円→角丸四角形(両側を丸くしたもの)→ふつうの角丸四角形→四角形の順に図形を選ぶのが秘訣です。
■「1枚企画書」のカラーは2色か3色で
色使いの決め手はいかに少ない色数で見せるかにかかっています。数としては2色と3色が基本となり、それ以上の色を使う場合も、この2色、3色の濃淡を変えて使用します。(中略)
また企画書デザインではここが重要な点ですが、それぞれの色は一部に片寄ることなく、全体的に散らして使うことが大切です。
【感想】
◆本書はご覧のように「新書」なのですが、ほとんど「図解本」と言ってもいいくらい、図(「1枚企画書」)が豊富です。上記"左ビジュアルの法則"ではないですが、左ページはほとんど「1枚企画書」。
しかもヨコ位置の企画書がほとんどなので、各ページ上下2段で掲載されています。
場合によっては1ページに企画書が3つ載ってたりしますから、全部でどんだけ掲載されてるんだ、という。
◆ただ、この画像を見て、「あー、2色刷りなのね、残念」と思われた方もいらっしゃることかと。
ご安心ください(?)、本書の冒頭には、カラーの「1枚企画書」が46枚収録されています。
なお、2色刷りの本文ページの企画書が、すべてカラーで収録されているわけではないのですが、同じカラー企画書について、異なった論点で、複数回使用されていることは多々ありました。
◆私自身は、「1枚企画書」どころか普通の企画書すらまともに作ったことがないので、積極的にこの「1枚企画書」という手法がスゴイ!とは、なかなか言いにくいところ。
ただ、自分が企画を受ける側だと仮定すると、こういうシンプルに言い切るスタイルについては、好印象を持っています。
エレベーターピッチもそうですが、最終的には「相手が理解しやすいフォーマット」で自分の意見を携えておくのが大事だと思いますから。
そういう意味では、実際に企画をするのでなくとも、自分の考えをまとめるツールとしても、活用できるのではないでしょうか?
◆本書は、文章のみで構成される「Part1 企画マインド編」は20ページ弱しかなく、それに続く「Part2 企画書デザイン編」がページのほとんどを占めています。
従って、そもそもブログでその内容をご紹介するのは、ちょっと無理があったかも。
同じアスキーから過去に出ている単行本のシリーズをチェックしていないので、どれくらいコンテンツがかぶっているのかわかりませんが、お持ちの方は、内容の重複がある可能性をご了承下さい。
逆に、お持ちでない方なら、この1冊で過去の著作のエッセンスを吸収できると思われ。
てんこ盛りにし過ぎたせいか、企画書のサイズが小さく、お年寄りには結構キツい文字の大きさなのだけがちょっと残念なんですがーw
このテクニックはぜひ身に付けたいです!
竹島 愼一郎 (1) |
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「劇的ワンペーパー」中野雅至(2007年03月29日)
「企画書は1行」野地秩嘉 (著)(2006年06月28日)
「企画魂」 竹島慎一郎 (著)(2005年05月24日)
【編集後記】
◆ビックコミックスピリッツでの問題作(?)が、とうとう単行本化。ご存知ない方は、こちらの記事をご覧下さいw
コミックナタリー - カイジ作画に驚愕の事実!西原画力対決に新宿が揺れた夜
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