2010年02月14日
『東大・京大生が教える[合格者の勉強法] 』に学ぶ勉強のキモ7つ
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【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、ガチな勉強本。というか、本書は「大学受験体験記」なので、ガチ過ぎて、ドン引きしてしまう方もいらっしゃいそうなヨカン。
そこで今回は、その中から、社会人や資格試験受験者の方にも使える部分を中心に抜き出してみます。
「勉強の本質」は、皆同じはず!

【目次】
1章 合格するムダな計画表
主要3教科は高2のうちに終わらせよう!
無計画は失敗のモト
しっかりと計画を立てることが合格への第一歩 ほか
2章 合格するムダなノート・カード
ノートは最高の参考書
ノートは汚くても合格できる
ノートは見直さなくては意味がない ほか
3章 合格するムダな暗記法
苦手な人は暗記量を減らす工夫を!
深い理解があってこそ…
暗記から逃れることはできない ほか
4章 合格するムダな成績アップ術
苦手科目から逃げてはいけない
苦手意識をとことん追及していこう
自分自身にノルマを課そう ほか
【ポイント】
■1.広範囲を復習する時には、じっくり読み込まず、繰り返して読む◆これは類書でも言われるお話。
そもそもどんなに頑張って記憶しても、基本的には、「人は必ず忘れてしまうもの」。たとえば、1単元に10分かけて1周するのと、1単元に1分ずつかけて何周もするのとでは結局、合計で費やした時間が同じでも、後者のほうが全体の流れが頭に入り、繰り返し見るため記憶の定着も良くなり、成績向上が望めるようです。
そしてまた記憶し、また忘却(以後その繰り返し)。
むしろ「忘れた回数が多い方が覚えられる」と言ってもいいくらいですから、とにかく「何度も繰り返す」ことが大事ですね。
■2.ノートの余白はたくさんとる
◆ノートは「キレイか汚いか」以前に、「余白多め」で。
私も受験生時代にそうだったのですが、余白を作れない人というのは、「罪悪感」というか「心理的なブロック」があるのかも。どの教科でも、授業中や自習時に書き留めておきたいことに出会うことがある。そんなときのために、余白は多めにとっておこう。自分の書き足しによって、ノートの内容は無限に豊かになっていく。
ただ、受験間際になってから新たに書き込もうとした場合、あらかじめ余白がないとかなり見難くなりますので、先を見越して余白を作るのが良いかと。
■3.ノートには無駄話も書いておく
◆無駄話も想起のフックとなるようです。
この手の話はよく聞くのですが、「実際に本番で役立った」というのはスゴイです。また、無駄話も別に覚えようとしなくとも勝手に記憶されることが多く、それと関連する形で重要な知識を覚えていたりします。
私は入試本番の世界史でわからない問題が出たときに、世界史の先生のつまらないギャグを思い出し、それと同時に答えも思い出しました。
類書で「記憶した状況に近い状況だと想起しやすい」という話も読みましたし、無駄話がその役に立つのであれば、ダメ元でもやるべきでしょう。
■4.テキストや参考書への書き込みすぎに注意
◆確かにやたらめったらマークや書き込みをして、どこが重要なのかわからなくなっては本末転倒です。
さらに大きめの付箋に、重要ポイントを書いておいて、あとでその付箋だけ集めれば、かなり濃いノートが作れますwだから、本に直接マークするのは極力さけ、重要なページにはふせんをはりつけるというやり方がいいと思います。これで見やすい参考書が作れるはずです。
■5.カードは教科にとらわれない
◆ノートと並んで用いられる「カード」(「京大式カード」が有名ですね)。
この使い方のアドバイスとして、「教科ごとに分けるな」、と。
これは「目からウロコ」。英単語、古文単語、理科や社会の暗記など、ごちゃごちゃに混ぜておくべきだ。そうすることで、頭の回転にも磨きがかかり、モチベーションも長持ちするはずだ。
かえって知識がごっちゃにならないか、ちょっと心配ですが。
■6.暗記が苦手なら暗記量を減らす工夫を
◆これまた「本質論」。
これは「資格試験も同じ」こと。難関大学の入試問題を解くカギは、どれだけ重要と言われている部分を押さえているかです。細かな知識を聞いてくる問題も確かにありますが、そのような問題はほとんどの受験生ができないので、合否にはあまり関係ないと思います。
「皆ができる問題を間違えない」ことが最も大事なので、暗記すべき対象も重要な部分を優先にする必要があります。
■7.英単語はコロケーションを意識して覚える
◆コロケーションとは、「ある単語と単語の”よく使われる組み合わせ、自然な語のつながり”のこと」。
参考記事:コロケーションってなに? どういう意味?:[英語豆知識ノート]
科目ごとのお話はカットするつもりでしたが、英語だけは当ブログでも需要がありそうなので。
本書では具体的としてこのようなモノが。「英単語は必ず単語を単独で覚えるのでなく、コロケーションを意識して覚える。この覚え方は英文読解・英作文・リスニングなど、どれにおいても大いに役立ち、英語を学習する上での根幹です。」
要は、「regard=〜とみなす」と覚えずに、必ず「asを含めた動詞と前置詞をセットにして覚える」ということ。(×)regard her as a friend
(○)regard her as a friend
訳:彼女を友達とみなす
これ以外にもコロケーションの色々なパターンがわんさか載っているのですが、ここでは割愛します(詳細は本書を)。
【感想】
◆本書の出版元である「エール出版社」はビジネス書・実用書も出してはいるものの、その筋(?)では「ガチな受験本の会社」として広く知られている会社です(下記リンク先参照のこと)。合格作戦シリーズ年間発行予定:エール出版社
私も税理士試験の受験生の頃は、こちらの合格体験記にはずい分お世話になりました。
こんなのですねw
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◆そしてこの手の合格体験記を読まれたことのある方ならご存知のように、通常は、合格者ごとに「勉強法」や「科目ごとのアドバイス」があったりするもの。
それに対し本書は「計画表」「ノート・カード」「暗記法」「成績アップ術」といった具合に、「テーマごとに分かれている」のが特徴です。
おかげで幾分、単なる「合格体験記」よりかは、一般的な「勉強本」に近くなった感じが。
この辺は、「ノート術のヒット」等に影響を受けたのかもしれません(実際に本書では、数学や地学のノートのコピーを収録)。
ちなみに、上記で挙げたポイントも複数の方の声を拾ったものです。
◆さて、基本的に当ブログには大学受験をなさる方はいないとは思いつつも、「勉強の本質は大学受験も同じ」と考えた故に、今般、本書を読んでみたワタクシ。
東大も京大も若干(?)「試験問題にクセがある」ため、その辺のアドバイスをカットしたり、当たり前ですが参考書関係のネタをバッサリ割愛したところ、「本質的なものだけが残る」結果となりました。
上記に挙げたポイントは、7番目を除いて、皆どこかの本で(ry
逆にコロケーションの重要性を強調された方は、英語だけで19ページ強費やしてますけどw
◆勉強本を紹介するたびに思うのですが、比較的簡単な資格試験の合格者の方の書かれた本だと「効果」が不安になり、逆に難易度の高い試験の合格者の方の書かれた本だと、今度は「汎用性」に疑問を持ってしまう、という傾向があるのではないか、と。
本書でもお一人だけ、「カッ飛んだ頭脳」をお持ちと思われる「東大理3」の方が、「高3の5月まで1日3時間しか勉強してなかった」とか言われており、ぶっちゃけ、こういう方の勉強法はあまり参考にならないことが多いです。
編集の手が入っている本だと、ある程度マイルドに仕上げてくれると思うのですが、その手のお話がそのまま出てくるのが「合格体験記」たるゆえんなのかも。
天才&秀才の方々の本音ベースの勉強法が垣間見れることウケアイです。
でも、勉強本の素人にはオススメできない罠w
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【編集後記】
◆当ブログでも何冊か勉強本をご紹介している伊藤 真先生の「勉強本」が新しくでるようです。「勉強本」+「手帳」というのが、新しい切り口かも。

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