2010年02月09日
【仕事術】「思いどおりに働く!―20代の新世代型仕事スタイル」宮脇 淳
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【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、久々の「仕事術」の本。とはいえ本書のテーマは、「机上のTIPS」ではなく、20代で活躍されているビジネスパーソンの方々の「実体験」や「考え方」です。
アマゾンの内容紹介から。
自分より一回り(むしろ二回りw)若い世代の「生の声」に、圧倒されました。スゴイ20代はスゴイんです。20代で独立・起業したビジネスパーソンを中心に、若手でも活躍できるチャンスの多いIT企業のスタッフ、若手を積極的に起用する大手企業のビジネスパーソンら10人に取材。20代のリアルな仕事術が満載。

【目次】
はじめに
[I スキルアップ編]
1 自分の土台を固める 高原伸広/セント
2 まずは試してみる 原田和英/アルカーナ代表
3 何でもマニュアル化する 古川健介/ロケットスタート代表
4 ナナメ目線で物事を見る 下田哲也/paperboy&co.「オモコロ」編集長
5 キャラを設定する 西田陽介/KeepAlive
[II コミュニケーション編]
6 人の懐に飛び込む 高橋万太郎/伝統デザイン工房
7 社内に味方を作る 平林千明・前田菜々/タカラトミー
8 社外サポーターを作る 西村琢/ソウ・エクスペリエンス
9 「承認欲」を満たす 森永佳未/プーペガール
10 相手の腹の底を知る 長谷川智紀/パソナグループ
[III ツール編]
ツール1 グーグル・ドキュメント/ツール2 チェックパッド/ツール3 スカ
イプ/ツール4 グループチューブ/ツール5 エバーノート/ツール6 Gメー
ル/ツール7 ツイッター/ツール8 ライブドアリーダー/ツール9 はてな
ブックマーク/ツール10 グーグル・カレンダー
あとがき
【ポイント】
◆登場された方全部の方の声を載せたかったのですが、スペース的にムリなので、割愛させて頂きます(スイマセン)。■本物の情報はネット以外にある
考えてみれば当然で、ネットで公開された情報は、みんなで共有するために流している情報なんです。僕は、本来隠しておくべき情報こそがビジネスの種だと思っている。ネットではなく、どこどこのだれだれさんが言っている本物の情報にこそ価値があるんです。
(高原伸広/セント)
■情報はインプットするだけでは定着しない
RSSリーダーの場合は2種類使うことで、常にチェックする用と週2〜3回だけ見る用に分けています。そもそも、情報は見るために収集しているのではなく、使うために集めているわけです。情報はインプットするだけでは全然定着しません。アウトプットして初めて、自分のなかでその情報が形あるものとして身につくようになると私は考えています。
(原田和英/アルカーナ代表)
■便利なツールを導入し、仕事をマニュアル化することで効率を上げる
仕事のスキルを上げていくには、余裕のある時間にきちんと投資することが大切だと思っています。スキルを上げるのって、階段みたいなものなんですよ。プラート(平らな部分)から垂直方向にグッとレベルを上げたいと思ったら、プラートのところできちんと時間をとって勉強しないといけない。
(古川健介/ロケットスタート代表)
■一般人が新しいアイデアを搾り出す方法とは?
『怒られることをビビらない』じゃないですかね。こんなこと言ったら失礼だとか、常識的に考えてダメだろうというのは、どういうケースでもあると思います。でも、僕の経験上、意外と怒られないもんです。その代わり、絶対に普段から礼儀正しくないとダメです。
(下田哲也/paperboy&co.「オモコロ」編集長)
■新商品作りは「フィニッシュ」を先に考える
デコッティは、20代の女性の『かわいい!』という反応がフィニッシュでした。同じようにギガプリンはパーティの席で『おおっ!』と盛り上がれるのがフィニッシュイメージなんです。私が、『バケツ一杯のプリンを食べたいって、誰もが思い描いていた子どものときからの夢じゃない!』と力説したら、前田も完全に同意してくれました(笑)。
タカラトミー(3)
(平林千明・前田菜々/タカラトミー)
■面白い仕事がしたいと思うなら、小さく始めること
たとえば、飲食店を始めるなら、店舗を借りるのではなくランチワゴンからスタートする。車の塗装も業者に頼むのではなく、2000円のペンキを買ってきて塗ればいい。パソコンが1台あればできることもたくさんあります。もちろん、小さくまとまればいいという話ではありません。スタートをとにかく小さくすれば、それだけハードルが下がるってことなんです。
(西村琢/ソウ・エクスペリエンス)
■目的に向けたスケジュールを逆算する癖をつける
このとき一番意識したのは、仕事の目的を明確にもつことでした。そして、目的を実現するために必要なタスクを洗い出し、段取りを組むことですね。自分一人ががんばって徹夜して終わるものもあれば、別の部署の人を巻き込んでやらなければいけないタスクもある。いつまでにこの人に発注して、締め切りをいつまでに設定しなければいけないのか。常にこれを逆算する癖がついたんじゃないかと思います。
(森永佳未/プーペガール)
■相手が「何を望んでいるのか」を知る
たとえば相手が上司の場合、なぜ上司はこの仕事を自分に割り振ったのか、そこを考えられている人は意外と少ないんですよ。言われたことだけをやってると、言われたとおりにやってるのに何で怒られるんだ? みたいな話になっちゃう。上司は今何を一番に考えているのか、この案件の成果を来週の会議資料に盛り込みたいのか、案件をほかの部署に振りたいだけなのか。まずは上司に興味をもって、腹の底を知る。その上で、相手の役に立てることを考える。この積み重ねが大切なんです。
(長谷川智紀/パソナグループ)
【感想】
◆本書は冒頭でも触れたように「20代のビジネスパーソンによる仕事術の本」です。ただし、若くして責任ある職に就いたり、独立・起業された方が多いこともあり、上記ポイントで挙げた事項も、20代のものとは思えないワタクシ。
うーん、ほとんど年齢差20歳くらいあるんですが、どちらが生産性が高いかと言うと(ry
◆また、各章の終わりには、20代ビジネスパーソンなら知っておきたい「各種ツール」が登場。
それらツール自体は上記目次にあるように、メジャーなものがほとんどですが、実際に本書の登場人物によって活用されているお話もあり、導入に躊躇されている方なら、参考になるかも。
さらには、それぞれのツールの類似ツール等も併せて紹介されているので、必要に応じて使い分ける、といったことも可能です。
私も、上記の原田さんのお話にあったように「RSSリーダーの使い分け」を試してみようかと思案中…。
◆登場された中で、存じ上げていたのは、佐々木俊尚さんの本にも登場されているロケスタのけんすう氏だけだったのですが(失礼!)、そのけんすう氏に関してでさえ、本書で新たに知った事柄が多々。
取材後記でも、そのけんすう氏について『「暇な時間を作る」という発想は、なかなか20代では到達できない領域だ。』と書かれているように、少人数で会社を運営していると、なかなかできないことを20代にしてあっさりやってらっしゃるのがスゴイです。
本書の中にあった
というクダリは、本田直之さんを彷彿とさせるような。けんすうは、「楽するためには何をすればいいのか」「その瞬間はちょっとしんどいかもしれないけれど、これをやっておけばその後は何もしなくて済む」を常に意識している。
徹底した「マニュアル化」を含めた、「仕組みづくり」といい、今後も目が離せない一人かと。
◆もちろん、他の皆さんもそれぞれ「マークしておくべき」ビジネスパーソンであることは間違いないです。
ただ、これらの方々のツールやTIPS等の「表面的な部分」だけに注目するのはもったいないのではないでしょうか?
つまり、「仕事術」の根底にある「考え方」や「思想」までも踏まえた上で、実践した方が腑に落ちるのではないか、と。
本書はそういった部分にまで掘り下げられており、単なるノウハウ本とはちょっと違うと感じた次第。
30代以上の方でも、得るところは多いハズです!
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【関連記事】
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【超仕事術?】「仕事するのにオフィスはいらない」佐々木俊尚(2009年07月20日)
【整理術】「整理HACKS!」小山龍介(2009年06月29日)
【情報処理】「情報力」橋本大也(2009年01月19日)
【編集後記】
◆週末のリアル書店でのお買い物。今出ている雑誌「SPA!」の書評欄と映画欄のダブルプッシュで即買い決定しました。
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映画が公開されて、アマゾンでも大人気のようです。クリント・イーストウッド監督による映画化の原作。
モーガン・フリーマン/マット・デイモン 主演。
1995年、ラグビーワールドカップ。
南アフリカチーム、奇跡の優勝の陰には、
ネルソン・マンデラがいた。
彼の真の目的は......。

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竹内薫の「35歳までに身につけておきたい自分の価値を高まる知力」という本。
ぜひ、宜しくお願いします。
コメントありがとうございます。
アマゾンで見る限り、広い意味での勉強本(当ブログ的には「広義の勉強本」と言ってます)のような。
これは、本のクオリティの問題ではなくて、私の趣味の問題なんですが、当ブログでは、あまり「広義の勉強本」は取り扱っておりませんので、あまりご期待なさらぬようお願いします。