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2010年02月05日

【出版希望者必読?】「超売れっ子2ちゃん出身作家が明かすネットでビジネスに成功する方法」三橋貴明




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、2ちゃんねる出身の作家として知られる、三橋貴明さんが、自らを題材に「セルフ・マーケティング」について語った1冊。

先日編集後記でこそっと触れたように、「俺と100冊の成功本」聖幸さんに教えていただきました。

出た当時、タイトルをパッと見て「ネットビジネス」の本なのかと思ってスルーしてましたが、今般読んでみたところ「何これオモシロス」状態w

本を出してみたい方、ブログを使ってブランディングしたい方なら必読デス!


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【目次】

第1章 ネットを駆使した作家への道

 何となく「検索」から話を始めてみましょう
 マスコミの凋落の原因はコミュニケーションの質にある
 インターネットから登場した初の評論作家 ほか

第2章 ブログは最強のマーケティング・ツール

 日本人に欠けているマーケティング思考
 マーケティングの4Pは掛け算である
 自分を売り込むためのマーケティング戦略 ほか

第3章 IT革命とマーケティング

 2009年1年間の仕事
 IT革命の本当の意味
 書籍をたくさん出した結果、何が起きたのか ほか

著者履歴

三橋貴明氏のすごさとデビュー当時の裏話(彩図社 山田有司)


【ポイント】

■最初に韓国を取り上げたのは、そこに市場があるから

 そもそも、わたくしは別に韓国経済に興味があって、活動・批評初期の対象に選んだわけではないのです。単純に、当時の韓国経済に関する国内マスメディアの報道が極端に歪んでおり、そこに「需要(ニーズ)」が存在すると考えたためなのです。


■ツールを選定してプロモーションを行う

 例えば、わたくしは時々チャンネル桜(衛星放送・インターネット放送企業)に出演しますが、実は、テレビ出演自体はあまり重要視していないのです。それよりもむしろ、チャンネル桜に出演した動画が「ニコニコ動画」に掲載されると、大抵のケースで多数のコメントが書き込まれ、マイリストの順位が上がります。すると「三橋貴明とは何ぞや」と興味を持った人が、他の映像やブログを見始め、書籍を購入し、ますます「インターネットと三橋貴明の世界」にのめりこんでいく、という「ネットワーク外部性」効果を狙っているわけです。


■万人を満足させる必要はない

 特定のセグメントに対し、自分のコア・コンピタンス(中核的能力)である「説得力」「客観性」「分かりやすさ」「信頼性」がある文章を「ストーリー」に基づき書いていく。これが「三橋貴明」のマーケティング・スタイルになります。
 何も、日本人1億2000万人全員から受け入れられる本を書こうなどとは、全く思っていないわけです。(そもそもビジネス書でそんなことをやろうとしても、無理です)


■ブログのコメントやトラバを自由にさせている理由

 一番の大きな理由は、コメントをいちいちチェックするのが面倒くさいからです。(中略)

 というのは実は冗談で、真面目な話をすると、わたくしがブログのコメントを「フィードバック」と受け止めているためなのです。フィードバックである以上、当然ながら「三橋貴明」を批判するコメントも多数あるでしょう。それ以前に、「アンチ三橋貴明」のコメントも相当数に達するわけです。
 しかし、批判コメントもアンチコメントも、フィードバックであるという事実に変わりはありません。


■ブログへの書き込みは執筆の糧

 要するに、ブログに毎日アップするエントリーが、後々、単行本や雑誌への寄稿の「ネタ」になる得るという事実に気がついたのです。単行本などのお仕事を頂いた際に、普通の作家であれば、はじめにネタ収集に苦労するところが、わたくしの場合は「ブログのエントリー」という引き出しを開ければ、そこから幾らでも引っ張り出すことができたわけです。


■三橋貴明の付加価値の源泉

 「誰でも」入手できるデータを用い、「誰でも」理解できるロジックを組み立てるまでは、恐らく中小企業診断士や公認会計士であれば、それこそ「誰でも」可能です。しかし、その先、データやロジックを活用し、面白おかしく、かつ経済素人の方でも理解できるように、分かりやすく「ストーリー」を組み立てること。すなわち、経済をテーマにしたストーリーテリングは、現在の日本では、わたくし以外にはほとんどできないと確信しています。


■IT革命と新聞産業

 わたくしはGDPのような主要統計が出た際は、内閣府発表のデータを元に、当日の10:00頃にはブログにエントリーを掲載してしまいます。
 すなわち、夕刊が配達される数時間前に、わたくしのブログへアクセスした人は、日本のGDPに関する記事が(わたくしの解説込みで)読めるわけです。


■市場セグメントを意識し、差別化する

 週刊新潮や週刊文春の部数が健闘し、Willや正論が黒字を保っているのは、4誌がそれぞれの市場セグメントを意識、その市場において差別化できる雑誌を発行しているためだと思います。この4誌の場合、「読んでいる人」を何となく想像できますよね。


■売り込みにはブログが必須

 最近、出版社の編集さんが新人作家の本の企画案を出した際に、上司から、
「その人、ブログ持ってる?」
 と訊かれることが少なくないそうです。ブログを読み、その人の考え方を知りたいとかそういう話ではなく、単純に「売れ行き」に影響するためだそうです。(中略)

 また、作家デビューなどが目的でブログを運営している人は、やはり人気ブログランキングなどに参加し、順位を競うべきでしょう。ブログランキングの順位が上がるのは励みになる上に、ランキングは自分という作家の卵を出版社に売り込む際に、かっこうの「武器」になり得ます。


【感想】

◆本書の著者の三橋さんは、私にとっては雑誌『SPA!』の連載によって、ようやく意識するようになった作家さん(失礼)。

というか、お書きになっているジャンルが当ブログでは基本的に扱わないものだったので、ご本も読んでおりませんでしたが、なんと2009年1年だけで12冊も出版されています(その他雑誌寄稿や連載もあり)。

テラスゴス!

その本の中身も、ご本人曰く、ネタの使いまわし等ではなく、それぞれ独立したものであり、キチンと売れているのだそう。

そして、いかにしてそのようにスマッシュヒットを連発できるのかについて、手の内を明かされているのが本書というワケ。


◆上記に挙げたポイントでは、本書の中の特に「マーケティング」面にフォーカスしています。

ざっと読んで頂いても、いかに「ネット(特にブログ)を活用」して本を書かれて、そして売られているかがよくわかるかと。

強引にまとめると、こんなところでしょうか?

 ●フィードバック機能(間違い訂正、分かりにくさ修正等)
 ●アーカイブ機能(書籍の元ネタのストックとして)
 ●プロモーション機能(書籍の宣伝)


また、記事ごとのアクセス数等もご覧になっているようなので、どういうネタが受けるのか等の「市場調査」をも行っているのは当然でしょう。


◆ちなみに、これだけブログを活用されている方ですから、じゃあTwitterはどうか?と思ってググってみたら、やっぱり始めてらっしゃいましたw

三橋貴明 (mpjapan) on Twitter

おそらく今後、Twitterをいかに活用したかについて言及された本も出されるのではないか、と。

私の購読専用アカウントwで三橋さんをフォローしたところ、あっつーまに知らない人数人からフォローされて、フト考えました。

「私がもし著者さんだったら、自分の想定読者がフォローしそうな別の著者のフォロワーを(フォロー返しを期待して)片っ端からフォローしたら、見込み客リストになるんでね?」


◆本書は作家である三橋さんの実体験に基づくものであるため、どうしても出版・メディア関係のお話が中心となっていますが、考え方としては、それ以外の分野でも実践可能。

2ちゃんねるのような掲示板、ブログメルマガ(有料・無料)、YouTubeのような動画サイト…。

こういったものを適切に使いこなすことができれば、一昔前なら考えられなかったような「ムーブメント」を、リアルとウェブとで起こすことができるハズ。

もちろん、「ブロガーさん」なら、マーケティングの考え方等、直接的に得るところも大きいです!


マーケティング好き&出版したい人は「マスト」で!



【関連記事】

【ブランディング】「ネットがあれば履歴書はいらない」に学ぶ7つのポイント(2010年01月10日)

「パーソナル・マーケティング」をうまく使う、たったひとつの冴えたやりかた(2009年11月18日)

【amazonキャンペーン有】『御社の売上が6倍になる!「新」プロデュース術』(2008年08月10日)

【自分ドメイン】「会社を替えても、あなたは変わらない」海老根智仁(2008年04月26日)

「究極のマーケティングプラン」ダン・ケネディ(著)、神田昌典(監訳)(2007年04月16日)


【編集後記】

◆今日の三橋さんと同じように、ネットを上手く活用してブランディングされている著者の一人が露木幸彦さん。


ちょっと前の本ですが、三橋さんの本と併せて読んで頂きたいところです。


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この記事へのコメント
               
この本、私も読ませて頂きました。これからのネット時代、、嫌でも避けて通れないですね!

Posted by 姫路の税理士 at 2010年02月06日 21:20
               
>姫路の税理士さん

コメントありがとうございます!

既にお読みでしたか〜。
同業者でこの本を読まれるということは、出版をされてらっしゃるか、そのおつもりなのでしょうね。
確かにこれからの時代は、三橋さんのようなアプローチ方法が王道になりそうですよね。
今後ともよろしくお願いします。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年02月07日 03:54