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2010年01月26日

【5つのツボ】「10-10-10人生に迷ったら、3つのスパンで決めなさい! 」スージー・ウェルチ


10-10-10 人生に迷ったら、3つのスパンで決めなさい!
スージー・ウェルチ
講談社
売り上げランキング: 1526


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、GEのジャック・ウェルチ夫人で、「ウィニング 勝利の経営」の共著者でもある、スージー・ウェルチの最新刊。

タイトルの「10-10-10(テン テン テン)」というのは、「10分後」「10ヵ月後」「10年後」の意味で、何かしらの決断をした場合、将来のそれぞれの時点において、どのような結果になっているかを予測する、というものです。

ちなみに、私は(ジャック・ウェルチの著作を読んでいながら)、このスージー・ウェルチのことは良く知らなかったのですが、もともと結構ガチなジャーナリストだったんですね。

本書では、その多忙な生活の中で、この「10-10-10」というアイデアがひらめき、やがて多くの人々に支持され、さまざまな問題を解決する様が描かれています。

より良い決断をしたい方なら、一読の価値アリ!


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【目次】

第1章 「10‐10‐10」とは何か?
第2章 「10‐10‐10」と脳の働き
第3章 自分の本心を見つける
第4章 男と女の「10‐10‐10」
第5章 「10‐10‐10」を仕事に活かす
第6章 未来の自分を見つける
第7章 子供とどう付き合うか
第8章 友情を取り戻す
第9章 生と死を見つめる


【ポイント】

■1.それぞれの「10」は厳密なものではない

◆呼びやすいからなのか「10‐10‐10」という名前になっていますが、これは厳密なものではありません。

 最初の「10」は「現在」―つまり、1分後、1時間後、1週間後をさす。
 二つ目の「10」は「予測できる将来のある時点」をさす。つまり、自分がした決断に対する反応は過ぎたが、その影響が予想できる範囲のこと。
 そして三つ目の「10」は「未来のある時期」―つまり、細部が漠然としているずっと先の時期のこと。

ですから、「10‐10‐10」を「10日後、15ヵ月後、20年後」とするのも可になります。


■2.すべての決断を長期的な結果に基づいて下すべきではない

◆本書では最後の「10」を重視して判断している事例がほとんどなのですが、必ずしもそれが正しいとは限りません。

将来の生活のために、全てを犠牲にして働いたスージーのかつての同僚ピートは、不慮の自動車事故で亡くなりました。

 どの「10-10-10」においても長期的な結果を考えることは大切だが、それが短期と中期の結果よりつねに重要であるとは限らない。ピートはそのことを教えてくれた。
 私たちは時に遠い未来を重視し、それによって考え方を左右されたりする。だからといって、ほかの時間枠を軽視すべきではない。

ウチも下のムスコ(もうすぐ3歳)が可愛い盛りでして、残業と偽ってブログ書いてる場合なのか考えることもよくあります……。


■3.「10-10-10」が職場で果たす2つの役割

◆本書では次の2つが挙げられています。

●誰を雇用し、誰を昇進させるかの選択から、経営上の予算配分といった複雑な決断に役立てることができる

●部下を管理し、教育し、その相談に乗るためのツールとして使うことができる

なお、職場に生まれる基本的な課題の核心に切り込んでいくため、スージーの経験上、「10-10-10」は職場でうまく機能するのだそう。

第5章は「仕事での活用事例」ですので、ここは必読だと思われ。


■4.すべてを同時に手に入れることはできない

◆「10-10-10」の考えを、あたかも魔法のように考えてしまっている人々もいます。

 そういう人たちに出会うたび、何かを犠牲にしなくてはならないと伝える。
 その目標の中から、どれか二つを外しなさい。あるいは、少し現実的になって、三つ外しなさい。

そのためには、自分の価値観を見つめなおして、それぞれの重要度をはっきりさせる必要が。

 私は現実主義者だったのだと思う。今でもそうだ。だからこそ、仕事と生活の「バランス」にかかわるキャリアの悩みの話になれば、自分の価値観について真剣に考えるだけでなく、実際にそれに優先順位をつけることを勧めている。

「どっちも大事」というのは、一見正論のようで、実は「深く考えてなかった」のかと、ちと反省。


■5.未来を先取りすれば、今の状況を変えられる

◆事例の中に、「新生児の育児」に疲れ果て、睡眠不足に苦しめられるべサニーの例があります。

彼女の従妹の結婚式に、予定通り夫婦で出席しようとした夫に腹を立てたベサニーは「10-10-10」を始め、どうすべきか判断。

10年後には、新生児は当然学校に通っています。

 ふいに、彼女は思いがけないひらめきに笑い出した。「そして、この危機は遠い昔の思い出になってるんだ!」と彼女は言った。「今は疲れすぎて、何でもないことを大げさに考えているだけかも」(中略)

 心身ともに変化があったせいで、べサニーはつねにその瞬間にだけ生きていた。しかし、「10-10-10」のおかげで、何日も先、何ヵ月も先、何年も先の状況を心に浮かべ、その瞬間を想像し、感じ取りさえすれば、今の状況を変えられることを理解し始めていた。


◆ウチも、上のムスメの夜泣きには毎晩悩まされ、夫婦交代で夜中じゅう、ムスメの面倒を見ていました。

当時は先輩ママさんから「育児は楽しんでやって」と言われ、「絶対無理!」と思った記憶が。

でもその後ムスメの夜泣きも収まり、逆に二人目のムスコに対しては、夫婦ともども楽しんで育児をやれているのは、ムスメのおかげで「先の状況」から遡って見ることができるからだと。

確かに未来によって「今」の状況は、変えられますね。


【感想】

◆本書は非常に多くの事例から構成されており、その前提部分を書かずに抜き出ししても、理解するのが難しいと思われるので、簡単ですがこの辺で。

目次を見てもお分かりのように、「仕事」だけでなく、「恋愛」「育児」「教育」等、多方面でこの「10-10-10」は実行可能です。

むしろ、全体の割合から見たら、「仕事以外」の方が多いので、「仕事上の意思決定ツール」として期待されるとチトつらいかも。

ただし、広い意味で見たら、私生活との「ワークライフバランス」や、「キャリア形成」といったところは、間接的に仕事に関わる話とは言えそうな。


◆また、第4章では「男と女」ということで、モロに恋愛事例が収録されています。

本書の事例にはありませんでしたが、「不倫」をする女性の方というのも、「10-10-10」で判断すれば、長期的には何も意味が無いことは分かってもらえるのではないか、と。

まぁ、理屈ではわかっていても「離れられない」という方も多いんですけどね。

かくいう私自身も、ヨメの前に付き合っていた女性とは将来が見えず、どう付き合って行くか苦しんだのですが、「10-10-10」を知っていたら、もっと早く次に進めていたかも。


◆ちなみに本書は事例は多いものの、そのまま使えるかというと、ちょっと微妙かもしれません。

というのも、状況や選択肢は同じであっても、価値観が違えば、答えも違うワケですから。

例えば「仕事を取る」「子どもを取る」のどちらかが常に正しいわけでもないですし、その辺は、各自自分のケースと価値観で判断してくださいマセ。

私も事例を読んでいて、「これは絶対Aを選択する」と思ったものがモロに「B」になったりして涙目になったこともw

逆に言うと、このくらい事例を読み込んでこそ、本当に活用できるのかもしれませんが。


判断の道しるべが欲しい方に!

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【編集後記】

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10倍速くなるとは楽しみなw


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この記事へのコメント
               
今回は具体例がとくに濃いですね (^_^)

そして、今までとはだいぶ違う角度の
目標設定の本ですね。


p.s

マイコミさんの、「Googleの正体」を、「ちょっと気になる本」に本に挙げてもらってて、編集者さんが電話で喜んでました。

この本、マグロ本の担当編集者さん
が手がけたものでして。


Posted by 齊藤正明 at 2010年01月26日 09:59
               
>齊藤正明さん

具体例の詳細は本書でご覧下さいね。

そして「Googleの正体」に関しては、小飼 弾さんがもうご紹介されているので、もしご紹介するにしても、もうちょっと後にしようと思ってました。
取り急ぎ書店でチェックしなくては(汗)。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年01月27日 02:49