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2010年01月15日

【アイデア】「怒る企画術!」吉田正樹


怒る企画術! (ベスト新書 265)
怒る企画術! (ベスト新書 265)

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、フジテレビ時代には名物プロデューサーとして知られた吉田正樹さんアイデア本

吉田さんのお名前は私でも存じてましたが、意外なことにこの本がデビュー作のようです。

アマゾンの内容紹介から一部引用。

「トリビアの泉」「爆笑レッドカーペット」「笑う犬の生活」「夢で逢えたら」など数々のヒットを生んだ、元フジテレビ名プロデューサーによる初のアイデア発想本!「企画は因数分解できる」「一万円!タイトル会議」「部下に嫉妬しない」など、厳しい徒弟制度の下で培った考え方のコツを、アイデアを求めるすべての人にお教えします。

タイトルはアツいですが、本の中身はクールでしたよw


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【目次】

第一章 負けてるときこそ面白い

 目指すのは記録より記憶に残るもの
 視聴率を追いかけた結果の惨敗
 不安が人をほろぼす ほか

第二章 ぶれないコンセプトの組み立て方
 
 アイデアとは「ちょっと新しい」ものの貯金 
 企画を出すのは始まりにすぎない
 よい企画かどうかは「因数分解」でわかる ほか

第三章 感性ひとつで多くの「ムダ」が「アイデア」になる

 現状に対する問題意識を持つ
 100発100中を狙わない
 何が肝かを見分けるセンス ほか

第四章 ケンカのできるチームがいい

 遠くからでもよく見える旗を立てる
 風通しのいいチームづくり
 下の者からムードメーカーにさせる ほか

第五章 アイデアをビジネスモデルに変える思考術
 
 場所を変えるとアイデアもふくらむ
 キャラクターは記憶に残る
 インターネットを味方にする ほか


【ポイント】

■視聴率を追いかけた結果の惨敗

 その直前、僕は視聴率の低下に悩んでいました。そして「ゴーゴゴー」はもともと普通の中高生の面白さを引き出すという志を持った番組だったにもかかわらず、会社から「あと何回で何パーセントとらないといけない」と言われたとき、僕は2時間スペシャルで、「全国おいしいもの特集」をつくってしまったのです。
 視聴率は9%でした。それで番組終了が決定的になったのですが、それならちゃんと最初のコンセプトを貫けばよかった。


■逃げずにファイトすることによって、マーケットが生まれる

「全員集合」かそれとも「ひょうきん族」か、あるいは「電波少年」か「笑う犬」か、という戦いになると、「どちらかを必ず見るもの」になって、「テレビは見ない」とか「ほかの番組を見る」という選択肢がなくなります。「どっち見る?」「何派?」というように。
 そうすると、逃げていたときには、たとえば20対5くらいだったマーケットが、20対20になります。足して25だったのが、40のマーケットになるわけです。


■アイデアは「半歩先行く」くらいでちょうどいい

 いいアイデアとは、斬新な最先端のアイデアではありません。誰かに言ってみたとき、「それは私もそう思っていた」と思われるのがいいアイデアです。みんながそれを聞いたとき、「ああ、そういうことを考えるのは当然だよな」と思うようなものです。


■企画の公式『コンセプト=a×(x+y+z)』

 aは、テーマやこの企画にかける思い。原動力や匂いのようなものです。企画に一番大切なのはメッセージ性で、このaが大きければ大きいほど、面白い企画になる。つまりaは、企画のどこを切っても貫かれる1つの大きな理念です。x、y、zは企画を構成する要素です。(中略)

 さらに最近は、aだけでなく、ab×(x+y+z)ではないかと思っています。


■企画には何か1つ「冒険」要素を入れる

 なぜサスペンスドラマを最後まで手に汗握って見てしまうかというと、最後にホッと安心したいからです。企画も同じで、不安な要素があったほうが最後まで見たいと思わせられる。人は結果を知りたい動物だからです。(中略)

 「トリビアの泉」も「役に立たないものを見せる」という不安な要素が入っていました。


■「笑う犬」シリーズの番組のサブタイトルを使った「所信表明演説」

 普通、新聞のラテ欄で、限られた文字数の中で出演者の名前や番組のコーナー名を紹介します。でも僕はそこで毎週、「あなたがこの番組を見なかったら、コントが滅びてしまいます」と視聴者に向けたメッセージを書き綴りました。そんな前例はなかったから、ちょっと問題になったくらいです。


■100発100中を狙わない

 現状維持派ではない、燃える闘争心を持つ人たちに共通するのが、「ものすごくたくさんムダな弾を撃っている」ということです。やはり撃つ弾がすべて的に当たって100発100中ということはありえない。99発はそれる。それを承知で100発撃たなければ、1発も当たらない。


■膨大なムダのなかから、一流のものが生まれる

ムダなこと、役に立たないことを排除しようと躍起になると、効率はよくなるかもしれないけれど、ものを生み出す人間としては大成しません。
 澱が出ないワインはおいしくないように、ムダに見えるさまざまのアイデアを心の中に沈殿させて、分類していく作業は絶対に不可欠です。


■スランプのときは、メディアから離れる

 スランプだからといって「何かないか、何かないか」と雑誌などを見るのが一番よくありません。なぜならメディアというのは、誰かが一回情報を処理したものだから。
 茂木健一郎先生も、養老孟司先生も言うでしょう。「誰かが加工したものは、一回誰かの脳を通っている」と。
 まだ誰の脳も通ってないものに触れ合わないと、自分の脳は活性化されません。


【感想】

◆当ブログの年間売上ランキングをご覧頂いても、おそらくこの「アイデア・発想・創造」カテゴリーに含まれている本は、滅多に出てきません。

「目からウロコ」という点では、他のカテゴリーに負けることはないですし、個人的にはむしろ好みなのに、何度ご紹介しても手ごたえがなく、結構寂しい思いをしていたワタクシ。

今回本書を読んで、何となくですが「理由らしきもの」が見えた気が。

本質的に、当ブログで人気の仕事術等で謳われている「効率性」とは真逆なんですよね。


◆私は本業でアイデアを必要とすることはまずないですし、日々のブログの記事を書く際には、むしろ効率的に作業したいのですが、それでもこういったアイデア本には目がありません。

それはきっと、上記で挙げたところの「膨大なムダ」の1つなのだと思います。

もっとも、厳密に言うと「ムダ」というよりは「ストック」

既に既知のモノと似たようなネタなら、グルーピングして括るし、「新たなネタ」ならタグを付けて、いつか必要な時に備えます(基本的にはそんな「時」はまずないんですがw)。


◆今回、「新たなネタ」と言うか「目からウロコ」だったのが、「笑う犬」シリーズのラテ欄のサブタイトルのお話。

私は新聞の番組表はほとんど見た事がないので、知らなかったのですが、このシリーズ、毎回サブタイトルを「長文」にしてたんですね。

例えば通常のケースですと、見どころを50〜55文字にまとめるため、単語を切り詰めて盛りだくさんにしています。

レッドカーペット 今夜も爆笑1分ネタ祭 伝説のコラボ再登場!!しずるU字工事もう中アンガ猪木

…スイマセン、最後の方よくわからないんですがw

それに対し「笑う犬」の例。

笑う犬の冒険 何かと競争するよりも、好きなコントを作ってます・冒険は始まったばかり…まだ知らない家族と一緒に

他と違いすぎてて、これは確かに目立ちます罠

正攻法ではないですが、「刺さる人には刺さる」やり方だな、と。


◆今までも何冊かテレビマンや放送作家の方のご本を読んできましたが、吉田さんもまた、他の方とは違った「独自の色」をお持ちの方でした。

そして他の本もそうだったように、「ネタのストック」にいくつか加えさせて頂いた次第。

「いつか役立つこともあるハズ」、と思いつつも、「まだ100発撃ってない」以上、リターンを求めるのは時期尚早ですね。

今後も「ムダで結構」と、アイデア本を読んで目からウロコを落としていきたいな、とw


フジのバラエティ番組好きならきっとツボかと。

怒る企画術! (ベスト新書 265)
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【関連記事】

【濃厚】「企画脳」秋元 康(2009年08月16日)

【発想】「もったいない主義」小山薫堂(2009年04月08日)

【アイデア】『「考え方」の考え方』指南役(2008年10月30日)

【アイデア思考法】『ビジネスマンのための「儲かる発想」』鳥井シンゴ(2008年02月27日)

『「視聴率男」の発想術』 五味一男 (著)(2006年05月22日)


【編集後記】

◆アイデア本関係での、数少ない当ブログでの人気本が『人にはちょっと教えたくない「儲け」のネタ帳』

参考記事:【ネタ満載】『人にはちょっと教えたくない「儲け」のネタ帳』岩波貴士(2008年11月02日)

その著者である岩波貴士さんの新刊が「アマゾンキャンペーン付き」で発売されていました!

人にはぜったい教えたくない「儲け」の裏知恵 (青春文庫)
岩波 貴士
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期間延長中で、いつ終了するのか分からないそうので、気になる方はお早めに。

私もアマゾンアタックしますた!


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[お笑い][芸能][Blog][テレビ][本]2010/01/16 お笑い テレビ〜ガリガリガリクソンがJAL株で2日間で20万円の儲け【昨日の風はどんなのだっけ?】at 2010年01月18日 00:45
                               
この記事へのコメント
               
おおおおッ!
ご購入いただいたんですか。
どうもありがとうございます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。m( _ _ )m 合掌!
Posted by 岩波貴士 at 2010年01月16日 15:08
               
>岩波貴士さん

著者様直々のコメントありがとうございます。
さっそく今日の記事で本編を投下するつもりです。
申し込まれる方がキャンペーンに間に合うといいんですが。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年01月17日 06:08