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2010年01月06日

【ビジネス書?】「THE 芸人学 スゴい!お笑い 戦国時代をサバイバルする30人の成功法則」ラリー遠田




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、お笑い評論家のラリー遠田さんの最新刊。

モテ本を探すために定期観測しているサブカル棚で発見致しました。

アマゾンの内容紹介から。

ビジネス、就活、合コンで今すぐ使える笑いの最終兵器!
お笑い戦国時代をサバイバルする30人のカリスマ芸人たちの成功法則を、コミュニケーション、自己アピール、プロデュース、仕事術、人生哲学の切り口で論理的に読み解き、ビジネスの現場はもちろん、合コンや普段の雑談にまで応用可能なノウハウをわかりやすくまとめた「使える」実用書。

当ブログの2009年売上第2位の「竜兵会」や、島田紳助(以下、敬称略で)の「超絶DVD」の例もありますので、見逃せない1冊かと。


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!




【目次】

その1 芸人に学ぶコミュニケーション術

 高田純次―適当な言葉で心を開く技術
 有田哲平(くりぃむしちゅー)―場の空気を支配する技術 ほか

その2 芸人に学ぶ自己アピール術
 
 東野幸治―意地悪なキャラを打ち出す技術
 U字工事―かわいげのある人間になる技術 ほか

その3 芸人に学ぶプロデュース術

 ビートたけし―クールな目線を持つ技術
 笑福亭鶴瓶―やる気を引き出す後進育成術 ほか

その4 芸人に学ぶ仕事術

 太田光(爆笑問題)―リスクを負って信頼を勝ち取る技術
 上島竜兵(ダチョウ倶楽部)―愛されるリーダーになる技術 ほか

その5 芸人に学ぶ人生哲学

 タモリ―くよくよと悩まない技術
 明石家さんま―全てを笑いにする技術 ほか


【ポイント】

(以下、芸人さんの敬称略します)

■1.空気を読むのではなく、空気を作る

くりぃむしちゅー有田哲平から「場を制する」技術を。

本書によると、有田哲平は出演するテレビ番組『しゃべくり007』において空間を支配しているのだそう。

 有田が他の芸人にパスを出したり、上田をいじったり、ゲストに話しかけたりしながら、次々に笑いの起こる状況を生み出しているのだ。彼は、直接笑いを作る場合もあるが、笑いが起こる状況に周りを巻き込んでいく場合の方が圧倒的に多い。(中略)

 本当に重要なのは、場の空気を読む技術ではなく、空気を作る技術である。それを身に付けてしまえば、どんな状況でも自分が主導権を握ることができるからだ。

明石家さんまや島田紳助が話術で場を制圧しているのに対し、有田は地味ながらも場の空気を支配している、と。

芸人のような話術の無い私たちが目指すべきは、この有田のような「いつの間にか話題の中心になっている人物」なんだそう。

ただ、そのためには「常に全体の状況を見て」「話題を切り替え」「話を振ったり」しなくてはならないラシイので、これはこれで結構難しそうなw


■2.話題はマニアックでも、ネタはわかりやすくする

ケンドーコバヤシ(以下本書内でも統一されている「ケンコバ」で)からは「笑いをとる」技術を。

私はあまり良く知らなかったんですが(サーセンw)、ケンコバの話って上記リンクを見ても分かるように結構マニアックなんですね。

ただし、話題はマニアックでも、「ネタはわかりやすくする」のがポイント。

 例えば、プロレスの話題を扱うときでも、プロレスに詳しくない人にも何となく雰囲気が伝わるようなレベルのジョークにとどめておく。つまり、笑いそのものはわかりやすい状態にするのである。(中略)

 すなわち、プロレスを知らない人でも、ケンコバのマニアックな話題を扱う好奇心自体を面白がって楽しむことができるのだ。
 マニアックな話題だからわからないのではなく、マニアックな話題だからこそ、その視点が面白い、というふうに見方が180度転換するのだ。

これって、とんねるずの「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」のようなモンですかねw

「そんなヤツ知らねーよ!」となりながらも笑ってしまう、みたいな。


■3.共感力で天才を凌駕する

◆今度は今田耕司「司会術」から学びます(左記Wikipedia読んでも絶賛されてますね)。

本書によると今田耕司の司会術の極意は3つ。

 ●みんなの思っていることを言う

 ●決して他人を悪く言わない

 ●やたらとでしゃばらない


これだけだと、何がどう極意なのか分からないとは思いますが、詳細は本書にて(サーセンw)。

そもそも、天才を自称してはばからないダウンタウンの松本人志等を間近に見ながら、「普通の人」である今田耕司は「別のやり方」で成功することができました。

それが「周りの人と同じ目線を持つ」ということ。

 普通の人には、普通の人が考えていることがよくわかる。だから、世間一般の声を的確に代弁して、共感を誘う能力に関しては、天才ではない人の方が優れているとも言えるのだ。その分野でこそ、凡才は天才を上回ることができるのである。

共感力は別としても、今田耕司と言えば、個人的には「殿様のフェロモン」での番組の仕切りぶりが印象的でした(…って知ってる人も少ないでしょうがw)。


■4.自分を下に置いて相手を輝かせる

◆最後は南海キャンディーズ山里亮太「女性に優しくするためのノウハウ」(?)を学びます。

……というか、本書に

女性にモテるためのコツが知りたかったら、南海キャンディーズの漫才を参考にするといい。

ってあったんですがw

 まず、漫才をやっているときの山里は、言葉遣いが丁寧で口調も落ち着いている。大声を出したりして、相手を威圧するようなツッコミは一切しない。このような話し方は、女性をリラックスさせる効果がある。
 そして、しずちゃんに対して文句を言うときにも、言葉を慎重に選んで、相手を極力傷つけないようにする紳士的な態度を貫いている。(中略)

 心の底からしずちゃんの才能に惚れて、彼女を輝かせたい一心で、彼はこのような芸風を確立したのである。どんな女性にも潜在的な「お姫様願望」があると言われる。自分だけを優先してかわいがってほしい、という思いは誰でも持っているものなのだ。

そう書かれても「ホントかよー」と思ってしまいそうですが、山里は以前のコンビ(「足軽エンペラー」)では、今とは全く違う傍若無人ぶりを発揮し、その厳しさから相方は離れて行ってしまったのだそう。

それを聞くと、なるほど「しずちゃんに配慮してるのだな」と思うわけで、確かにそういった気配りは女性には好意的に受けとめられそうだな、と。

ちなみに、著書であるこの本も、一部で高く評価されているように、まだまだ底が深い芸人さんみたいです。



【感想】

◆著者のラリー遠田さんは、つい先日、お笑い芸人をテーマにした「この芸人を見よ!」を出されたばかり。

こちらは、「日刊サイゾー」でも連載中です。

連載ごとのカテゴリのようなものがないので最新の記事を(記事の最後に今までの全記事のリンクが載っています)。

ハライチ "ツッコミ"を棄てた関東M-1新世代が生み出す「面の笑い」とは?

本の書評とはまた違うんですが、こういった「批評の目」というのは参考になるので、私も熱烈購読中w


◆さて、本書は、上記「この芸人を見よ!」とは違い、冒頭の内容紹介にもあったように「普段の生活で使える実用書」を目指しています。

各芸人ごとに「芸人力を読み解く」「人気の正体」「ココを学べ」と項目があり、最後に「ポイント」として、「まとめ」がある、という具合で、作りとしては確かに「ビジネス書」「実用書」に近い感じ。

ただ、全30人が全て、私たちの日頃の生活やビジネスシーンで活用できるかというと、それはまた微妙かもw

ここはやはり芸人さんの得意分野である「コミュニケーション」「プロデュース」あたりに留めておくのが無難だと思われ。

もちろん、単純にその芸人さんの「笑いの傾向」「人気の秘密」を楽しむだけだったら、問題はないかと。


◆実際に活用するにしても、やはりビジネスよりは、「合コン・モテネタ系」に威力を発揮しそう。

もともとお笑い芸人さんの「モテる技術」については、この本でもご紹介したことがありましたし。


参考記事:【モテ】「女のことは芸人に聞け モテもん」(2008年01月13日)

別に女性を笑わせるのではなくて、「おもてなしの心」を持って「女性を楽しませれば良い」わけですね。


◆なお、本書には当然のように、当ブログで人気を博した「竜兵会」の有吉弘行や、「紳竜の研究」の島田紳助も登場します。

ただ、両者ともそれぞれ、以前ご紹介した記事のコンテンツとかぶるので、今回のエントリでは割愛させてもらいました。

逆に、「竜兵会」に登場しており、私個人的には「有吉ネタにつぐ面白さ」だった、土田晃之が本書には収録されていないのがちょっと残念なところ。

ひょっとしたら、「続編」とかに登場するのかもしれませんが。


芸人さん達が、伊達にテレビに出てるワケじゃないのがよく分かる1冊!



【関連記事】

【著名人絶賛!】島田紳助のアノDVDがついに書籍化された件(2009年09月03日)

【人心掌握】有吉弘行の人心掌握術がスゴすぐる件(2009年04月18日)

【紳助のヒミツ】「紳竜の研究」はスゴかった(2008年03月14日)

【モテ】「女のことは芸人に聞け モテもん」(2008年01月13日)


【編集後記】

◆この本に関しては、完全に出遅れてしまいました!

本田直之「人を動かすアフォリズム」90
本田 直之
小学館
売り上げランキング: 13025


スイマセン、一応事務所が今日からなんで、のんびりしてますた。


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この記事へのコメント
               
初めてコメントさせていただきます。

山ちゃんもそうですけど、ケンコバさんもトークを聞いていただければわかりますが、女性に対して紳士的です。

ネタがマニアックなので、女性の中には引いてしまう人もいるかも知れませんが。
大阪時代から劇場でケンコバさんを観ていた自分としてはメジャーになって嬉しくもあり寂しくもあります。




Posted by チャウ子 at 2010年01月06日 12:58
               
はじめまして。いつも参考にさせてもらってます。

去年、イベントでロンドンブーツの淳さんが「恋愛本」書こうかと思ってる、と言ってました、売れそうな予感です。
Posted by うどん at 2010年01月06日 13:13
               
>チャウ子さん

はじめまして!
コメントありがとうございます。

確かにたまーに見たテレビ番組でも、ケンコバさんは、ちょっとマニアック入ってたような(笑)。
でも、本質的には優しそうだな、と私も思いましたよ。

>大阪時代から劇場でケンコバさんを観ていた自分としてはメジャーになって嬉しくもあり寂しくもあります。

それはかなり本格的!

確かにひそかに応援していた人がメジャーになっちゃうと、嬉しい反面寂しかったりしますよね〜。
私も高校時代に応援していたバンドがメジャーデビューした際には、結構寂しかった記憶が。

>うどんさん

はじめまして!
ブログご覧頂き感謝です。

ロンブー淳が恋愛本ですか!!
ひょっとして、今のアムロちゃんとのヤツって、宣伝(笑)???
いずれにせよ、出たら買います、マジでw

情報ありがとうございました!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年01月06日 21:39