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2009年12月17日

失われた「勝ち抜く人の8つの習慣」を求めて




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「自分の雇用を守る」という切実なテーマに沿って書かれた問題作(でもタイトルはホッテントリメーカー作w)。

ディスカヴァーの干場社長の記事を拝見して、気にはなっていましたが、リアル書店でチェックした上で購入致しました。

アマゾンの内容紹介から。

この厳しい時代、会社で生き残りキャリアアップしていける人材になるには?経営コンサルタントである著者が、優良企業の経営者・管理職・人事担当者へのインタビューにより、どんな状況でも、またどこへ行っても、必要とされる人に共通する特徴を8つにまとめた。

すでに自営業者である私でもグサグサ来ましたよ!


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【目次】

はじめに 自分の雇用は自分で守れ!

 八つの習慣を身につけた社員がどこでも求められている
 会社に貢献する人材になれ
 いつでも大切なのは「人格」を磨くことだ ほか

第1の習慣 会社に利益をもたらす

 あなたの仕事は会社に利益をもたらしているか?
 顧客を大切にする
 既存顧客の維持と新規顧客の開拓に力を注ごう ほか
 
第2の習慣 会社・同僚・顧客にポジティブな影響を与える

 心の持ち方が仕事を左右する
 会社にポジティブな影響を与える人の特徴
 俳優のように自分の役割を演じきれ ほか
 
第3の習慣 変化を歓迎し、変化を起こす

 変化は異常事態ではなく、起こって当然の正常事態だ
 職場の変化に適応する
 変化への抵抗は会社の利益に反する行為と見なされる ほか
 
第4の習慣 より賢明に、より熱心に、より迅速に、よりよく働く

 自分の能力を最大限に使って働く
 働きたくない者は去れ
 生産性を高める六つの方法 ほか

第5の習慣 心を開いてコミュニケ―ションをとる

 上司も部下も不満を抱いている
 信頼関係の中でコミュニケ―ションをとる
 四つのコミュニケーションスタイル ほか
 
第6の習慣 リーダーシップを発揮する

 リーダーシップはすべての人にある
 有能なリーダー10の資質

第7の習慣 私生活をしっかりと管理する

 私生活での問題は仕事に悪影響を及ぼす
 仕事に影響を及ぼす二つの要因
 自分の人生には自分で責任を持つ ほか

第8の習慣 学び続ける
 
 あなたの仕事は明日も有用だろうか?
 自分の価値を高めるスキルを見極める
 新しいスキルを身につける ほか

おわりに 経営者から感謝される働き方をしているか?

 人はみな、存在価値を認めてもらいたがっている
 経営者から感謝される働き方をしているか?
 経営者に感謝することができるか? ほか


【ポイント】

■「会社にどんな利益をもたらしているか」という問いに答えられない社員の2つの理由

(1)言われたことだけをすれば十分だと思い込んでいる
 要するに、自分の雇用は、自分の仕事だと思っていることをこなすだけでは確保できないという事実にまだ気づいていないのだ。

(2)自分の仕事が会社の発展に直結していると考えていない
 要するに、自分の仕事にだけ意識を向け、それを全体像の中でとらえていないのだ。


■会社がコストを削減する5つの方法 

(1)人員を削減する
(2)手当てをカットする
(3)賃金をカットする
(4)製品やサービスの質を下げる
(5)生産性を高める

 まず、人員削減、手当カット、賃金カットの3つは、どの社員も会社にしてほしくないことである。次に、製品やサービスの質を下げることは、どの顧客も望んでいないことだ。したがって、会社がコストを削減する(それによって利益を拡大する)ために残された唯一の方法は、生産性を高めることである。


■俳優のように自分の役割を演じ切れ

 もちろん、会社にはあなたが倫理に反する行動をとることを期待する権利はない。しかし、やる気がなく、人のことを思いやる余裕がないときでも、あなたがプロとしての仕事をしっかりすることを期待する権利はある。(中略)

あなたはどうだろうか? 今日のようにリストラの嵐が吹き荒れているご時世では、常に代役が待ち構えていることを忘れてはならない。


■職場の変化に対応する

 社員が2つの異なる方法で変化に対応したことについて、ある経営者はこう語る。

 社員は2つの集団に分けることができます。
 第1の集団は、新しいアイデアとプロセスを見つけて自分の部署をより高いレベルに押し上げることに集中しています。(中略)

 第2の集団は、新しいアイデアとプロセスに心を閉ざし、「古きよき時代」に戻ることを夢見ています。(中略)

 人員削減を避けるために努めてきましたが、もしそういう事態になれば、どちらの集団を雇い続けるかは明らかです。


■働きたくない者は去れ

 残念なことに、自分の仕事ぶりがよくないにもかかわらず、給料をもらう権利があると考えている社員がいる。(中略)

 ある経営者は、こう語る。

 一部の社員は、病気や疲労のために働く気分になれなくても給料をもらう権利があると考えています。
 彼らにも背気圧があるのは理解していますが、勤務中にプライベートの用事をしていることに対して給料を支払うことはできません。


■4つのコミュニケーションスタイル

 (1)意見表明型

正直で率直でオープンな姿勢を前提とし、被害者意識を持ったり相手を責めたりしないことを求める。

 (2)攻撃型

 攻撃型のコミュニケーションをとれば、短期的には自分の目標を達成できるかもしれないが、長期的には人間関係の構築と維持に支障をきたす。

 (3)受身型

 会社は受身型のコミュニケーションをとる社員を全面的に信頼することができない。最初は扱いやすいが、チームの一員として率直に意見を言うことができないからだ。

 (4)受身攻撃型

 人間関係の中で最も扱いにくいスタイルである。受身攻撃型のコミュニケーションをとる人は、対立を避けるために面と向かって話し合おうとしないが、自分の主張を通すために相手を間接的に攻撃する。


■リーダーは卓越性を追求し、業績を上げる

 あなたは自分を一生懸命に働く人と見なしているか?どんな地位や役職であれ、自分の仕事に誇りを持ち、会社に貢献しているか?その他大勢から抜け出し、新しい卓越性の基準を目指して努力しているか?


■新しいスキルを身につける

 たとえ自分のスキルが今は会社にとって価値のあるものでも、あなたは将来に備えなければならない。
 人員削減のために失業した人の大多数は、「自分の職が削減される可能性があることは以前から知っていた」と語る。なかには数ヶ月前から知っていたという人たちもいた。
 にもかかわらず、スキルを身につけるために学校に通わず、人脈づくりもせず、社内の別の仕事の訓練や教育も受けず、他の会社に勤める選択肢も考慮せず、自分で事業を立ち上げようともしなかった。
 あなたはどうだろうか? 将来、自分の職が削減される可能性に対して準備をしているか?


【感想】

◆冒頭の干場さんの記事にもあるように、本書は、全米の300社以上の優良企業の経営者、管理職、人事部長といった人事権を持つ人たちに

「2人の有能な社員がいて、人員削減のためにどちらかを解雇せざるを得ない状況に追い込まれたら、その判断基準となる能力は何ですか?」

と質問して出来上がったもの。

それが目次の各章のタイトルにもある「8つの習慣」です。

今まで読んできた経営者の口当たりのよい本とは違って、本書に散りばめられている言葉の多くが「どういう社員をリストラの対象にせざるをえないか」というもの。

同じくらい「こういう人材はリストラできない」という発言もあったかもしれないのですが、あまり記憶にないほど、前者の衝撃は大きかったです。


◆果たして今、私が会社勤めを続けていたら、このご時世でリストラされずに済んだかどうか。

とにかく、本書では視点が「経営者サイド」にあるため、「そうか、あの頃上ではそう見てたのか」と今さら気づきました(遅すぎ)。

「自分の仕事はこれこれだから、これだけやってれば大丈夫」と日頃から高をくくっている人は、読んでおいた方が良いかも。

仕事の合間にTwitterやってる場合じゃないかもしれませんよ、マジで。


◆もちろん、「労働者の権利」として、できることはやっても良いかもしれませんが、それと雇用はまた別。

まさに「2人の有能な社員がいて、人員削減のためにどちらかを解雇せざるを得ない状況」を考えれば分かりやすいかと。

「努力で幸せになれるか」という以前に、「努力しないとリストラの危険性もある」わけです。

かといって、やみくもに「滅私奉公」的に働くのも避けたいもの。


◆そこで実現すべきが、上記ポイントにもあるように「生産性の向上」

今まで散々仕事術時間管理術の本、さらには勝間本本田本で言われてきたことです。

本書の第4章には「生産性を高める6つの方法」という項目がありますが、詳細は割愛。

通常のその手の本であれば、丸々1冊を使って言及することを数ページにまとめているので、むしろ当ブログで今までご紹介してきた本を読み返して頂ければ宜しいかと。


◆個人的には、「変化を歓迎し、変化を起こす」という第3章がキモでした。

特に私の本業の場合、法律はコロコロ変わるのですが、お客様に対して提供しているサービスは、毎年それほど変わってなかったりします。

今まではそれで良かったのかもしれませんが、これからはどうなのか?

また、今提供しているサービス内容で本当に良いのか?

・・・と珍しく(?)本業絡みで付箋を貼りまくった次第。


自分の雇用が気になる方なら、一読をオススメ!



【関連記事】

【本田流 しりあがり的】「額に汗する幸福論」から学ぶ7つのポイント(2009年12月15日)

【超仕事術?】「仕事するのにオフィスはいらない」佐々木俊尚(2009年07月20日)

【仕事観】「いい仕事ができる人の考え方」村山 昇(2009年04月06日)

【キャリア育成】「本田式サバイバル・キャリア術」本田直之(2009年03月21日)

【オススメ仕事術】「Yes、Boss!のすすめ」落合文四郎(2008年07月10日)


【編集後記】

◆今日ご紹介した本に関連して。

自分は評価されていないと思ったら読む本
自分は評価されていないと思ったら読む本

何やら丸善オアゾ店で好調に売れてるというウワサです。


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この記事へのコメント
               
かなり厳し目のことが書かれていそうな
本ですね。

しっかり仕事の基本的な考え方を
身につけることは大事かもしれ
ないと思いました。

Posted by 齊藤正明 at 2009年12月17日 16:42
               
>齊藤正明さん

自分の事を鑑みて、コレではアカン、と思いましたよ、マジで。

・・・といいながら、こんな時間までブログ書いたりしてるんですがw

会社勤めで経営者にバレたらアウトなり・・・。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年12月18日 03:07