2009年12月12日
【確かにスゴ本】「雷撃☆SSガール」至道流星
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」のDainさんが、「記事で激賞」しただけでなく、直後の「この本がスゴい2009」にも選んだという「スゴ本」!装丁を見て「アレ(汗)?」となった方もいらっしゃると思いますが、俗に言う「ライトノベル」でございます。
・・・私、ラノベって読んだことなかったんですけど、コレ、ラノベですよね???
しかも、「講談社BOXシリーズ」の名の通り、「ボックスに入っていて書店でチェックしにくい」ことこの上ありませぬ。
◆とは言え、中身はガチなビジネス書。
上記の紹介記事でDainさん曰く、
とあるように、本質的な部分では日頃私たちが読んでいる本と変わりありません。これは、ビジネス書。ツンデレ、妹、綾波キャラといったラノベ風味でコーティングされた、苦い苦い現実を飲ませる、れっきとしたビジネス書なので、ご注意を。
手に取りにくいかもしれませんが、スルーするにはもったいなさすぎる1冊です!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1章 SS活動へようこそ!
第2章 カーチスソフトの電撃戦
第3章 SSDM攻城戦
第4章 東都出版反抗戦
第5章 遷都と世界旗
第6章 天使の休息
第7章 イーストラインの攻防戦
第8章 ザ・ワールド・イズ・マイン
第9章 公ア同盟
第10章 SSファンドの殲滅戦
第11章 ブランフォート戦線
第12章 王の雷撃
あとがき
【所感などなど】
◆本書は「物語形式」(ラノベなんで当たり前?)がゆえに、基本的なストーリー内容については、ネタバレ自重します。かといって、何の話だか全くわからないのも困るので、アマゾンの内容紹介から引用。
というわけで、「主人公の男性が、世界征服を目指す絶世の美女と出会い、ビジネスを展開する」というのが、大まかなアウトライン(大まかすぎw)。零細DM発送代行会社を継いだ若き経営者・ジンは、彼女にフラれたその夜、キャバクラで「世界征服(SS)」を宣言する絶世の美女・リンと出会う。翌日、ジンの会社に押しかけて来たリンは、瞬く間に業界のルールと経営状況を把握し、誰も考えつかなかった斬新なビジネスプランをぶち上げる。だがそれは、リンのほんの第一歩に過ぎなかった…!第7回講談社BOX新人賞“流水大賞”受賞作品。
ここに、「ラノベのお約束(何ですか?)」的に、「妹」「ドジっ子」「ツンデレ」の女性キャラたち(しかも皆美人!)が絡んできます。
・・・何だかますます当ブログの読者さんが困惑しそうな気が。
◆最終的な「世界征服」が何を目指していて、それを「どのようにやるのか」は、まさに本書の骨子なので、それは読んでからのお楽しみとして、当ブログ的に楽しんで頂きたいのは、本書内に登場する「数々のビジネスネタ」です。
と、言ったものの、これまたどこまで書いてよいのか微妙なので、著者のブログのネタバレ記事を参考にしようかと。
なお、本書を買うと決めてネタバレしたくない人は、読まない方が良いかもしれません(私は読んだ上でこの本を買いましたがw)。
SSガール、事実と架空の話:SSnovel.com
◆いくつかある中から、当ブログの読者さんが好きそうなビジネス寄りなネタを選ぶと、この辺かな、と。
●郵便ビジネス
●『作らないで売ってみる』マーケティング
●成功哲学
他にも、ビジネス的なテーマとして「ファンド」というのもありますが、ウチでは華麗にスルーw
中でも、最初の「郵便ビジネス」は、完全なアービトラージと言いますか、主人公でなくとも「その発想はなかったわ」となりそう。
◆そして「アービトラージ」であるが故に、やがてそのビジネスにも終焉が訪れるのですが、そこからの脱出方法も見事。
それもこれも、あらかじめ「終わりが見えているから」こそであって、ヒロインはこのビジネスを始める前にこう呟きます。
この辺のヨミの深さは見習いたいものですネ。「でもね、ここまで大規模に上前を撥ねちゃえる商売ってあんまりないな。多分これは利益が出すぎて……長くは続かないわ」
◆なお、本作品は、アマゾンの内容紹介にもあったように、「第7回講談社BOX新人賞“流水大賞”受賞作品」でもあります。
この賞は、推理作家でもある清涼院流水さんの名を冠したもので、流水さんと言えば、当ブログではこのご本を以前記事にしておりました。
参考記事:【隠れた名著?】「成功学キャラ教授 4000万円トクする話」清涼院 流水(2008年02月16日)
ちなみにこの本のあとがきには、清涼院さんのこんな一面が。
つまり、「ストーリー作家」さんの、「ビジネス書的展開」という位置づけかと。ぼくは親兄弟が経済系の人間である血筋のせいか、昔からビジネス書の類が大好きで、やたら読んでいました。ビジネス書の中でも特にぼくが愛読していたのがいわゆる<成功本>で、数百冊は読んでいますから、あらゆる<成功本>に無視できない共通点があるのはイヤでも気づいていて、自分なりにまとめたいと思っていました。
◆一方、今回の「雷撃☆SSガール」の著者である、至道流星さんは、本業は会社経営であるものの、かつてはビジネス書のゴーストライターをしていたこともあるそう。
ということは、ベクトル的には「ビジネス書作家」さんの「ストーリー本的展開」と言えなくもないような・・・?
この2冊、アプローチの仕方は違えど、似ている感じを私は受けました(名前が似てるのは別としてw)。
だからこその、「流水大賞受賞」なのかもしれませんがw
◆とはいえ、「成功学キャラ教授」は具体的なビジネスのお話ではなく、「成功哲学」がメインテーマでした。
ただし、「雷撃☆SSガール」の方でも、ヒロインが主人公にこう語るシーンがあります。
上記にある至道さんの記事でも、成功哲学についてはこのように言われています。「いいことジン。物理学を学ぶ者なら誰でも知っている基本法則。どんな『作用』にも、同じ力で反対の方向に働く『反作用』があるの。大砲を撃てば、大砲が反動で反対に動く。誰かが1億円儲ければ、誰かが1億円損をする。単純明快。……でもね、簡単にいっちゃえば、成功哲学って代物は、その物理学の基本法則を否定してるの」
これはいずれ、成功哲学のご本を出されるヨカン!正直ぼくにとって、こういうの書くのは凄まじく簡単です。角度を変えて幾らでも書けちゃいますね。色んな人の成功事例やケースを知ってるから、無理やり成功哲学に当てはめて書いちゃえば、見事にそれらしい出来映えになるもんです。微塵も心に思っていないことでも、びっくりするくらい生産できる。
・・・とオモタら、次回作はこの「SSガール」の敵側の話だとか。
業務報告:SSnovel.com
これまた楽しみです!
◆本書も「キャラ教授」と同じく、「装丁だけ見たらぜってー買わない」本ですが、「キャラ教授」は水野俊哉さん、今回はDainさん、と本の目利きの方の言葉を信じて買ったら大正解でした。
私はラノベ経験が浅い(と言うかなかった)ので、そちらの魅力度は計りかねるものの、それ以外のプロットと、ビジネスネタだけでも、十二分に楽しめることウケアイ。
ちなみに私は「キャラ教授」同様、読み始めたら止まらなくなり、朝の4時までかかって一気に読みきった次第。
面白いストーリー本は、これだから困りますよ、マジで・・・。
この本、ひょっとしたらバケるかも!!?
【関連記事】
【隠れた名著?】「成功学キャラ教授 4000万円トクする話」清涼院 流水(2008年02月16日)【豪華キャンペーン有】「知っているようで知らない 法則のトリセツ」水野俊哉(2009年02月27日)
【最強のメンター?】「夢をかなえるゾウ」水野敬也(2007年08月30日)
【成功物語】「ドリーム」犬飼ターボ(2007年12月10日)
「チャンス―成功者がくれた運命の鍵」 犬飼ターボ (著)(2005年08月15日
【編集後記】
◆水野俊哉さんの名前が出てきて思い出しましたが、「成功哲学」と言えば、水野さんがもうすぐこんな本を出されるんですよね。誰もが無理なく夢を引き寄せる365の法則(気づき)
これはスンゴイX'smasプレゼントだな、と。
ご声援ありがとうございました!
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腹の出たいい歳した親父がスーツ姿でチェックするには正直表紙が「アレ」でしたが(笑)
次回仕入れ時のリストに追加決定しています。
朝4時までですか… 読み時を考える必要ありということですね!
おぉ!この本やはりチェックされてましたか(笑)!
面白いと言う点では絶対面白いんですが、装丁はやはりネックですね・・・。
>佐々木さん
初めまして。
私は明日何と仕事なんですが、楽しんできて下さいマセ。
私も水野さんとはお会いしたこと無いんで、なんとも言えませぬー。