2009年12月07日
【時間術】「ビジネスパーソンの時間割」に学ぶ7つの処方箋
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【本の概要】
◆今日は、「忙しすぎて困る」というビジネスパーソンの方のために、「ビジネスパーソンの時間割」という本から、時間管理の処方箋をご紹介します。・・・という記事がダラダラ長文で、読むのに時間がかかるのは「本末転倒」なので、私がピンときたものを7つだけw
アマゾンの内容紹介から。
とはいえ、本自体は300ページ超の「スピーディーには読みきれない」1冊です。「注意欠陥障害(ADD)」の専門医が、ADDの治療・対処の経験から、現代人の「忙しい病」の害を説明し、その対処法と、さらにはスピーディーな情報化社会をうまく味方につける方法を提案!
専門医が教える、ビジネスパーソンのための、究極の現代生活スケジューリング術。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1部 忙しすぎて限界寸前
なんと奇妙な現代生活―ダイヤル式電話はもう使えない
注意欠陥障害の世界―コントロール不能の過熱状態
あわただしさ、情報の洪水、不安、無駄話
不確実性の海の真ん中で ほか
第2部 あなたに役立つ体系づくり
第一の解決法
限界を認める―もっとも大切なことをするための第一歩
時間への投資で最大のリターンを得るには
現代生活をうまく管理するための10原則 ほか
【7つの処方箋】
■1.あなたにとっていちばん大切なことをする◆この本の中で繰り返し説かれているお話がコレ。
特に「子どもと過ごす時間」については、このような指摘が。忙しすぎる生活のために、まっさきに犠牲になるのは、大切なことをするための時間だ。
さすがに私も「週に30分」ということはないですが、子どもとの時間は、確かにブログを書くことの犠牲にはなっているので、反省しきり・・・。子どもがいるなら、できるかぎり多くの時間を一緒に過ごす。どんなにすばらしい時間を過ごせたとしても、それが週にたった30分なら、質で量を補うことはできない。
■2.つねにポジティブな感情環境をつくり出す
◆「時間管理でなぜ感情?」と思いきや、「感情は脳を効果的に機能させるためのオンとオフのスイッチだ」とのこと。
本書では、仕事で忙殺されている人の事例が出てきており、とても感情環境がポジティブとは言いがたい感じ(外国ドラマ等で、電話を切った後相手を罵っている様な)。感情環境がポジティブでないと、柔軟性や熱意、あいまいで複雑なものへの対処能力や忍耐力やユーモア、さらに創造性が失われる。
確かにカリカリしている状態で、正確な状況判断は望めなさそうですしね。
■3.リズムを見つける
◆自分なりの「リズム」を掴むと、俗に「ゾーン」とか「フロー」と呼ばれる状態になる、と。
他にも具体的な方法は本書内で散見されるのですが、ここでは割愛。リズムを見つけるには、この本で紹介した方法をできるだけ多く組み合わせるといい。ポジティブな感情環境をつくる。自分の好きなこと、得意なことをする。時間の使い方に優先順位をつけ、朝のエネルギーを賢く使い、ヒルを排除するといったことだ。(注:ヒルとは、あなたの時間と注意力を浪費する人やプロジェクトのこと)
いずれにせよ、簡単な作業は「脳の自動操縦機能」に任せて、本来のクリエイティブな思考を活用させるのがミソらしいです。
■4.やりたくないこと、得意でないことは、可能であれば誰かほかの人に頼む
◆これは、「『断る力』ですね、分かりますw」・・・という単純なものではなく、「効果的に依存し合うこと」。
私は積極的にTwitterに接してないものの、Twitterでお互いが助け合うのは良いことだな、と。人は誰でも他人の力を借りながら生きている。自分ひとりで何でもできる人はいない。子どもも大人も関係なく、どれだけ効果的に依存し合えるかが、生きていくうえでの大事なスキルになる。
どちらかと言うと、Twitterにはまりすぎて、思考が中断されてる人が多そうな気がしないでもないですがw
■5.電子メールで感情的な問題を解決しようとしない
◆上記2.とも関係するのですが、やはりメールでのやりとりは、「感情的な問題」には向いてない、という指摘は理解できます。
ただ、カッとして電話するよりは、落ち着いてメールを書いて、1日経って読み直してみるのは良さそうな。メールはデータの通信に使う。感情的にずっしり重い話題はメールでは取り上げない。
結果的にそのメールを出すことなく、自分なりに解決できればベストなわけで。
■6.つねにメモ帳や電子機器をそばにおいて、突然ひらめいたアイデアを書き込めるようにする
◆真逆な考え方で「メモしないと覚えておけないアイデアはろくなものではない」というのもありますが、普通はコチラが真っ当。
具体的なやり方は自分に適したスタイルで良いよう。クリエイティブな思考は、短い時間に起こることが普通で、長い時間をかけてそのアイディアを形にしていく。新しい考えは、それが浮かんだときに捕まえておく準備をしておいたほうがいい。
ただ、アイデアを「短く思いついて、長く育てる」という考え方が、私には腑に落ちました。
■7.自分に休みを与える
◆割愛した項目を考えれば、異論はおありでしょうが、私にはコレが大事かと。
実際、この記事は私にしては珍しく、いったんぐっすり寝て、早朝に書いております。コントロールを失い、とくに理由もなく誰かにどなっていたり、スーパーマーケットにいる二歳児のように一歩も動けないと感じたりしても、それはそれで仕方がない。誰でもそんな経験はある。自分に鞭打つ必要はない。しかし、なぜそれが起こったのかを自分に問いただし、原因を突き止めよう。
かかった時間は結局3時間なんですがーw
【感想】
◆この7つは、第28章の「現代生活をうまく管理するための10原則」と32章の「具体的な提案」(数は50個!)から抜粋したものです。ですからそもそもハックの数自体は多いのですが、それ以上に本書の場合、そのバックボーンというか、「考え方」について言及されている部分が多いのが特徴。
第1部はほとんどそうで、最初、前の方だけ立ち読みした際は、あまりに重くて、思わず本を棚に戻したくらいw
とにかく、表もグラフも何も無いテキストが淡々と24章あるのは、立ち読みするには結構キツいです。
◆逆に第2部は具体的なノウハウ中心で、上記の抜粋した項目や、自分で記入する表もあります。
これは、「時間の価値評価の表」と呼ばれるもので、縦軸の活動内容(具体的な作業や仕事内容)を、横軸の「努力度」「満足度」「必要度」等で評価する、というもの。
横軸は1〜5の5段階で、それぞれを掛け合わせて「価値評価」が決まるという仕組みです。
これによって、自分の24時間が可視化され、何をやめて、何を続ける(さらに増やす)べきかがわかるという。
実際に埋めるには時間がかかるので、飛ばして読んでいたら、32章の「具体的な提案」で「やるべきこと」として再度登場。
サ、サーセン!!!ここで再びこの表のことを持ち出したのは、この本を読んでいる人の多くが表を埋めるのを飛ばして、次に読み進んだとわかっているからだ。もう一度、考え直してほしい。
◆また、個人的には「マルチタスク」について書かれた、この部分にはギクリとしました。
ちょっと長いのですが引用。
もちろん、本書でも、集中することが必要ない仕事のマルチタスクは必ずしも否定してはいないのですが、結論としてこう締めくくられています。ひとつの仕事から別の仕事に注意を移している時間は短いかもしれない。1秒かもしれないし、1/10秒かもしれない。だが、実際には何をするにしても、本当に複数の仕事を同時に行っているわけではない。あなたはただ、一連の仕事をものすごいスピードで次から次へと順番にこなしているだけなのだ。同時にテレビ番組4つを見ることはできるかもしれないが、それは、ほかのチャンネルへ注意を向けて、また元のチャンネルに戻ったときに、見逃した部分を推論して補うのがうまいというだけに過ぎない。
要は効率よくマルチタスクするより、その必要がないようにお膳立てするのが大事なんだな、と。一般にマルチタスキングと呼ばれる行動ですまされる仕事はあるものの、それがシングルタスキングと同じほどの効果があるという考えは間違っている。目の前にある仕事が重要なら、マルチタスキングは避けたほうがいい。それは2つのボールでテニスをするのと同じなのだと覚えておこう。
◆本書は、元々「ブログ」と「メール」と「RSSリーダーチェック」だけでもかなりの時間を食われている状態なのに、さらに「Twitterのログ閲覧」まで加わって、ひっちゃかめっちゃかになりつつあった私にとっては、「耳痛い話」が非常に多かったです。
少なくとも、大事な仕事の合間のネット閲覧は、「息抜き」よりも「現実逃避」の可能性が高そう(私の場合)。
「何が自分にとって大切な時間なのか」を考えるきっかけになる「読みごたえのある本」でした。
少なくとも「装丁のPOPさ」とは似つかわしくない濃さだな、とw
単なるノウハウ以上のモノを求める方にオススメ!
エドワード・M・ハロウェル, 田口 未和 ¥ 1,680 |
【関連記事】
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【真打登場!】「無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法」勝間和代(2007年10月17日)
【編集後記】
◆アマゾンランキングを見ていていつも気になるのですが、この本の勢いが止まりません。参考記事:【スゴ本】「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」クリス・アンダーソン (著), 小林弘人(監修)(2009年12月02日)
そろそろ各媒体で特集される「今年のベスト本」でも登場するのかも。
発売時期の関係で来年になりそうですが。
ご声援ありがとうございました!
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そこに加えてsmoothさんの記事を読むとどうしても買いたくなってしまうのですが、一体どうすればいいのやら(笑)
ちなみに、僕は子どもが起きている間はブログ記事は書かないことを妻に条件として出されていますが(妻はブログに反対なのです)、子どもが寝る頃には僕も眠いという…(笑)
この本、私のように読み飛ばす人より、しっかり読んで考え、実践する人の方が向いてる感じです。
ただ、そんな私でも、「時間の価値評価の表」は完成させたいな、と。
ちなみにウチは、子ども達は9時に寝るので、起きている時間帯にブログをやることはないですねー。
そして奥さん、ブログに反対ですか(涙)。
ウチもやっぱ秘密にしとかないと・・・(汗)。