2009年11月28日
【ヤバ本?】「ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話」その他お金関係の本
経済界
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【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日土井英司さんのメルマガでも取り上げられた、ちょっと変わった「マネー本」。基本的に当ブログは、ガチなマネー系の本は取り扱っていないのですが、これはかなりの変化球というか、ネタ的な色合いが強いかも。
なんと、世間にはびこる「お金絡みの詐欺の仕組み」について、グリム童話になぞらえて解説しているというw
◆そもそも、この本の存在を知ったtenさんの記事でも、著者本人の談話として
なんて書かれているくらいヤバいこの本。友人の経営者からは
「ギリギリアウトっていうか完全にアウトじゃん」
というお言葉を
もっと言えば友達の弁護士さんからは
「○○さんに訴えられたら、私の弁護士生命を賭けて、戦いますよ!」
という一悶着確定みたいなありがたい応援の言葉ばかり頂いています
通常、当ブログで「ヤバい」と言ったら、「ヤバいくらいクオリティが高い」という意味で使っているのですが、本書は、色々な意味(主に名誉毀損的?)でヤバいというw
今回は、滅多に扱わないカテゴリーの本なので、併せて最近気になっているマネー本もご紹介してみます!

【目次】
第1話 ヘッテルとフエーテル
第2話 カネヘルンの笛吹き
第3話 ピノキオ銀行
第4話 アホスギンちゃん
第5話 ヤンデレラ
第6話 ヘッテルと7人のODA・NPO
第7話 王様の金はロバの金
第8話 裸のフエーテル様
【ポイント】
■5回連続で当たったはずのメールが、当たらなくなったわけ今回の悪さをした幸福達成教は、次頁の図のように、たくさんの人間にメールを送って、当たった人間にだけ、またメールを送ったんじゃ。
■絶対に儲かる話などない
もしお主の前に、100%儲かるというやり方を言ってくる奴がいたら、こう言ってやればいいんじゃ。
「そんなに儲かるというなら、あなたにお金を貸してあげます。そのお金で儲けてください。その代わり借用書を書いて、ご両親を保証人にしてください」
そして、免許証のコピーと住民票をそいつと両親の分、請求するんじゃ。
■儲け話や夢物語を語る側の人たちは、流行をつくるけれど、流行に乗った人たちの人生には責任を取らない
まず知ってほしいのは、「だれかに認められたいという自尊心、ほかの人よりも目立ちたいという気持ちは狙われる」ということじゃ。それは、詐欺師に限らず、女性が消費するすべての産業がそれを行っていると知ってほしいんじゃ。
■同じぼったくり金融商品を扱っていても質が悪いのは一流と言われる銀行や証券会社
どうしてかというと、だまされた人が裁判に訴えると、悪いことをしている自覚がある怪しい消費者金融は、裁判に負けることを恐れて意外と返金に応じることもあるんじゃが、有名な銀行や証券会社は、返金するなんてとんでもないと考えて、裁判に応じてくるんじゃよ。
しかも、なまじお金を持っているものじゃから、有名な弁護士を雇って、徹底的にそれこそ最高裁まで争ってくるんじゃ。
■「最初に小さく儲けさせて、最後に大きくだます」マルチ商法
こういったものにだまされないコツは、かんたんな算数で理解できないものには、大金を投資しないことじゃ。よーく憶えておいておくれ。
■「国家側、権力側、官僚側に立てば、インチキ「お得情報」で儲け放題!」
今回のお話のポイントは、国が積極的にその国民に売り出す「お得だ」と言われているものは、実際、国だけが得をしているということじゃ。(中略)
どんなことがあっても、国が勧める儲け話には乗ってはいかんぞ。
実際に悠長な銀行にも、そんな話が出ておるが、くれぐれも気をつけるんじゃぞ。
■無料(タダ)より高いモノはない
「あー、それはだまされとるな。ちょっと、そのときの契約書見せてみ。…やっぱりや、これ毎月の支払額減ってるけど、その分返済期間長くなってるから、結局返す金はめっちゃふえてんで。しかも払わなきゃいけない金利も、ゆとりローンで将来的に増えるし、これはしっかりやられてもうたな。見ず知らずの弁護士が無償で助けてくれるなんてこと信じるなんて、アホすぎるんちゃうん?」
【所感などなど】
◆基本的に本書は「物語形式」(というか、寓話ですが)なので、ポイント抜粋は少なめで。目次の通り、「お金にまつわるお話」が8つあって、それぞれの終わりに、上記ポイントのように「グリーム婆さんのよくわかる解説」が付されております。
ネタとなっている詐欺話は、お金の話が苦手な私でも聞いた事のあるようなものばかりで、読めばすぐ「あの話ね」と分かる仕様。
ただ、具体的に「あの話ですね、分かります」とここで書いちゃうと、著者にしてみれば、訴訟を恐れて(?)伏せて表現しているくらいなので、「空気嫁!」と言われそうなヨカンw
◆ですから、私にとっての本書のキモは、むしろ「フォーマット」にあります。
「お金に関する詐欺話を寓話形式で」、というアイデアがユニークですよね。
実際、本書の「おわりに」にもこうあります。
元ネタ自体はある意味普遍的なお話なので、かえってこうした寓話形式の方がしっくりくるような。童話の主人公がお金持ちになりましたという話はいくつもありますが、主人公がお金でだまされて、ひどい目にあう話や、だれかがお金を稼いだ悪者を出し抜くような話は、小さいころに聞いた記憶があまりなかったのです。
テレビや新聞に目を向けると、やれ「オレオレ詐欺」だとか「円天詐欺」「年金問題」とか「株で大損した」「だれかにだまされた」という話を嫌というほど目にします。
それらを耳にするなかで、この資本主義全盛の世の中にお金の寓話がないのはおかしい、そう思ったのが本書を書いたきっかけです。
◆ただ、その「おわりに」の最後で著者は
と書かれているのですが、おそらくこの手の詐欺話に騙される人に限って、こういう本は手に取らないのではないか、とwこの本によって、将来だまされる人が少しでも減ってくれれば、幸いです。
私も、「だめんず」な知り合いの女性たちに、男性のことでアドバイスを求められる(単なる相談だったら、ひたすら「聞いてあげる」が正解)たびに、この本を勧めていたのに、実際に読んでくれた女性はいなかったような・・・?

彼と彼女の科学的「恋の法則」―“幸せな結果”を知りたいっ! (王様文庫)
参考記事:【モテ】『彼と彼女の科学的「恋の法則」』はオススメ!(2008年10月07日)
周りから散々「いや、それ遊ばれてるだけだから」と、言われていても「彼だけは違う」と言い張る女性と、「絶対儲かる」と信じきっている人とがダブって見えまする・・・。
発禁処分の恐れもあるラシイ(?)ので、お求めはお早めにw

ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話
【関連記事】
【お金持ちへの道】「世界一愚かなお金持ち、日本人」マダム・ホー(2008年02月08日)【力作!】「お金は銀行に預けるな」勝間和代(2007年11月22日)
【速報!】最強のビジネス本「影響力の武器」の[第二版]がいよいよ登場!!(2007年08月18日)
「金持ち兄さんの王道―専門家をカモにする人・される人」藤田憲一 (著)(2006年05月19日)
「臆病者のための株入門」橘 玲(著)(2006年05月01日)
【気になるお金本・他】
◆何の因果か(?)、最近お金関係の気になる本が多いです。
預金じゃイヤだけど投資はコワい ボクの“負けない”人生戦略 (Kobunsha Business)
お馴染み内藤 忍さんのご本。10万部超のベストセラー『内藤忍の「資産設計塾」』シリーズの著者が贈る、こんな時代でも"負けない"人生戦略。
「預金はイヤ。でも投資はコワい」という30歳の主人公が投資戦略の重要性を理解し、実践、成功するまでを物語形式で描く。
1時間で読めて30年間使える! 脱レバレッジ時代の必読書。
主人公の約1.5倍の年齢なんですが、よかとですか?

60歳までに1億円つくる術―25歳ゼロ、30歳100万、40歳600万から始める (幻冬舎新書 な 8-1)
内藤さんの記事を読んで、リアル書店に散策に行ったものの捕獲できず。
敏腕編集者の小木田さんが担当されているとのことなので、要チェックです。

不況でも利益を生み出す会計力
こちらは、本田直之さんプロデュースの1冊。ビジネスリーダーは今、何をなすべきか?会社の「生き残り」と「事業再構築」を図り、「利益が出る体質」に生まれ変わらせる会計的経営思考を身につける一冊。
アマゾンでの評価もなかなかのものです。

「ふつうの億万長者」徹底リサーチが明かす お金が“いやでも貯まる”5つの「生活」習慣 (East Press Business)
こちらはお金の専門家である「本田さん」が翻訳。全世界で200万部突破の大ベストセラー『となりの億万長者』で富裕層の知られざる経済・購買実態をあばきだしたスタンリー博士が、100万ドル以上の資産を持つ米国人約1000人を徹底調査。
アマゾンの内容紹介にある「億万長者が買うスーツの平均価格は300ドル弱」「ロレックスを買う億万長者は14人に1人」「83.5%の億万長者はワインに興味を持っていない」なんて辺りが気になりますねw
【編集後記】
◆先日ご紹介したこちらの本が、4刷りになったとのこと(おめでとうございます!)。
生命保険のカラクリ (文春新書)
んで、それはそれとして、ライフネット生命の出口社長が、Twitterで増刷のたびにウチの記事を言及して下さっていたんですよ(今回が3回目)。
「地蔵アカウント」を決め込んでいたTwitterで思わずお礼を申し上げたら、「あと数回つぶやくかも」とのリターンがw
「オラ、ライフネット生命応援したくなったぞ!」←悟空の声でw

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何のことだか、言っている意味がさっぱり分かりません。煙にまくだけ煙にまいといて読む人を「イラッ」とさせるのは止めて頂けますか?
初めまして、ご忠告ありがとうございます。
「イラッ」とさせてしまい申し訳ございません。
直後にあるように、本書のお話の事例が、「主に名誉毀損的な意味で」ヤバい、という意味です。
本書内では、明らかにその話ごとの当事者(たとえばどの銀行か等)まで分かるようになっているので、訴えられるかもしれない恐れがあるらしいです(法的な点でどうなのかは分かりませんが)。
また、著者さんや出版社さん的にも、あまり当事者がわかるようにネットで書いて欲しくないであろうと判断しました。
煙に巻いてしまったことをお許し下さいマセ。
>こちらは、本田直之さんプロデュースの1冊。
コレ、本田健さんでは・・・?
横槍サwセンw
その節はヘッテルとフエーテルを紹介していただき、
誠にありがとうございました。
おかげで、初の著書としては驚異的な売り上げとなりました。
これも紹介してくださったおかげです。
さて、ヘッテルとフエーテル第二弾「マッチポンプ売りの少女」が出ることとなりました!
ブログに紹介してくださった方だけの特典をお作りしましたので、一度、以下のサイトに遊びに来てくださいませんでしょうか?
http://hettachan.com/thanxblog