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2009年11月23日

【処世術?】「えこひいきされる技術」島地勝彦


えこひいきされる技術 (講談社プラスアルファ新書)
えこひいきされる技術 (講談社プラスアルファ新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、かつて『週刊プレイボーイ』『PLAYBOY』といった名物雑誌の編集長を務め、現在は「日経ビジネスアソシエオンライン」で「乗り移り人生相談」を連載している島地勝彦さんの「ひとたらし」(?)の秘訣を明かした一冊。

他人に愛されえこひいきされるためのノウハウをご自身の実体験に基づき、明らかにされています。

アマゾンに情報がないので、出版社のページから。

今東光、開高健、柴錬仕込みのワザとは?
「大物」たちをその気にさせた伝説の超処世術
元『週刊プレイボーイ』編集長が伝授する、チャーミングで情熱的な人間関係のつくり方

「企み系」の本が好きな私としては、大変楽しめました!


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【目次】

第1部 わたしはこうして「大物」と仲良くなった

塩野七生さん(作家)「勇者たれ、楽天家たれ、そしてムキになるな」
柴田錬三郎さん(作家)「燃えるような情念こそが、人を感動させ、動かせる」
今東光さん(作家)「素敵な親友をつくるには、自分が素敵な親友になってやれ」
開高健さん(作家)「右足で一歩一歩歩きつつ、左足で飛べ」
福原義春さん(資生堂名誉会長)「文通によって、さらに友情は深まっていく」

第2部 こうすれば誰とでも仲良くなれる

1.初対面の作法 相手の心を開かせるマスターキーがある
2.継続させる作法 単なる出会いで終わらせないために
3.一線を越えない作法 ひとつ距離のとり方を間違えると、大変なことになる
4.聞き上手の作法 「9割聞いて1割話す」でちょうどいい
5.甘える作法 長蛇の列に並んで待つような生き方は好きじゃない
6.手紙の作法 下手な字でも相手の心を動かすことはできる
7.じかあたりの作法 こちらから仕掛ける「人生の出会い」が重要だ
8.馴染みになる作法 3回で自分の店にしてしまう技術を教えて差しあげよう


【ポイント】

■熱い思いの丈を書いた手紙「紙爆弾」

 それは、塩野さんに対するわたしの熱い思いの丈を書いた手紙をローマに送ることだった。それも万年筆で便箋にではなく、和紙の巻紙に墨をたっぷり含ませた毛筆で書き上げた。(中略)

 あのお洒落な塩野七生さんがアルマーニの部屋着を着て、約400年前に建てられた古いローマの館の一室で、美味しい日本茶を飲みながら、日本から送られてきた1メートルもある巻物の文を読んでいる姿を想像してみてほしい。


■今東光大僧正の週刊プレイボーイの人生相談での言葉

「君が素敵な友を欲しいなら、まず君から素敵な友になってやることだ。恋人もそうだ。君がまず素敵な恋人にならなければ、相手だって素敵な恋人になってはくれない」


■今東光流「名刺術」

初めて会う人が1度に5~6人いるときは、特徴のある人を2人だけ即座に名前と顔を憶えて、名刺は直ちに仕舞う。30分も歓談していると、その顔と名前が一致した人物が必ずなにか面白いことをいうものである。
 そのときである。
「面白いですねえ、○○○○○さん!」という。
 相手は広谷同様驚き感動してひっくり返ってしまう。


■わざと扉をあけさせてアピールw

 阿部さんと一緒に乗った部下は、エレベーターが閉まってからわざと間違えた振りをしてエレベーターのドアを再び開けた。そこには頭をまだ90度に下げたままのシマジがいた。驚いた阿部さんは「いやいやどうもどうも」とまた深々頭を下げた。


■一瞬にして理解される必要性

 編集者の場合は、こいつと仕事をすると面白いかもと一瞬にして相手に思わせることが重要である。


■用がなくてもしょっちゅう会う

 営業の世界でもそうだと思う。1つの仕事が終わったときから、親しくなった相手の会社の人と付き合いを深くしていけば、また大きな仕事が舞い込んでくるはずだ。単なるルーティン・ワークからはなにも生まれない。


■早坂茂三氏の小沢一郎氏評

「いまの日本でやっぱりイッちゃんしかいないでしょう」と、20年も前に早坂さんは語った。イッっちゃんとは小沢一郎である。
「どうしてですか?」
「イッちゃんは顔が怖い。あれがいいんだよ。いま、ぺらぺらした顔が多いなか、凄味がある。シマちゃん、男は顔です。それによう勉強してる。ギボンの『ローマ帝国衰亡史』なんかちゃんと読んでるんだ」

早坂 茂三 ¥ 1,020


■身だしなみは、言葉以上にモノを言う

 人に会うときのお洒落は重要である。特に靴はぴかぴかに磨いておくべきだ。イタリアの靴屋で聞いた取って置きの磨き方を披露しよう。
 日本の靴磨きでも最後によく水を付けるが、あれを安いスプマンテかシャンパンをちょっと付けて仕上げると驚くほど光り輝く。


■「9割聞いて1割話す」でちょうどいい

 あるとき太刀川さんは偉い財界人の小さな集まりにわたしを誘ってくれた。よせばいいのにわたしははしゃぎ、お喋りがとまらなくなってしまった。(中略)

 バーのカウンターに着くなり、太刀川さんがドスのきいた声で話し出した。
「いいか、シマジ。今日は君にとってためになる話をあのお二人から聞いてもらおうと思って、宴席をセッティングしたんだ。なにも君の話を聞かせようとして時間をとってもらったんじゃない。君は喋りすぎる。目上のその道の偉い人の話をもっと聞いて学ばなきゃダメだ」
 わたしは一言もなかった。


■料理人と親しくなるコツ

 とにかく初めての人と話すときは、いつも今東光大僧正がしてたように、こぼれるような笑顔で元気よく大きな声で話さなければならない。笑顔こそが相手の警戒心を取り除く優れた武器なのである。いちばんダメなタイプは、金はおれが払うんだと威張っているお客だ。


【所感】

◆本書は冒頭で、あの「ローマ人の物語」の塩野七生さんにアタックすべく、ローマにいる塩野さんに宛てて、島地さんが手紙を書くところから始まります。

まぁ、その手紙も上記のように力作なんですが、ころあいを見計らって塩野さんに国際電話で交渉。

結果的に面会を許されるのものの、与えられた時間はたったの「30分」

その30分のためにローマに向かった島地さんが、塩野さんをどう口説いて、最終的にどうなったか

まさに現代版「人を動かす」です罠www


◆他にも柴田錬三郎さんや、今東光さん開高健さんといった、一癖も二癖もあるよう方々をいかに口説いて、お仕事をしたかのウラ話が満載。

もちろん、それぞれの作家さんも魅力的なのはもちろんなのですが、そういうような方々に、いかに「愛されるか」

本書で島地さんが言うところの「えこひいきされるか」秘訣が、本書にはザクザク掲載されています。

「愛される」というと、この本に書かれているように竜ちゃんリーダーに愛された、有吉弘行氏みたいですがw

竜兵会 ¥ 1,470

参考記事:【人心掌握】有吉弘行の人心掌握術がスゴすぐる件(2009年04月18日)


◆もちろん、島地さんには「取材」「仕事の依頼」という大義名分があるため、私たちよりは、著名人にアプローチするのは比較的容易かもしれません。

ただし、だからといってそのポジションに甘えることなく、むしろベタすぎるくらいベタなやり方で、相手に近づき、そして心を開かせてしまう島地さん・・・。

いちばんベタ(?)だと思ったのが、週刊プレイボーイの人生相談を開高健さんに依頼する際に、酔った勢いとはいえ、開高さんを押し倒し、唇(ry

        ぅぉぇっぷ

           〃⌒ ヽフ
          /   rノ
         Ο Ο_)***



◆ただ、島地さんの読書量も半端ではなく、懇意になりたい作家さんの作品を読んでいるのはもちろんのこと、「ひとりの読者」「ひとりの本好き」としても、作家さんを口説いているのが印象的でした。

「ビジネス書大賞」にご本がノミネートされている、福原義春さんとの本書における章も、最初の小見出しが、「本読み同士は、会って2~3分話せばわかり合える」ですからねーw

だから人は本を読む
だから人は本を読む


◆私はいわゆる「ノウハウマニア」な方ですし、当ブログもスキルアップを目指しておりますので、上記ポイントでは比較的テクニックの部分を多めに選びました。

しかし、本書の本当の「キモ」は、島地さんと著名な方々とのやりとりやふれあい、さらにはここには書けなかった様々な逸話だと思われ。

相手あってのことですし、そのまま実践するのはかなり難しいのですが、「ワンランク」どころか「ファイブランク」くらい上の「コミュニケーション術」が描かれており、堪能できることウケアイ。

少なくとも、著名著者さんに本を書いて欲しい編集者さんやブロガーに献本される著者さん、出版社さんならマストでしょうw


えこひいきされたい方も、当然必読で!

えこひいきされる技術 (講談社プラスアルファ新書)
えこひいきされる技術 (講談社プラスアルファ新書)


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【ラジオ版「人を動かす」】「こうすれば必ず人は動く」デール・カーネギー(2008年10月04日)

【人脈】「一生モノの人脈力」キース・フェラッジ(2008年04月07日)


【編集後記】

◆昨日投稿した、ビジネス書大賞の記事ですが。

【裏?】「ビジネス書大賞Biz-Tai2010」の本を並べ替えてみましたw

並べ替えは別としても、1ページに無理やり(?)押し込んだがゆえに検索が容易になったのが、一番のメリットだと自分では思っています。

是非とも、お気に入りの本を投票してみてくださいませ。


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