2009年11月21日
【時間術】『「時間力」養成講座』小宮一慶
どんな時代もサバイバルする人の「時間力」養成講座 (ディスカヴァー携書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、小宮一慶さんの一連の『「〜力」養成講座』シリーズ最新刊、『「時間力」養成講座』。自己啓発書のベストセラー作家さんが一度は通る(?)「時間術」に、小宮先生も参戦ですw
アマゾンの内容紹介の最後の部分を引用。
帯にもあるように「量ではなくて、質が肝心!」を意識した時間術が展開されています!本書は、経営コンサルタントとして、毎月、北海道から九州まで十数社の顧問先の経営会議等に出席するかたわら、年平均200ヵ所での講演、月に2回ほどのテレビ出演、さらには、月10本以上の連載と年に数冊の単行本の執筆、そして、毎年欠かさない家族との長い夏休みと、常人の5倍は仕事をこなす──
それも、著者にあったことのある人ならよくご存じのように、いつも明るくゆとりを持って──
著者が、満を持して著した、「時間の質」に注目した、究極の時間術です。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第一部 時間力を高める考え方編
第1章 時間力を高める考え方
1 やる気の高い時間を持つ
2 後ろ向きの時間を減らす
3 目的と目標を持つ ほか
第二部 時間力を高める技
第2章 インプット力を高めるための技
1 「技」は時間の節約
2 必要になりそうなことは、コンスタントにインプットしておく
3 フレームワークを勉強する ほか
第3章 アウトプット力を高めるための技
1 書く時間を短くする方法
2 最大の成果を生む話し方
3 話す、書く機会を増やす
第三部 時間力を高める習慣
第4章 時間力を阻害する七つの誘惑と実は大切なひとつのこと
誘惑1 時間があること
誘惑2 時間を決めないで残業をたくさんする
誘惑3 簡単な仕事を速くこなして仕事ができると勘違いする ほか
第5章 時間力を高める10のちょっとしたコツ
コツ1 やるべきことを時間軸とともに正確に把握する
空き時間を知る
朝一番、週一番、月一番にTo doを書き込む
コツ2 自分の事務処理能力を知る
コツ3 自分の調子のよい時間帯をもっとも創造的な仕事にあてる ほか
あとがき
【ポイント】
■「時間力」の基本その1・「自分の時間を把握していること」最初に気づいた年収2000万円の人と500万円の人の違いは、前者のほうが後者より、自分の時間の使い方を把握している人が多い、ということでした。
「1週間の168時間を何にどのように使っているかをおおよそ把握していますか?」という設問に対し、「YES」と答えた人の割合は、2000万円台の人のほうが10ポイント近く高かったのです。
■自由度の低いしごとをやる気をもってやる
つまり、「仕事」をしているのか、「作業」をしているのか。という話です。
同じ封筒貼りをするにしても、同じプレゼン資料作りをするにしても、やる気があってやっているかぎり、やはり創造力も働いてきますし、それまでの実力以上にがんばりますから何かしら腕が上がります。
■ネガティブな時間をポジティブな時間にする方法
左手の手首に輪ゴムをはめる。そして、「頭にきた!」とか、「こんなことになったら、どうしよう」などとネガティブなことを思った瞬間、その輪ゴムを引っ張って、パチンとやるのです。
■ブレークダウン式よりステップアップ式
だまされたと思って繰り返してください。月初にその月の目標を立てる。それを続けていると、1年以内に、長期の目標が見つかるようになると思います。
月間目標自体は、別に新しいことでもありませんが、でも、いまお話した月間目標の立て方が、ふつうの方法とちょっと違っていることに、お気づきですか?(中略)
だって、ブレークダウン式じゃないから!
■最初に基本コンセプトを学ぶ
「技」は、時間の節約のためにあり、時間の節約するうえでもっとも大事なのは、最初に、基本コンセプトとノウハウを習っておくことです。
■論理的思考力を高める
『ビジネスマンのための「読書力」養成講座』に詳しく書きましたが、論理的思考力は、論理的思考力の高い人が書いたむずかしい本を熟読することによって高まります。
■講演では意味ではなく意識を伝える
意識というのは、実は、文章では伝えきれません。文章は「意味」だからです。
でも意味を伝えるだけだったら、そもそも話す必要はないわけです。(中略)
せっかくわざわざ会場までいらしていただくからには、資料を読んで理解できる「意味」以上のものを伝えるべきではないでしょうか。
■話がうまくなるいちばんのコツは書くこと
書いていれば、文章は必ず、マルで終わります。ところが、下手な人の話というのは、マルがない。文章がやたら長くて、よく聞いていると、終わらないのです。頭の中でつながっていることを、だらだら、だらだらと話すのです。
■簡単な仕事を速くこなして仕事ができると勘違いしない
簡単な仕事を適当にこなして速くやれるようになって、自分は仕事ができると勘違いしてしまっている人を結構見かけますが、そこは、早く卒業してしまわなければいけません。(中略)
簡単な仕事にも実は奥があることをわきまえ、その深みを自分で勉強していく人には次のステップがありますが、それを考えない人は一生、単純作業をやっていくことになるかもしれないという話です。
■自分の事務処理能力を知る
どんなにがんばっても、30分かかることを10分ではできません。それなのに、できるはずだと計画を立てても、積み残しがどんどん出てきてしまうだけです。
実際のところ、それぞれの作業を自分がどのくらいの時間でできるのか?
それを把握しておくことが大事です。
【感想】
◆実は本書のキモとなるコンテンツで、上記ポイントで丸々抜けている部分があります。ただ、その部分について、本書の帯に
とあって、結構これで引っ張って購入を促す感じがしないでもないので、空気読んで自重w「重要度―緊急度」に代わる画期的小宮式マトリクスとは!?
まさにそれこそが、冒頭で「量ではなくて、質が肝心!」と書いた部分に関係するわけで、確かに本書は「時間術の本」としては、類書とちょっと毛色が違います。
◆と言うか、一般的な「時間管理術」「タイムマネジメント」を求める方だと、本書はちょっと面食らうかも。
つまるところ「時間管理」が「目的」なのか、「手段」なのか。
本書においては、「最終的な問題解決」を、「一般的な時間管理」で行おうとしていません。
アマゾンの内容紹介にも
とあるように、むしろ目指すところは、その成果物にあります。いくら時間をうまく配分したところで、肝心の、その時間を使って生み出すものの質と量が劣っているのだとしたら、意味はないし、実際、投入時間に、アウトプットの質と量が比例するわけではない。
◆ですから本書は、むしろ「質の高い時間を過ごしたい人」「仕事のパフォーマンスの高くしたい人」にとっては、「仕事術の本」として秀逸。
タイトルも『「仕事力」養成講座』だったとしても、私にとっては違和感がないような。
特に第2部は「インプット&アウトプット」ですし、実はその第2部が一番ボリュームも一番あるわけで。
◆逆に第3部は「小宮流タイムマネジメント」を展開。
ここにあるコツをマスターできれば、私も少なくとも「ブログ執筆に毎日3時間でヘロヘロ」ということはなさそう。
なるほど、実践するためには、これを使えばいいんですね、分かりますw
小宮 一慶 ¥ 1,575 |
◆いずれにせよ、大事なのは「自分の時間を把握すること」。
そして、それを「コントロールすること」。
かつてあまりにブログに投下する時間が多いのを、エクセルで作った日勤表で目の当たりにした私は、作るのをやめてしまったのですが、それではいつまで経っても現状から抜け出せないと実感した次第。
「来年こそは!」と思っているアナタに!←自分モナーw
どんな時代もサバイバルする人の「時間力」養成講座 (ディスカヴァー携書)
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【編集後記】
◆お馴染み「iPhone情報整理術」の隣に並んで置いてあったのがこの本。翔泳社
売り上げランキング: 13447
どうせiPhone持ってない私には関係ないですよーだ(プンスカ)!
ご声援ありがとうございました!
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あなたをダメにする時間管理術の落とし穴
http://book365.jp/archives/1055319.html
私が出版社の人だったら、多分書いて欲しくないような気がするので自重しましたが、書店でご確認頂ければ幸いです。
それとブログ記事拝見しました!
「メンタルバンク」面白そうですよね!
私がブログ執筆を外注に出すとしたら、いくらくらい払えるかな・・・(笑)?
僕は5千円に設定したのですが、smoothさんは5〜50万位にはなるのではないでしょうか(笑) 内容や時間、読者の規模を考えると、もっと上でもいいのかもしれませんが。
いくら払いたいかなので、現実的でなくてもいいみたいです(笑)
丁寧ね書評有難うございます。また、内容に関してのご配慮、ディスカヴァーさんに代わって、感謝します。
時間管理も大切ですが、やはりアウトプットがともなわなければ意味が小さいと思っています。
今後ともよろしくお願いします。
>smoothさんは5〜50万位
さすがにそれはアリエナイですが、そう思って頂けると光栄です。
でも、そのぐらいの気持ちをもって、読者の皆さんや、著者さん、出版社さんのためになるブログにできたらいいな、と思っています。
気遣いの件も了解ですw
>小宮先生
著者様直々のコメントありがとうございます。
先生が良質なアウトプットを量産し続けられる理由が、本書を読んでわかりました。
私も現実から目を背けずに、アウトプットし続けたいと思います。
こちらこそ、今後ともよろしくお願い申し上げます。
失礼しました。