2009年11月19日
【メール作法】「メール好感度」を格段に上げる6つの技術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、日頃からメールを駆使されているライターさんによる「お役立ちメール術」の本。本書の「はじめに」に
とあったので、3章の「わずかな工夫で一気に上達するメール術」から読み始めたところ意外な収穫が。メールの基本形についての1章、ツールとしてのメールソフトやパソコンについて知っておくための2章は、3章の補足と解釈してください。
ですから、時間が惜しい方は3章から読み、その後、1章、2章と読み進んでいただければと思います。
正直この本は、この「3章」と、それに続く「4章のケータイメールの部分」だけでも元はとれた感じ。
その中から6つ選んでまとめてみました。
【目次】
1 意外と見落としているメールの基本
手紙や電話よりメールが適しているケース
“お願いメール”と“お礼メール”の基本形
宛先はアドレスのままでいいか ほか
2 メールソフトを使いこなせていますか
文字の大きさは初期設定のままで
書体はゴシック体か明朝体
大切な部分には色をつけてみる ほか
3 わずかな工夫で一気に上達するメール術
過剰にならない配慮と工夫
“多忙派”にはひと目で理解できる簡潔文で
???を(1)(2)(3)と書く理由 ほか
4 便利で恥をかかないケータイメール活用法
出先で威力を発揮するケータイメール
ケータイメールはパソコンメールよりも簡潔に
スマートなお誘いとお断り ほか
付録 これだけは知っておきたい用語集
【ポイント】
■1.擬音語や擬態語で親しみのある文章に◆私ももはや「年長者」に属する人間なわけで、私の周りや私より上の世代の人にとっては、メールで使われる「言葉遣い」に結構反応したりするもの。
かといって、丁寧な言葉づかいを続けていても、相手との距離はなかなか縮まりません。
そこで活用すべきが「擬音語」や「擬態語」。
メール文に限らず用いられる手法ですが、それだけで文章はやわらかくなり、読む人に親近感を抱かせることができます。
◆本書にある例文から事例を1つ紹介してみます。
まずは通常バージョンから。
悪くないですが、普通。先日はおいしい食事をご馳走になり、
ありがとうございました。
三ツ星のフレンチレストランでの
食事は初めての体験で、
その静かさに緊張してしまいました。
これに擬音語や擬態語を使ってみるとこの通り。
確かに、擬音語や擬態語が加わることによって、メールが少しソフトになった感じ。先日はおいしい食事をご馳走になり、
ありがとうございました。
三ツ星のフレンチレストランでの
食事は初めての体験で、
シーンと静まりかえったお店で、
ドキドキしてしまいました。
親しみを持ってもらおうと、くだけた言葉や顔文字を使うよりは、スマートかと。
また、これならビジネスシーンでも活用できそうそうな。
■2.「!」の意外な効用
◆「!」(感嘆符)は、本来英語の記号なので、硬い文章で使うのは問題がある、と考える方もいらっしゃるようです。
実際、著者の神舘さんが勤められていた出版社でも、基本的に原稿内で使用することを禁じていたそう。
一方、神舘さんの知り合いの、ある出版社の編集者は、メールで「!」を多用していたそう。
「ありがとう!」「了解です!」「OK!」「すまない!」
ありとあらゆるケースで「!」を使ってきます。最初は不思議でした。この男は恥ずかしくはないのだろうか、と。なにしろ、彼は私と同じ年齢で、その当時すでに40歳になっていました。にもかかわらず「!」の連発。
◆しかし、神舘さんがその編集者に問うたところ、その彼が「!」を使う最大の理由は、彼が「あまりにも忙しい」ということでした。
確かに「ありがとうございます!」「後ほどお返事いたします!」の方が、「ちゃんと読んで返事している感」はありますねwありがとうございます。
後ほどお返事いたします。
彼の説明によると、このようにふつうにレスポンスするよりは、言葉にアクセントが付く「!」付きのほうが、実感として、相手が安心してくれるということでした。間違いなくメールを読んだと、理解してもらえるのだそうです。
そういえば私のお知り合いの某著者さんも、おそらく毎日大量にメールを処理されているからだと思うのですが、1通1通のメールが短い代わりに、「!」を多用されています。
大量のメールを書かれる方は、参考にしてもよいかもしれません。
■3.「ー」「〜」の効果的な使い方
◆ビジネスシーンでは、「ご都合はいかがですか〜」といった「〜」「ー」の使い方は、基本的にはアウト。
ただし、時として使い勝手いい場合があります。
具体例として、神舘さんご自身メールが。それは、頼みづらいことを、プレッシャーを与えないようにして伝えるときです。めんどうな仕事の依頼、相手に急いでほしいときの催促、借金返済の催促……などです。
ちなみにこれは、大金ではなく「数万円の催促なんでいいづらかった」そうで、「〜」一文字に込められた神舘さんの想いが伝わってきますねwところで、別件ですみませんが、
昨年の原稿料もよろしくです〜。
ちなみにこの原稿が何文字か存じ上げないものの、「数万円なら私なら"キリッと"」言いますが、何かw?
■4.表現の重複を避ける
◆これは私も一応気をつけていること。
メールだけでなく、ブログ等でも同じです。
本書には表現別に、具体例がありましたので、いくつかご紹介。文章を書く上で注意を払い、メールを送信する前に再チェックしておきたいことの1つに、表現の重複があります。短いメールの中で同じ表現をくり返すのは、誤りでないものの、かっこよくはありません。
●感謝の表現
「ありがとうございます」「感謝いたします」「お礼申し上げます」
●お詫びの表現
「申し訳なく存じます」「失礼いたしました」「おわびいたします」
●断りの表現
「ご要望に沿いかねます」「ご期待に沿うことができません」「お断りいたします」
・・・ただ、最後の「断りの表現」は、これに敵うものはないかとw
勝間和代十夜の表紙を描いてみた:ヨネログ
■5.自分語りメールは恥ずかしい
◆ここからは「ケータイメール」について。
初っ端は「痛いメール」例。
これは「飲み会で2度会っただけ」の男性(「友達とも言いがたい」そう)から、30代前半の女性・マイさんが、深夜1時に受信したメールです。
それに対する、もらったマイさんの反応。お疲れー♪オレ、今、やっと仕事が終わって、タクシーに乗ったところ。コンビニで買ったツナマヨのおにぎりパクついてまーす。今日はこれが最初で最後の食事だー(ToT)でも、オレ、テツヤ君はニッポンの企業戦士。頑張るぞー!
「こういう、どうレスポンスしていいかわからない"オレ頑張ってるでしょ!"という自分語りメールを送信してくる男性って、ものすごく多いです。正直なところ、勝手にツナマヨ食べてれば、としか言いようがないですよね」
◆実際、この手の男性から女性へのケータイメールによくある特徴が「オレは忙しい」「オレは仕事ができる」という「自分語り」。
本書には他にも色々な「困ったちゃん」メール例が載っていて、待ち合わせのときと、自分のヨメにしかケータイメールを使わない私はちょっとビックリしますた。男性の多くは自分が大好きで、"自分が好きな自分"を女性にほめてもらいたい生き物なのでしょう、そしてケータイメールが使いやすくなるにしたがって、自分語りメールは増えています。うっかりやってしまわないように、気をつけたいものです。
やはりケータイメールも「相手の女性への配慮」は心がけたいものです。
■6.相手に好印象をもたれるケータイメール
◆上とは逆に、今度は好印象をもってもらえるメール。
同じ女性がもらった別の男性からのケータイメールがこちら。
文章はこれだけで、メールには満開の桜の花の写真が添付されていたそう。仕事で京都にいます。目の前の高瀬川の桜があまりにもきれいなので、僕だけで見るのはもったいない。マイさんにもおすそわけしますね。
私は見た事無いのですが、こんな感じ?
高瀬川の桜:Google画像検索
◆そしてメールをもらったマイさんのお話。
何たって、このメールへのマイさんからの返信が「とってもきれい!来年のこの季節にはご一緒したいですね!」って、何そのフラグwww「思いがけないタイミングで、思いがけない楽しいメールが届いて、すごくうれしかったことをよく覚えています。もらったことによって元気がでるメール、励まされるメール、思いやりが感じられるメールをもらうと、その日1日をうきうきと、とても気持ちよく過ごせます。この京都の桜の"便り"は、まさしくそんなケータイメールでした」
よーし、パパも新宿行ったことにして、夜景の画像パクって、女性口説いちゃ(ry
【感想】
◆後半のケータイメールに関しては、私自身が使い慣れていないのと、世代的な問題で、正直自信がありませぬ。世代と言えば、著者の神舘さんって、私と同じ年なんですよ。
もし「自分語りが主流」とかだったらゴメンナサイ。
また、その「痛い」メールも、許容範囲は相手の男性によって違う悪寒。
たとえそれほど親しくなくとも、「イケメンなら許される」と言う可能性は十分にあります。
イケメンじゃないワタクシは、当然自重するわけですが。←当たり前
◆本書には「ケータイメールを使うポイント」が9つ挙げられていたので、そこからいくつかご紹介しておきます。
●過剰なアピールをしない。
●長文は避ける。
●具体的な用件がないメールを送った場合は、返信を求めない。期待しない。
●相手が愉快な気持ちになるメールを心がける。メールで絶対にグチらない。
●メールで詩を書いたり、哲学的なことを語ったりはしない。
心当たりのある方は、一応ご留意を。
◆個人的には、ケータイメールよりも、通常のPCのメールに関しての方が、本書は参考になりました。
特に「!」の使い方に関しては、結構「目からウロコ」。
私も出版業界の隅っこの方で生息していると、色々と「連絡」やら「確認」やら「依頼」やら「提案」のメールが舞い込んできます。
初めてメールをやりとりする方だと微妙ですが、今までお付き合いがあったり、リアルでお会いしている出版社の方とのこういった連絡系のメールなら、「!」を活用して、メールを短くすることができそうな。
てか、そもそも私より長文のメールを書く人もあまりいないかもw
◆本書は実践的な3章4章に比べると、1章2章はかなりベーシック。
ただ逆に、新入社員や新人さんに、通り一遍の知識を与えるには良さげな感じです。
私のように、脱サラしてからパソコンを始めた場合、周りに誰も教えてくれる人がいなくて、かなり回り道をした上に迷子にまでなったりしますから。
「あぁ、あの頃この本があれば」(遠い目)。
「真っ当なメール術」なのにひと味違います!

「メール好感度」を格段に上げる技術 (新潮新書)
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【編集後記】
◆ヨメが大学院の論文書くのにパワポを使っているのを、指をくわえて見ているワタクシ。ちょっと気になるんですが、この本買っても「猫に小判」なんだろうな・・・。

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