2009年11月17日
【スゴ本】アナタが「アメリカCEOのベストビジネス書100」を読むべき6つの理由
講談社
売り上げランキング: 2736
【本の概要】
◆先日「MBA御用達本」を記事にしたばかりなのに、今日も負けず劣らず濃い内容の「CEO御用達本」をご紹介。タイトルは「アメリカCEOのベストビジネス書100 」。
何たって、あの土井英司さんが監修されたビジネス書ガイドブックなわけですから、土井さんのメルマガで本書の存在を知ったときから、その充実振りは予想されていました。
今般、実際に読んでみて、「選書」だけでなく、その本としての「作り」も見事なクオリティであると実感。
まさに「マスト」な1冊です!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
解説 これは、まさに私の選書リストだ
「ビジネスブックマラソン」編集長 土井英司
まえがき CEOはどんなビジネス書を読んできたのか?
1章 まず、あなた自身から
忘我の境地こそフローの感覚 『フロー体験 喜びの現象学』
まず、必要な行動を明確にせよ 『ストレスフリーの整理術』 ほか
2章 リーダーシップとは
生まれながらのリーダーはいない 『リーダーになる』
実話に学ぶリーダーシップの原則 『九つの決断』 ほか
3章 戦略を考える
超優良企業の観察をもとに提言された時代を超える企業ビジョン『エクセレント・カンパニー』
平均的企業が大きく飛躍する法則 『ビジョナリー・カンパニー』 ほか
4章 販売とマーケティングのコツ
セールスと消費における人間心理のメカニズム 『影響力の武器』
モノと情報の過剰供給社会では「ポジショニングが不可欠だ」 『ポジショニング戦略』 ほか
5章 ルールを知って、スコアをつける
賢い人のための経済学入門 『裸の経済学』
会計の基本ルールと問題点をわかりやすく示した書 『Financial Inteligence』 ほか
6章 マネジメントは組織運営の要諦
ドラッカー作品群の"ベスト盤" 『チェンジ・リーダーの条件』『プロフェッショナルの条件』『イノベーターの条件』
徹底的にムダを排除する、トヨタの生産方式に学べ 『トヨタ生産方式』 ほか
7章 伝記から学ぶ
石油王ロックフェラーの貪欲かつ人道的な生涯 『タイタン(上・下)』
GMの地位を引き上げた偉大な経営者の記録 『GMとともに』 ほか
8章 起業家精神
起業のノウハウを軽妙な語り口で説いた1冊 『起業成功マニュアル』
スモールビジネスで成功する基本ルールとは 『はじめの一歩を踏み出そう』 ほか
9章 物語(ナラティブ)
厳格な戦略で築き上げたマクドナルドの成功物語 『マクドナルド』
鉄鋼業界で生き残りをかけた、スリルとロマンあふれるストーリー 『鉄鋼サバイバル』 ほか
10章 イノベーションと創造性
アイデアを形にする「ベストプラクティス」の精神 『発想する会社!』
創造的な自己発掘のための実践的ガイドブック 『頭脳(あたま)を鍛える練習帳』 ほか
11章 ビッグアイデアは未来に続く
人々のライフスタイルはどのように変化していくのか 『ビジネスマン価値逆転の時代』
コントロールを手放すことが進歩へのカギだ 『「複雑系」を超えて』 ほか
12章 さわりで読む
キャリアの移行期を乗り切る実用的な指針 『ハーバード・ビジネス式マネジメント』
会社を再建させたCEOが語る経営のイロハと企業理念 『組織に活を入れろ』 ほか
【アナタが読むべき6つの理由】
■1.アメリカ版「ビジネスブックマラソン」とでも言うべきポジショニングである◆当ブログの読者さんなら土井英司さんや、土井さんのメルマガ「ビジネスブックマラソン」のことは当然のようにご存知だと思います。
ならば本書の著者であるジャック・コヴァートとトッド・サッターステンは・・・というと、私は恥ずかしながら知らなかったのですが、アマゾンにはこのような記載が。
本書内の文章もこの2人が書いており、それぞれ書評の最後に署名があるので、どちらか書いたのかわかるという仕様。ジャック・コヴァート
800-CEO-READの創設者にして主宰者。800-CEO-READは、当初はハリー・W・シュワルツ書店の子会社として創設されたが独立し、いまや年商7億円のビジネス書専門書店にまで発展した。
トッド・サッターステン
2004年、800-CEO-READに参加、現在は社長を務める。従来のビジネス書に加え、とくに「ビッグ・アイデア」への関心が高い。
◆そして、二人の会社の名前であり、同時に運営する新刊情報サービスの名称でもある「800-CEO-READ」についても、本書の内容がアマゾンにまとまっていたので、そちらを引用します。
まさに「日本版『ビジネスブックマラソン』ではないか、と。創設当初は、顧客に新刊を知らせるために、新規入荷書籍のリストをジャックが毎週、手作業でまとめていた。この週刊リストが「ジャック・コヴァート・セレクト」という月刊のレビューに発展、評判になる。2004年のトッド入社以降は、毎日更新されるブログや、週2回発信されるポッドキャストchange this.comで月に一度掲載されるエッセイなどへ発展していった。最近では“800-CEO-READ ビジネス書大賞”が設けられ、『In the Books』が発刊された。両者とも、年間を通して最高のビジネス書を取り上げている。
■2.土井さん曰く「これは私の選書リストではないのか?」という位「土井テイスト」である
◆本書は、その「位置づけ」だけでなく、「選書」においても、土井さんに近いものがある・・・と、土井さん自らが解説で言われています。
本書からの引用。
ここまで読んで、一瞬「(´・д・`) エー」と思ったものの、次で一変w本を紹介するのは私のライフワークであり、それゆえに書評の依頼は大歓迎なのだが、いかんせん、推薦とか監修とかいった仕事は性に合わない。
本書のの監訳の話も、正直、はじめは気乗りがしなかった。
いかに全米のCEOが支持している有名書評家の厳選ビジネス書ガイドとはいえ、しょせんは他人の視点で選ばれたもの。そんなものを薦めるのは、自分の信用にかかわる。
まるで「お前は俺か?」状態wしかし、講談社の担当編集者に会い、本書で紹介されている本のリストを見た瞬間、気が変わった。
「これは私の選書リストではないのか?」
決して大げさではなく、そう思うほど趣味が似通っていたのだ。
具体的にどの辺の本でそう思ったのかは、本書でご確認頂きたく。
かなりマニアック(?)な本も挙げられていたので、「なるほどねー」と思ってみたりw
■3.「編集者涙目」の552ページの厚さ
◆本書は原本だと、352ページ。
The 100 Best Business Books of All Time
ところが、翻訳されたこちらのバージョンですと552ページと大増量!
当初、出版社側としては「この中から30冊ほどを選んで出そう」としていたそう。
しかし土井さんは、監訳を引き受けるにあたって、「100冊全部をカットなしで」というリクエストをしたのだとか。
テラスゴス!
◆結果的に本書は、かなりの量の洋書ビジネス書を網羅することに成功。
これはもはや「良質な『ビジネス書図鑑』」の佇まいですね。
そして実は、本書に登場する本は100冊を大幅に上回るのですが、それは次の理由にて。
■4.「本」同士が有機的に絡み合っているので、理解が深まる
◆本書は、選んだ本を1冊ずつ評するだけでなく、おしまいに「次によむべきところは?」と題して、本書内でその本に関連する「他の本」を紹介(ただし、書名ではなく、ページ数と理由が記載されています)。
加えて「さらに読むべき本は?」と題して、本書に収録されていない他のビジネス書まで推奨しています(こちらはタイトルを紹介)。
これらがそれぞれ2〜4冊くらいあるので、1冊気に入った本があれば、それに関連する本を、他に5,6冊知りえることに。
◆例えば、本書で紹介されているこの本。
この本の「次に読むべきところは?」として挙げられているのは、次のページ(と本)。
▲350ページ、ハイテク企業を立ち上げるために
▲34ページ、テクノロジー通は生活をどう管理しているかについて
▲324ページ、ハイテク大企業の創設について
◆一方、「さらに読むべき本は?」として挙げられているのは、次の本でした(未邦訳本を除く)。
リック レバイン, ドク サールズ, クリストファー ロック, デビッド ワインバーガー, Rick Levine, Doc Searls, Christopher Locke, David Weinberger, 倉骨 彰 ¥ 1,680 |
1冊1冊にこんな感じで付加情報があるわけですから、それは理解も深まります罠。
というか、収録されていない本まで紹介しているんですから、「全部で何冊登場するのか?」という話もw
■5.絶版本・未翻訳本もザクザク
◆本書を読んで初めて知ったのですが、書評本には「現在買える本だけ紹介する」という鉄のオキテがあるのだそう。
ところが本書は、土井さんが「100冊全部紹介汁!」と決めてしまった以上、そのオキテが破られることに。
「オキテ?そんなのカンケーネー」とばかりに、「絶版本」や「未訳本」でも登場します。
もちろん、絶版本なら古本屋等にはあるかもしれませんから、せどらーの皆様におかれましては、早めのアタック&ゲットを推奨。
また、出版社さんにおかれましては、版権獲得等にいそしんでいただければ、と。
◆折角なので、気になった未訳本の中から1冊・・・。
Annette Simmons ¥ 1,571 |
この本の紹介ページのタイトルが「ストーリーテリングの手法で話す技術を磨け!」とのことなので、読みたくなった方もいらっしゃいそうなw
一方、絶版本(だと思われ)の中からは、自分の本業に活かせそうなこの本をアマゾンアタック!
というか、今まで安価に手に入った本も、こうして大々的にプッシュされてしまうと、中古市場でも値上がり必至なので、気になる本はお早めに。
この本なども、今現在でもそれなりに高値なのに、この機会にドッと値上がりしちゃうかも。
■6.コラムも充実している
◆本書は合間合間にコラムがあるのですが、これがまた結構面白いです。
「映画に見るリーダーシップ」と題して、本ではなく映画を紹介したり、「かつては子どもだったビジネスパーソンのために」と題して児童書を紹介したり。
ただ、当ブログの読者さん的には、「800-CEO-READの読者が選んだビジネス書ベスト10」あたりが気になりそう。
ネタバレ自重して、飛び飛びでご紹介してみます。
10位
9位
8位『ヤバい経済学』
7位
6位『急に売れ始めるにはワケがある』
5位『人を動かす』
4位
3位
2位『7つの習慣』
1位
詳細は本書をご覧アレ!
【感想】
◆とにかく分厚いので、読むのにも骨が折れました。ただ、読み終わった後は心地よい疲労感が。
「まだまだ面白いビジネス書はたくさんある」と、ちょっとうれしくなってみたり。
私も書評系ブロガーのはしくれとして、こういう「達人のオススメ」を披露されると、とりあえず片っ端から読みたくなるんですよね。
あぁ、また睡眠不足がwww
◆そして「選書」だけでなく、二人の著者の「本を射抜くチカラ」も本書の魅力かと。
この辺は、訳者さんや監訳されている土井さんの力にもよるとは思うのですが、「書評」としてみても、クオリティが高いと思います。
まえがきから著者の言葉を引用。
アチラはプロなんで、当たり前かもしれませんが、「ビジネス書の書評」として、「1つの理想形」ではないでしょうか?各ビジネス書の解説にあたっては、本書『The 100 Best Business Books of All Time』の副題「何を訴えているのか、なぜ重要なのか、どのように役立つか」に忠実であろうとした。1冊を500から1000語で紹介するのは大胆な試みだったが、要約、筆者自身のエピソード、著者の伝えるアイデアの背景、そして最高の活用法などが融合されたレビューとなった。
書評ブログをおやりになられている方にも、ぜひ参考にしてみて頂きたいところ。
私には、このような「オーソドックスで完成度の高い書き方」は、なかなか難しそうですが、目指してみたい「1つのゴール」ではあります。
◆おしまいに土井さんのお言葉から再び。
了解しますた。正直言って、二人の著者のことはよく知らない。だが、このリストを見て本書を薦められないなら、日本の書評家として恥ずかしい。
日本の"書評系ブロガー"の一人として"激オススメ"させて頂きます。
ビジネス書好きなら"買わざるを得ない"1冊!
講談社
売り上げランキング: 2736
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【編集後記】
◆実は今日ご紹介した「アメリカCEOのベストビジネス書100」と、土井さんのこの本とは、土井さんの解説によると「紹介しているそれぞれの本が根本のところでリンクしている」という点で同じなのだそう(上記「理由」の4番目ですね)。土井 英司 ¥ 1,575 |
参考記事:「成功読書術 ビジネスに生かす名著の読み方」 土井英司 (著)(2005年04月27日)
ちょっと古い本(でも扱っているのは名著なので関係なし)ですが、まだの方は、ぜひ一度お読み下さいマセ。
ご声援ありがとうございました!
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