2009年11月15日
もしものときのための「トップMBAの必読文献」6選
東洋経済新報社
売り上げランキング: 4092
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「スゴ本のカタログ」。本書、「トップMBAの必読文献」は、第1部「世界の経営バイブル41冊」、第2部「各領域の経営書75冊の概略紹介」、そして第3部「主要MBAスクールで指定される書籍500冊のリスト」から構成される300ページ超のハードコアな1冊です。
中でもすごいのが第1部における各書籍の掘り下げ方。
各書籍ごとに「バイブル特性マップ」と称して、「難易度(高・低)」と「領域の幅(基本・専門)」の2軸でポジショニングの提示までしています(後で図を載せました)。
私も最初は「経営?興味ナス」と思ったのですが、ガチな企業経営本だけでなく、下記目次にもあるようにかなり多様なジャンルで展開されており、手に取ったら買わざるを得なくなったという。
なお、タイトルは「ホッテントリメーカー」作でございます。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第一部 トップMBAの必読文献
第1章アカウンティング
第2章 統計と分析
第3章 経済学
第4章 ファイナンス
第5章 マーケティング
第6章 オペレーションズ
第7章 組織行動
第8章 戦略
第9章 ゼネラル・マネジメント
第10章 リーダーシップ
第二部 各ビジネス分野における主要なテキスト
第三部 トップMBAで使用されている500のテキスト
【ポイント】
■本書の構成と特徴◆まえがきに上記小見出しで、簡単な記述がありました。
いわく、「本書と類似ビジネス書のガイドブックとの決定的な違いは、解説の内容にあります」とのこと。
ということで、本書の解説の仕方についての説明が。たいてい、どの書評や書籍紹介から読んでも、「抽象的」か、または「偏った不十分な解説」かのどちらかでしょう。
しかし、抽象的な書籍概要をいくら読んでも全く頭に入らないと思ったことはないでしょうか?
本書だと「一覧表」になっているのですが、ブログだと幅的にもキツいので、文章にて。
◆まずは「バイブル特性マップ」。
これについては、冒頭の解説だけだと分かりにくいかもしれないので、具体的なマップを。
例えば当ブログでもお馴染みの「予想どおりに不合理」はこうなっています。
難易度高
↑
基 | 専
礎←――+――→門
的 ● | 的
↓
難易度低
確かに、この本は広範囲に渡って、分かりやすく展開していたかと。
参考記事:【スゴ本】「予想どおりに不合理」ダン・アリエリー(2008年12月15日)
◆そして「本文」の方では、初っ端が「1.本書のよみどころ」。
これは「類書との違い」「類書に比べて際立っている点」ということで、まさに「それぞれの本の読みどころ」が簡潔にまとまっています。
量的にもそれほど多くないので、ここだけザーっと流し読みして、どの本から読むか決めるのもアリだと思われ。
◆次に「2.本書のメッセージ」。
曰く『本書における最大の特徴は、「本書のメッセージ」にあります』とのこと。
というわけで、各書籍ごとのこの部分が、その本の「キモ」となる部分なので、「読んだフリ」をするなら、まずこちらをw書籍を読むことの目的は、最終的には「結局何が重要であると言っているのか」という著者のメッセージや、書籍を通じた一番のポイントを理解することです。(中略)
しかし、実際、「骨太のメッセージ」を「体系的」に理解するのは非常に骨が折れます。実際、何度読んでも頭に入らないことも多いでしょう。本書では、その苦労の一部を緩和することを最大のテーマとしています。
本書ではあえて枝葉の記述を無視し、できる限り重要なメッセージをグルーピングして解釈した上で説明を加えています。時間のない方は、是非「本書のメッセージ」だけでも読んでほしいと思います。
◆また、こんな使い方も。
ちょwww本書のメッセージは、原点を理解するアンチョコとしても非常に役に立つほか、速読の練習ガイドとしても活用していただけます、つまり、バイブルとして提示されている書籍を自分なりに速読をし、自分なりの解釈によるメッセージやポイントを整理し、本書のメッセージと比較することで、また新たな気づきが得られるでしょう。
まさに「アンチョコ」状態!
ただし、使い方としては、「読んだフリ」をするのではなく、「速読の練習ガイド」としての方が、当ブログの読者さんには良いかと。
◆実際、ビジネススクールでは、1つの授業につき数冊の書籍(ほとんどが英語で、かつ数百ページある)が指定され、それが1日3科目、4科目とあったら、全部を隅から隅まで読むのは不可能です。
そもそも洋書の専門書を大量に読む場合、「必要な部分はどこか」を速読で探す方が先決です。そのため、本書でどんなポイントを把握するのかという目標を立て、そのポイントを把握するためのページだけを効果的に掘り下げていきます。マーケティングリサーチと同様で「必要な情報を全部とってから判断しよう」とすると日が暮れてしまうことをまず心に留めていただきたい。
それがここまでコンパクトにまとまっていたら、それは探しやすいかも。
事例等まではカバーし切れていませんが、「原典を俯瞰できるためのポイントを把握する」ことは可能でしょう。
◆なお、第3部は500ものテキスト(洋書)を「著者」「出版社」「使用大学」という記載事項のみに絞ってダーっと列挙しているので、そこだけ見てもどんな本で、何がポイントなのかはわかりません。
一方、第2部は主要MBAプログラムで使用されている洋書を、寸評とともに掲載。
これは当然、翻訳書が出ていないものもありますので、興味を持たれた業界の方はチェックしても良いかもw
以下ご紹介する書籍は、第1部の41冊のうち、個人的に「ピン」ときたものが中心となります。
■気になったバイブル
◆どんな書籍があるのか気になる方もいらっしゃるかもしれないので、何冊かご紹介しておきます。
◆値段もさることながら、「725ページ+657ページ」って、「それ何の罰ゲーム?」状態。とにかく平易で丁寧。ときおり入るユニークな説明も上下巻(翻訳版)にわたって読者を圧倒する分量の本書を、とっつきやすいバイブルに変えてくれる(本書は1冊)。
欧米の多くのトップビジネススクールにおいても指定テキストとして使用されており、コーポレート・ファイナンスのバイブルとして高い評価を受けている。
ただし、「バイブル特性マップ」によると、「難易度低・基礎的」と、とっつきやすい評価。
まずは本書でご確認を。
・・・アマゾンでページ数見てたまげますた。コトラー自身、多くの著書を出しているが、世界のビジネススクールでマーケティングの指定テキストとして使われるのは同氏の名著の一つである『マーケティング原理』ではなく、本書『マーケティング・マネジメント』
こ、こんな分厚い本がテキストだなんて。
でも、一応「バイブル特性マップ」ですと、上の本と同じなので・・・っていくらとっつきやすくともこのページ数は勘弁かも。
これは659ページとやや抑え目・・・って本の厚さの基準がおかしくなりつつありますね、マジで。競争の戦略同様、気の遠くなるような分析を通して構築された膨大な量の戦略体系と、それぞれの記述に含まれる徹底的に分解された緻密な分析内容は、ポーターならではの具体性と奥深さを物語っている名著中の名著といえる。
なお、この本は上2冊とは真逆のマッピングなんで、素人にはおすすめできない(キリッ)←自分もなw
◆この本は、「ベンチャー起業に関する知識と経験の集大成として、世界中のビジネススクールで高く評価されている」そう。理論と具体例やテンプレートが詰まった体系書でありながら、「大多数のベンチャー企業の多くは市場から去って行く」(「『失敗は法則』であり例外はない!」)と読者に安易な起業に警鐘を鳴らすなど、非常に現実的な視点と地に足のついた信念をもとに、ベンチャー経営の真髄を教えてくれる名著だ。
これまたちょっと高いですが、マーケットプレイスなら何とかなる・・・か?
ベンチャー起業をお考えの方なら要チェックかと。
◆この本は「名著」として一般的にも有名ですから、既にお読みになった方も多いことかと。技術版MBAと呼ばれるMOT(マネジメント・オブ・テクノロジー:技術経営)のカリキュラムの中でも体系的に網羅をし、すべての前提として最重要コンセプトに数えられるイノベーションマネジメントを理解する上でも必須の名著といえる。
値段も2000円超ですし、ページ数も300P超なんですが、何だか物すごくライトなイメージがするのは、他の本がガチすぎるからでしょうねw
なお、続編があることは、お恥ずかしながら知りませんでした(続編も本書に掲載されています)。
【所感】
◆さすがにMBAのテキストになるだけあって、分厚い作品がゴロゴロでした。それでも受講されている方々は、これらをテキストとして、読み込んで、理解しているワケですから、いつかは挑戦してみたいところ。
ただ、読めたとしても、ブログで記事にするのは難しそうな。
ツッコミ来たら、捌ききれる自信がありません罠。
◆とはいえ、全部が全部ガチな分厚い本かというとそうでもなく、上記の「予想どおりに不合理」以外にも、何冊か記事にしている本もありました。
参考記事:【オススメ】「アイデアのちから」が予想以上に面白かった件(2008年11月25日)
『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』 マルコム・グラッドウェル (著)(2006年03月01日)
ロバート・B・チャルディーニ, 社会行動研究会 ¥ 2,940 |
参考記事:【速報!】最強のビジネス本「影響力の武器」の[第二版]がいよいよ登場!!(2007年08月18日)
この辺りに救いを求めて(?)、挑戦してみるのも良いかもしれません。
◆もちろん、私たちは実際に授業を受けるわけではないので、速読して、ポイントを把握する必要はないハズです。
ただ、何か歯ごたえのある本を読みたい、と思った際に、「どの本がいいのか」をアドバイスしてくれるのが本書ではないか、と。
当ブログは、私の嗜好ゆえ(?)軽い読み口の本が多いですが、たまにはどっしりと本の世界に埋もれてみては・・・?
電車内で読んでいると、周りの見る目が変わります(体験者談w)!
東洋経済新報社
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【超強力ガイド本】「10年後あなたの本棚に残るビジネス書100」神田昌典&勝間和代(2008年10月31日)
【編集後記】
◆先日はてブ界隈で盛り上がったこの記事。ヒップホップで学ぶ日蓮:完全教祖マニュアル
そのブログ主の最新刊がコチラ。
上記記事が面白いと思える方ならはまりそうなヨカン。
私も記事にはまったのですが、同じ著者チームの別の本をすでに購入済みです(ニヤニヤ)。
ご声援ありがとうございました!
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