2009年11月09日
【tsudaる?】「Twitter社会論」津田大介
![]() |
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「tsudaる」なる言葉の発生源(?)にもなった、日本が誇る「Twitter使い」、津田大介さんの満を持してのTwitter本。タイトルに「社会論」とあるように、単なる「使いこなし法」や「ビジネスユースでの留意点」だけではなく、Twitterの「社会的な意義」にまで踏み込んでいる力作です。
また、巻末での勝間和代さんとのスペシャル対談、『つぶやく力』では、「勝間さんの「目立つ力」に収録すべきだったのでは?」というくらい、勝間さんがぶっちゃけまくり(マジで)。
色々な意味でかなりアツい1冊です!

【目次】
はじめに
第1章 ツイッターとは何か?
1 ツイッターで今、何が起きているのか?
2 ツイッターとは何か?
第2章 筆者のツイッター活用術
1 筆者のツイッター個人史
2 「tsudaる」技術
第3章 社会に広がるツイッター・インパクト
1 ツイッターとジャーナリズム
2 ツイッターと政治
3 ツイッターとビジネス
スペシャル対談 勝間和代×津田大介
つぶやく力――ツイッターの可能性を探る
おわりに
【ポイント】
■ツイッターの「リアルタイム検索」の価値例えば、何か話題となる新商品が発売されたときに、一刻も早くユーザーによる率直な感想や使い勝手などのレビューを探したい場合、もはやグーグルによりもツイッター検索の方が効率よく探せる。(中略)
ツイッター検索はリアルタイム性が高いため、実際に触ったばかりの感想が書かれることが多く、ユーザーの反応を見つけやすい。
■津田氏自身の「ツイッター5通りの活用法」
1つ目は「いまなにしてる?」に準じた日常報告。2つ目は時事ニュースやネットで話題になっていることに対する感想や解説。3つ目は日々生活している中で突如思いついた提案や教訓、冗談など。4つ目はツイッターを使ったイベントの中継、いわゆる「tsudaる」だ。そして5つ目は、自分の活動に関する告知だ。
■「tsudaる」技術、5つのポイント
1.配布資料はあらかじめ確認する
2.スライド上の数字やデータを見逃さない
3.オイシイ発言を見逃すなデータがスライドに映し出されたら、即座にその数値をテキストエディタなどにメモしておき、それがどんな数値であるか、登壇者から説明が加えられたときに、その言葉とともにつぶやく。配布された紙資料は、後日、その主催企業・団体のサイトで公開されることもあるが、スライド上の数値はほとんどが水もので、そこでしか開示されないものも多い。それだけに、数値が重要なものである場合、中継の意義も大きくなる。
4.「つまり」「要するに」を待て
5.文字数はとにかく節約極端に言えば、登壇者に3分間時間が与えられている場合、2分くらいはムダ話なのだ。大切なのは「つまり」「要するに」のあとのエッセンスの1分をきちんと要約することだ。
基本的に、「です・ます」調よりも「だ・である」調のほうが文字数は少ない。(中略)
外来語も基本的に文字数が多いので、可能であれば日本語に言い換えよう。例えば「エビデンス」なら「証拠」「根拠」と訳してしまったほうが、文字数は少なくて済む。
■ツイッターとメディアの関係
現在メディアが担っている「伝達機能」は、これから間違いなく多くの部分をツイッターに取って代わられる。しかし、これは既存メディアの役割や必然性が大幅に変わるという話ではない。投稿された真偽の不確かな1次情報――本書ではこれを「0.5次情報」と表現したい――に対して、どのような検証を行い、どう信頼性を担保して1次情報にするか。その過程で生じる「0.5→1」のプロセスが重要になってくるということだ。
■公的機関における災害時のツイッター活用
大地震などの緊急災害があるとその地域への携帯電話が輻輳を起こし、通話が不可能になる。しかし、現在の携帯電話ネットワークは緊急災害時用に通話とパケット通信を分けて制御しており、災害時でもパケット通信であれば使えるケースが多い。ツイッターで現地からの情報を発信し、それらをハッシュタグでまとめれば、内外の情報を共有しつつ行政としてその場に応じた災害対策がしやすくなる。
■ツイッターの活用を考えている企業へのアドバイス
ツイッターの活用を考えている企業に向けて最後に1つだけ単純なアドバイスをするとしたら、「会社内でもっとも『人間力』が高いユーザーをツイッター担当にしろ」ということになる。もっとも身も蓋もない話をすれば、「その会社内でもっともフォロワーを集めているツイッターユーザーを担当にしろ」でもOKだ。
◆スペシャル対談「つぶやく力」から
■津田流ツイッターの書き方
(津田) 僕はつぶやきが140字を超えた場合、とりあえず文字数を気にせず伝えたい要素を全部入れて書くんですね。そうすると大体200字くらいになるので、そこから伝えたい要素を減らさず1つのつぶやきに全部収められるよう編集している。
■ビジネスパーソンのツイッター活用術
(勝間) 私はツイッター万能論は避けたいと思っているんです。ネットのコミュニケーション能力を養うのはツイッターだけ使っていてもムリ!ツイッターの何が辛いって、津田さんや私のようなプロの物書きと同じタイムライン上で140字でやりあうこと。物を書いたり編集したりする習慣の人には、それは難しいですよ。ツイッターはあくまで現実の全局面のほんの一部。バリバリ使いこなしたいなら、むしろ、ブログをキチンと書けるようにするとか、オフ会に行ってもちゃんと話をするとか、いろんな方向からスマートなコミュニケーションのありかたを探るべきだと思いますね。
■ツイッターの「目からウロコ」の活用提案は?
(津田) 個人ユーザーレベルでも「これは思いつかなかった!」という目からウロコが落ちそうなアイデアにはまだお目にかかってないですよね。
(勝間) ただ、今ツイッターを使っているITに明るい人たちからは、おそらく新しい発想は出てこないですよ。はっきり言って私や津田さんのツイッターの使い方は「IT人間」の域を越えていませんから。
【感想】
◆折角津田さんが、「ツイッターとは何ぞや」的な深い話を展開されていたのに、付箋を貼るのは「活用法」とかが中心のワタクシ。当ブログの性質から言うと、たとえツイッターであれ、それは「目的」ではなく、何かしらの「手段」として捉えてしまうからなんですが。
人によってはそれが「コミュニケーション」かもしれませんし、あるいは「情報収集」かもしれません。
元々はブログが活動拠点だったものを、ツイッターに移したというケースもあると思います。
◆そういう意味では、最後に収録された勝間和代さんとの対談は、非常に興味深い仕上がりに。
冒頭でも書いたように、勝間さんが「ぶっちゃける」というか、「これからツイッターを始めたい」という方の出鼻をくじいて下さって(?)ますw(詳細は本書を)。
例えば、「ツイッターでログを残す」という利点は認めながらも
とバッサリ。証券マン時代だったころにやっていたかな?と考えると、やってない気もするんですよ。仕事が忙しいからって
他にも「TweetDeck」活用のくだりですとか、「身も蓋もない」お言葉にちょっと眩暈が。
・・・悲しいけれど、これがツイッターなのよね。
◆とはいえ、「(´・ω・`)ショボーン」となりそうなビジネスパーソンににお勧めしたいのが、津田さんお得意の「ツイッター中継」、通称「tsudaる」。
本書では、実際に津田さんが「tsudaる」ことによって、ご自身がどう変わったかについて言及されていて、大変興味深いです。
利点を列挙すると
●論点や議論のフレームを理解する力が増す
●その場その場での瞬間的判断力や決断力、瞬発力、集中力が身に付く
●簡潔で要を得た議事録がスムーズに作れるようになる
等々。
なるほど、確かに!下手なハウツー・ビジネス本などを読むよりも、自分が興味あるイベントのツイッター中継をやってみた方が、トータルのビジネススキルは上がるのではないかと筆者は思っている。
◆実際、私も津田さんのツイッター上での発言をよく見ているのですが、簡潔でよくまとまっており、参考になります(ここ最近は本著のツイッター上での発言のリツイートが多いですがw)。
自分もブログを丸5年近く続けてきて、やはり「数稽古」も大切だな、と思うわけで。
そういう点ではツイッターも、一種の「稽古の場」。
たとえフォロワーが増えなくとも、「tsudaり」続ければ、何かが変わるハズ。
手始めに、「読んだ4!」なんていいかも。
津田さんは「モビルスーツ」と言われましたが、当ブログとしては「大リーグボール養成ギブス」のつもりでw
![]() | 津田 大介 ¥ 777 ![]() |
【関連記事】
【スゴ本】『「ツイッター」でビジネスが変わる』ジョエル・コム(著),小林啓倫(訳)(2009年11月07日)【Twitter】「Twitter マーケティング」を読みました!(2009年10月23日)
【鳩山総理も読んだ?】「ツイッター 140文字が世界を変える」コグレ マサト,いしたに まさき(2009年10月11日)
【Twitter】『仕事で使える!「Twitter」超入門』小川 浩(2009年09月29日)
【編集後記】
◆先日、おもわずつぶやいてしまった私のツイッターアカウント(bot)ですが、アレは単に、アカウントが作動しているかの確認を手動でしてみただけでございますので、期待しないで下さいwそれにしても、上記の関連記事を拾って気が付いたのですが、ツイッター本もここ1カ月ちょっとで5冊も紹介してしまいましたね・・・。
ニーズによって、読むべき本も多少変わってくると思いますので、検討される方は一応上記記事をご覧下さいマセ。

この記事のカテゴリー:「ITスキル」へ
「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
スポンサーリンク
この記事へのトラックバックURL
●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。