2009年11月07日
【スゴ本】『「ツイッター」でビジネスが変わる』ジョエル・コム(著),小林啓倫(訳)
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【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、最近連投しておりますTwitterネタのご本。以前、ディスカヴァー社長室のブログで干場社長がこの本の紹介をされているのを読んで、期待していたわけでして・・・。
わーい! 11月の新刊の第一便がついた! ●干場:ディスカヴァー社長室ブログ
なるほど確かに、戦術的な面が充実していて、類書とはひと味違いました。ツイッター先進国アメリカで、もっとも売れているツイッター本だけあって、フォロワーの増やし方、ソーシャルメディアとしてのツイッターの本質がシンプルかつ的確に書かれているのはもちろん、ビジネスへの生かし方がわかる!(中略)
そして、もちろん、ノウハウ満載。
さらに、そのノウハウは、企業だけでなく、個人にも共通することですので、個人ユーズから企業ユーズまで、ともかく、この1冊あれば、とりあえず、今の段階でのツイッターの知識とスキルは、完璧でしょう。
ツイッターに出遅れている方も、充分間に合う、丁寧な入門ガイドももちろん載ってます。
フォロワーを増やしたい人なら必読です!

【目次】
序章 ツイッターで何ができるのか?
シンプルすぎるがゆえに...
他のソーシャルメディアと組み合わせる
ビジネス上の大きなメリットを得る ほか
第1章 ソーシャルメディアによる情報革命
参加者がコンテンツを提供する
もはや人々の生活に浸透した
ソーシャルメディアはなぜ人気なのか ほか
第2章 ツイッターが成功した理由
ショートメッセージ放送局としての機能
世界中どこからでもフィードバック可能
24時間365日、いつでも専門家にアクセスできる
第3章 ツイッターの正しい始め方
ユーザー登録ページの入力は慎重に
知り合いがツイッターにいるか確認する
魅力的なプロフィールを作ろう ほか
第4章 フォロワーを増やす秘訣
量か質か----フォロワーの種類を選ぶ
質を追求する----どうやって専門家のネットワークを作るか
量を追求する----臨界点に達する7つの戦略 ほか
第5章 よいつぶやきを書くための基本ルール
ツイッターの会話エチケット
発言する前に他人を見る
どのように会話に参加すべきか ほか
第6章 ツイッターをビジネスに活用する
顧客とつながる3つの方法
ツイッターを社内コミュニケーションに使う
第7章 ツイッターでブランドを構築する
自社のブランドに結びつくような物語を作る
ページデザインでブランドを印象づける
人間味ある4種類のつぶやきで顧客との関係を築く ほか
おわりに
訳者あとがき──日本におけるツイッター最新事情
著名な日本人、日本企業・組織のツイッターアカウント一覧
【ポイント】
■1.ユーザー名は慎重に!◆Twitterの登録の際、最初の画面で入れるものの1つが「ユーザー名」。
これを安易に入れてはいけない!という忠告が。
え?「今さら」ですか?
確かにブログの登録の際には、アカウント名をちゃんと考えてやった記憶が(このブログは別ですがw)。ユーザー名は、単にログインに使うための単語ではない。ここで指定した文字が、アカウントのURLの一部になるのだ。つまりあなたが自分のアカウントを宣伝しようとした場合、必ず表に出てくる文字になる。
これはちょうど、ウェブサイトのドメイン名を選ぶようなものだろう。下手なユーザー名をつければ、後々のフォロワー数や評判にまで影響してしまう。
本書で選択肢とし挙げられているのは、実名や会社名、さらにはウェブサイトのドメイン名など。
また本書では言及されてませんでしたが、リツイートされることも考えれば、あまり長くない方が宜しいかと。
■2.自己紹介もよく考える
◆ブログやサイト等にもプロフィール欄はよくありますが、Twitterの場合「160字以内」という制限があります。
さらにTwitterをビジネスに活かそうとしたらさらに難しいわけで。
私が見た著名人の方の自己紹介も、そこまでタイトに考えられている感じはしませんでしたけどね。仕事上の自己紹介を書く場合はなおさらだろう。自分の中から他人に興味を持ってもらえるような部分を探し出し、プロフェッショナルに見えるように形を整えた上で、自慢やうぬぼれをしているような印象を与えないようにしなければならない。
◆その点、本書では有難いことに「フォーマットの例」が挙げられています。
具体的にはこんな感じになります。『「職業上の説明1」、「職業上の説明2」、「職業上の説明3」であり、趣味は「個人的な説明」』
日本語の場合、漢字を使えることもあり、英語より多くの情報が詰め込める(上記の写真家の例でも60字ほどに過ぎません)ものの、考え方として参考になりますね。「結婚式専門の写真家。肖像写真の専門家。クリエイティブなアーティストで、自分の子供たちが困っている瞬間を撮影するのが趣味」
なおまとめとしては、こう書かれてます。
なるほど、確かに。ツイッターの自己紹介を書く一つの方法は、あなた自身を160字で要約することである。これは私が採用しているアプローチであり、ごくシンプルな方法だ。
つぶやきとは違って、常時表示されるものですから、しっかり考えたいところです。
■3.自己紹介応用編
◆上記は通常の自己紹介ですが、もう1つのアプローチとして紹介されていたのが、自己紹介欄に「特定の仕事やプロジェクトについて書く」という方法。
ツイート自体は、その時その時のものなのですが、「その背景」を自己紹介欄に書いておく、というやり方です。
いわゆる「コンテキスト」みたいなモノですかね。
◆本書で具体例として挙げられていたのが、イギリスの喜劇俳優、スティーヴン・フライのTwitter。
フライは、BBCの番組で世界中を訪問し、絶滅の危機に瀕している動物たちのドキュメンタリーを撮影。
その際、「現在地」を訪問先にあわせて頻繁に更新し、「自己紹介欄」で彼が何のプロジェクトに取り組んでいるかを説明したのだとか。
実際、著者のジョエル・コム氏も本書を書いたのでそれを強調するような自己紹介に変更したそう。ツイッターに書き込まれるメッセージが、彼のブランドを売り込むためのものであるという点は変わらない。実際それは「彼がいま何をしているか」を説明していた(中略)。
しかし自己紹介欄にプロジェクトの説明があったおかげで、読者は彼のメッセージの背後にある文脈がわかり、フライを新しくフォローした人でもメッセージの内容を容易に理解することができたのである。さらにプロジェクトそのものに対するプロモーション効果も高かった。
この考え方は、使える人には使えるハズ。
■4.背景画像をカスタマイズする
◆Twitterの場合、自己紹介欄には字数制限がありますし、また、掲載できるサイトのURLは1つだけです。
そのために活用すべきなのが背景画像。
私が裏アカウントでフォローしている著名人の方も、皆が皆、背景画像を活用されているわけでもなさそうです。ツイッターの画面の両サイドには、空白のスペースがある。そこを空白のままにしておいたり、おかしな模様で埋めてしまったりという手はないだろう。この場所をプロモーション用に使ってしまえばよいのだ。
実際、この空間は貴重な土地であり、活用しないのはお金をテーブルの上に置き去りにすることに等しい。
◆その点、なるほどなー、と思ったのが、古くからのブログ仲間の琉海さん。

ご自分のテーマである、「ブログのアクセスアップ」の効果を訴求できる背景ですねw
一方、本書の著者のジョエル・コム氏の背景画像はこんな風。

左右のサイドに何を置いて、それがどういう意味を持っているか、等については、一応ネタバレ自重(見ればそれなりに分かるかと)。
なお、背景画像の具体的なカスタマイズ方法についても簡単に触れられていますので、ある程度スキルがある方なら、実践できると思われ。
■5.フォロワーのタイプを考える
◆まず、フォロワーは2つのタイプに分類できるのだそう。
そして、フォロワーを大集団にするか、限定された小集団に留めておくかは、自分が扱っているトピックが「どれほど幅広い層のアピールできるか」による、と。前者はコアとなるグループで、あなたが関連しているトピックに強い関心を抱いている人々。後者はその半分程度の関心を抱いている人々、さらに「興味を持ってくれたらラッキー」程度の人々である。
うーん、「ビジネス書」の場合だと、ある程度大きいんですかね?●スポーツや自動車など、そのトピックが非常にポピュラーなものであれば、フォロワーを大集団にしてもうまく活用することができるだろう。
●「ポロ」や「太陽光発電で走る電気自動車」など、ニッチなトピックの場合には、フォロワーは絞っておくことをお勧めする。
漫画とかに比べると、市場規模はずっと小さいと思いますが・・・。
ただ、土井英司さんが1000人、聖幸さんが1100人超なので、このくらいはマックス可能なのかも。
■6.良質なフォロワーを追求する
◆本書では3つのステップが挙げられており、タイトルだけは見出しで公開されているので、そちらを引用。
とにかく、手っ取り早いものはない、と思っていただいて間違いないですw1 専門家を見つける
2 友人になり、尊敬される
3 得られたもの以上のお返しをする
一番の王道(?)は、「そのトピック内での主要なツイッターユーザーにフォローしてもらう」こと。
今現在、ブログと違って検索エンジン経由で良質な読者が集まる、ということはないので、ある意味他人頼りの部分もあるのですが、その辺は何とか頑張るということで。彼にあなたが有名ツイッターユーザーの仲間入りを果たしたとしたら、自分のつぶやきを読んでもらうのがずっと簡単になったことに気づくだろう。その状態になれば、後は自分のメッセージが興味深くてためになり、読んでいて楽しいものであるように気をつけてさえいればよくなる。
■7.短期間で大勢のフォロワーを得るための7つの戦略
◆これまた目次の小見出しから引用。
このタイトルだけでだいたい分かるのではないでしょうか?1 すでに知り合いの人を探す
2 ブログで宣伝する
3 フォロワーに報酬を払う
4 専門知識を生かした回答をする
5 他のソーシャルメディアを活用する
6 ツイッターのアカウントをメールの署名に入れる
7 コンテストを開く
なお、3番目の「報酬を払う」というのは、実際にお金を渡すのではなく、例えば「フォローすると無料でレポートをあげる」というようなもの。
そっかー、先日の「なまけものエコバッグ」も、そういう風に使えばよかったのかー(←違うw)。
【感想】
◆最初の4つが、第3章の「ツイッターの正しい始め方」で、残りの3つが、第4章の「フォロワーを増やす秘訣」から。私のアサマシサが遺憾なく発揮された偏り具合ですねw
なお、第5章には「読まれるコンテンツ―7つのつぶやきパターン」というのがあり、そちらについては、干場社長の力の入ったエントリーをご覧アレ。
ツイッター、読まれるコンテンツ7つのパターン ●干場:ディスカヴァー社長室ブログ
◆正直、本書を読む前は、Twitterは「強者のメディア」だと思ってました。
始める時点で、「既に勝ち負けが決まってる」印象が強かったと言いますか。
例えば、今大量のフォロワーを集めている方の多くは、Twitterとは別に、有力なブログなりメルマガがあったり、本を出されていたり芸能活動等をされている方です。
多くのブロガー(含む私w)のように、全くの何もないところから、ブログを書き続けるだけで、ある程度知名度を得たようなことは難しいんじゃないか、と。
特に、Twitterの場合、上記でも触れたように検索エンジンで読者(フォロワー)が増えることも今現在、まずないですし。
◆しかし、本書を読んで希望が出てきましたよ!
訪問してくれた人をフォロワーにするための工夫というのが、「つぶやく内容以外にもある」ということに、本書を読んで初めて気が付きました(今さら?)。
ブログを真っ黒背景にしている私が言うのもナンですが、つぶやきが140字しかできない以上、「出来る限りの情報を他で与える」という戦略はアリだな、と。
また、少しでもリプライやリツイートしてもらいやすいアプローチというのも存在することを実感。
もちろん、一旦フォロワーになってもらっても、書く内容がダメなら離れていってしまうわけで、4章の終わりにもこうあります。
本章で解説してきたように、その時間を短縮する戦略はあるものの、一夜にして何千というフォロワーを手にした人はいない。そして次の5章でその基本ルールが明らかにされる、という訳です(上記の干場さんのエントリーを参照のこと)。
結局、ツイッター上で多くのフォロワーを得るというのは、よいメッセージを書き続けるということなのだ。
◆ちなみに私は、本書からマーケティングに関するヒントもいくつかもらいました。
例えば、第6章にあったのが「自分の電子ブックの販売サイトのキャッチコピーが効果的かどうか」を問うた事例。
自分のブログで言うなら、、「ホッテントリメーカー」で作った一昨日の記事のタイトルは、実は次の3つの中から選んだものでした。
■本場でも通じる『「やり残しゼロ!」の仕事術60』テクニック
■知っておきたい『「やり残しゼロ!」の仕事術60』活用法 改訂版
■「だるい」「疲れた」そんな人のための『「やり残しゼロ!」の仕事術60』
例えば、この中でどれがいいかを、Twitterでフォロワーに聞く、と言うんもアリかな、とかw←他力本願w
◆本書は冒頭にも書きましたように、類書に比べて戦術的な記載が多く、その手のノウハウ好きにはツボではないか、と。
私も、もしキチンとTwitterに取り組むのならば、本書を読んで変えてみたい部分は多々ありました!
・・・って、相変わらずの地蔵っぷりなんで、カスタマイズや投稿内容はもうちょっと考えますがw
「なかなかフォロワーが増えない」ですとか、「意中の人にフォローしてもらえない」、という方なら必読です!
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◆昨日のお買い物。![]() | 津田 大介 ¥ 777 |
またもやTwitterでございますw

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