2009年11月05日
知っておきたい『「やり残しゼロ!」の仕事術60』活用法 改訂版
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、結構久しぶりの仕事術のご本。本書はかわいらしい装丁(石間淳さん作w)とはうらはらに、現場で泥臭く積み重ねた(勝手に想像)中から出てきたであろうTIPSが詰まってます。
アマゾンの内容紹介から。
私のように残業しまくりな方なら読んで損はないかと。その日やろうと思っていた仕事を、きれいにさばくことができると、非常に晴れ晴れとした気持ちになるものです。一方、「やり残し」が積み重なるとストレスもたまり、日増しにパフォーマンスも落ちていきます。そこで本書は、「やり残し」を防止する「5つの原則」を具体的に紹介。仕事をスリム化しながら成果もバンバン出てしまう"今日すぐデキる"方法&アイディアが満載です。
今回は個人的にツボだったものを、ベタなものと目からウロコなのを織り交ぜて7つお届け!
そしてタイトルはお馴染みのホッテントリメーカー作でございます。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
part 1
"日々のピンチ"から解放される!
仕事がデキる人、5つの「やり残し防止法」
part 2
仕事を「スリム化」していこう
いつでも予定が"ギッシリ"を解消
part 3
ダンドリでは、この"先読み"が効いてくる
「手帳」「日報」をこうして活用
part 4
処理能力がグンと高まる"ムダゼロ!習慣"
大量の「業務&メール」を一気にさばく
part 5
この「報連相」で、毎日が快進撃!
悩む時間が激減し、リズムよく仕事がデキる
part 6
成果の出方が"ガラッ"と変わる
デキる人の"コミュニケーション術"
【ポイント】
■1.仕事の「やる・やらない」を判断する5つのステップ◆残業を減らすために効果があるのが「ムダをなくす」こと。
その判断のための「5つのステップ」が本書では掲載されているのですが、ここでは抜粋して3つほど。
●TO DOリストに記入する
●「やらなかったらどうなるか」を考える最も大切なポイントは、「発生したタスクはどんなに小さくても、必ずTO DOリストに記入する」です。
●「代替手段」を探す実際、読まれることのない報告書の作成、出ても出なくても変わらない会議など、やらなくても「何も起こらない」仕事は意外に多くあります。
ここで「何も起こらない」という答えが出たなら、ステップ(3)以降は必要ありません。ただ、やらなければいいだけです。
目的、理由がはっきりしたら、その目的を満たすために、「ほかに方法はないか」を考えます。ポイントは、ほかの方法が「"より良い方法"でなくても構わない」ということです。実はより良い方法を考え出そうとすると、思考が限定されてしまいます。
◆個人的には最後の「"より良い方法"でなくても構わない」というのが、「目からウロコ」でした。
とりあえず一旦アイデア出しをして、後からより良い方法を選択することも可能ですし、何かしらあった場合のリスクヘッジにもなるという。
今やっているルーチン作業も、代替手段を考えておこうと、フト思った次第。
■2.「日報」は朝書く
◆実は私自身は、日報を書く業務をしたことがないのですが、そんな私でも日報とは仕事が終わってから書くものだということは知ってました。
しかし上村さんは「朝書け」と。
その日何をやるのか朝の時点で決まってない人は別ですが、そうでない方には、確かにシミュレーションになりそうな。何も日報は業務終了時に書くものと決められているわけではありません。どうせ書くならまだ元気のある、「一日の始まり」に書きましょう。出社したらすぐ書くのです。
日報を朝、書いておくと、その日のイメージがありありとわいてきます。意識しなくてもシミュレーションできてしまうのです。
さらに朝、書くことで、スタートダッシュがきくようになります。
◆なお、日報を書く際のアドバイスとして「"やるべきこと"を書くのではなく、"なされるべきこと"を書く」というものもありました。
これは要は、「顧客目線」であるということ。
これは何も日報に限ったことではないので、私も意識したいと思います。「お客様に価値を提供するために、何がなされなければいけないか」「プロジェクトを成功させるために、今日、何がなされなければいけないか」を問いましょう。
自分を主語にせず、「なされなければならないことは何か」を自問することで、発想がまったく変わってきます。
■3.「TO DOリスト」は日付つきがベスト
◆上村さんは、バーチカルタイプとデイリータイプで手帳を2種類使い分けており、デイリータイプの手帳は、もっぱら「TO DOリスト用」として使用。
なぜならデイリータイプは、未来の日付のTO DO欄に書き込むことが可能だから。
現時点で既に、上村さんのような使い方をされている方も多いかもしれませんが、私は本書を読んで、初めて実際にやってみました(効果のほどはまたいずれ)。いつやるかを決めずに、ただTO DOリストに追加してしまうと、どんどんTO DOリストが膨れ上がってしまって、コントロールできなくなり、ストレス源になってしまいます。
そこで、その日中にできないものや、急ぎでないものは、「この日に思い出せばOK」という日を選んで、その日付のTO DOリストに書き込んでしまうのです。そうすれば、手帳が「リマインダー(備忘録)」として機能してくれることになります。
今までは、ポストイットにダーっとやることだけを上から書いて、終わったらそれを消しこんでいただけなので、目先の予定しか見えていなかったかも。
でも、これからは違いますよ!
■4.メールのタイトルには「結論」を書く
◆メールタイトルには、私も「用件」を書くことが多いのですが、本文を読んでもらうためのさらなる上級テクが、「結論を書いてしまう」こと。
具体例として挙げられているのが、「システム開発のプロジェクトで、ある機能にトラブルがあり、納期を遅らせてもらうとともに、関係部署に情報を伝えて欲しい」という状況の場合に出すメールのタイトル。タイトルには結論を書いてしまいましょう。
本文を読まなくても内容がわかるように、本文を要約したものにするのです。読み手は、必要があれば本文を読めばよいのです。
そこで推奨されるのは、このようなタイトル。こんなときに、「○○機能の状況について」のような悠長なメールタイトルでは相手のレスポンスは期待できません。「○○機能のトラブルについて」でも弱いでしょう。
確かにこれなら本文が読まれないことはないでしょうし、相手から連絡が来るでしょうね。「○○機能でトラブル発生。今後の対応について相談させてください」
「○○機能でトラブル発生。至急連絡ください」
これも、今後出すメールからは、私も意識してみるツモリです。
■5.メールを読むコツは「相手の要求にフォーカスすること」
◆上村さんの場合、1日に400〜500通のメールが来るのだとか。
それだけ来れば
というのもうなずけますw文章が簡潔でわかりやすい人もいれば、長々と書いていても何がいいたいのかよく分からない人もいます。
ならば大量のメールを処理するためにどうするか?
これは「なるほど」と思いましたね。ビジネス上のメールですから、相手には何らかの要求があるはずです。
・こちらに何らかのアクションをしてほしい
・確認して返信してほしい
・事実や情報を知っていてほしい
相手がいったい何をして欲しいのか、それを探すために読むと、メール本文のほとんどは不要なことがわかります。結論だけを探すので、メールを読むスピードが格段にアップします。
ただ、残念なことに、そうしなくてはいけないほど私の元にはメールが来ていないのと、おそらく「私のメールがいちばん長文w」なので、逆にこのポイントを私のメールを受信する皆様にお読み頂けたら、と思っております。
■6.報告はリアルタイム性がもっとも大切
◆「報連相」のうち「報告」については、「リアルタイム性が大切」だと本書では繰り返し述べられています。
上村さん曰く『事前なら「相談」、直前は「謝罪」、事後は「クレーム」』。なぜ、それほどまでにリアルタイム性にこだわるかというと、時間が経てば経つほど、打つ手が少なくなっていくからです。
どうも、この手の報告に限って、かえってギリギリに行われることが多いような気もするので、改めて留意しておきたいところです。1ヵ月前に報告しても、一週間前に報告しても、一日前に報告しても、「納期に間に合わない」という事態そのものは同じです。
しかし、残されている時間があればあるほど、打てる手が多くあるのです。
■7.会議開催"3つのポイント"
◆効果的な会議を運営するポイントとして挙げられていたのが、次の3つ。
(1)事前のアジェンダを配布する
(2)参加者を必要かつ、十分な人に限定する
(3)すぐに議事録を展開する
詳細については本書でご確認頂きたいのですが、この中では特に「アジェンダ」の配布が重要かな、と。
私が会社員だった、ン十年前wには、アジェンダを事前に配っていた会議なんぞなかったような・・・?アジェンダが事前に配布されているのと、されていないのとでは、会議の当日の進み具合が格段に違ってきます。アジェンダが用意されていると、道筋が見えるので議論がテンポよく進みます。議論にテンポが生まれると、発言の質が向上する効果があるのです。
また、議事録は、その場でPCカタカタやって作るケースもありますが、アジェンダに手書きでサクサク書いて、その場でスキャンしてプロジェクターで全員で確認なんてこともできるハズ。
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参考記事:【小型スキャナー】キヤノン「imageFORMULA DR-150」ブロガーミーティングに参加してきました(2009年10月29日)
【感想】
◆「ライフハック」や「仕事術」関係の本は、出るとどうしても手に取ってしまうワタクシ。結局、1冊に書いてあるやり方で、全てをフォローするわけにもいかないので、色々な本からちょこちょこつまみ食い(?)をしております。
本書の場合も、類書に書いてある内容(「メールチェックは時間を決めて行う」等)とそうでないものが混在しているのですが、使えるものをチョイスして、取り入れていけば良いと思われ。
◆例えば私は、「TO DOリストは日付づきで」というのを読んで、さっそくGoogleカレンダーの未来の日付にTO DOリストを記入してみました。
ご存知のように、Googleカレンダーは「日」「週」「月」と切り替えられるので、コレは結構イイかも、と思っていたら、こんなつぶやきが。
hoshibay(干場弓子):Twitter
いきなりダメ出し食らったwwwグーグルカレンダーでスケジュール管理するようになっていたが、エラーで見られない。やっぱだめだ、外に依存していては。これではいざというとき困る。やっぱり手帳だと反省。私は自社手帳のうち、小宮手帳にする。
◆それはさておき、さすが干場さん、さりげなく自社商品をアピールされるとはw
小宮 一慶 ¥ 1,575 |
なお、その小宮さんの新刊記念セミナーも、いよいよ来週に迫っております。
Discover - 11/12(木)小宮一慶氏『時間力養成』セミナー開催!!
今後はGoogleカレンダー一本でいこうと思ってましたが、アナログの手帳も考えるべきか・・・?
◆なお、本書に関して、著者の上村さんのブログの記事に、こんなことが書かれていました。
ちょっと長くなりますが引用します。
2回読んでください。『「やり残しゼロ!」の仕事術60』:★SEの残業しない仕事術★ブログ
この本には、
これまでの私が、
周りのデキる人たちから学んできた方法論とともに、
ソフトウェアエンジニアリングのエッセンス
もちりばめてあります。
ソフトウェアエンジニアリングとは、
スティーブ・マコネルの言葉を借りるならば、
「人が1ドルかかることを、10セントでやること」です。
つまり、
いかに効果的に、
仕事を前に倒すかの技術に他なりません。
ぜひ、2回読んでいただいて、
その日から、なにか1つを試しに実践してみてください。
空論は書いてありません。
すべて、実際に私が実践してきて、
効果があったものばかりです。
必ず、お役にたてるはずです。
◆実は、ここまで記事を書いてから、初めてこのブログを読んだ(サーセンw)のですが、「空論は書いてありません」というフレーズに思ったとおりという印象を受けました。
読めばアナタもきっとそう感じるハズ。
了解です!2回読みます!(マジ)
本当に実践したい人にお薦め!
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【時間畑】「LIVE HACKS! [ライブハックス!]」大橋悦夫(2008年05月
【編集後記】
◆相変わらずの家庭ネタで申し訳ないのですが、結局ムスメはインフルエンザに感染しておりました。今日は私が1日面倒をみることになり、また、私自身も感染する可能性もあります。
数年前インフルエンザで発熱した際には、頭が割れそうで、ブログどころの騒ぎではなかった記憶があるので、もし今回発熱したら、いきなり休載するか、140字程度の記事が投稿されるかもしれまん。
あらかじめご了承下さいマセ。
ご声援ありがとうございました!
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ブログ、毎日楽しみに拝見しております。
すばらしい書評をありがとうございます。
丁寧に読みこんでいただき、感動しました。
今後ともよろしくお願いいたします。
著者様直々のコメントありがとうございます。
ご本拝読して、実際にやってみております。
何となく成果も出ているヨカン(笑)!
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。