2009年10月23日
【Twitter】「Twitter マーケティング」を読みました!
インプレスジャパン
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【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、ますますブームが過熱しつつある、「Twitter」に関する本。本書は類書と比較すると、「ビジネス面」にフォーカスされているのが特徴と言えるかと。
アマゾンの内容紹介の一部を引用します。
確かにヒントが盛り沢山でしたよ!5つの章を通じて、さまざまなソーシャルメディアを活用したビジネスに携わってきた筆者たちが、それぞれの視点、立場から、最新の事例やノウハウを引きながら、理論として分析するだけでなく、現場の声などもふんだんに盛り込みつつ、ヒントの提供を試みている。
本書を通じて、ぜひともツイッターという新しいソーシャルメディアの価値をさらに深く理解し、ポテンシャルの高さや可能性を感じてもらえればと願う。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1章 ビジネスツールとしてのツイッター
ツイッターをビジネスに活用する前に
ツイッターはなぜ広まったのか
数値で見るツイッターの現状
ビジネスで活用できるツイッターの特性とリスク対策 ほか
第2章 販促メディアとしてのツイッター
いまのマーケティングの課題に応える「DRCA(ドルカ)モデル」
「Desire(気づく)」に向けての2つのアプローチ
「Recognition(分かる)」を促すニュース7つの要素
「Comparison(比べる)」ステップでは判断軸を提示すべし ほか
第3章 ツイッタービジネス活用レポート
6社それぞれのツイッター担当のやり方
事例1 朝日新聞社
事例2 ヤフー・ショッピング
事例3 NAVER(ネイバー) ほか
第4章 顧客コミュニケーションプラットフォームとしてのツイッター
顧客コミュニケーションツールとしてのツイッターの特性
ツイッターを活用した顧客コミュニケーションのパターン
「世界のベストブランド100」におけるツイッターアカウントの活用実態調査の実施
ベストブランドのツイッター活用状況 ほか
第5章 ビジネスに使える厳選ツイッターツール
APIを利用したツイッターを活用するためのツール群
顧客リレーション強化のためのアカウントを運用できる「CoTweet」
ツイッターアカウントの活用状況を調査できる「Twitter Analyzer」
ツイッターを使ってチーム内で情報共有を図れる「GroupTweet」 ほか
【ポイント】
■たくさんツイートしたい場合は、複数のアカウントを作る手もある⇒ちなみに、デル社は80個以上のアカウントを作っているそう投稿の数が少なすぎるのは何かと時間を見つけて努力するしかないが、たくさんの情報を投稿したい場合は、複数のアカウントに分けるのも手だ。商品のカテゴリーごとにアカウントを作ったり、部署ごとにアカウントを作ったりするケースやメディアでは編集部ごとにアカウントを持ったりする会社もあるようだ。
■調査・マーケティングでの活用法等
デル社は、ユーザーから寄せられたツイッター上での意見1万2000件以上を分析し、特に有効だと判断した350件を実践したそうだ。ユーザーの生の声を聞き、そしてそれを実践する。さらにそれをツイートすることでユーザーは自分の意見が企業にとって役に立ったという実感を得られるのではないだろうか。
■ツイートを印象にとどめてもらうために「有益な情報を教える"友だち"」を目指す
(2009年5月にアメリカで行われた調査によると)日本に比べると企業もかなり健闘している印象があるが、それでもやはり、友人のフォロー率が圧倒的で、ついで著名人をフォローする傾向も顕著である。(中略)
もしかすると若者たちは、著名人のアカウントもなかば友だち感覚でフォローしているのかもしれない。
つまり、友人のような近しいスタンスでの発言が、ツイッターというメディアにハマると想像されるのだが、企業による情報発信を成功させるためのカギも、実はこのあたりにあるのではないだろうか。「有益な情報を教えてくれる友だち」というポジションを目指すことが、大切なのではないかと思う。
■日常的にモノを売っている企業には向いている
ラグジュアリーブランドなどがツイッターを使って何をつぶやくか、というのは思いつかないんですよね。ニューモデルが出ましたといった情報はあると思うのですが、発信頻度はものすごく限定されてしまいます。
でも例えば八百屋さんとか魚屋さんとか日常的にモノを売っていて、今日はこれ、明日はあれ、みたいな小さな変化を見せやすい商売には向いていると思います。(デル株式会社・千歳氏)
■ブランドイメージがまだない中小企業向け
ツイッターは大企業には向いていないと思いますね。社内的なツイートの確認フローなどの制約があるだろうし、会社のイメージを気にしながらツイートする必要もあるでしょう。たぶんそういう制約の中で書き込んでも、面白いツイートは書けないと思います。
その点中小企業なら、ブランドイメージを気にする必要は大企業ほどありませんし、逆にツイッターを使うことによってブランドイメージを向上させることができるんじゃないでしょうか。(フジヤカメラ店・五十嵐氏)
■短い言葉を視覚的に見せる工夫
基本的にツイッターのツイートが表示されるスペースは小さいですよね。だから、いっぱいに書いてしまうと要点が伝わりにくくなってしまうと思うんです。
だから、僕はひと目見てパッと文字が飛び込んでくるようにするためいん、点や丸の替わりにスペースを使うんです。(フジヤカメラ店・野林氏)
■ツイッターを活用した顧客コミュニケーションのパターン
⇒詳細は本書を1)顧客対話型 顧客との双方向コミュニケーションを志向するタイプ
a.オープン交流型 オープンメッセージによる顧客対話を行う
b.マルチ交流型 フォローし合うことでオープン/クローズを組み合わせた対話を行う
c.積極コンタクト型 自ら自社関連のツイートをサーチし、能動的にコンタクトする
2)一斉配信型 フォローした顧客へ一方通行で情報配信するタイプ
3)無人配信型 BOTと呼ばれる自動配信プログラムによる情報配信を行うタイプ
a.自動配信型 フォローした顧客へコンピュータが定期的に情報配信する
b.自動応答型 顧客問い合わせに対してコンピュータが自動応答をする
■企業ごとの対応(抜粋)
●デル(@DellOutlet)
当初は情報配信型としてスタートしたが、顧客が対話を熱望していることに気づき方針を変更。現在では、全ツイートにおける個別顧客との対話率が44%(2009年8月実績より)となっており、実際のアウトレット情報は29%(21件)に過ぎない。
●ジェットブルーエアウェイズ(JetBlue)
オープン対話型の顧客交流が中心だが、最も特長的な点は、ツイッターチームが、フォローしているユーザーだけでなく一般ユーザーもすべて含め、ツイッターサーチで顧客のツイートをチェックしていることだ。目的は困っている顧客を探し出して助けること。
■一斉配信型の問題点
ツイッターはゆるいコミュニケーションが特徴なため、「@宛先」で指定しても必ずしも返答されるわけではないが、直接対話こそユーザーが企業アカウントに期待しているものだ。たとえば某大型製品アカウントには、ツイッターサーチで検索すると1日数十件のユーザーからの問い合わせがあるが、現段階ではそれらをすべて無視する形になっている。
【感想】
◆ここ最近、Twitterに関するご本を立て続けにご紹介してきました。それぞれの特徴を端的に述べるとするならば、『ツイッター 140文字が世界を変える』は、ほぼTwitter全般に関すること、『仕事で使える!「Twitter」超入門』は、タイトル通り、ややビジネス寄り、そして本書は、冒頭で申し上げたようにガチでビジネスユースといった感じでしょうか。
とにかく、『仕事で使える!「Twitter」超入門』が俎上に載せた、Twitterが「Twitterが仕事に使えるかどうか」という論点は飛び越えて、「いかにTwitterをビジネスで活用するか」という点にフォーカスされています。
それだけに、既に導入済みの会社は、自社の「方向性のチェック等」に使えますし、これからの会社なら、最初からある程度「Twitterの方針」を決めることができそう。
◆何せ、上記ポイントでも挙げた「ツイッターを活用した顧客コミュニケーションのパターン」を見れば、ビジネスユースのTwitterであっても、さまざまなパターンがあることが一目瞭然。
ただアカウントを取って、「〜なう」とつぶやいていればいい(そんな会社はないでしょうがw)わけじゃないことがよく分かります。
そもそも私なんて、初っ端の「複数アカウント」という時点で「目がウロコ」(←素人なんで)。
例えば、このブログにしたって、「文房具の情報」だけ知りたい人もいれば、「モテ本の情報」や「勉強本の情報」以外いらない、という人だっているハズ。
Twitterも、つぶやきすぎてブロックされるよりは、ジャンルごとアカウントを分けていった方が良さそうです。
◆また、第3章の日本企業におけるビジネス活用事例(6社)も読みどころの1つ。
一足先にTwitterを導入した企業の効果や気が付いたことといった「生の声」を聞くことができます。
朝日新聞社や、ヤフーショッピングといった大企業にまじって、上記でも登場した「フジヤカメラ」のような中堅が登場するのも興味深いところ。
そのフジヤカメラさん曰く、「Twitterは中小企業向け」とのことですから、今から始めても、面白ければメディアに取り上げられる可能性もあるかもしれません。
◆一方、第4章に収録された「ツイッターを活用した顧客コミュニケーションのパターン」では、海外企業のTwitterの活用パターンを分析。
タイプの違いによって、同じビジネスユースなのに「なぜフォロー数とフォロワー数の差が、極端にあったりほとんどなかったりするのか」といったことも、改めて納得しました。
例えば、ただ単に「商品情報等を機械的に配信」する企業もあれば、反対に、極端なコンタクト型(積極コンタクト型)であるジェットブルー社は、上記のように「困っている顧客を探し出す」ために、「社内から顧客との対話を確実に行える6人の社員が選抜され、横断的なタスクチームが作られている」のだそう。
Twitterでの対応は、一歩間違うと、先日の「auのオフィシャルアカウントのハッシュタグ事件」のように、Twitterユーザーのネガティブな反応を引き起こしてしまうわけですから、まさに場の空気を感じとるセンスが必要なのかもしれません。
◆そういう私は相変わらず、ブログ記事の配信通知としてしか、Twitterを使っていないわけでして。
本書のように沢山の事例が収録されていると、私にも向いているやり方があるような気がするものの、相変わらずの「つぶやき童貞」継続中。
まぁでも、顧問先が「Twitterやってみようかと思うんですけど」とか言い出したら、100年前から知ってるような顔をして、本書の内容を受け売りさせて頂きますぜw
現状におけるTwitterのビジネス活用本としてはピカイチですから!
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【鳩山総理も読んだ?】「ツイッター 140文字が世界を変える」コグレ マサト,いしたに まさき(2009年10月11日)【Twitter】『仕事で使える!「Twitter」超入門』小川 浩(2009年09月29日)
「クチコミの技術」コグレマサト,いしたにまさき(2007年03月28日)
【編集後記】
◆切込隊長の新刊が出ました。PHP研究所
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Twitter本とネットつながり(?)ということで、宜しければ。
ご声援ありがとうございました!
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ツッコミありがとうございます〜。
フフフ、大丈夫なんですよ。
もう1つ、購読用のアカウントがありますので、そちらを紹介します。
・・・ってか、そのアカウントも、配信用のアカウントも、本来のTwitterの使い方とは違うような(汗)?