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2009年10月09日

【アイデア満載】「企画のネタ帳」山口照美




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の土井英司さんのセミナーで、土井さんご自身から薦められたアイデア本。

著者の山口さんは、かつて「カラオケ内ボックスシアター」を考案し、ご主人とともに起業。

多くのマスコミから取材を受けた経験を活かして、PR代行&販促アドバイザーに業態変更したという、アイデアウーマンです。

そして本書の内容も、土井さんが薦められただけあって、かなり実践的

タイトル通り、企画でお悩みの方なら、読むべき1冊です。


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【目次】

まえがき 頭のカギの外し方

1 発想キーワード初級編―新商品の種

 「色」を変える
 「形」を変える
 「素材」を変える ほか

2 発想キーワード中級編―新サービスの種

 「面倒くさい」の解消
 「非日常」の演出
 「時間」を変える ほか

3 発想キーワード上級編―「魅せ方」の種

 「場所」を見つける
 「名前」を変える
 「キャッチコピー」をつける ほか

4 発想キーワード当てはめ編―「売り方」の種

 「○○セット」 
 「○○バイキング」
 「プレ○○」 ほか

5 発想キーワード言葉の力編―「言い回し」の種

 「語呂合わせ」 
 「専門用語」
 「方言」 ほか

6 「言葉の力」で育てる発想力

 思考を止めるな! 自問自答ワーク
 小説文に学ぶ・複眼視点なりきりワーク
 「枕草子」流・1キーワード情報収集ワーク ほか

キーワード一覧


【ポイント】

■「色」を変える

日本初の「黒い生理用ナプキン」が、2009年4月にP&Gから発売されました。黒い下着をつける若い女性に潜在ニーズがあったのです。


■「形」を変える

 例えば、ハート型のステーキ肉。バレンタインデーやダンナさまの誕生日にいかがでしょう。ポイントは、コロッケやハンバーグではなく「ステーキ肉」という点です。自宅で簡単に作れない。特別な日の贅沢な食べ物だから、高価格で売れる。


■「大きさ」を変える

 健康グッズ、それも全身運動ができるものは「小さく」すれば売れる。その究極の形が、「ながら運動グッズ」。歩数計や、はいて歩けば負荷がかかって筋トレになるガードルは、「置く場所いらず」です。


■「場所」を変える

 私の友人は「出張クイックマッサージ」をビジネスにしています。「有限会社クラびクラ」は、代表の宮原武さんが「身一つでできる商売」を探して突き当たったビジネスモデルでした。


■「場所」を見つける

 あなたがお店やネット上で、"思わず物を買わされてしまった"とき。必ず「場所」を振り返る習慣をつけてください。


■「名前」を変える

彼から、あるサービスの名前について相談を受けました。「マンション設計図書チェックサービス」。マンションがいい物件かどうか、プロが設計図書や図面をチェックして評価する。内容はわかるのですが、一般のユーザーに「設計図書」は耳慣れない言葉です。「マンションの通信簿」という名前はどうだろうと提案しました。マンションを評価することを「通信簿」にたとえたのです。


■「タイアップ」を利用する

 ある町に一軒の喫茶店がありました。ランチの客はそこそこ入りますが、ティータイムの目玉商品がない。(中略)
「そうだ、徒歩10分のところにケーキ屋がある」。そこでオーナーは、ケーキ屋に「1日1ホール、ウチの喫茶店専用のケーキを焼いて欲しい。毎日買い取るから」と依頼。1ホールから、8つのケーキ。「1日8組限定・オリジナルケーキセット」の誕生です。


■「○○セット」

 この手法を使っているのが、コンピレーション・アルバムやオムニバスと言われるCDです。あるテーマを立てて、それにぴったりの曲を集めたCDは、複数のアーチストのヒット曲がまとまっており、人気があります。


■「カスタム○○」

キッズ専門の写真スタジオでお宮参りの写真を撮る。何種類ものシチュエーションで、衣装を変えてどんどん撮ってくれる。撮影料はたったの3000円。こんなに親切にしてもらっていいのかしらと思ったら、現像代が恐ろしく高い。目の前に何枚も何枚も捨てがたい写真を並べられ、「一生に一度」と煽られる。


【感想】

◆実は本書をリアル書店で最初に見たとき、てっきり広告代理店にお勤めの男性の方が書かれた、いわゆる「代理店系アイデア本」かと思ったワタクシ。

確かに、代理店の方のアイデア本は、今まで良い本もたくさんありましたが、当ブログ的には今ひとつウケが良くないと言いますか。

そしてウケないとわかりつつも紹介して、「沈没する」ことの繰り返しw

まぁ、アイデア本が好きだから、ウケなくても良いんですけどね(イジイジ・・・)。


◆ところがこの本、クールな装丁とはうらはらに(?)、中身はものすごく「ベタ」

それもそのはず、著者の山口さんは代理店の方ではなく、いい意味で泥臭い、販促アドバイザーさんでした。

出てくる事例も、関与されたケースは身近なものが多く、地に足が着いたものばかり。

そういう点では、「実践的」と言えると思います。


◆上記でご紹介した以外にも、付箋は貼りまくっておりますが、引用していて思い出したことを何点か。

まずは『「形」を変える』のハート型。

以前、たまたま入ったカフェで出てきた紅茶がこんなティーカップに入っていました。



これなんか、中身を入れて、初めてハートが浮かび上がるなんてオシャレだし、プレゼントにいいかな、とか思った次第。

・・・それ以前に、「オトコ一人で、こんなカップで紅茶飲んだ漏れ涙目」でしたがw


◆また、「○○セット」で出てきたコンピレーション・アルバムは、ホント根強い人気ですよね。


・・・スイマセン、嘘つきました。

ホントはこっちですw←年齢的な意味で



◆ところで、色々書いてきといてアレなんですが、本書の一番の読みどころ(?)は、本書の終わりの方に出てくる、山口さんのお母さんのエピソードだったりします。

実は、山口さんが小学校3年のときに、お父さんが事業で失敗し、そこから経済的に苦しい日々を送られていたのですが、3歳下の山口さんの妹さんは、お家の経済事情に気づいていなかったそう。

なぜなら、山口さんのお母さんが、アイデアで乗り切る人だったから。

「我慢しなさい」というのではなく、日々の生活を楽しむ工夫の数々は、「目からウロコ」です。

特に、本当はお金がないのに、山口さん姉妹にはそれを伝えず、お母さんが始めた家庭内銀行「ほのぼの銀行」は、手書きの通帳の実物の画像も掲載されており、ちょっとウルっときました。

「カエルの子はカエル」じゃないですが、アイデアを生むDNAはちゃんと受け継がれたよう。


「机上の空論じゃないアイデア」がここにあります!

山口照美 ¥ 1,575


【関連記事】

【商品開発の天才?】「ヒットの神様」内田 耀一, コイケ ジュンコ(2009年06月30日)

【ネタ満載】『人にはちょっと教えたくない「儲け」のネタ帳』岩波貴士(2008年11月02日)

【アイデア】『「考え方」の考え方』指南役(2008年10月30日)

【アイデア思考法】『ビジネスマンのための「儲かる発想」』鳥井シンゴ(2008年02月27日)

「IDEA HACKS!」原尻淳一 ・小山龍介(著)(2006年07月29日)


【編集後記】

◆思わぬところから、こんなご本が。


新書なのに、アマゾン見る限り、300ページ超という力作。

これは要チェックですね!


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この記事へのコメント
               
smoothさん

おはようございます!こちらは土井さんのメルマガでお先に読了してしまいました(汗)。アイデア満載でなるほどねー!と感心することしきり。「ほのぼの銀行」は私も感動しましたよ〜。じゃ、さっそくウチも(笑)。

そしてハートのティーカップは思わず買ってしまいそうになりました・・・。
Posted by ニャロメ at 2009年10月09日 09:52
               
楽しみに拝読しています。
アイデアはいかに多軸展開できるかが鍵で、そんなときにこの本、ぴったりだと思いました。

このたび新ブログを始めました。ライブドアではないので、読者登録できず、smoothさんのブログはブックマークにリンクいたしました。
旧ブログは閉鎖したわけではないのですが、自分でも旧と読んでしまう時点でアウトかと・・。
今後は新ブログからときどきおじゃまいたします。
Posted by meg at 2009年10月09日 11:26
               
>ニャロメさん

もうお読みでしたか。
さすがです!
「ほのぼの銀行」、ステキですよね。
ウチも子ども達にやらせてみたい。

ハートのティーカップ、お客さんとかに出したら喜ばれそうでした。
私はカフェで「サラシモノ」状態でしたが(汗)。

>megさん

あら、アメブロが本家になっちゃったんですか〜。
ライブドアブロガーとしては残念です。
それにしても、アメブロでアクセスランキングの記事を書かれるとは豪気なw

そしてリンクありがとうございます。
こちらかも、頃合を見計らって・・・。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年10月10日 03:25