2009年09月08日
【意外な発見】40代の自分が「16歳の教科書2」を読んでみますた
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【はじめに】
◆今日お送りするのは、前作が40万部を突破したという「16歳の教科書」の第2弾。6人の講師陣の中に、サイゼリヤ創業者の正垣泰彦さんを見かけたのが読もうと思ったきっかけなわけですが。
以前、こんなエントリーがはてブ界隈で人気だったを、覚えている方もいらっしゃるかと。
サイゼリヤがすげーw:teruyastarはかく語りき
その他の講師陣のお話も含めて、得る点が多々ございましたので、ちょっと遅れ気味ですが今般ご紹介してみます。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
1時限目 綾戸智恵・奇跡のジャズシンガー 16歳の“ドア”を開けよう!―本当にスペシャルな存在になるために
2時限目 正垣泰彦・「サイゼリヤ」でフード産業に革命 学校で身につける「教養」ってナンだ!?―お金よりも大切な「仲間」を見つけよう
3時限目 西成活裕・「渋滞学」を提唱する研究者 「数学の力」は大統領にも勝る―凝り固まった「思考の渋滞」を解消しよう
4時限目 水野和敏・ミスター日産GT‐R シゴトも勉強も「恋愛」だ!―誰かのために生きることが、自分らしさにつながる
5時限目 李相日・新進気鋭の映画監督 平凡な自分をどう受けとめるか―映画も人生も「ひとり」では完成しない
6時限目 鏡リュウジ・カリスマ占星術研究家 「クールな科学」と「ウェットな占い」って?―自分を知り、他者を知るための占い講座
【ポイント】
●綾戸智恵さん(ジャズシンガー)■「好き」を仕事にするということ
◆綾戸さんの場合、ジャズシンガーとしてCDデビューしたのは40歳だそう。好きなことって、一生「好き」でいいのよ。せっかくめぐり合って好きになったんだから、一生「好き」を続けるべきなの。
わたしの場合でいうと、音楽でお金を稼げなくても、音楽のことは大好き。お金にならないから音楽をやめるなんて、考えたこともなかった。お仕事はお仕事として、少しでもたくさんのお金をもらえる仕事を探しつつ、好きな音楽も続けていった。そしてたまたま、40歳になって「好き」と「仕事」が一致した。それだけの話なの。
そこまでの経歴もすごいですが、実際にプロになったキッカケもすごいです。
まさに「好きを貫く」そのもの。
ただ、それが単なる回り道ではない、というお話も。
このブログも「読者さんあってのもの」なので、その感覚はよくわかります。もし、わたしが最初から音楽家になることだけをめざしてやっていたら、ただ「弾く」だけの人で終わっていたと思う。「私の音楽を聴いて!」ってね。
でも、わたしはたくさんの仕事をして、たくさんの経験をしてきたおかげで、お客さんの一人ひとりを見ながら「いま、この人はなにを求めているんだろう?」って考えられるようになった。お客さんの考えていることがわかるようになった。
おかげでわたしは、「最高の演奏をしよう!」と思ったことなんて一度もない。いつだって「最高に楽しんでもらおう!」なの。
私も、単純な記事のクオリティに注力したことはなく・・・って言うのは言い訳ですなw
●正垣泰彦さん(サイゼリヤ創業者)
■「一を聞いて十を知る」のではなく、「一の中に十を知る」
◆これは「一つのことを極めれば、十のことが見えてくる」というお話。
その結果サイゼリヤでは、専用の農場で収穫した畑の中で冷蔵庫に入れ、そのまま調理場から洗う水の温度まで4℃にしているそう。たとえば、理数系のアタマを持った人間は、「おいしい野菜」の条件を考えるとき、まずは成分から分析します。
すると、野菜の90パーセント以上は水分でできている。つまり、おいしい野菜の決め手は水で、ポイントは「いかにして水分を最適な状態に保つか」ということになる。逆にいうと、どんなに高級な品種でも、水がダメなら味もガタ落ちになってしまうんだ。
じゃあ、水にとって最適な状態とは、どんな状態なのか?
化学の授業で習ったかもしれないけど、水は4℃のときにもっとも密度が高くなる。これが理数系の立場から見た、水にとってベストな環境。つまり「最高の野菜」の答えは4℃という温度にあるんだ。
物凄い徹底ぶりです。
◆また、サイゼリヤでは、野菜のほかに、もう1つ力を注いでいるものがあって、それが「ライス」なのだとか。
なぜ「ライスなのか」。
また、白いごはんが「うまい!」と「おいしくない」の中間にある、という興味深いお話等々については、本書にて。
●西成活裕さん(学者「渋滞学」)
■合い言葉は「ダメだとわかって3ヵ月」
◆この考え方は、実は西成さんが高校時代からのものだそう。僕は負けず嫌いだし、あきらめることが嫌いです。
でも、もしも数学的に「不可能」と証明されたら、それ以上やっちゃいけない。数学的に証明されたものは絶対真理だから。
逆にいうと、数学的に不可能と証明されないかぎりは、とことん追求していかなきゃいけない。これも、僕が数学から学んだことですね。
非常に「耳イタイ」お話ですね。高校生のうちに答えを見る癖をつけると、大人になってもその悪癖が抜けません。
学校と違って、世の中すべての仕事には「模範解答」なんかありません。だけど学生時代の癖で、安易に答えを手に入れようとする。(中略)
そんなことでは、いつまでたっても自分の力にならない。誰かに教えてもらった答えなんて、なんとなく「わかった気分」になるだけで、その場かぎりで終わっちゃいます。5年、10年と使える力にはならないんです。
自分自身、ついつい「教えてクン」になる傾向があるので、反省しきり・・・。
なお、西成さんの専門である「渋滞学」についてもお話があるのですが、詳細はこちらの記事に詳しくございますので、ご参考まで。
参考記事:【渋滞学】『「渋滞」の先頭は何をしているのか?』西成活裕(2009年07月11日)
●水野和敏さん(日産GT-R開発責任者)
■アマチュアとプロの違い
◆上記の綾戸さんのコメントにも通じるお話でした。アマチュアとプロの違いってどこにあると思う?
僕の答えは簡単だよ。出発点が「自分のため」なのか「相手のため」なのかの違いさ。
たとえば草野球は自分の満足のためにやるもの。
でも、本物のプロ野球選手は、球場に来てくれるお客さんを満足させるために野球をやる。一般のお客さんが考えもしないようなプレーを、平然とした顔でやってのける。お客さんは興奮し、感動する。そんなお客さんの感動の中に、プロ野球選手としての「自分」が生まれる。
だから、みんなも本物のプロになってほしい。別に野球選手やミュージシャンにかぎった話じゃない。公務員でもお店の販売員でも営業マンでも、なんでもいいからその分野で本物とされるプロになってほしい。お客さんに感動を与えられるような存在になって、仕事を通じて「自分」を発見してほしい。
その後、続く話として、さらに上の「超一流」のプロについても。
水野さんご自身も、こういう体験があるとか。
テラスゴス!信じてもらえるかどうかは別にして、僕は新しいクルマをひらめいたとき、アタマの中でネジの1本まで見えるし、もうクルマが道を走っている。ただ、自分のアタマの中を他人に見せることはできないから、図面や数字で証明して、誰が見てもわかる形に整えて見せているだけでね。
結局は「努力」のレベルで終わらせずに、「鍛錬」のレベルまで持っていくことが必要なそうです。
●李相日さん(映画監督)
■疑う姿勢を失わない
◆あのヒット映画、「フラガール」の監督をなさった李さんでさえ、このように思ってたとはビックリです。僕は、脚本を書くときに、いつも「僕が思いついたアイデアなんて、じつは平凡なものなのかもしれない」と自分を疑います。
こんなアイデア、ひょっとしたら誰にでも思いつくレベルなのかもしれない。
自分ではおもしろいと思っているこの台詞も、全然おもしろくないのかもしれない。
このままの展開だと、みんな結末が読めちゃうかもしれない。
そうやって、思いついたアイデアや台詞をそのままにせず、もう1度ひねってみたり、別の角度から眺めたりという作業を何度もくり返すんです。自分がいいと思ったものを、あえて疑う。これは意識してやらないと、なかなかできないことです。
レベルはかなり違いますが、私も日々、記事を書きながら、「これでいいんじゃろか」と書き直しの連続。
特に、ブログの場合、アップして即、遅くても翌日までには、アクセス数やブクマ数での評価がでちゃいますから。
・・・数字は残酷ナリ。
●鏡リュウジさん(占星術研究家)
■心のモヤモヤをキープしよう
◆なるほど、これは言えますね。面倒くさいかもしれないけど、モヤモヤがあったほうが人生はおもしろい。
たとえば、きみが男の子だったとして、バレンタインデーの日に女の子からチョコレートを1枚ももらえなかったとします。そりゃあ、がっかりするかもしれない。
でも、ここで考えてほしいのは「なぜ、がっかりするのか?」ということ。
がっかりした理由は簡単です。それは「誰かからチョコレートをもらえる可能性があったから」。可能性があって、自分に期待をかけていたから、その期待と異なる結果が出たときにがっかりするんです。
・・・と、義理チョコ以外結婚してから1度ももらったことのない「がっかりしっぱなし」のsmoothが言ってみるテストw
もし、あなたが「どうせ僕にチョコレートをくれる女の子なんかいないんだ」とすっかり自分をあきらめていたら、がっかりすることもありません。がっかりするということ、悩みがあるということは、自分に可能性がある証拠なんです。
だから、悩んだり、がっかりしたり、心にモヤモヤがあったりするのは、自分の人生を好転させる大チャンスなんだと考えてください。
いちばんよくないのは、「どうせ僕は」とあきらめてしまうこと。希望や可能性を自分の手で捨ててしまうこと。
◆鏡さんの他のお話では、ご自身の本業である「占い」について、はっきりと「科学的ではない」と断言されているのがビックリでした。
また、俗に言う「疑似科学」についても否定的なスタンスであるところも意外だったり。←先入観!
「運」や「運命」といったものについても、深い考察がありますので、一度ご覧頂きたいパートですね。
【感想】
◆本書の設定自体が「16歳の高校生に講義をする」というもののため、非常に明快で分かりやすい内容でした。かといって、コンテンツのレベルが低いわけではなく、むしろ、こういう「シンプルな表現」で「深い内容を表す」、というのは、かえってクオリティが高いのような気も。
物事の本質を哲学的というか、複雑な表現で表す作品は見かけますが、本書のように意図的にわかりやすくする、というのは、ビジネス書のスタイルとしてもアリではないか、と。
講師陣も、生徒を子ども扱いしているのではなく、対等な相手として扱っているように感じました。
文中、生徒であることがあからさまに分かるような部分に手を加えれば、そのまま「大人向け」としても通用します・・・って40代の私は普通に読んでますが、何か??
◆そもそも、初っ端の綾戸さんのパートで、ガツンと来ましたよw
「好きなことを仕事にできないか」と悩む前に、好きなことだったら、何があっても続けちゃうよな、と思ったブログ5年目の私。
他にも、深いお話の連続で思わず脱帽しますた。
バラエティ等でたまに拝見してただけなので、単に面白いおばちゃんだとオモテたら大間違いでしたね。
この方、"魂"で動かれてらっしゃいますぜ。
◆そして、お目当てのサイゼリヤの正垣さんのお話も大変面白かったです。
正垣さんって、意外なことに、単独ではご本を出されていないような。
それなのに、なぜか当ブログでは、登場されている作品を2つとも記事にしてたんですがw
参考記事:【豪華!】「心に書きとめておきたい名経営者の至言」日経ベンチャー編(2008年08月16日)
参考記事:【藤田田流】「今だからこそ学びたい『藤田 田』の5つの思考法」(2009年08月17日)
◆今回ご紹介した部分を含め、本書では、その設定上、すぐに仕事に役立つスキル等は掲載されておりません。
それだけに、当ブログの読者さんに積極的にオススメしにくいのも事実。
ただし、本来であれば、若い頃から身に付けておきたかった習慣や考え方等、本質的なお話が多かったので、自己啓発書として読む分には、決して悪くはないかと。
今からでもまだ遅くはありません!
6人の特別講義プロジェクト, モーニング編集部 ¥ 880 |
【関連記事】
◆上記で記載している参考記事を再度載せておきます。【渋滞学】『「渋滞」の先頭は何をしているのか?』西成活裕(2009年07月11日)
【豪華!】「心に書きとめておきたい名経営者の至言」日経ベンチャー編(2008年08月16日)
【藤田田流】「今だからこそ学びたい『藤田 田』の5つの思考法」(2009年08月17日)
【編集後記】
◆アマゾンさんからDM来ました。奥野 宣之 ¥ 1,470 |
11日発売とのこと。「読まなくてはいけない本が多すぎて大変だ」
「いったい何をどう読めばいいのだろう」
本書はそんな「悩み」を抱える人たちに、情報源をあえて新書に絞る「逆張りインプット術」を提案し、新書を道具として活用する「新書ザッピング術」を指南する本です。
著者は、ベストセラーとなった『情報は1冊のノートにまとめなさい』を書き、新書オタクでもある奥野宣之氏。「情報の選択眼を養い、価値ある情報をインプットするには、新書を活用するのが一番」と説きます。
その方法をひと言で説明すると、「新書を3冊同時にまとめて購入し、会社帰りに喫茶店で3時間ほどかけて拾い読みし、メモをつくる」、たったこれだけです。
情報洪水の時代を生き抜くための道具として、本書をご活用ください。
こりは要チェックですな。
ご声援ありがとうございました!
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私もこちらの本読みました。綾戸さんの章だけでも迫力満点で、好きを追求することの底力を感じさせられましたねー。
そうそう、来週のカンブリア宮殿はサイゼリアの正垣泰彦さんですよっ!あと中村俊輔選手のノート本もぜひ読んでみてください☆お知らせまで。
どや!と言ってるイメージしか…w
いくつになっても学ぶ姿勢を忘れなければいくらでも吸収できると思うんです。
しかしながら、日記書くって改めて大変なんだなと。smooth師匠はすごいなぁ。
blogで紹介したアレを実践してるし、キャラなのかもしれないけど(笑)
私も綾戸さんのパートにはヤラレました。
かなりアツいですよね!
読んで良かったw
スンスケ氏のノートは、リアル書店でチェックしようとしたら、開けないようになってました(涙)。
献本待ちです(ウソw)
>マリンゾウさん
確かに日頃ビジネス書やビジネス雑誌に登場されない方のお話って、パラダイムシフトを起こしたりしますよね。
本書もなかなか面白かったです。
>とっしーさん
ブログに関しては、私の場合、費用対効果は無視してますのでw
明日の下書きも余裕で3時間半かかったデス(涙)。
もうダメポ・・・。