2009年08月09日
【記憶&記録】「仕事脳を強化する記憶HACKS(ハック)」佐々木正悟
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、当ブログではお馴染みの佐々木正悟さんの最新作。「整理HACKS!」や「仕事するのにオフィスはいらない」といった、「ITツールを活用した仕事術」の本が人気を博している今、この本も見逃せません。
アマゾンの内容紹介から。
もはや、「記憶」という行為も「ITスキル」も含めて考える時代なんですね。IT化時代のビジネスパーソンにとって、「記憶力」は他のいかなる時代と比較しても、重要な能力になりました。現代の「記憶力」とは、“人間の脳力をフォロー”するITツールを使いこなす技術を意味します。これまでの単純な「暗記力」に代わり、現代人に求められているのは、記憶力というものの本質を理解し、最先端技術の力を借りて、まったく新しいレベルの「記憶力」を操ることです。本書では、タスク管理、スケジュール管理、英語をはじめとする学習記憶の効率的な高め方、アイデア発想、さらには大量の情報をマネジメントすることまで、ITツールを活用した「記憶力」の用い方を、網羅的に紹介します。

【目次】
序章●ITツールが記憶をサポートする
記憶の天才もタスクリストを使う
脳をトレーニングする必要はない
インターネット時代の記憶術
第1章●絶対に忘れないタスク管理
なぜタスクを忘れるのか?
携帯電話がタスクをアラートする
携帯電話でタスクリストを管理する ほか
第2章●スケジュールをIT記憶で管理する
成果を上げるためのスケジュール管理
GoogleカレンダーとGmailでスケジュールを管理する
アウトルックでスケジュールとタスク・メールを一元管理する ほか
第3章●「いつかやる」を「必ずやる」に変える記憶力
「いつかやること」をやり遂げるために
ソフトウェアでアイデアを完璧に分類する
メールで「今週の目標」を受け取る ほか
第4章●学習記憶を高めるITツール
ITで学習効果は飛躍的に上がる
インターネットの最新学習サイトで学ぶ
オンライン辞書を使う ほか
第5章●記憶をノイズにしないテクニック
大量の情報を有効活用する
ブラウザのブックマークを整理する
有効な情報だけスクラップする ほか
第6章●アイデアは記憶から生まれる
アイデアと記憶の関係
ブログのタイトルを考える
アイデア発想のためのユビキタスキャプチャ ほか
【所感など】
◆実は最初にタイトルを見たときは、「心理学ジャーナリスト」という肩書きをお持ちの佐々木さんの本だけに、てっきり「心理学的」に「記憶」を掘り下げる本だと思いました。つまり、「暗記本」の流れなんじゃないかと、「勉強本」ヲタクの私は思ったワケです。
しかし本書は、実際には「勉強」ではなく、むしろ「仕事術」の本です。
日常の生活における「タスク」「予定」「アイデア」「メモ」といったものを、どう記録し、どう想起し、どう活用するのか。
人それぞれによって、おかれた環境や仕事内容や、目的とするところが違う以上、万人にとって「ベスト」というものはありません。
◆本書は「Webサービス」ごとに、前提となる「有効なワークスタイル」と「メリット」を列挙。
特にこの「有効なワークスタイル」というのがミソで、今まで新しいWebサービスが紹介されて、喜び勇んでダウンロードしてから、「自分のワークスタイルじゃ意味がない」ことに気づくような人(って、私だけ?)には有り難い限り。
例えば今般初めて知った「Femo」というWebサービスの解説部分にはこうあります。
「画面の広さ」なんてのは、使ってからでないとわかりません罠。Femoが有効なワークスタイル
・常にインターネットで仕事をしている
・利用しているPCの画面に一定の広さがある
●Femo
◆他にも知らなかったサービスの中から2つほど。
どちらも、結構スゴイです。
・・・私が使いこなせるかどうかは別としてw
●Toodledo
●diigoToodledoは多機能なタスク管理ツールです。多面的にタスクを位置づけられるところなどは、OmniFocusと似ています。
それぞれの詳細については、本書でご確認を。diigoの新しい点は、ひとことで言うと、マーカー型のブックマークだというところです。ウェブページ上に気になるところがあれば、マーカーを引くようにそこを反転させることで、「ブックマーク」することができ、それをほかの人とも共有することができるのです。
◆また、私も知ってはいましたが使いこなせていなかったのが、「FriendFeed」。
というワケで、本書で公開されている、佐々木さん自身のFriendFeedがコレ。このサービスは、利用している人のあらゆるネット上の活動を、リアルタイムに追記していってくれます。したがって、特定のブログやTwitterからの発言をすべて追うような手間をかけずとも、知りたい人を「友達」として選択してからリストに加えれば、あとはその人の全活動報告が、リアルタイムで把握できるというわけです。
そういえば勝間さんも始めた、って言われてたなと思って検索かけたらありました。
対象となる相手の行動や発言を一元管理できるという意味では編集者さんは使いこなした方が良さげw
◆もちろん、本書は単なる「Webサービスの紹介」に終わっているわけではありません。
それぞれのサービスが私たちの「記憶」とどう関わっているかについても言及。
例えば、上記の「Femo」の「位置づけ」について、佐々木さんはこう言われています。
ちなみに巻末の参考文献も、「記憶」に関する本がずらりと揃ってますし、ぬかりはなさげ。「予定」でも「タスク」でもない「メモ」は、本来「展望的記憶」を補助・強化するためのものであるにもかかわらず、その目的を果たしていません。
メモをとるのは、将来のためです。未来に何かを思い出すために、メモをとるはずです。それを、どれほど未来になっても一度も見返さないのであれば、事実上、無駄になってしまいます。
Femoはこれを防ぐ目的を果たす、画期的なツールなのです。
「意図」を持ってITツールを活用したい方にオススメ!
【関連記事】
【脳科学】「最新脳科学で読み解く 脳のしくみ」サンドラ・アーモット,サム・ワン(2009年05月02日)【iKnow!の秘密】「最強の記憶術 暗記のパワーが世界を変える」(2008年12月12日)
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【脳】「Mind パフォーマンス Hacks」Ron Hale-Evans(2007年09月08日)
「記憶脳革命」スコット・ハグウッド(2007年05月18日)
【編集後記】
◆昨夜は家族で東京湾大華火祭を観てきました。近所の「豊海運動公園会場」に5時半頃行ったところ、既に「ほとんど見えない場所」しか空いておらず。
基本は音だけで、たまに大型のが打ちあがると下記画像のように半分くらい見えるといった感じ(見にくくてスイマセン)。

ら、来年こそは!

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ありありです。
私もすぐ飛びついて、十分使いこなさないうちに手が離れて、いつしか登録したユーザー名やパスワードを忘れがち。。。
コメントありがとうございます。
あら、きなこもちさんもそんな感じでしたか(汗)?
私もホッテントリとかで見かけて速攻登録したまま、どんなIDで登録したのか記録してないサービスがいくつもあります(涙)。
そか!そういう時こそ、本書を参考にして、「外部に記憶」させればいいのか(笑)!